鳩山由紀夫首相、退陣表明。
誰かが書いているだろうが、やはり書いておく。
朝日新聞5/29社説は「歴史的事件から1年もたたない。政治的な未熟さの克服が急務とはいえ、旧時代の「政局」的視点から首相の進退を論じるのは惰性的な発想である」と書いた。
また、「鳩山首相が退いても事態が改善されるわけではないし、辞めて済む話でもない。……。そのいばらの道を、首相は歩み続けるしかない。/そのためには民主党が党をあげて、人事も含め意思決定システムの全面的な再構築を図り、政権の態勢を根本から立て直さなければならない」と書いて、「辞めて済む話」ではない、民主党は「政権の態勢を根本から立て直」せ、と叱咤激励(?)していた。
せっかくの朝日新聞り暖かい?助言も叶わなかったようだ。
朝日新聞6/02朝刊の社説はさらに興味深い。むろん鳩山の退陣表明の数時間又は十数時間前に書かれたものだ。
まず第一文。「首相退陣論―これで逆風はかわせない 目前の参院選を何とか乗り切るために、鳩山由紀夫首相に辞めてもらう。そういう狙いが見え見えである。考え違いというほかない」。
明日の朝日新聞では、「目前の参院選を何とか乗り切るために、鳩山由紀夫首相に辞めてもらう。そういう狙いが見え見えである。考え違いというほかない」とあらためてもう一度しっかりと書いていただきたい。朝日新聞という「政治団体」に関心のある人々は明日の紙面を注視すべきだ。
また、朝日新聞6/02朝刊社説はこうも書いた。
「昨年の政権交代の大義は、……首相の座を「たらい回し」してきた自民党政治との決別」だった、「政治の質を根本的に変える試みの意義は大きい」。
「そうした政治の流れから誕生した首相を退陣させようというのなら、早期に衆院解散・総選挙を実施し、有権者に再び政権選択を求めるべきではないか。それなしに「たらい回し」に走るのは、民主党の自己否定に等しい」。
そのあと、「いま民主党がなすべきは、政権8カ月の失敗から何を学び、どこを改めるのか、猛省すること」だ、とか、「本来の理念や方向性は生かしつつ、公約を少しでも実現可能なものに書き改め、参院選で有権者に投げかける。/それしか失われた政権への信頼を取り戻す道はない」とか書いて、叱咤激励または暖かい?助言をしているのだが、上の段落に引用した文章は朝日新聞社説の歴史的文章として現在も将来も長く記憶される必要がある。
すなわち、「首相の座」の「たらい回し」を「自民党政治」だとして批判している。そして首相「退陣」を求めるならば、「早期に衆院解散・総選挙を実施し、有権者に再び政権選択を求めるべきではないか」と明言している。
誰が次期首相になるかは分からないが、朝日新聞は、「自民党」的「たらい回し」をするな、と主張し、かつ首相「退陣」要求するならば「早期に衆院解散・総選挙を実施し、有権者に再び政権選択を求めるべき」だと明言したのだから、その論理的帰結は当然に、次期内閣は選挙管理内閣で、次期首相によって「早期に衆院解散・総選挙を実施」することを主張し、要求することになるはずだ。
はたして、明日(以降)の朝日新聞社説は早期の「衆院解散・総選挙」を要求するかどうか。そうでないとすれば、6/02朝刊の社説の主張はいったい何だったのか、ということになる。
新しい(菅直人?)首相のもとでの内閣の政策等をしばらく見守ろうなどの見解を示すとすれば、やはり朝日新聞は信用の置ける新聞では全くないこと(「左翼・政治」団体であること)が明らかになるだろう。
新内閣の発足・継続を認め、そのもとでの「衆院解散・総選挙」をすることのない参院選挙の実施を容認するということは、朝日新聞が厳しく批判してきた<「首相の座」の「たらい回し」>そのものではないか??。
朝日新聞社説は早期の(例えば参院選と同日投票になる)「衆院解散・総選挙」を要求すべきだ。そう主張しないと論理一貫しないはずだ。
朝日新聞論説委員たちよ、君たちがまともな神経と感覚の持ち主ならば、これまでに書いた趣旨が理解できるだろう。君たちがまともな神経と感覚の持ち主ならば、早期の(例えば参院選と同日投票になる)「衆院解散・総選挙」を要求せよ。
朝日新聞社説
一 朝日新聞には感心する。文化・芸能・スポーツ等々、日本共産党の機関紙・赤旗にスポ-ツ欄やテレビ欄があるのと同様に、まるで一般的諸問題を扱い、あるいは高校野球大会(夏の甲子園)の主催者にもなって、まるでふつうの・まともな新聞社・団体であるかに装ってはいるが、その実、見事に<左翼・容共(>親中・隷中)>で、民主党新政権を支持・掩護する政治団体であることを隠そうとする、その巧みさに、だ。しかし、-。
今月に朝日新聞社系出版社から出た本に、あくまで例えばだが、朝日ジャーナル別冊1989-2009/時代の終焉と新たな幕開け-希望の思想はどこにあるのか?、がある。ここでは2009年の政権交代が「新たな幕開け」と肯定的に理解されていることは間違いない。はたしてそうか。良い方向への「幕開け」だったかどうかを判断するのは、少なくともまだ早すぎる。
山崎養世・高速道路無料化-新しい日本のつくり方(朝日文庫)というのも、今月に出ている。この本は、「民主党のブレーンでもある著者が、無料化問題を集大成。『無料化こそが日本経済を復活させる』成長戦略であることを明快に説く」ものらしい。朝日新聞が民主党および民主党ブレーンを好んでいることは明らか。
先月(9月?)には、表紙に「民主党がわかる/民主党衆院議員308人完全データ」等と書かれた、アエラ2009年10月号増刊が書店に並んでいた。選挙直後に、表紙に「民主党革命」と大きく謳ったのは、週刊朝日だった。
二 最近の社説を見て喫驚したのは、11/23付「外国人選挙権―まちづくりを共に担う」だ。
これを読むと、朝日新聞は民主党政権を支持し掩護するのみならず、自分たちが好ましいと考える方向へと政権を先導する役割をも果たそうとしているようだ。<左翼・容共(>親中・隷中)>への世論誘導者でもあり、アジテーターでもある。
むろんかつての(今もある?)「左翼過激派」 活動団体のビラのような、煽情的な書きぶりはしない。紳士的?に書いてはいる。だが、中身はすごい。
①「鳩山政権は『多文化共生社会』をめざすという。実現へ踏み出すときではないか」。「…そうした外国人を排除するのではなく、多様な生き方を尊重する社会にしたい」。
ここでの「多文化共生社会」・「多様な生き方を尊重する社会」とは近年の「左翼」が好んで口にするフレーズであることを読者は知らなければならない。あるいは、こんな情緒的な言葉でもって、外国人(地方)参政権付与の是非を議論してもらっては困る。
②「世界を見ても、一定の要件を満たした外国人に参政権を付与する国は、欧州諸国や韓国など40あまりに上る」。
読者はこれを読んで、世界の傾向などと誤解してはいけない。欧州にはEUの存在などの特有の事情がある。それに、この社説が「一定の要件を満たした外国人に」とだけ書いていることに注目すべきだし、かつその「一定の要件」を朝日新聞社説は明確に書いていないのも杜撰であり、じつは卑劣だ。
③反対論の中には、「人々の不安をあおり、排外的な空気を助長する主張」があり、「首をかしげる」、と書く。これは一種のデマゴーグ文章だ。反対論=<排外主義>者(排外的・偏狭なナショナリスト)とのレッテルを貼ろうとしている。
④民主党は国交のある国籍の者に限る=北朝鮮国籍者を排除する法案を検討しているらしい。これにも朝日社説は噛みつく。現時点の民主党よりもさらに<左翼(容共)>に位置する主張だ。「左」から民主党を実質的に批判していることになる。
「しかし、朝鮮籍の人が必ずしも北朝鮮を支持しているわけではない。良き隣人として共に地域社会に参画する制度を作るときに、別の政治的理由で一部の人を除外していいか。議論が必要だろう」。
「北朝鮮を支持しているわけではない」者を配慮した文になってはいるが、実質的・結果的に親北朝鮮の姿勢であることは明らか。北朝鮮だけを特別扱いするな、と言いたいわけだ。
また、「朝鮮籍の人が必ずしも北朝鮮を支持しているわけではない」ということは、選挙権付与のためのまともな根拠になるのか。つまり熱烈な北朝鮮体制支持者であれば選挙権を付与しなくてもよい、と朝日新聞は主張するつもりなのか。
もう少しはまともで論理的な議論をし、そのような文章を書いてほしい。
「良き隣人として共に地域社会に参画する制度」とは、上の①のこともあてはまるが、民主党・鳩山由紀夫と同様の美辞麗句でもある。「必ずしも」、「良き隣人」ばかりではないのではないか、と感じることの方が常識・良識をもつ人間の感覚だろう。ここでは、(特定の)在日外国人(日本国籍をもたない者)はすべてが「良き隣人」だと理解されているようにも読める。「東アジア共同体」構想にも通じるところがあるが、なぜか(いや確信的にだろう)朝日新聞は東アジア諸国には<優しく、甘い>。
三 他の社説を見てみると、11/22付の「G2が動いて世界が動く」で最後にいう米国と中国についての「二つの大国」という表現は、たんに温室効果ガス排出量一位と二位の国だという意味ではなさそうだ。
11/21付「たじろがず新成長戦略を」も面白い。
新政権による「デフレ宣言」による、経済政策・景気対策の観点からの民主党政権批判の増大、支持率低下を怖れてだろう、<助け舟>を出している。
「いまは、鳩山政権が掲げる「コンクリートから人へ」の大方針に沿った福祉経済化や雇用対策、地球温暖化対策としての「グリーンな経済」づくりを基礎に、民間の投資や消費を引き出すような成長戦略を組み立て、実行に移すことが期待される」。
「福祉経済化や雇用対策、地球温暖化対策としての『グリーンな経済』づくり」が、民主党の採る経済政策だと言っている。これは民主党の立場に立っての釈明だとも理解できる。
「来日したOECDのグリア事務総長は今週、日本の課題について、女性の社会進出や環境技術の発展で「新たな成長をめざす必要がある」と指摘した。このエールにこたえたい」とも最後に書く。これは「女性の社会進出や環境技術の発展」による経済成長・景気対策を是として、民主党政権に期待するものだ。
民主党・現政権を何とか援護したい気分は分かるが、どうせ経済オンチの朝日新聞論説委員のご高言を信頼していたのでは、日本経済は立ちゆかないことは目に見えている。
2007年7月の参院選の際の朝日新聞の報道ぶりは異常で、産経新聞は<何たる選挙戦!>と銘打つ連載をしていたし、古森義久の2007.07.11のブログのタイトルは「朝日新聞の倒閣キャンペーンの異様さ」だった。
古森義久は2007.07.13のブログでは、「朝日新聞の倒閣キャンペーン社説ーー『前のめり』症候を診る」と題して、本欄で前回に引用・掲載した朝日新聞2007.07.12社説を、かなり詳しく批判的に分析していた。それをそのまま再掲してみよう。
なお、たんなる懐古趣味で二年前を思い出しているのではない。朝日新聞らが誘導した2007参院選での自民党大敗北こそが国会に「ねじれ」をもたらし、与党の政権運営を難しくしてきた。そして、今日がある。
<四年間に四人もの首相>と批判的に述べられもするが、交替せざるを得なかった大きな背景は参院では野党が多数派だったことにある。また、明瞭に語られることは何故か少ないが、衆議院で与党が有していた2/3以上の多数を利用して再議決しないと、参議院で法律案が否決されてしまえば、いかなる法律も成立せず、法律制定によって政治・行政を行っていくことが困難だった。そしてまた、このことは、衆院2/3以上多数の放棄をほぼ意味する「衆院解散」を歴代首相、とくに麻生太郎首相が躊躇した大きな一因だった、と思われる。
そして、現在、朝日新聞ら「左翼」が目論んだ<政権交代>が眼前にあるらしい。朝日新聞に二年前ほどの<異様さ>がないかもしれないのは、安倍・福田・麻生内閣時代にずっと、つねに与党を批判する方向で記事を書いてきたからだろう。<政権交代>にとって有利な情報は大きく、それにとって不利な情報は小さく、取り上げてきたのだ。むろん100%の有権者が朝日新聞の報道ぶりに影響を受けることはないが、5~20%の人々の投票行動を一定の方向に誘導することは十分にありうる。10%の票でも当落を決する力がある。
世論調査の結果や選挙結果が、マスコミの大勢の論調の誘導力をあとで証明するだけ、になるとすれば、何と嘆かわしい現象だろう。
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古森義久2007.07.13ブログ(全文、/は元来は改行)
//「朝日新聞の倒閣キャンペーン社説ーー『前のめり』症候を診る」
朝日新聞を続けて論じるのも芸がないとは思うのですが、最新の社説一本を一読しただけで、自分がつい2日前に書いたことが裏づけられる思いに鼓舞されたから、と申しましょうか。/それほど偏向が顕著なのだともいえます。「安倍憎し」の私怨が暴走すれば、その前のめりは方向感覚を失い、閉塞だけが強まり、均衡をなくして、よろよろ、論理さえも薄れていく、ということでしょうか。/情から始まる一点集中傾向は、論理や事実に基づくはずの文章を書く人間の頭脳さえも痺れさせる。もって自戒ともしたい現象です。
さて論題とする朝日新聞の社説は7月12日付、「参院選告示」「『安倍政治』への審判だ」という見出しでした。
まず最大の特徴をいえば、看板に偽りあり、「安倍政治」への言及がほとんどないのです。あるのは反安倍勢力が取り上げるトラブル現象ばかりです。/まあ、順番に論評しましょう。社説の全文を紹介するわけにもいかないので、主要部分を順に引用しながら、コメントしていきます。
<<「宙に浮いたり、消えたり」の年金不信、閣僚に相次いて発覚した「政治とカネ」のスキャンダル、無神経な失言の連発、いわば「逆風3点セット」にきりきり舞いの状態が続くなかで、選挙戦に突入することになった。/首相にとって、この選挙は小泉前首相の時代とは違う「安倍カラー」を前面に掲げ、有権者に問う場になるはずだった。そのためにこそ、国民投票法など対決色の強い法律を、採決強行を連発しながらどんどん通していった。/教育再生や集団的自衛権の解釈などでいくつもの有識者会議をつくり、提言を急がせたりもしている。/首相はテレビ局などを行脚して「この9か月の実績を評価してほしい」と訴えている。だが、逆風3点セットに直撃され、「年金記録信任選挙」(民主党の小沢代表)の様相を呈しているのはさぞかし不本意なことだろう。/むろん、年金の問題などはこの選挙の大きな争点だ。国民の不信や怒りにどう応え、安心できる制度、組織をつくるかを論じる必要がある。>>
さあ、以上がこの社説の前半のほとんどです。/この部分での主眼はこの参院選挙を「年金選挙」あるいは「逆風3点セット選挙」と特徴づけている点です。見出しでは「安倍政治」全体への審判であるかのようにうたいながら、実際には安倍政権の政策自体からは外れたミスやスキャンダルに重点を置き、そのうえで小沢一郎氏の言をそのまま使って、「年金記録信任選挙」であるべきだという主張を述べているに等しいのです。
一方、かんじんの「安倍政治」については、この社説は正面からはなにも触れていません。憲法改正という重大なテーマさえも、「国民投票法など対決色の強い法律」という一言ですませるのです。
「安倍政治」を語るならば、当然、教育基本法の改正、憲法改正を目指しての国民投票法の成立、天下りを規制する公務員制度改革法の成立、防衛庁の省昇格、そして中国や韓国との関係改善、さらにはNATOとの初の首相レベルでの接触、インドやオーストラリアとの「民主主義の共通価値観」に基づく新連携などなどが、少なくとも言及されるべきでしょう。
ところが、この朝日社説はこれら重要案件のほんの一部の、しかもその末端だけをとらえて、「負」の情緒いっぱいの主観的な表現でけなすだけです。
「対決色の強い法律を」「採決強行を連発しながら、どんどん」「提言を急がせたり」という表現がそれです。
そもそも安倍首相が主導した一連の重要法案成立を単に「安倍カラー」という皮相な描写でしか言及していないのも、なんとも情緒的に映ります。その背後に感じさせられる黒い影は、なんとか安倍政権を倒したい、という情念でしょうか。
だからこの社説は結局は、今回の参院選は「安倍政治」の審判ではなく、「年金」や「逆風3点セット」への審判であり、そうであるべきだ、と主張していることになります。見出しから連想させられる重要政策案件の議論はまったくないのです。だから私は「看板に偽りあり」と評したわけです。
さてこの社説はちょうど真ん中あたりで、さすがに気が引けたのか、あるいは欠陥に気づいたのか、安倍政権の政策面にも、あらためて触れてみせます。以下のような記述です。
<<だが同時に、この9か月に安倍政治がやったこと、やらなかったことを、その手法も含めて有権者がしっかりと評価するのが、この選挙の重要な目的であることを忘れてはならない。>>
さあ、こういう記述が出てくれば、当然、後に続くのは、その「安倍政治」の検証だと思わされます。
ところがこの社説はそれが皆無なのです。安倍政権の政策の検証どころか、また論題は「逆風3点セット」にもどってしまうのです。/だから一つの「論説」としては構造的に支離滅裂、安倍叩きに没入するあまり、「論」の構成さえもヘナヘナ、朝日新聞が自分たちの気に入らない相手の言動を描写するときに愛用する表現でいえば、まさに「前のめり」のあまり、視力も知力も麻痺したとさえ、思わされます。
この社説の結び近くでは、安倍政権の政策論に替わって、また以下のような記述が出てきます。読者に対し選挙への態度を呼びかける記述です。
<<年金をはじめ、赤城農水相の事務所経費で再燃した「政治とカネ」の問題などの3点セットは、どれも大事なテーマである。>>
やはりこの選挙では「安倍政治」ではなく、「逆風3点セット」をみよ、というアピールだともいえましょう。
しかし同社説はここでまた気が引けたのか、その直後にいかにも体裁に以下のことを書いています。
<<そして、これからの日本の政治のあり方をめぐって重要な選択が問われていることを心にとめておこう。>>
これまた「日本の政治のあり方」や「重要な選択」についてはなんの説明もありません。/そして社説は次のような奇妙な記述で終わっています。
<<安倍政治がめざす「戦後レジームからの脱却」か、小沢民主党がめざす政権交代可能な二大政党制か--。投票日までの18日間、しっかりと目を凝らしたい。>>
同社説がここでやっと「戦後レジームからの脱却」をあげたことは評価しましょう。これこそ「安倍政治」の特徴だからです。しかし社説では前述のように、その内容の議論が皆無です。議論は「逆風3点セット」だけなのです。
しかもこの結びは、「戦後レジームからの脱却」に替わる選択肢として、「政権交代可能な二大政党制」を記しています。この点が奇妙なのです。
「戦後レジームからの脱却」が一つの選択肢ならば、他の選択肢はまずは「戦後レジームの保持」となるでしょう。そうでなくても、「戦後レジームからの脱却」以外の政策が示されるのが普通です。それがここでは一気に政策の論議や比較をすっ飛ばして、「政権交代」となります。/「政権交代可能な二大政党制」はすでに存在するではないですか。政権交代は衆院選挙で野党が勝てば、いつでも、いくらでも可能なのです。そのための二大政党制の政治メカンズムはすでに存在するのです。
やはり朝日新聞にとってはこの参議院選挙は「政権交代」こそが目標なのだ、という本音が結びのこんな記述の構成にもあらわれている、と感じた次第でした。//
資料・史料-2007.07.12「参院選公示」朝日新聞社説
平成19年7月12日
//朝日新聞社説
「参院選公示―「安倍政治」への審判だ」
きょう、参院選挙が公示される。昨年9月に就任した安倍首相にとって、初めて迎える大型国政選挙である。
9カ月ほど前、自民党総裁選で大勝したころは、これほど厳しい逆風の下で初の審判を受けることになろうとは、予想もしなかっただろう。
「宙に浮いたり、消えたり」の年金不信、閣僚に相次いで発覚した「政治とカネ」のスキャンダル、無神経な失言の連発。いわば「逆風3点セット」にきりきり舞いの状態が続くなかで、選挙戦に突入することになった。
首相にとって、この選挙は小泉前首相の時代とは違う「安倍カラー」を前面に掲げ、有権者に問う場になるはずだった。そのためにこそ、国民投票法など対決色の強い法律を、採決強行を連発しながらどんどん通していった。
教育再生や集団的自衛権の解釈などでいくつもの有識者会議をつくり、提言を急がせたりもしている。
首相はテレビ局などを行脚して「この9カ月の実績を評価してほしい」と訴えている。だが、逆風3点セットに直撃され、「年金記録信任選挙」(民主党の小沢代表)の様相を呈しているのはさぞかし不本意なことだろう。
むろん、年金の問題はこの選挙の大きな争点だ。国民の不信や怒りにどう応え、安心できる制度、組織をつくるかを論じる必要がある。
だが同時に、この9カ月に安倍政治がやったこと、やらなかったことを、その手法も含めて有権者がしっかりと評価するのが、この選挙の重要な目的であることを忘れてはならない。
小沢民主党にとっても、この参院選がもつ意味は極めて重い。2年前の郵政総選挙での屈辱的な大敗を帳消しにする絶好のチャンスだからだ。
かりに参院で野党が過半数を押さえれば、政府・与党の法案を否決したり、審議の進め方を決めたりできる。いくら衆院で与党が多数を占めていても、与党主導の政治運営はできなくなる。
参院選の結果で、すぐに自民党から民主党へ政権が移ることはないけれど、衆院解散・総選挙に追い込めれば、政権交代の大きな足がかりになりうる。政界再編という別の展開もあるかもしれない。
小沢氏が「ここで負ければ政界引退」と退路を断ってみせたのも、長年追い求めてきた政権交代可能な二大政党制への天王山と思えばこそだろう。
年金をはじめ、赤城農水相の事務所経費で再燃した「政治とカネ」の問題などの3点セットは、どれも大事なテーマである。公明や共産、社民も含め、論戦に注目しよう。そして、これからの日本の政治のあり方をめぐって重要な選択が問われていることを心にとめておこう。
安倍政治がめざす「戦後レジームからの脱却」か、小沢民主党がめざす政権交代可能な二大政党制か――。投票日までの18日間、しっかりと目を凝らしたい。//
*一言・二言コメント-社説だからこそこの程度の「安倍政治」批判で済ませていた。2007参院選民主党勝利→<ねじれ国会>→「衆院解散・総選挙」→「政権交代」という道筋をこの当時から想定(・目標設定)していたことが分かる。
資料・史料-2007.05.20「安倍内閣批判」朝日新聞社説
平成19年5月20日
//朝日新聞社説
価値観議連―「安倍応援団」の危うさ
安倍首相を支持する自民党の中堅・若手議員ら43人が「価値観外交を推進する議員の会」を発足させた。
会長には拉致議連などの活動を通じて首相と親しい古屋圭司氏、顧問には先輩格の中川昭一党政調会長が就いた。
メンバーには、いわゆる従軍慰安婦問題への旧日本軍の関与について、強制連行はなかったと主張する「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の顔ぶれがずらりと並ぶ。
97年にこの会が発足した当時は、中川氏が会長、古屋氏は副幹事長、首相は事務局長だった。新たに設立された価値観議連は、そうした首相の仲間たちが結集した「安倍応援団」である。
議員の有志が集って政策を練り、行動すること自体に異論はないが、この議連と首相との関係には首をかしげざるを得ない。
「価値観外交」とは耳慣れないが、趣意書によると、自由・民主・人権・法の支配という普遍的価値を高く掲げ、これを共有する国々や人々と連携していくのが目的だという。そもそもこれは首相の持論であり、それを後押ししようということだろう。
では、価値観を共有しない国はどこか。古屋氏は初会合でこう述べた。「首相の日中首脳会談には大きな成果があった。しかし一方では、軍事費増大など覇権拡張の疑念は払拭(ふっ・しょく)できない。中国は共通の価値観を持つ国ではない」
同じ会合で講演した中川政調会長もこう述べた。「中国は我々に一番近くて脅威の国だ。我々が中国の一つの省になることは絶対に避けないといけない」。
日中外交がようやく軌道に乗り始めているときに、何とも刺激的な中国警戒論ではないか。
古屋氏は「人権擁護法案、皇室典範、靖国参拝、国民投票法、民法772条(嫡出の推定)の問題はいずれも思想信条に直結する。同じ方向をめざす同志を糾合し、速やかに行動できるグループとして機能を果たしたい」とも述べた。
言い換えると、列挙したのは女系女帝の反対論など、とりわけ右派の熱心なテーマばかりだ。これがめざす「真の保守主義」なのだというが、「自由・民主・人権」というより、復古的な価値観に近いのではないか。
政権についた安倍氏が、靖国参拝や慰安婦問題での主張の修正を迫られたことに、右派は不満を募らせている。ならば「建前」しか語れない安倍氏に代わって、議連が「本音」を語り、右派の理念のエンジン役になろうということか。
議連には、首相の側近である下村博文官房副長官、山谷えり子首相補佐官が名を連ねた。彼らがわざわざ創設に加わったところに、首相と議連との距離の近さが表れている。
ことは外交である。あたかも首相に二つの口があるかのような印象を与えていては、世界の信用は得られまい。//
*ふたことコメント-2007年7月参院選前の朝日新聞による安倍内閣への集中批判・攻撃・皮肉の一つ。①中川昭一の「我々が中国の一つの省になることは絶対に避けないといけない」との発言にこの朝日新聞社説は「何とも刺激的な中国警戒論ではないか」と反応している。②人権擁護法案反対、皇室典範改正(女系女帝容認)反対、靖国参拝、改憲国民投票法、民法772条改正(嫡出の推定)反対を「右派の熱心なテーマ」と断じ、「復古的な価値観に近いのではないか」として、自らの「左派」性とその「価値観」の一端を暴露している。
朝日新聞が<民主党候補に投票を>とか<民主党政権を誕生させよう>とかと明記しはしないが、そうした趣旨で論じ、報道していることは明瞭だ。
社説だからまだ温和しくなってはいるが、2009年総選挙にかかる民主党・自民党の各マニフェスト発表後の各社説を比べて読んでも上のことは明らか。すでに<歴史的>意味がある。下線は、コメント代わりに掲載者による。
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資料・史料-2009.07.28「民主党マニフェスト」朝日新聞社説
平成21年7月28日//朝日新聞社説
「民主党の公約―「歴史的転換」に説得力を」
民主党が政権をとれば、どんな政策を、どんな体制で実行していくのか。それを具体的に有権者に約束するマニフェストを民主党が発表した。
税金のムダ遣いを徹底的になくすことで、子ども手当の創設や農家への戸別所得補償制度など新規の目玉政策の財源を生み出していく。それが民主党マニフェストの金看板である。
ダムなど不要不急の公共事業の中止や見直しで1.3兆円、人件費の削減で1.1兆円、天下り団体への支出の見直しなどで6.1兆円……。
節約だけで9兆円もの財源を生み出すという民主党の財源論を、与党は「夢物語だ」と攻め立ててきた。有権者にも不安や懸念があるだろう。
そうした声に答えようと、所要額や導入時期、財源手当てなどを大まかではあるが、具体的に示そうとしたものだ。政権担当の経験がなく、政府の歳出歳入の詳細なデータも得にくい野党には限界がある。それでも何とか肉薄したい。そんな苦心がうかがえる。
さらに注目すべきは、政権の意思決定の仕組みや手法を大きく変える構想を打ち出したことだ。
族議員と官僚機構が持ちつ持たれつで繰り広げる予算ぶんどり合戦。省ごとに、局ごとに固定された予算枠。国会の目がなかなか届かない特別会計の数々。その揚げ句に、800兆円を優に超す財政赤字が将来世代の負担として積み上がった。
この半世紀というもの、自民党政権が当たり前のように続けてきた税金の分配システムである。これを抜本的に組み替えることで、公約実現を図る。政策と、実行する体制を一体で変えようということだ。
政府に与党の議員100人以上を配置し、政策決定を内閣のもとに一元化する。予算の骨格は財務省ではなく首相直属の「国家戦略局」で練る。予算や制度のムダや不正に切り込む「行政刷新会議」を置く。閣議で決定する事柄を官僚が事前に調整する事務次官会議は廃止する……。
実現すれば、いまの「官僚主導」の予算や政策づくりのシステムは様変わりする。「歴史的転換」を掲げる鳩山代表の気負いは分からないではない。だが、権限を失う官僚機構は抵抗するだろう。民主党政権がそれをはね返せるパワーを持てるか。「政治主導」の力量が十分あるかどうか。
それでも、それが政権が交代することだと民主党は言う。
自民党は、ここに今回の総選挙で問われる焦点の一つがあることを受け止めるべきだ。税金の使い方にしても、それを決めるシステムにしても、これまでの惰性を続けるのか、改革するのか。自民党の真剣な答えを聞きたい。
投票日まで1カ月余り。説得力を競い合う時間はたっぷりある。//
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資料・史料-2009.08.01「自民党マニフェスト」朝日新聞社説
平成21年8月1日//朝日新聞社説
「自民党の公約―気迫が伝わってこない」
自民党が総選挙のマニフェストを発表し、各政党の公約が出そろった。
「マニフェスト」という政治の手法が、有権者の支持を背に市民権を得たのは6年前の総選挙だった。こんどの総選挙は、それから5回目の大型国政選挙。完成度が高まってきていいころだが、自民党のマニフェストにはがっかりさせられた。
読んでみよう。具体的な予算額や手順などはほとんど書かれていない。
たとえば「10年で家庭の手取りを100万円増やし、1人当たり国民所得を世界トップクラスに引き上げる」という目標。では、そのために4年の任期でどこまで達成するのか、どんな手をどの時期に打ち、予算をいくら使うのか、具体的な記述はない。
景気が回復すれば消費税率を引き上げる、それまでは国債発行でしのぐしかない、ということのようだ。だとすれば、おおづかみでも工程表の形で財源調達の見通しを示し、国民を説得すべきではないのか。
盛り込まれたのは内政から外交、自主憲法の制定まで68の項目だ。07年の参院選では155項目もあったから、それなりに政策の優先順位に気を配ったと見えなくもない。
だが、それでも自民党の訴える政策像ははっきりしない。税収は伸び悩み、財政赤字は膨らむばかり。どの政策を優先し、何を省くのか、その絞り込みこそが肝心なのに、そこがぼやけていては責任ある公約とは言い難い。
政府の歳入や歳出のデータを十分持っていない野党の民主党でさえ、子ども手当など8分野を最優先と位置づけ、所要額や達成時期を明記した工程表をマニフェストの柱に掲げている。
それに比べて、自民党マニフェストのあいまいさは政権党として恥ずかしい。これでは民主党を「財源が不明確」と攻撃はできまい。
詰まるところ、自民党はこれまでの政策、財政運営を「基本的に継続する」と言いたいのかもしれない。麻生首相は「改めるべきは改め、伸ばすべきは伸ばす」と記者会見で語った。細かなことはいい、引き続き自民党に任せてくれということなら、有権者の理解を得るのはかえって難しかろう。
自民党は長く政権党であり続けた。800兆円を超す途方もない借金はその結果だ。さらに、この2年でふたりの首相が政権を放り出した。自民党の政権担当能力そのものに疑問符が突きつけられている。なのに、その危機感も反省も伝わってこない。
有権者に具体的に政策の実現を約束し、政権選択を問う。それがマニフェスト選挙の一丁目一番地だ。だとすれば、自民党はまだスタート台にも立っていないということになりはしないか。これからの論戦でよほど性根を据えて補強するしかあるまい。//
1.朝日新聞4/25社説「北京五輪―いよいよ、聖火が走る」。
「混乱をできるだけ抑え」て、何とか無事に日本(長野)での聖火リレーが終わってほしいとの気分に溢れている。
それに、「聖火リレーに対する暴力ざたや大きな混乱が長野で起きれば、複雑な過去を持つ日中関係だけに、中国人のナショナリズムに火をつけかねない」とはいったい何を寝ぼけたことを言っているのか。
第一に、「中国人のナショナリズム」に限っては、<火をつける>方が悪い、という言い方だ。そんなことが一般論としても言えるわけがない。
第二に、「中国人のナショナリズム」のそれも過激で排外的なそれは、フランス等ですでに<火がついてる>ではないか。日本に至るまでの聖火リレーの状況をこの社説子は全く知らないかの如くだ。
<できるだけ中国には優しく>という社是は、この社説にも表れている、と思う。
2.朝日新聞4/26社説「高齢者医療―このままでは台無しだ」。
山口県で朝日がどの程度読まれているか知らないが、翌日の衆院補欠選挙を意識し、最も手軽に?有権者の<実感>をくすぐって民主党に有利にするために選んだテーマだろう。
朝日新聞に限らず、マスメディアの大半は<高齢者医療制度>の分かりにくさや後期高齢者の負担増等を書き立てている。
だが、この制度は数年前に国民を代表する国会で法律によって導入されたもので、施行がたまたま今年4月だった。不思議に思うのだが、この制度が理解しにくいのであれば(政府・厚労省は勿論だが)マスメディアもまた分かりやすくなるように読者に対して詳細かつ丁寧に報道すべきだったのではないか?
また、問題があるというなら、今年3月くらいになってからでは遅いのであり、それこそ根拠法律案の審議中に又は法律の成立後に(つまり施行前に)マスメディアは大きな声を上げて問題点を指摘し批判して、法律案反対、法律改正又は少なくとも施行の延期を主張すべきではなかったのか? いったいどのマスコミがそのような報道・コメントの姿勢を示したのだろうか?
自分たちはほとんど何もしないでおいて(成立法律の名前だけ小さく掲載する程度で済ませておいて?)、施行され現実化するとなるとたちまち文句を言い出すというのは、一般国民ならばともかく、マスメディアに許せることではない。
野党も奇妙だ。法律が成立しており施行された以上、行政部としてはそれを執行しなければならないのは立法-行政の関係からしても当然のことだ。にもかかわらず、<制度の廃止を>とはいったいどういう了見なのだろう。正確には、問題があると主張している後期高齢者医療保険制度を定めている法律自体を廃止するか改正するかの法律案を、立法府の一員として国会に自ら提出すべきなのだ。それもせず、文句だけを言い、国民の不安・政府に対する不満だけを(政略的に)煽るつもりなのか。朝日新聞は、こうした野党(とくに民主党)のお役に立ちたいのに違いない。なお、何らかの法案を既に提出している又はその予定の可能性はあるが、きちんと報道されてはいない。
なお、朝日新聞4/19日社説「山口2区―日本中が見つめている」は、民主党の菅直人が述べた二つの争点、①ガソリン代値上げ問題、②高齢者医療制度問題、をそのまま争点として採用することを前提とする文章だった。
3.朝日新聞4/27社説「偽装請負判決―進まぬ正社員化に、喝」。
正社員化しない、「偽装請負」を批判し、「大企業はまず先頭を切って、正社員を増やす努力を加速すべきだ」と結んでいる。であるならば、まず率先して、朝日新聞社が請負や派遣社員などをいっさい止めて、「正社員を増やす努力」をすべきことは当然のことだ。朝日新聞は、自社の現状と<努力>状況、そして<改善>状況を、定期的に紙面で報告すべきだ。大きな口を叩くなら、自社の姿勢からまず正すべきだ。まさか、朝日新聞社は上にいう「大企業」のうちに入らない、という詭弁を弄することはないだろう。
4.朝日新聞4/28社説「自民敗北―『再可決』への冷たい風」。
民主党の中でも<最左翼>に位置する平岡秀夫が当選するという朝日新聞が期待した結果が出たあと。「補選はあくまで補選」では困る、という趣旨を最後に述べている。
だが、朝日新聞の気にくわない結果であれば、そのようなことを書くだろうか。<補選はたかだか一地域のこと、日本全体にとって大切なことは……>ととくとくと説教を垂れそうなのが朝日新聞だ。この新聞のご都合主義・ダブルスタンダードは切りがない。
やや古いが、イラク特別措置法による航空自衛隊の派遣を一部違憲とする名古屋高裁判決が出たあと、朝日新聞4/18社説「イラク判決―違憲とされた自衛隊派遣」は、最高裁ではないが、「それでも、高裁の司法判断は重い」と書き、勝訴者・国が上告できないためにこの件で最高裁の審査があるはずもないのに、「憲法の番人であるはずの最高裁は重く受け止めるべきだ」と記した。
自社に都合の悪い判決(違憲としない判決、そもそも合憲性に触れないで結論を出した判決)だったとしたら、朝日は「それでも、高裁の司法判断は重い」と社説で書いただろうか?
裁判・判決も、一部運動団体にとってと同様に、朝日新聞にとっては自らの<政治>活動の世界の一部だ。これからもご都合主義・ダブルスタンダードの社説が続くだろう。恥ずかしさも自覚しない、鉄面皮の新聞、朝日新聞。
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