秋月瑛二の「自由」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

自衛官

1165/2013.03.17安倍晋三内閣総理大臣・防衛大学校卒業式訓示。

資料・史料
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 安倍晋三内閣総理大臣・防衛大学校卒業式訓示
           2013年03月17日

 本日、伝統ある防衛大学校の卒業式にあたり、これからのわが国の防衛を担うことになる諸君に、心からお祝いを申し上げます。卒業、おめでとう。諸君の規律正しく、りりしい雄姿に接し、自衛隊の最高指揮官として、心強く、頼もしく思います。

 また、学生の教育に尽力されてこられた、国分良成大学校長をはじめとする教職員の方々に敬意を表します。日ごろから防衛大学校にご理解とご協力をいただいているご来賓、ご家族の皆様には、心より感謝申し上げます。

 本日は卒業生諸君が、ここ防衛大学校から巣立ち、新たな任務に就く良い機会ですので、内閣総理大臣、そして、自衛隊の最高指揮官として、一言申し上げさせていただきます。

 4年前の1月15日、ニューヨークを飛び立った旅客機が、離陸直後のエンジン停止という最悪の事態に直面し、ハドソン川に緊急着水しました。当時、「ハドソン川の奇跡」とも呼ばれたこのニュースを覚えている人も多いと思います。

 最後まで機内に残り、乗客・乗員155人全員の命を守りきったサレンバーガー機長は、高まる称賛の声に対して、このように語ったそうです。

 「私たちは日ごろの訓練通りに行動しただけだ」

 そこには功名心はありません。あるのは、ただ、乗客・乗員を断固として守りぬくという、機長としての使命感と責任感です。かつて空軍のパイロットでもあったサレンバーガー機長は、こうも語っています。

 「すべての人生は、このときに備えるためにあったように思う」

 「ハドソン川の奇跡」は、「偶然」の結果ではありません。サレンバーガー機長の、強い使命感と責任感に裏打ちされた、努力と訓練の積み重ねがもたらした「必然」の結果であったと思います。

 一生に一度あるかないかの「そのとき」に、完璧に任務を全うする。これは並大抵のことではありません。しかし、これから幹部自衛官となる諸君には、その心構えを常に持って、鍛錬を積み重ねてほしいと思います。

 何よりも、「そのとき」が訪れないようにすることが、日本にとって最善であることは言うまでもありません。しかし、万が一の「そのとき」には、国民の生命と財産、わが国の領土、領海、領空を断固として守りぬく。その責任感を胸に刻み、諸君には、いかなる厳しい訓練や任務にも、耐えていってもらいたいと思います。

 日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しています。諸君が防衛大学校の門をたたいた4年前とは異なり、わが国の領土、領海、領空に対する挑発が続いています。諸君が、これから臨む現場で起きていることは、冷厳な「現実」であり、「今、そこにある危機」であります。

 今、この瞬間も、諸君の先輩方は、荒波を恐れず、乱気流を乗り越え、泥にまみれながらも、極度の緊張感に耐え、強い誇りを持って、任務を立派に果たしています。

 私はその先頭に立って、国民の生命、財産、わが国の領土、領海、領空を守りぬく決意であります。11年ぶりに防衛関係費を増加します。今後、防衛大綱を見直し、南西地域を含め、自衛隊の対応能力の向上を進めます。

 先般のオバマ大統領との会談により、緊密な日米同盟も完全に復活しました。そのうえで、日米安保体制のもとでの抑止力を高めるためにも、わが国は諸君とともに、さらなる役割を果たしていかねばなりません。

 私と日本国民は、常に諸君とともにあります。その自信と誇りを胸に、諸君には、それぞれの現場で活躍してもらいたいと思います。

 この場には、カンボジア、インドネシア、モンゴル、大韓民国、タイ、そしてベトナムからの留学生諸君もいます。諸君は、国の守りを担う、それぞれの母国の宝であることは間違いありません。

 同時に、わが国にとっても諸君の母国とわが国とをつなぐ、大切な友情の架け橋であります。ぜひとも、ここでの学びの日々で育まれた深い絆を、今後とも発展させてほしいと思います。そして、愛する母国に戻り、それぞれの現場で大いに活躍されることを、心より祈念します。

 今日、この場所から、それぞれの現場に踏み出す諸君に、最後に、この言葉を贈りたいと思います。

 「批評するだけの人間に価値はありません」

 「真に称賛しなければならないのは、泥と汗と血で顔を汚し、実際に現場に立つ者です。勇敢に努力する者であり、努力の結果としての過ちや、至らなさをも持ち合わせた者です」

 米西戦争において、自ら募った義勇兵を率いて、祖国のため戦場に飛び込んでいった経験もあるセオドア・ルーズベルト元米国大統領は、こう語りました。

 卒業生諸君。諸君には、それぞれの現場で、自信と誇りを持って、全力を尽くしてほしいと願います。諸君は、国民と国家を守るという、崇高な現場での任務に、ひたすら没頭してください。

 ご家族の皆さん、大切なお子さまを、現場に送り出してくださることに、最高指揮官として感謝の念で一杯です。お預かりする以上、しっかりと任務が遂行できるよう万全を期し、皆さんが誇れるような自衛官に育てあげることをお約束いたします。

 最後となりましたが、日ごろから防衛大学校にご理解とご支援をいただいているご来賓の方々に感謝申し上げるとともに、本日、栄えある門出に際し、諸君に幸多からんことを祈念し、私の訓示といたします。
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0783/資料・史料-2008.11.01「田母神論文」朝日新聞社説。

 資料・史料-2008.11.01「田母神論文」朝日新聞社説

 平成20年11月1日
//朝日新聞社説
 「空幕長更迭―ぞっとする自衛官の暴走
 こんなゆがんだ考えの持ち主が、こともあろうに自衛隊組織のトップにいたとは。驚き、あきれ、そして心胆が寒くなるような事件である。
 田母神(たもがみ)俊雄・航空幕僚長が日本の植民地支配や侵略行為を正当化し、旧軍を美化する趣旨の論文を書き、民間企業の懸賞に応募していた。
 論文はこんな内容だ。
 「我が国は蒋介石により日中戦争に引きずり込まれた被害者」「我が国は極めて穏当な植民地統治をした」「日本はルーズベルト(米大統領)の仕掛けた罠(わな)にはまり、真珠湾攻撃を決行した」「我が国が侵略国家だったというのはまさに濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)である」――。
 一部の右派言論人らが好んで使う、実証的データの乏しい歴史解釈や身勝手な主張がこれでもかと並ぶ。
 空幕長は5万人の航空自衛隊のトップである。陸上、海上の幕僚長とともに制服の自衛官を統括し、防衛相を補佐する。軍事専門家としての能力はむろんのこと、高い人格や識見、バランスのとれた判断力が求められる。
 その立場で懸賞論文に応募すること自体、職務に対する自覚の欠如を物語っているが、田母神氏の奇矯な言動は今回に限ったことではない。
 4月には航空自衛隊のイラクでの輸送活動を違憲だとした名古屋高裁の判決について「そんなの関係ねえ」と記者会見でちゃかして問題になった。自衛隊の部隊や教育組織での発言で、田母神氏の歴史認識などが偏っていることは以前から知られていた。
 防衛省内では要注意人物だと広く認識されていたのだ。なのに歴代の防衛首脳は田母神氏の言動を放置し、トップにまで上り詰めさせた。その人物が政府の基本方針を堂々と無視して振る舞い、それをだれも止められない。
 これはもう「文民統制」の危機というべきだ。浜田防衛相は田母神氏を更迭したが、この過ちの重大さはそれですまされるものではない。
 制服組の人事については、政治家や内局の背広組幹部も関与しないのが慣習だった。この仕組みを抜本的に改めない限り、組織の健全さは保てないことを、今回の事件ははっきり示している。防衛大学校での教育や幹部養成課程なども見直す必要がある。
 国際関係への影響も深刻だ。自衛隊には、中国や韓国など近隣国が神経をとがらせてきた。長年の努力で少しずつ信頼を積み重ねてきたのに、その成果が大きく損なわれかねない。米国も開いた口がふさがるまい。
 多くの自衛官もとんだ迷惑だろう。日本の国益は深く傷ついた。
 麻生首相は今回の論文を「不適切」と語ったが、そんな認識ではまったく不十分だ。まず、この事態を生んだ組織や制度の欠陥を徹底的に調べ、その結果と改善策を国会に報告すべきだ。//

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