私の音楽ライブラリー⑩。
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 A Yiddishe Mame. My Jewish Mother.
 この曲を初めて聴いたとき(下の-01と同じもの)、日本の「赤い靴」という童謡か唱歌と似ていると思った。全体ではなく、「赤い靴はいてた」(「ラシドレミ/ミファレミ」)とほとんど同じ旋律が冒頭にあり、やや離れて、「異人さんに連れられて行っちゃった」(「ララファファミミレファ/ミファミラ」)に似た旋律も出てくるからだ。
 ドイツ・イタリア・フランスといった「西洋音楽」の(たぶん)中心地域ではなく、東欧、トルコ、イランあたりの民衆音楽の方が日本のものに似ていると小泉文夫が書いているのを最近に読んだ。イスラエル、または「ユダヤ人」の音楽も元々、日本の音楽、または日本人の「音楽感性」と類似性がより多くあるのではないか。
 下の0203に歌詞の英語が、両者で全く同じではないが、字幕で出ている。02に従うと、大まかには日本語では以下のように歌っていることになるだろう。なお、下の各曲の原題は正確には同一でないが、Yiddishe Mame に統一した。日本語では「私のユダヤの母さん」がいいかもしれない。 
 「あなたがたに、私は尋ねたい。
  答えられる者は、私に伝えてくれ。
  何と貴重な宝物を、神は我々みんなに授けているのか?
  このために、金銭を払いはしない。ただで頂くことができる。
  しかし、失ったとき、どれほど多くの涙が流されるのか。
  代わりになる者は、誰にもいない。どれほど嘆き悲しもうとも。
  ああ、失った者は誰でも、私の言いたいことが分かるだろう。
  ユダヤの母さん。世界にこれほど素晴らしいものはない。
  ユダヤの母さん。ああ、母さんがいなくなったときほど、辛いときはない。
  母さんがいる家は、なんと美しく、輝いているのか。
  神がつぎの世界に母さんを連れて行くときは、なんと暗くて陰鬱なことか。
  母さんは、子どものために、水と炎の中を通り抜けるのだろう。
  最大の罪悪はきっと、母さんを愛おしく抱擁しないことだ。
  神が下さるあんな美しい贈り物を持つ者は、なんと幸せで豊かなことか。
  愛おしい、老いたユダヤの母さん! 母さん、母さん、母さん。…。」
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 034-01 →I. Perlman, Yiddishe Mame. 〔IonutCucuViolin〕

 034-02 →Cantor Helfgot, I. Perlman, Yiddishe Mame 〔JewishLife〕

 034-03 →Cantor Azi Schwartz, Yiddishe Mame. 〔Azi Schwartz〕

 034-04 →Neil Sedaka , Yiddishe Mame. 〔Chabad Telethon〕

 034-05 →Sirba Octet, Yiddishe Mame. 〔Sirba Octet〕

 034-06 →Marion Rung, Yiddishe Mame. 〔Juha Lindfors〕
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