秋月瑛二の「自由」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

日本共産党綱領

2387/日本共産党の大ウソ32—「真に平等で自由…」とは。

  不破哲三は現在でも日本共産党常任幹部会委員の一人で、何と50年以上、同党の幹部であり続けている。
 その不破哲三は、日本共産党は「将来構想」がある点で、他政党とは異なる、ただ一つの政党だと、自慢していたことがあった(何かに明記されている)。
 ここでの「将来構想」とは10年後のことでは、もちろんない。不破の言う「未来社会」のことだ。
 日本共産党の現綱領(2020.01.18)も、この部分を変更していないだろう。
 最後の「五、社会主義・共産主義の社会をめざして」の中((十六))にこういう部分がある。
 (なお、同党は(不破理論・「解釈」?に従い)「共産主義は社会主義の高次の段階」という社会主義、共産主義の用語法を1990年代から採用していない。「社会主義・共産主義」と並列させるのが正しい?慣例だ。)
 ①「社会主義・共産主義の日本では、民主主義と自由の成果をはじめ、資本主義時代の価値ある成果のすべてが、受けつがれ、いっそう発展させられる。」
 ②「社会主義・共産主義の社会がさらに高度な発展をとげ、搾取や抑圧を知らない世代が多数を占めるようになったとき、原則としていっさいの強制のない、国家権力そのものが不必要になる社会、人間による人間の搾取もなく、抑圧も戦争もない、真に平等で自由な人間関係からなる共同社会
への本格的な展望が開かれる。
 人類は、こうして、本当の意味で人間的な生存と生活の諸条件をかちとり、人類史の新しい発展段階に足を踏み出すことになる。」
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  あまりにアホらしいので、逐一言及するのもアホらしいが、<暴力革命を諦めていない>などという幼稚な、何とでも反論できる批判しかできない人が多いので、以下も、少しは意味があるかもしれない。
 第一。これは予言・予測か、それとも「目標」か?
 真面目な共産党員は両者を統一・統合したものだ、<理論と実践の一致だ>などと言うかもしれない。
 しかし、上の区別は重要なことだ。
 かりに「正しい予言」を含んでいるというならば、何ゆえに、何の資格と能力があって、(少なくとも日本の)将来・未来を「正しく」予見できるのか?
 「科学的社会主義」によって「正しく」予言・予見しているのだ、などと主張しているなら(たぶんそうだろう)、すでに「狂っている」。
 誰も、ヒト・人間それ自体、それが形成する社会の将来・未来を、「正しく」予見することなどできない。
 <歴史の発展が証明する>のだ、などというおバカさんは、もうやめて欲しい(と言っても、<聞く耳を持たない>という表現の仕方も日本語にはある)。
 実践的な「目標」だというならまだよいが、将来の社会について「科学的予測」などという戯れ言葉を使ってはいけない。
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 第二。「原則としていっさいの強制のない、国家権力そのものが不必要になる社会、人間による人間の搾取もなく、抑圧も戦争もない、真に平等で自由な人間関係からなる共同社会」の展望が(ようやく?)開かれる、という。
 こうした表現に「美しさ」を感じる面妖な人もいるのかもしれない(真面目な共産党員はきっとそうだ)。
 だが、例えば、①「原則としていっさいの強制のない…」と言うなら、「原則」と「例外」を区別する指針くらい示してもらいたい。
 ②「真に平等で自由な人間関係からなる共同社会」と言うなら、「真」に「平等で自由な…」と、そうではない、つまりニセ・虚偽の「平等で自由な…」を区別する指針くらい示してもらいたい。
 さらに、「自由」と「平等」は完全には両立し難いとするのが、少なくとも現在の人類の一致した「知見」ではないかと思われるが、上の「共同社会」では(なお、この言葉はもともとはドイツ語のGemeinwesen だろう)、「自由」と「平等」はいかにして統合・統一されるのか、少しくらいは気にかけて欲しいものだ。
 いろいろな「価値」がある。それらがせめぎ合って、現在の社会や国家ができている。「自由」と「平等」だけではない(諸「価値」としてこの二つに加えてただ一つ「効率」=「便利さ」を挙げていたのが40歳代のL・コワコフスキだった)。生命尊重とか「民主主義」とか、次元や層の異なる諸「価値」もある。
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 第三。上の「共同社会」への「本格的な展望が開かれ」たあと、どうなるのか?
 展望が開かれて、その「…共同社会」が実現・完成したとかりにしよう。
 その後について日本共産党綱領が語るのは、「人類史の新しい発展段階に足を踏み出す」ということだけだ。
 これでは、「真の」将来・未来の<科学的予見>には厳密にはならない。
 「人類史の新しい発展段階」とは何か? ここで再び原始共産制(・アジア的生産様式)→奴隷制→封建制→資本主義→社会主義・共産主義という「歴史の発展法則」がまるで輪廻転生のごとく?反復するのではあるまい。
 「人類史の新しい発展段階」とは何か?
 そこでは、IT技術はどうなっているのか、脳科学あるいは生物科学はどう「変化」しているのか?
  情報通信技術の将来・未来は? ゲノム発見技術はどのように利用されているのか。「ガン」はとっくに克服されているのか?、「心不全」で死ぬ人はもういないのか? おや、人間の生も死も「消滅」するのか?
 ひょっとして、「人類史の新しい発展段階」に入って、人類・人間の歴史は「終わる」のか?
 いや、何かが「終わる」と、通常は、つぎの何かが「始まる」はずなのだが。
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 もっと前の段階についてすでにある、「真に平等で自由な人間関係からなる共同社会」などという、完璧に空虚な言葉を、政党の綱領に掲げたりしない方がよい。
 日本共産党には、あるいはそれが依って立つその「主義」には、<思考方法>自体に、根本的に「狂っている」ところがある。「暴力革命」うんぬんといった低次元の問題ではない。
 日本共産党に対しては、こうした「言葉」に酔った「夢見ぶり」(夢想者ぶり)をこそ批判すべきだ。
 ——

0804/資料・史料-日本共産党綱領2004.01.17改定の一部(五)。

 資料・史料-日本共産党綱領2004.01.17の一部(五)
 平成16年1月17日

 日本共産党綱領<一部>  2004年1月17日第23回党大会改定
 //五、(一五) 日本の社会発展の次の段階では、資本主義を乗り越え、社会主義・共産主義の社会への前進をはかる社会主義的変革が、課題となる。これまでの世界では、資本主義時代の高度な経済的・社会的な達成を踏まえて、社会主義的変革に本格的に取り組んだ経験はなかった。発達した資本主義の国での社会主義・共産主義への前進をめざす取り組みは、二一世紀の新しい世界史的な課題である。
 社会主義的変革の中心は、主要な生産手段の所有・管理・運営を社会の手に移す生産手段の社会化である。社会化の対象となるのは生産手段だけで、生活手段については、この社会の発展のあらゆる段階を通じて、私有財産が保障される。
 生産手段の社会化は、人間による人間の搾取を廃止し、すべての人間の生活を向上させ、社会から貧困をなくすとともに、労働時間の抜本的な短縮を可能にし、社会のすべての構成員の人間的発達を保障する土台をつくりだす。
 生産手段の社会化は、生産と経済の推進力を資本の利潤追求から社会および社会の構成員の物質的精神的な生活の発展に移し、経済の計画的な運営によって、くりかえしの不況を取り除き、環境破壊や社会的格差の拡大などへの有効な規制を可能にする。
 生産手段の社会化は、経済を利潤第一主義の狭い枠組みから解放することによって、人間社会を支える物質的生産力の新たな飛躍的な発展の条件をつくりだす。
 社会主義・共産主義の日本では、民主主義と自由の成果をはじめ、資本主義時代の価値ある成果のすべてが、受けつがれ、いっそう発展させられる。「搾取の自由」は制限され、改革の前進のなかで廃止をめざす。搾取の廃止によって、人間が、ほんとうの意味で、社会の主人公となる道が開かれ、「国民が主人公」という民主主義の理念は、政治・経済・文化・社会の全体にわたって、社会的な現実となる。
 さまざまな思想・信条の自由、反対政党を含む政治活動の自由は厳格に保障される。「社会主義」の名のもとに、特定の政党に「指導」政党としての特権を与えたり、特定の世界観を「国定の哲学」と意義づけたりすることは、日本における社会主義の道とは無縁であり、きびしくしりぞけられる。
 社会主義・共産主義の社会がさらに高度な発展をとげ、搾取や抑圧を知らない世代が多数を占めるようになったとき、原則としていっさいの強制のない、国家権力そのものが不必要になる社会、人間による人間の搾取もなく、抑圧も戦争もない、真に平等で自由な人間関係からなる共同社会への本格的な展望が開かれる。
 人類は、こうして、本当の意味で人間的な生存と生活の諸条件をかちとり、人類史の新しい発展段階に足を踏み出すことになる。
 (一六) 社会主義的変革は、短期間に一挙におこなわれるものではなく、国民の合意のもと、一歩一歩の段階的な前進を必要とする長期の過程である。
 その出発点となるのは、社会主義・共産主義への前進を支持する国民多数の合意の形成であり、国会の安定した過半数を基礎として、社会主義をめざす権力がつくられることである。そのすべての段階で、国民の合意が前提となる。
 日本共産党は、社会主義への前進の方向を支持するすべての党派や人びとと協力する統一戦線政策を堅持し、勤労市民、農漁民、中小企業家にたいしては、その利益を尊重しつつ、社会の多数の人びとの納得と支持を基礎に、社会主義的改革の道を進むよう努力する。
 日本における社会主義への道は、多くの新しい諸問題を、日本国民の英知と創意によって解決しながら進む新たな挑戦と開拓の過程となる。日本共産党は、そのなかで、次の諸点にとくに注意を向け、その立場をまもりぬく。
 (1) 生産手段の社会化は、その所有・管理・運営が、情勢と条件に応じて多様な形態をとりうるものであり、日本社会にふさわしい独自の形態の探究が重要であるが、生産者が主役という社会主義の原則を踏みはずしてはならない。「国有化」や「集団化」の看板で、生産者を抑圧する官僚専制の体制をつくりあげた旧ソ連の誤りは、絶対に再現させてはならない。
 (2) 市場経済を通じて社会主義に進むことは、日本の条件にかなった社会主義の法則的な発展方向である。社会主義的改革の推進にあたっては、計画性と市場経済とを結合させた弾力的で効率的な経済運営、農漁業・中小商工業など私的な発意の尊重などの努力と探究が重要である。国民の消費生活を統制したり画一化したりするいわゆる「統制経済」は、社会主義・共産主義の日本の経済生活では全面的に否定される。
 (一七) 社会主義・共産主義への前進の方向を探究することは、日本だけの問題ではない。
 二一世紀の世界は、発達した資本主義諸国での経済的・政治的矛盾と人民の運動のなかからも、資本主義から離脱した国ぐにでの社会主義への独自の道を探究する努力のなかからも、政治的独立をかちとりながら資本主義の枠内では経済的発展の前途を開きえないでいるアジア・中東・アフリカ・ラテンアメリカの広範な国ぐにの人民の運動のなかからも、資本主義を乗り越えて新しい社会をめざす流れが成長し発展することを、大きな時代的特徴としている。
 日本共産党は、それぞれの段階で日本社会が必要とする変革の諸課題の遂行に努力をそそぎながら、二一世紀を、搾取も抑圧もない共同社会の建設に向かう人類史的な前進の世紀とすることをめざして、力をつくすものである。//

 *ひとことコメント-上は<客観的予測>なのかそれをもふまえた<実践的目標>なのかよく分からないが、いずれにせよ(後者であっても)それ=「社会主義・共産主義」化が不可避だと信じるというのは、一種の<宗教>・<信仰>だろう〔下線は掲載者による〕。

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