松岡前農水相自殺の翌朝の朝日新聞には、<安倍政権に打撃>という文字が一面中央下あたりにしっかりと刻まれていた。それも含めて、この事件が、<安倍政権に打撃になってほしい>という気持ちがありありと感じられる紙面の作り方だった。読売・産経を読んだあとだったので、新聞によってこうも違うのかと、改めて感じ入った記憶がある。
 久間防衛相辞任後の朝日新聞7/04朝刊の一面右上見出しは「参院選 首相に打撃」で前農水相自殺の際の<安倍政権に打撃>よりも大きいフォントだ。かつ今度は<安倍政権>ではなく、ずばり「首相」になっている。安倍首相にとっての打撃になれ、なってほしいとの気分が溢れ出ている。二面も同じで、大きく「身内かばい政権危機」とある他、「甘い認識対応後手」「「反転攻勢」狙った矢先」とタタミかけている(いささか品が悪いほどだ)。
 批判的な指摘もあった産経・読売と比べても、明らかに紙面作り、その結果としての紙面から生じる印象・雰囲気が異なる。
 朝日新聞は自民党の大幅減は必至と予想し、何とか安倍首相の退陣にもっていきたい、と考えている、と容易に想像がつく。そうなるまでの自民党の大敗北を期待し、かつ世論を誘導しようとしているのだ。
 安倍首相と朝日新聞はふつうの政治家・マスコミの関係とは異なる。安倍首相に関係すると、報道機関性など忘れた露骨な政治団体と化すのが朝日新聞だ。
 定期購読していないのでただちには気づかないだろうが、朝日新聞は、今後ますます、安倍首相率いる自民党大敗北に寄与する記事を書き、紙面を作るだろう。明瞭な捏造・虚報記事は発しないかもしれないが、これまでのいきさつ・事件も含めて、安倍首相攻撃は止むことがないだろう。
 <地球貢献国家へ>などと寝ぼけたことを言い、7/04の社説では1945年9月の同紙上の鳩山一郎の原爆投下批判により「占領軍により発行停止になった」と自慢げに書きつつ、その後は占領軍にべったりの迎合記事しか書けなかったことには一言も触れていない。さらに、主権回復後に<米国は原爆投下を謝罪せよ>との旨の社説を掲載したことは一度もない筈であるにもかかわらず、「原爆投下が誤りであり、原爆の被害が悲惨なことを、日本から粘り強く発信し、米国に伝えていく」などと、「粘り強く発信」という独特の朝日用語も用いつつ、<偽善者>的に主張している。
 政界の、そして参院選の最も大きな対立・争点は、やはり、あくまでも親共産主義か親自由主義かにある。朝日新聞は親共産主義陣営に入る代表的なマスコミだ。
 この対立点さえ忘れられていなければ、選挙結果が日本を悪い方向には向かわせないだろう、と信じる。
 左翼又は<進歩的・良心的>リベラル対安倍首相が代表だとする<強権的><国家主義的>右翼の対立では、ない。
 前者を支持して投票行動をとろうと思っている人々は、無意識に、意図せずにであれ、共産主義者(中国・北朝鮮を含む)に手を貸すことになることを知るべきだ。
 むろん、日本国憲法が有効かどうかなどいう<法学上の神学的議論>は些細な争点ですらない。