秋月瑛二の「自由」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

本郷美則

0436/月刊WiLL5月号(ワック)に見る最近の朝日新聞。

 月刊WiLL5月号(ワック)には、朝日新聞を主対象とする記事(論稿)が三つもある。
 1.海上自衛隊イージス艦漁船衝突事故について、さぞや朝日新聞は大きくかつ自衛隊に厳しく報道しているだろうと思っていたが、山際澄夫「イージス艦事故があぶりだす朝日と福田は似たもの同士」(p.208)によると、想像以上だ。
 すなわち、事故発生を伝えた2/19夕刊から27日頃まで「数日を除いて連日のように朝夕刊トップという、それこそ洪水のような」報道を続けた、という(p.210)。もとより初めから自衛隊側を「悪者」扱いで、日本共産党・志位和夫と同じく「自衛隊を悪魔視して国民と対立」させようとしている(p.212)。
 想像以上だが、朝日新聞のことだから分からなくはない。よく分からないのは、紹介・引用されている2/22社説の一部だ-「海上自衛隊が目の前の漁船すらよけられないのなら、どうやって日本を守るのか」(p.211)。
 朝日新聞(社)は本当に自衛隊に「日本を守る」ことを期待しているのだろうか(このことを前提として上の文がある筈だが)。それにしては、山際によると、自衛隊に対する「敬意」がない文章表現で、むしろ「嘲弄」の感がある(p.211-212)。

 こんな文章を綴っていると精神衛生に悪い。朝日新聞のような新聞のない地域・国へ行きたくなる。
 2.本郷美則「今月の朝日新聞・第14回」(p.140-)は、若宮啓文論説主幹が4/01付で退任、同社コラムニストになるということから、若宮の社内での<出世街道>?の経緯を中心に書いている。
 「朝日新聞社コラムニスト」とは何のことやらよくは解らないが、定年後も朝日の紙面に登場し、朝日新聞社から金を貰い続けるわけだ。本郷は若宮の<有名な>記事をいくつか取り上げている。本欄でいく度か言及した、<ジャーナリズムはナショナリズムの道具じゃないんだ>(コラム・風考計)もけっこう重要な名?文なので、紹介してほしかった。
 ところで、本郷によると、キャノン・御手洗富士夫と朝日新聞が1年半”冷戦”状態で、キャノンは朝日新聞への広告出稿を絞ったらしい(全面広告が2006年は36本、2007年は7本、2008年は若宮退任報道後に最初の1本)。
 恥ずかしくも、”冷戦”の原因も含めて知らなかったのだが、キャノンは勇気がある。立派だ(関係ないが、わがプリンタは歴代、キャノンだ)。「1本数千万円」の広告減収をもたらすのだから、朝日新聞を気嫌う経営者たちは、朝日新聞に広告を出すな、と呼びかけたいものだ。同じことは、朝日新聞系のテレビ放送局や(毎日系の)TBSへの広告フィルム(CF)の掲出についても言える。
 テレビ朝日にせよTBSにせよ、あれだけヒドい報道ぶりをしたり、ときどきは目立った<事件>も起こしているのに、何故に所謂コマーシャルが減らないのだろうか、と不思議に思っている。言葉による精神的・理念的な批判よりも、経営基盤自体にかかわる広告取り止めの方を(広告収入に大きく依存している)マスメディアは実際には懼れているはずなのだが…。
 3.創刊号から連載の勝谷誠彦「あっぱれ!築地をどり」(p.130-)は、イージス艦事故によって朝日新聞が「盆と正月が一度に来たような大騒ぎ」、「築地をどり」は「大臨時興行」、「いやもうはしゃぐことはしゃぐこと」と皮肉っている。
 また、勝谷によると、朝日新聞内の「天声人語」子と「素粒子」子は「宿命のライバル」で、上の事故に関して俳人<所作>や「駄洒落の所作」を競い合っているらしい。
 勝谷誠彦は、この程度の短い文章(2頁程度)だと、なかなか冴える。
 再度いうが、朝日新聞に関して何か書くのは、なぜか鬱陶しい。しかし、ときどきは触れないわけにはいかない。

0362/朝日新聞-日本共産党とともに陰鬱にさせる最たるもの。

 朝日新聞若宮啓文が<ジャーナリズムはナショナリズムの道具じゃないんだ>との奇妙な叫び声を紙上に載せたのはほぼ一年前だった(2006年の12/25)。
 これについて、全文を紹介をしつつすでにコメントしたことがある。
 自分の文ながら、一部を引用すると、「日本人ではない「無国籍」者であることの宣言だ」。この「言明が適切だとしても、次のようにも語って貰いたい。『ジャーナリズムは左翼運動の道具ではないのだ』、『マルクス主義及びその亜流の道具ではないのだ』、『空想的・観念的平和主義の道具ではないのだ』、『国家を忘れた地球環境主義の道具ではないのだ』、『フェミニズム(又はジェンダー・フリー運動)の道具ではないのだ』。これらのどこに誤りがあるだろうか。若宮さんは、何故、なぜ「ナショナリズム」のみを問題にするのか。返答できるなら返答してみなさい」。
 むろん返答はなく、若宮啓文らはその後、安倍「右派」政権打倒のために狂奔した。
 さて、山際澄夫・これでも朝日新聞を読みますか?(ワック、2007.12)。
 読了はしていないが、たぶんほとんどのことは知っており、かつほとんどの指摘・主張に異論はないだろう。
 まえがきp.2にこうある。
 「全面講和論の主張に始まって、非武装中立、日米安保反対、毛沢東の文化大革命礼賛、湾岸戦争時への後方支援妨害、自衛隊のPKO派遣反対、教科書改ざん協力、靖国参拝の政治問題化、北朝鮮拉致の無視――等々、戦後のマスメディアの誤謬を一社で代表してきた観さえある」。
 月刊Will2008年2月号(2007.12発売)の本郷美則による朝日ウォッチの連載記事にはこうある(p.141)。
 「…「ねじれ国会」によって国際公約を頓挫させ、国会に機能不全をもたらした」のは、戦後「レジームの恩恵を貪って、数多の利権をほしいままにしてきた新聞界と役人集団」、そして「国外では、日本の弱体化をしつこく画策している『ネオコミンテルン』の勢力」だ。
 「人権を顧みぬ全体主義と、独裁が支えの『革命』を夢見続けて、特定の国際勢力に呼応し、読者を誤らせてきた朝日『社説』の罪は極めて重い」。
 そして、朝日新聞なるものが何故まだ存在しているのかと訝る気分はむろん強いが、こう書いていても空しい。
 こんな文章に影響をうける人は読者の中にはおらず、それでも朝日新聞を読みます、という人が世の中には数多(あまた)いるだろうことを考えると、歯がゆいというよりも、げんなりとなり、陰鬱になる。大江健三郎、佐高信、本多勝一、福島瑞穂、自民党の加藤某等々々々、熱心な朝日の読者はたくさんいるのだろう。こういう人たちが、今さら、山際澄夫や本郷美則等の言論の影響を受けるはずがない。
 日本国内に、したがって日本人の間に、大きな「国論」の対立、基本的考え方の違い、があることは歴然としている。この対立の中で、いずれかが勝利し、<安定>することは近い将来にあるのだろうか。
 朝日新聞が代表する「戦後民主主義」勢力の決定的勝利は、「日本」という国家を消失させる可能性がある。それは「日本」という独特の意味とも無関係に、主権を失って某国日本省に変わるという形で、「日本」国家を文字通り消滅させる可能性すらあるだろう(その場合、公用語は日本語ではなくなるだろう。あるいは、少なくとも別の言語が第一の公用語になるだろう)。
 このような戦慄すべき事態を想定しなくとも、大きな「国論」の対立・分裂が国家を弱体化させることがあることは、近代のアジアの某国を見ても明らかだ。
 対立も闘いもむろん必要な場合があるのだが、無駄な混乱と対立を通過する必要もない。一方の極に立って、空想的観念論によって国家・国政に、国民の間に、不毛な対立を持ち込んでいる(だ)のは、朝日新聞・とくにこの新聞社の歴代の政治記者たちではない(なかった)か。朝日新聞の言論、この新聞社の政治記者の動きこそ、日本を弱体化し外国の一部<不純>勢力を喜ばせることに(少なくとも客観的には)つながっていることに、もっと多数の人が気づく必要があるのだが……。

0293/朝日新聞-「安倍憎し」に燃える「異様すぎる選挙報道」。

 文藝春秋と新潮社ではどちらかというと文藝春秋の方が(文春新書の執筆者を見ても)より「保守的」とのイメージがあるが、週刊誌となると逆になって、週刊文春よりも週刊新潮の方が「保守的」又は親与党的だ。正確には、週刊文春よりも週刊新潮の方が朝日新聞をはじめとする「左翼」に対して<厳しい>、と言った方がよいかもしれない。
 その週刊新潮7/26号はかなり大きく「「安倍憎し」に燃える朝日の「異様すぎる選挙報道」」との見出しを立てて、殆ど巻頭特集のような扱いをしている。以下、言葉・フレーズだけの引用(カッコ内は記者とは別の評論家等)。
 「これでもかという安倍打倒参院選キャンペーン」、「よほど宿敵・安倍首相の支持率が下がったことがうれしかったに違いない」、「…との手前勝手な解説まで入っている」、「この程度で驚いてはいけない。…では…を強調し、…と露骨な投票行動をおこなっている」、「さながら野党機関紙の様相」、「さらに…も凄まじい。…安倍首相に…とケチをつけ、…と畳みかけている」、「年金問題…民主党の支持基盤である自治労…オクビにも出さず、ひたすら安倍攻撃に邁進する」、「極めつきは…と一国の総理の発言を”ヘ理屈”とまで言ってのけた」、「ここまで”政治党派性”を露骨にしての政権攻撃は異様…。ジャーナリズム史に残る事態…」(古森義久)、「普段使わないような情緒的な言葉を多用して安倍攻撃をおこなっている」(古森)、「朝日は、安倍政権にマイナスになることだけを書きつづけていますから」(屋山太郎)、「自分の価値観だけをひたすら押しつけてくる、ただのビラ。”反政権ビラ”…」(屋山)、7/09記事では安倍内閣・自民党支持率回復につき「見出しを打たず、前回の参院選より低いと…」、「まさに世論操作そのもの」、「とにかく安倍憎しという一心で記事をつくっている」(稲垣武)、「昔は…オブラートにくるんで政権批判をしたのに、今は感情むきだし。…新聞以下のイエローペイパー、デマ新聞のレベル…」(稲垣)、「朝日自身が”戦後レジーム”そのもの」(稲垣)、「朝日は、昔のコミンテルン…。…自分たちの思想を宣伝し、ずっと嘘を言いつづけることで、白を黒にしてしまう」(本郷美則)。
 いやはや、この記事を読んでも、<読売新聞や産経新聞も逆の立場で朝日新聞と似たようなことを…>などとの呑気なことを言える人はいるのだろうか。いるとすれば、その人はまともな神経の持ち主ではないか朝日新聞の記者自身ではないか。
 この週刊誌記事の最後の文はこうだ。
 「日本と日本人をひたすら貶めて生きてきた朝日新聞。その常軌を逸した報道は、…朝日ジャーナリズムの断末魔の叫びなのかもしれない」。
 近い将来、上の「なのかもしれない」を「だった」に替えて読み直したいものだ。
 産経新聞7/21花田紀凱の連載コラムで、同氏は上の週刊新潮の記事についてこう書いている。
 「まさにその通り。朝日の反安倍偏向報道、目に余る。どこが不偏不党だ。朝日も恥を知った方がいい」。
 朝日新聞自身も自らの<異常>・<偏向>ぶりを自覚しているのではなかろうか。そして、それが「ジャーナリズム史に残る事態」かもしれないことを意識しているのではなかろうか。
 しかし、そんなことにかまっている余裕がこの新聞社にはないのだ。自民党を敗北させ、安倍晋三を首相の座から引き摺り下ろすことができるかもしれない絶好のチャンスが訪れている(と判断している)のだ。この機会を絶対に逃すまいと、必死の、「常軌を逸した」紙面づくりをしているのだ。
 自民党のある程度の敗北はやむをえないとしても(むろん民主党よりも多数議席の方が望ましい)、安倍晋三を絶対に内閣総理大臣の地位から下りさせてはならない
 朝日新聞の意向・主張に添うことは日本の国益にならず、その主張と反対の方向を選択することこそ日本の戦後の教訓であり指針だった。朝日の考える方向に誘導されず、それをきっぱりと拒否しなければならない。

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