秋月瑛二の「自由」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

斎藤元彦

2884/斎藤元彦②—法というものの考え方003。

  兵庫県知事定例記者会見(2025年5月20日)の一部。
 「フリー記者/県保有情報の漏洩の第三者委員会〔「三つめ」委員会のこと—秋月〕の推薦依頼をした文書が去年12月に出ていますが、これ斎藤知事名で書かれていてですね、その調査対象には週刊文春電子版も入っている。
 これ、依頼するときに斎藤知事は知っていたということですね。
 知事名で出された文書で知事が知らないはずはないと思うんですが、知っていたということで間違いないでしょうか。」
 「斎藤元彦知事/あの、私は存じ上げてません。
 「フリー記者/えっ。斎藤知事名で出した文書の内容を知らなかったということですか?
 その中に週刊文春の電子版を調査対象にするということが書かれて、依頼しているんですが、知らないということですか?」
 「斎藤元彦知事/あの、行政というものはですね
 知事名や大臣名で出される文書っていうおはたくさんあるんですけれど、それの決裁権者というのは全て知事名で出されるから、知事が決裁ではなくて、…決裁権者というのは部長さんであったりとか課長さんとか、それぞれ委任されていることがありますので、全てのことが私の名前で出されているからといって、私が全て決裁しているっていうわけではないことは、ご理解いただけると思います。」
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 以上の部分は、斎藤元彦が自分にではなく部下に(週刊文春電子版を調査対象とした)責任を押し付けた部分として話題になっているようだ。
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  斎藤元彦は「行政というものはですね」などと言って、「行政」のプロ・専門家らしき口吻だが、上の説明には、斎藤元彦における「行政・行政法」に関する無知がある。
 「決裁」と「委任」というのが上の発言に出てくる専門述語のようだ。
 しかし、斎藤元彦は、「専決」およびこれと同義の「内部委任」という語をなぜか使っていない。
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 宇賀克也・行政法概説III—行政組織法·公務員法·公物法(有斐閣、2012年)p.52.にこうある。
 「専決/国·地方公共団体をとわず、実務上広く行われている行政事務の処理方法として、専決と呼ばれるものがある。これは、内部委任とも呼ばれるが、権限を対外的には委任せず、また代理権も付与せずに、実際上、補助機関が行政庁の名において権限を行使することをいう。
 行政庁Aの決裁権限を補助機関である課長Bが最終的に行使することを内部的に認め、BがAの名において当該権限を行使する方式である。形式的にはA の名において権限が行使されるので、Aが処分庁として扱われる。」
 斎藤元彦の説明に真実性があるとすれば、同知事(行政庁)が課長(法務文書課長。補助機関)に「専決」権限を認めた(=「内部委任」)、ということだろう。
 しかし、どのような権限・事務処理を「補助機関」の「専決」とするかは、あらかじめ「〜県専決(・代決)規程」というような規定を「行政庁」(県の場合多くは県知事)が定めておかなければならず、それがあってはじめて「課長」は自己の判断で「決裁」することができる。斎藤元彦は、自分が定めた(ことになっている)「専決規程」を見てみるがよい。
 さらにまた、「専決」規程により「決裁」権が「課長」にあるとかりにしても、知事—課長の指揮監督権が消失するわけでは全くない。知事は「専決」権者を指揮することができ、事後的に事務処理の結果を「報告」させることもできる。これらは<拘束力>をもつ。
 したがって、「課長」が「専決」したので、私(知事)は知りません、責任はありません、などと県知事は絶対に言うことができない
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 だがそもそも、「三つめ」の調査のための委員(弁護士)の推薦を県弁護士会に依頼するという場合、そのような事務は頻繁にある事務、あるいは定型的な事務ではないので、「専決」規程があらかじめ定めているとは考え難い。
 とすると、斎藤元彦の言う「委任」を「内部委任」と理解しないかぎり、課長の「専決」だったという斎藤元彦の説明は、信用できない。
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 ついで、「委任」とは、行政庁の権限の別の機関への「委任」であって当初の行政庁Aの権限が別の機関(新しい行政庁になる)に移ってしまうことをいう(前掲・宇賀p.41-42)。
 そして、この委任には「法的」根拠が必要であり、斎藤元彦は上で「委任」をどういう意味で用いているのか分からないものの、そもそも部長や課長等の「補助機関」への「(外部)委任」の例などは存在しないと考えられる。常識的にあり得ないし、そもそも「法的」根拠が必要だ。
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  以上からする結論は、何だろうか。
 おそらく確実に、斎藤元彦は<ウソをついた>ということだ。
 実際的に見ても、知事のもとに置かれる「第三者委員会」の設置あるいは「第三者弁護士への調査委託」に関して、かつまたマスメディア上も注目されてきたこの「委員会」の「調査対象」について、斎藤元彦の意思・意向が反映されなかったとは、つまり課長レベルでだけ決められていたとは、到底考えられない。
 斎藤元彦はそこまで「あほ」ではないだろう。
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2882/兵庫県·「二つめ」の委員会の対象・週刊文春2024年7月25日号。

  兵庫県の「二つめ」の第三者委員会の調査対象は、一般に<元西播磨県民局長(告発者)の公用パソコン内の「私的情報」の前総務部長による漏洩>だとされてきた。これが誤りであることは、すでに記した。
 →兵庫県人事課·「二つめ」の第三者委員会の任務全ては「週刊文春の情報元」捜し〔No.2871/2025年5月5日〕
 兵庫県人事課の記者発表によると、正しくはつぎだ。令和6年は2024年。
 「週刊文春令和6年7月25日号に掲載された本県職員が秘密を漏えいしたと疑われる事案の調査
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 上の週刊文春2024年7月25日号の記事のうち「県職員」の発言(要旨を含むと見られる)が、「」付きで紹介・引用されているのは、つぎの4カ所だ。
 「X氏が告発したのは斎藤知事だけではない。
 片山副知事、県職員の総務部長、産業労働部長、若者·Z世代応援等調整担当理事の四人への言及がある。
 この“四人組“は、みんなもともと人事課出身。
 2013〜16年に冬至総務官僚だった斎藤知事が宮城県に出向していたころ、東海日本大震災の復興関連で、兵庫県も職員を派遣することが多かった。
 するとこの4人組と斉藤知事は仲良くなり、いつも仙台でつるんでいた。
 兵庫県では知事以下五人を『牛タン倶楽部』と呼んでいます」(県職員)
 「この頃、県庁周辺で、ある動きが確認されている。
 人事課を管轄する総務部長が、大きなカバンを持ち歩くようになった。
 中には、二つのリングファイルに綴じられた文書が入っており、県職員や県議らにその中身を見せて回っていたようです」(前出・県職員)
 前出の県職員が語る。
 リングファイルの中身は、押収したPCの中にあったX氏の私的な文章。
 どうやらその文章は、四人組によって、県議会や県職員の間に漏れていたそうです。
 事実、私もこの産業労働部長から文章の内容を聞かされました
 その際、産業労働部長はこう話していたという。
 もしアイツ(X氏)が逆らったら、これの中身、ぶちまけたるねん
 「なぜ岸口、増山両県議はPCの公開にこだわるのか。
 Xさんの秘密を暴露することで、Xさんの人間性を貶め、告発文書の信頼性を下げるのが狙いでしょう(前出・県職員)
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 以上。
 同じ「県職員」という語が用いられているので、一人の、同一の職員である可能性がある。だが、複数である可能性を排除できないだろう。
 但し、重要なことだが、記事はこの(これらの)「県職員」からの取材・情報提供によって成り立っているのではない。
 「県OB」も登場していて、つぎの二つの文章部分の基礎・きっかけになっているようだ。
  「「知事になった斎藤は『牛タン倶楽部』のメンバーを側近として重用。
 同時に『根回しは嫌い』を公言し、県庁職員殿コミュニケーションを拒み、四人組への依存を深めていくばかり。
 敵対的と見なされた者は次々と排除された。
 最近は、斎藤に意見できる職員は誰もいなくなっていた」(県OB)」
  「「しかし、知事が勢い任せに『嘘八百』と口にしてしまったことで、県はあの文書を『嘘八百』と結論づけるための内部調査しかできなくなった」(同前)」
 内容の引用を省くが、つぎの人々も登場している。
 「ある県議」「自民県議」「百条委員会理事」「県関係者」「兵庫県職員労働組合の関係者」
 そして、記事のタイトルの「元局長を自死に追い込んだ『七人の脅迫者』」とされた7名(上記「牛タン倶楽部」5名と岸本・増山の2名の県議)も取材対象になっていて、増山誠以外はこれに応じている。斎藤元彦は質問書に対して「代理人」を通じて回答した。
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 このように、斎藤元彦自身がこの記事の「取材源」の一部になっている。
 そして、前出の「県職員」からの情報が基礎になっているのは、秋月の概略計算では、20%に満たない
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  上記「二つめ」の第三者委員会の任務である調査対象は、「週刊文春令和6年7月25日号に掲載された本県職員が秘密を漏えいしたと疑われる事案」(調査実施要綱1条)だとされている。
 ここにいう「本県職員」を正確に限定すると、「県関係者」の中に存在するかもしれないが、「県OB」や「県議会議員」などは含まれないだろう。
 むしろ、明確に「県職員」に該当するのは、総務部長(当時、井ノ本某)・産業労働部長・…等調整担当理事の3名だ。
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 さて、人事課担当のこの「二つめ」の第三者委員会—「三つめ」のそれと同じ3名の弁護士で構成されたとされる—は、いったい誰を、「秘密漏洩」の疑いがある者として調査の対象にしたのだろうか。
 特定できない「本県職員」は、上記の「県職員」だけだ。
 とすると、この「二つめ」の委員会はこの特定職員の<探索>を実質的な任務としていた、と理解してよいように考えられる。
 だが、振り返って、上掲の①〜④のような「外部提供」は、はたして兵庫県の「秘密」の「漏洩」だと言えるのか
 斎藤元彦県知事が「懲戒権」をもつのは、(県議等は入らないので)「県職員」と当時の2部長ら3名だけだ。斎藤は<懲戒処分>をこれらに対して行なうつもりなのだろうか。
 あるいは、記事に登場した者全てを(自身も含まれるのだが)、<刑事告発>するつもりなのだろうか。
 週刊文春の側の「取材の自由」・「報道の自由」や県民の「知る権利」等には、もう触れない。
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 こう執筆していて、ますます「気分が悪く」なる。斎藤元彦が立花隆志の「表現の自由」に言及していることを知って、尚更だ。
 異世界に住む人物に拘泥していると、こちらまで異世界に引き込まれそうになる。知事にかかわらざるを得ない県職員たちは、本当に気の毒だ。
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2878/立花隆志・第二の選挙ポスター(2024/11兵庫県知事選)。

 2024年11月31日に告示され、運動期間を経て11月17日に開票された兵庫県知事選挙に、立花隆志という「N国」党(「NHKから国民を守る党」)「党首」が立候補した。
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  11月の前半だろうが、この立花某は、公営のポスター掲示板に、第二番めの「ポスター」を貼った。写真や絵はなく、文字だけのポスターだ。
 出所/「NHK党_春日部市議」を投稿者とする「立花孝志ポスターの第2弾『自●の真相』が完成しました。」と題するYouTube 動画。
 上から全文を秋月の責任で「読み取った」。下の最初の5行は文字の大きさが大きいが(その大きさは同一でない)、この欄では適切に表現できない。太字化、下線は秋月瑛二による。
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 「正義か悪か」
 「衝撃スクープ」
 「元県民局長 自殺の真相
 「あなたは知っていましたか?
  自殺した元県民局長は前知事のパワハラが原因ではなかった!」
 「元県民局長の自殺の本当の理由は、前知事によるパワハラでなかったことが立花孝志の取材で判明した。
 実は、自殺した元県民局長は10年間で10名以上もの女性県職員と不適切な関係を結んでおり、不同意性交等罪が発覚することを恐れての自殺だと思われる
 つまり、前知事は悪くなかった
 悪いのは公用パソコンの中身を公開しない百条委員会である。
 元県民局長が使用していた公用パソコンにはおびただしい数の不倫の証拠写真が保存されており、それはどうも不同意性交等罪という、5年以上の拘禁刑が科される重罪の証拠である可能性が高まった。
 妻子の有る人間が約1年に1人のペースで不倫を続けることは難しいだろうと通常感じることに加え、自ら命を絶った元県民局長が強い人事権を持っていたことからも、不倫ではなく不同意性交等罪である可能性が高いことをご理解いただけるだろう。
 このようなことを県議会議員たちがひたすらに隠している中、次々と暴いているのが立花孝志である。
 あなたの正義はなんですか?
 今回の選挙のきっかけとなった前知事は本当に悪人だったのでしょうか?
 テレビは国民を洗脳する装置であり、核兵器に勝る武器です。テレビの情報だけではなく、インターネットで調べてみてください。」
 ——
 一見して「異様な」内容であるが(他の候補者と同じ広さの枠が与えられて「堂々と」掲示された)、今日まで、県選挙管理委員会も、警察も何の行動も取らなかった。マスメディアも「知って」いただろうが、この内容をそのまま報道することは勿論としても、このポスター記載内容の「真偽」を、あるいは立花某はいかなる根拠(裏付け)をもってこの内容の選挙ポスターを作成し掲示したのかを、問題意識をもって報道した新聞社やテレビ局はまったく存在しなかったように思われる。そして、そういう姿勢は、少なくともこの<立花ポスター>について、半年後の今日まで続いているようだ。
 朝日は、読売は(新聞とテレビ含めて)、そしてNHKは、恥ずかしくないのだろうか。先日5/11の読売テレビ「そこまで言って委員会」の登場者と編成内容を一見すると、読売テレビ(大阪)には何の問題意識もないようだ。何しろ、立花隆志の行動の「謎」や<二馬力選挙>には全く触れなかったのだから。
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  立花某の上のポスターでの表記につながる情報を与えた、主要な人物の一人は増山誠(兵庫県議会議員)だとされる。一定の情報を提供したこと自体は本人も認めている。
 この「情報漏洩」の経緯等は「三つめ」の第三者委員会の調査対象だったはずだが、提出されたはずの「報告書」は、まだ公表・公開されていない。
 〔2025/03/13午後に公表・記者会見があったようだ。未読。増山に何かを伝えた(・見せた)県職員はいただろう。以上、後記〕
 なお、上記の読売テレビ番組に増山は「ゲスト」として登場し、番組司会者2名はこの人物を<丁寧に>送り迎えした。
 さて、増山誠が立花隆志に提供した情報の内容の少なくとも一部は、つぎのごときものだった、とされる。下記の投稿者を信頼すると、立花隆志が2025年2月20日に自分の「X」に投稿した、とされる。また、昨年10月31日(選挙告示日)に増山から提供された、という。
 ——
 増山誠が立花に提供した文書の冒頭。
 「・公用PCに保存されていたプライベートファイルについて
  不倫相手とのわいせつ画像、10年間に渡る複数の職員との不倫日記が保存されていた。」
 出所/「西脇享輔チャンネル」2025年5月12日付
 これによると、「不倫相手とのわいせつ画像、10年間に渡る複数の職員との不倫日記」が元県民局長の「公用PCに保存されていた」。「不同意性交罪」への言及はないが(立花某が「不倫」から上へと「妄想」したのかもしれない)、基礎的出発点は立花某のポスターと同じだ。
 ——
 なお、提供文書のこの詳細まで増山某が自認しているのでは(たぶん)ない。
 増山誠には他にも論ずべき点はある(いわゆる百条委員会の「報告書」の議会での採択に反対した少数者の一人。元日本維新の会所属、等々)。
 また、立花隆志の主張は、その後変わっていることも知っている。10人から7人に減ったり、「不同意性交等罪」にはもう触れなくなっていたりしているようだ。
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2873/斎藤元彦兵庫県知事・2025年4月23日(水)記者会見・一部②。

 斎藤元彦兵庫県知事・2025年4月23日(水)記者会見・一部②
  出所/兵庫県庁「知事記者会見(2025年4月23日(水曜日))」
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 フリー記者A:公益通報者保護法の有権解釈権って誰が持っているんですかね。
 知事:法律を所管している省庁がひとつ持っていると思いますし、最終的な違法性等の判断については、司法の場だったというふうに思います。
 フリー記者A:それは司法の法解釈であって、それは、個別具体の事案に基づいた解釈であって、それは法解釈と呼びません。
 法解釈というのは、有権解釈か学理解釈のどちらかしかないわけですが、有権解釈権は誰が持っているか、もう一度、法律的に言うと誰が持っていますか。
 知事:先ほど申し上げたとおりですね。
 フリー記者A:消費者庁が持っているんですよね。
 知事:消費者庁であり、そして個別の話も含めて、最終的には司法だということです。
 フリー記者A:有権解釈権を保有する消費者庁が、4月17日の衆議院消費者特別委員会で、3号通報も法定指針の中に入っているって答弁しているんです。
 ということは、有権解釈権を持っている消費者庁が、その見解を大臣答弁として述べている以上、あなたが先ほど毎日新聞の記者や神戸新聞の記者に言った、「私の考えです」といったところで、それは法解釈として認められないんじゃないですか。
 知事:ご指摘は、真摯に受け止めたいと思います。
 フリー記者A:これは指摘じゃなくて、雨が降ったら地面が濡れるんじゃないですかって聞いているんです。
 知事、あなたは行政のトップですよ。
 有権解釈権を有している機関が法の解釈はこうだと、言っている内容と、違うことを言って、行政の長が務まるんですか。
 知事:我々が、私が、これまで述べさせていただいたことは、3月26日の会見で述べさせていただいたとおりです。
 フリー記者A:それは法解釈として間違っていますよねと申し上げているんです。
 知事:それはご指摘としては、受け止めます。
 フリー記者A:ご指摘じゃないんですよ。
 これは国会答弁であり、法の解釈なんです、中央省庁の。
 いつから兵庫県は斎藤人民共和国になったんですか。
 知事:兵庫県における対応、問題については、個別具体の話として兵庫県として今の対応をしており、そして、対応については適切だったと考えています。
 フリー記者A:ちょっと待ってください。
 それは重大問題発言ですよ。
 消費者庁の法解釈が、兵庫県では通用しないんですか。
 知事:消費者庁が法を所管しているってことは承知しています。
 兵庫県の問題については、兵庫県の方で、我々としては、これまで述べさせていただいたとおり、対応としては適切だったということです。
 その説明については、3月26日の会見を含めて、これまで述べさせいただいたとおりです。
 フリー記者A:知事、それはクーデターですよ。
 知事:はい、ご指摘は真摯に受け止めますけれど、我々としては、これまで述べさせていただいたとおりです。

 フリー記者A:道路交通法が、大阪府と兵庫県では違うみたいなこと言っているんですよ。
 知事:それはよく分からないですけども。
 フリー記者A:そう言っているんですよ。
 無茶苦茶すぎるでしょ、それは。
 法の解釈は、内閣が閣議決定に基づいて、有権解釈権を行使して、提示していてて、なおかつ、法定指針には内部通報も外部通報も含まれるとされているんです。
 そう解釈していない都道府県は、兵庫県だけなんです。
 その矛盾点を、今般の公益通報者保護法改正の審議の中で、消費者庁は問われて、与野党の各議員から、当然当たり前のように、有権解釈権は消費者庁が有していて、法定指針の中に、3号通報も含まれる、と言われているんですよ。
 かつ、元県民局長の文章は、3号通報だったという解釈が、大臣答弁及び審議官答弁で閣議決定済みの答弁として積み上がっているんです。
 あなた、中央政府に反旗を翻すんですか。
 知事:ご指摘は真摯に受け止めますけれども、兵庫県としての今回の文書問題に対する対応に、これまで述べさせていただいたとおり、適切だったというふうに考えています。
 フリー記者A:兵庫県の解釈は存在する余地がないって言っているんです。
 いつから斎藤元彦人民共和国になったんです、兵庫県は。
 知事:ご指摘は真摯に受け止めます。

 フリー記者A:なぜ日本中で通用する法律を。
 知事:兵庫県としては、これまでの対応は適切だというふうに、これまで述べさせていただいたとおりです。
 フリー記者A:法律違反ですよね。
 知事:今回の公益通報に関する対応、これについての考え方や見解については、3月26日の会見などで述べさせていただいたとおりです。
 フリー記者A:藤本政府参考人が、14日の衆議院の消費者特別委員会で、個別の事案には答えられないけれども、3号通報が法定指針の対象であることは明らかですって明言されておられるんですよ。
 それと、3号通報は、要は体制整備義務等々の法定指針の対象じゃないという兵庫県は、なぜそんな立場を取れるんですか。
 周りに職員さんいてはんねんで。
 法律守らへんって長が言うてええんですか。
 知事:3月26日の会見などで述べさせていただいたとおりです。
 フリー記者A:3月26日の会見の内容は、法律を守らない宣言だと解釈していいんですね。
 知事:様々なご指摘、ご解釈というものはあると思います。
 フリー記者A:そうとしか解釈できないじゃないですか。
 これクーデターですよ。
 あなたがやっていることはクーデターですよ。
 元県民局長がクーデターをしたんじゃない。
 あなたが東京に対してクーデターを企てているんだ。
 知事:県の対応としては適切だったという考え方でおります。

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 フリー記者B:情報漏えいに関する報告書の中にですね、斎藤知事の6月29日の既読LINEは入っているんでしょうか。
 週刊文春が報じてですね、斎藤知事が元県民局長の情報漏えいを把握していたと。
 岸口県議が不倫をばらすぞと言って口封じをしようとしたけれども、その工作が失敗に終わったという、報告の既読LINEなんですが、これ報告書の中に入っていたんでしょうか。
 知事:報告書の内容については、今担当課の方が精査しているというふうな状況です。
 フリー記者B:LINEは提出したんですか、第三者委員会から要請があって。
 これ入ってないとおかしいと思うんですけど。
 知事:第三者委員会については、適切に調査対象も含めて。
 フリー記者B:斎藤知事が、今、持っているLINEを提出したのかどうか聞いているんです。
 第三者委員会に内容を見せたのかどうか。
 知事:第三者委員会が、適切に調査対象をどうするか含めて判断して、対応したというふうに考えています。
 フリー記者B:片山元副知事への聞き取り内容は報告書の中に入っていたんでしょうか。
 知事:どういったことを対象とされているかということについては、第三者委員会が報告書出されましたので、そこを精査した上で。
 フリー記者B:概要も報告ないのはおかしいと思うんですが、次の質問に移ります。
 立花孝志氏についてですね、姫路市の高見市議はですね、県知事選の選対会議で、「立花氏は別に勝手にやってもらってもいいんじゃないか」と斎藤知事が発言したというふうにインタビューで語ってくれたんですが、これ間違いないですよね。
 違いますか。
 知事:どういうやりとりされたかっていうのは、承知してないので、私はコメントをしようがないですね。
 フリー記者B:記憶ないですか。
 今まで立花氏について知らんぷりしていましたけど、選対会議で話題になって、斎藤知事が、勝手にやってもらう分にはいいじゃないか、という趣旨の発言をした、と高見市議が言っているんですが、これ全く記憶ないんですか。
 知事:どういったやりとりを、ご指摘された方がされたかっていうのは、ちょっと承知してないですので、コメントのしようがありません。
 フリー記者B:斎藤知事が発言したかどうか、全く記憶ないんですか、立花氏の2馬力選挙について。
 知事:選挙戦については、17日間、しっかり頑張って選挙活動をさせていただいたということです。
 フリー記者B:高見市議が選対会議で話題になって、斎藤知事が勝手にやってもらったらいいんじゃないかと言った、というふうに証言しているんですが、これは事実じゃないんですか。
 知事:ですから、何度も繰り返しますけど、やりとりを承知してないので、コメントのしようがないですね。
 フリー記者B:あと、最後にメルチュが主体的にSNS選挙に関わっていたということについても、高見市議が話してくれたんですが、これも違いますか。
 Xのアイコンとか、スローガンをこうしたらいいというのを、折田さんが中心的に提案して、選対メンバーはそれに沿って動いたと。
 まさに主体的、中心的に動いたのがメルチュで、買収疑惑の可能性が高いと思うんですが、その辺、奥見弁護士が言っている内容と全く違うんですが、再度調べて会見をやり直す考えはないんですか。
 知事:その点については、代理人の弁護士に対応をお願いしております。
 フリー記者B:代理人の弁護士が言った内容と、高見市議が言った内容が全く違っているんで、再度調べないんですかと聞いているんですが。
 調べる考えはないということですか。
 知事:対応については、代理人の弁護士に一任しております。
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 フリー記者C:先ほどのやりとり中で、第三者委員会について、公平、客観的なものであるというふうなふうに受け止めている、というお答えでした。
 ということは、その正当性は認めているということだと思うんですけど、しかし、その結果は、公益通報について違法性があるという指摘については、受け入れないという、そこに論理矛盾があるように思うんですけれども。
 公平公正に審議されたけれども、だけれども結果受けいれないというのは成り立たないと思うんですが。
 それは、斎藤さんの中で、どんなふうに成り立っているんですかね。
 知事:それは、質問された方のご意見としては承りますけども、私が述べてきたことはこれまでの会見で言ってきたとおり、報告書については真摯に受け止めていくということです。
 フリー記者C:先ほどの記者の法解釈の話もそうですけども、その指摘を受けながら、ご自分では全く違う解釈を主張され、もっと言えば、県職員の方々からも翻意を説得されているにもかかわらず、最終的に知事の独断で問題なかったという結論を出されているわけです。
 先ほどの比喩で言うと、本当に独裁国家、独裁と言われても仕方がないと思うんですけども、その状態で良いというふうに思ってらっしゃるわけですか。
 知事:ご指摘はしっかりと受け止めたいと思いますけども、県政については着実に日々の業務も含めて進んでおります。
 フリー記者C:パワハラというのは、これの第三者委員会の報告で指摘されたパワハラを、私が聞いている限り、斎藤知事は認めているというふうには聞こえないのですが、それはともかくとしても、パワハラというのは、当該の社員とか職員だけではなくて、周りを萎縮させたりとか、あるいはJRの事故のように、多くの人を巻き込む、命を奪う可能性すらあるというふうな、そういう重大な結果を招くというようなご認識はありますでしょうか。
 知事:やはりハラスメントのない職場づくりというものは、先ほど来、今日も質問が出ましたけど、そういった職場環境づくりをしっかりと作っていくということが大事だというふうに思っています。
 フリー記者C:今日の話、SNSの誹謗中傷のやつを聞いていても、斎藤知事の発言が、非常に他人事に、ご自身に関わりのないことで、こういう仰っているように聞こえますので、その辺は「真摯に」とおっしゃるのであれば、ご自身の問題として受け止めていただきたいと、県民として思います。
 以上です。
 知事:記者さんのお考え、お気持ちとして、受け止めたいと思います。」
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2872/斎藤元彦兵庫県知事・2025年4月23日(水)記者会見・一部①。

 斎藤元彦兵庫県知事・2025年4月23日(水)記者会見・一部①
  出所/兵庫県庁「知事記者会見(2025年4月23日(水曜日))」
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 毎日新聞:4月17日の衆議院の消費者委員会で、兵庫県の文書問題の公益通報者保護の件が取り上げられました。
 質疑の中でですね、第三者委員会が元県民局長の文書が公益通報に当たると、斎藤知事は当たらないというふうに意見が分かれているということで、消費者担当大臣に対してですね、「大臣どう思いますか」というようなことを聞きました。
 伊藤大臣からはですね、「県議会と第三者委員会でですね、長時間にわたり審議されていたものだと、その解釈と結論に関しては一定納得をしなければならない」という答弁をされてですね、これは事実上の知事と兵庫県に対して、解釈の変更を促すような答弁だったと思います。
 この法律を所管する大臣がこういうふうにおっしゃっているんですけれども、知事として、兵庫県として、これまでの見解を変更するお考えはありますでしょうか。
 知事:消費者庁の担当大臣が、国会において、発言をされたということだと思います。
 大臣なりのご指摘というものは、重く受け止めるということが大事だと思います。
 一方で、報告書の提言というものも大変重いというもので、私としてはこれまで述べさせていただいたとおり、しっかり受け止めさせていただきたいというふうには考えておりますけれども、対応については、これまで述べさせていただいたというとおりです。

 毎日新聞:となると、所管する消費者庁とですね、兵庫県の間で法律についての解釈が違ってきていると、見解が違うということになるとは思うんですけれども、その場合に、今後、法解釈を正すような技術的助言が来る可能性もあるんですが、もし、見解を撤回しないということであれば、兵庫県としてですね、行政組織として、ちゃんと兵庫県の見解はこうだというものをまとめる必要があるんじゃないかと思うんですけれども、単に知事が記者会見でそうじゃないというふうにおっしゃるだけじゃなくてですね、例えば、専門家がこう言っている判例はこうある、現状はこうだと、だから、兵庫県は消費者庁の見解を受け入れることができないというようにそれをちゃんと主張する必要があると思うんですけれども、そういったことはお考えありますでしょうか。
 知事:消費者庁、消費者大臣のご指摘などは、しっかり重く受け止める必要があると思いますけども、私としての、県知事としての、県としての見解というものは、先般より述べさせていただいているとおりということですね。
 毎日新聞:私がお聞きしているのは、知事及び兵庫県の見解がですね、変わらないということであれば、それをどういう理由でそうなのかということを、きっちりとした物を作ってですね、主張するべきじゃないかと思うんですけれども。
 国と都道府県の見解が違うということは結構あって、これまでも、いろんなケースでそれに対してはちゃんとそれぞれが主張してずっと論争していると思うんですけれども、そういうことをせずに、知事が記者会見で一方的に、兵庫県の見解としては違うというようなことだけで済ませるというのは、それは行政組織としてはどうかと思うんですけれども、そのあたりはどう思われていますか。
 知事:記者のご指摘は真摯に受け止めたいと思いますけども、私としては、県としては、3月26日の会見で述べさせていただいたということが、兵庫県としての見解ですね。
 毎日新聞:もう1点、今の関連なんですけれども、この法律の解釈を巡って、県と消費者庁と何らかの協議をするようなお考えというのはありますでしょうか。
 消費者庁の見解と兵庫県の見解が明らかに違うと。
 それについて、何がどう違うのかとかですね、見解をすり合わせるとか。
 そうでないと、実際に今、公益通報をしようと思っている方が、県庁内もいらっしゃるかもしれませんけれども、この宙ぶらりんな状況でですね、やろうと思ってもできないと思うんですけれども、そういう協議というのは、やるお考えはありませんか。
 知事:特に考えてはいません。
 県としての考えは、3月26日、そしてそれまでも、そしてそれ以降の記者会見などでも述べさせていただいたとおりです。」
 ②
 NHK:先週に引き続き、3月5日の「わいせつ」発言について伺います。
 まず、ひとつずつ確認をさせていただきたく思います。
 元県民局長を懲戒処分した1つの理由は、勤務時間中に業務と関係ない私的な文書を多数作成した、これが非違行為の1つに当たるということで懲戒処分をした、この理解でまず間違ってないですか。
 知事:はい。
 NHK:間違ってないですか。
 知事:はい。
 NHK:つまり、内容については関係ないということでよろしいですか。
 知事:業務上、勤務時間中に業務と関係ない文書を作成したということで処分をしています。
 NHK:つまり、中身ではなくて、勤務時間中に業務と関係ない行為をしていた、そこが懲戒処分の1個の理由になっているという理解でよろしいですか。
 知事:勤務と関係ない、業務と関係ないということは、どういう文書をどういう行為だったということだと思いますね。
 そこは、中身がやはり関係してくると思いますね。
 NHK:ただ、今、手元に懲戒処分の理由について書かれている紙を見ているんですけども、中身についての言及は一言もない。
 知事:ですから、勤務時間中に勤務と関係ないことをすると懲戒処分の対象になるということです。
 そして、今回、なぜそれが当たったかというと、やはり、勤務時間中に適切でない文書を作っていたということは、やはり中身がどういうものかということが、処分の1つの理由になってきますよね。
 NHK:それは、初めて今言われましたね、中身についても理由が必要ということは。
 知事:勤務時間中に業務と関係ないことを、例えば、文書の作成をしたということが理由で、業務と関係ないということはどういったことをしていたのかということがはっきりしないと、その業務と関係ないことをしていたということにならないので、それはやはり作成された文書が、業務と関係ないどういった文書だったかということで、ご指摘させていただいた文書だったということですね、中身は関係ありますよね。
 NHK:でも、それは、中身は関係ありますと今おっしゃいました。
 それ最初、5月だったかと思いますが、懲戒処分をされたとき、同様の今の答弁なかったと思うんですけども、業務あくまでも業務と関係ないことをしていたという行為のことについての。
 知事:ですから、業務と関係ない行為すなわちどういった文書かというと、私がこれまで述べさせていただいた文書だったということですね。
 それが業務と関係ないので、懲戒処分の対象になったということです。  
 NHK:その中で、先週も同じ質問をさせてもらったんですけども、総務常任委員会の方で処分に関係なく必要がない説明だった、はっきりさせるためにあえて申しますけれども、「わいせつ」という言葉を使ったことに対してですね、それについて総務部長が「必要がない説明」と答弁しています。
 先週も、百条委員会の報告書が出たということも踏まえて、「新たな局面だったから説明をした」ということをこれまでも一貫して知事おっしゃっていますけども、報告書の中には別に「わいせつ」という言葉はないわけで、新たな局面というところは何を指しているんですか。
 知事:百条委員会で報告書が了承された後の、新たな局面ですね。
 そこで、当時産経新聞の記者から、懲戒処分の取扱いどうするんですかという話だったので、そこで、新たな局面での説明を求められましたんで、説明をさせていただいたということですね。
 NHK:私が伺っているのは、新たな局面と「わいせつ」とがどうリンクするんですかということです。
 知事:ですから、百条委員会の報告書が議会において了承されたという新たな局面において、懲戒処分の取扱いをどうするんですかというふうに聞かれましたんで、それは、新たな局面ですよね。
 NHK:了承されたから、「わいせつ」という表現をしていいんですか。
 知事:だから、新たな局面になっているから、その中で懲戒処分の取扱いをどうするんですかということで説明をさせていただいたとおりで、この点については、説明は、これまでさせていただいていることと変わらないので、これ以上ご質問いただいたとしても、私の回答は同じ答えになると思いますので、そこはご理解いただきたいと思います。
 適切だったというふうなことで、これまで述べさせていただいているとおりですね。
 NHK:「適切だった」と、今お言葉がありますけども、行き過ぎた表現だったとそこは考えられないですか。
 知事:新たな局面での説明だったということで、私としては必要な説明をさせていただいたということです。
 NHK:重ねてになりますが、謝罪とか撤回、行き過ぎた表現だった、それは弊社の取材の中でも行き過ぎた表現だったんじゃないかと。
 それこそ、総務部長が自ら総務常任委員会という公の場で、説明する必要がなかったとはっきり言っているわけです。
 それでも、知事は必要だったというふうに思われているんですか。
 知事:そうですね。
 私の判断としては、これまで述べさせていただいたとおりです。
 NHK:いずれにせよ、先週の会見でもどういった言葉で説明するかは私の判断だということ。
 ただ、それこそ、事務方のある種トップである総務部長がそういった必要はなかったとおっしゃっている。
 弊社の取材の中でも他の職員さんもあの答弁は必要なかったというようなことを取材の中では把握しています。
 そうした中で、やはり、行き過ぎた表現だったとかですね、そういったご自身が発信した言葉に対してですね、振り返って、行き過ぎた表現だった、そこを間違ったものを正していきたいとそこを述べるのも、知事の役目なんじゃないですかね。
 知事としては間違っていないけども、ただ、事務方トップの総務部長の方がおっしゃっている、「県としても行き過ぎた、必要なかった」と公式見解として述べられているわけですから、そこについての一言、何か行き過ぎた表現だったとか、そういうことも必要なんじゃないでしょうか。
 知事:それは、記者のご意見としては承ります。
 私としてはこれまで述べさせていただいたとおりですね。
 神戸新聞:まず、弊社で先週末に行った県内有権者向けの調査なんですが、斎藤知事を支持するかどうかを尋ねたところ、支持する人が34%、支持しない人が55%で、不支持の方が20ポイント上回りました。
 この数字について、まず受け止めをお聞かせください。
 知事:1つのアンケート調査ということで、真摯に受け止めたいと思います。
私としては、しっかり県政運営を、これからも改革も含めて、続けていくということで、県民の皆さんのご負託などに応えていきたいというふうに考えています。
 神戸新聞:同じ調査の数字なんですけども、告発文書問題に関して、第三者委員会が県の対応が公益通報者保護法違反であると指摘したことを受けて、斎藤知事がどう対応すべきかという設問も設けたんですけども、それに対して、辞職すべきというのが42%、現状の対応で十分だとおっしゃる方が23%だったので、大きく上回ったということで、これについてはどのように受け止められますか。
 知事:それについても、しっかり受け止めていきたいというふうに考えています。
 私としては、先ほど申し上げたとおり、県政をしっかり前に進めていくと。
 そして、様々な施策を着実に実行していくということが、自分としての責務だというふうに考えています。
 神戸新聞:今のところ数字だけじゃなくて、いろんな報告書の指摘を受け止めるべきというような意見も含めても、辞職を考えられたりとか、パワハラの認定を受けて、ご自身に何らか減給などの処分を科すとか、そのあたりのお考えは今のところはないということですか。
 知事:私の考え方、そして果たすべき責務というものは、これまで述べさせていただいたとおりですね。
 神戸新聞:第三者調査委員会について、SNS上などで、委員が利害関係者であるとかですね、違法性まで指摘するのはガイドライン違反だ、などといった言説が飛び交っていまして、それに関して、弊社で取材したところ、専門家も含めてですけども、そういった言説は誤りであると、公平で中立に調査した結果であるということだったんですけど、改めて知事から見てですね、第三者委員会の調査結果というのは、公平で中立性が保たれていたというふうに思われていますでしょうか。
 知事:その通りだとは思いますね、はい。
 神戸新聞:その上で、その調査結果に対して、公益通報者保護法違反については受け入れない、という考えは今も変わらないということですか。
 知事:私の考えは、これまで、3月26日の会見を含めまして、述べさせていただいたとおりです
 神戸新聞:公益通報者保護法違反に当たらないという、知事の反論の根拠の1つになっていました、特別弁護士にも相談した上で通報者の特定を行ったと、問題ないというアドバイスを受けたので、通報者探索をしたと。
 その点については、第三者調査委員会の方で、知事の見解も含めて、最終的に通報者探索は違法であると、告発文書は公益通報に該当すると、そういう結論が出されているんですけども、何かその新たな反論の根拠というのは、その調査委員会の知事の見解を踏まえた第三者委員会の調査結果に対して、新たな反論の根拠というのは何か示される予定はあるのでしょうか。
 知事:ですから、3月26日の会見で述べさせていただいたこと、そしてこれまで、私が百条委員会も含めてですね、いろんな場面で議会も含めて述べさせていただいたというとおりですね。
 県の対応としては、適切だったという考えです。
 神戸新聞:先ほどの質疑でもあったんですけど、消費者庁の見解として、大臣だったりとか審議官の答弁でですね、知事がこれまでおっしゃっていた体制整備義務には、基本的には内部通報に限られるという考え方もあるとか、そのあたりも含めて否定されていたやりとりがあったと思うんですけども、それを踏まえても、県としての見解はこれまでと変わらないという、念のため確認なんですけど、変わらないということですか。
 知事:そうですね。

 3月26日の会見含めて、これまで述べさせていただいたとおり、県としての対応は適切だったというふうに考えています。
 神戸新聞:既に消費者庁の方から、何か技術的助言とかという話もあったんですけど、何か指導が入っていたりとか、そういう事実はないですか。
 知事:技術的な助言というものは、一般的にガイドラインなどの技術的助言はあるというふうには聞いていますけども、今回、何かその大臣の発言を受けて、技術的助言が来たということはないというふうに聞いています。

 朝日新聞:第三者委員会の報告書の内容についてお聞きします。
 パワハラに関する項目の中で、ひょうごっ子ココロンカードの発行事業をめぐる問題の項目がありまして、この中で事実認定として、カードは本来小学1年生に配るものであるところ、2024年度は県内すべての小中学生のカードが斎藤知事の名前が入った新デザインに差し替えられたと。
 そのために費用が例年よりも約140万円多くかかったということが指摘されています。
 それで、この全面差し替えの出発点として、知事の指示があったということも総括で認定されています。
 教育委員会にも取材しましたが、結果として全面差し替えをしていて、事実関係としては、報告書のとおりであるということでした。
 ただ、知事は百条委員会の証言などですね、「随時、差し替えをしていくように指示した」とかですね、「全部かどうか対象範囲は指導していない」ということで証言されておられますけれども、ちょっと食い違っているなと感じておりまして、改めてその差し替えについては、どのような指示をされたのか、経緯とともに教えていただければと思います。
 知事:報告書に含まれた内容についての個別のことについては、コメントの詳細をここの場で言うということは差し控えたいと思います。
 ご指摘いただいたものについては、予算措置の範囲内で適切に教育委員会が執行したということです。
 朝日新聞:全学年分、斎藤知事の名前が入ったカードに差し替えるように指示したか、していないかはお答えいただけないということでしょうか。
 知事:ココロンカードのあり方については、適切に名称が知事で、今の知事が斎藤元彦だということを踏まえて、対応を検討した方がいいんじゃないかという話があったということで、それを踏まえて、教育委員会の方が対応したということです。
 朝日新聞:全学年分なのかその随時、毎年、徐々に差し替えていくかどうかというのは、どちらだったんですか。
 知事:いずれにしても、今回、それを踏まえて、その対応について教育委員会が予算執行について、適切に対応しているということですね。
 それがどのように差し替えたか含めて、これは予算の範囲内で、適切に対応しているということで、問題ないというふうに思います。
 朝日新聞:報告書がですね、例年より140万円多くかかったことについて、県民にとっては不利益で、必要性のない支出だったというふうに評価されておりますけれども、知事としてこの支出については適切なのかどうかは、どう評価していらっしゃいますか、改めてなりますが。
 知事:それはその時の判断として適切だったというふうに考えています。
 朝日新聞:第三者委員会のヒアリングにも裁量の範囲であって、余分な費用だとは考えていないということだったんですけども、既に使っているカードを新しいものに変えるということで、無駄が出ているのかなと考えたりもするんですが、余分な経費ではなかったという根拠としては、背景にどういう考え方があるということなんでしょうか。
 知事:それは、予算を適切にその時々で執行するということが、それは今回、ご指摘の点についても、問題ないというふうに考えています。
 いろんなご指摘そして記者がおっしゃったような論点などがあるということは真摯に受け止めますけども、ココロンカードの対応については問題ありません。
 産経新聞:先ほどから出ているんですけれど、念のため確認させてください。
 消費者問題の特別委員会で、審議官が法定審については3号通報に関する体制整備義務について、否定している部分があるというふうにおっしゃっていて、知事の3月26日の会見の発言と真逆の考え方なんですけど、撤回、修正はしないということですか。 
 知事:3月26日に述べさせていただいたとおりですね。
 産経新聞:適切だとおっしゃるのであれば、先ほど毎日新聞もおっしゃっていましたけど、具体的に判例だったり、誰が言っているのかとか、学説とか、そういうのを具体的に示して、反論していただいたほうがいいと思うんですけれど、それによって新たな議論の余地も生まれると思うんですけれど、そこについて示していただけないのでしょうか。
 知事:そういった考え方ややり方については、真摯に受け止めますけれども、県としては、3月26日の会見、それからこれまで議会や委員会などで述べさせていただいた考え方ですね。
 産経新聞:適切だとおっしゃいますけれども、これだけ各方面から違法性が指摘されていますけれど、その違法性が指摘されている状態の行政機関というか、そのあり方としてどうなんだという声もありますけど、議員含めてそういう声を聞きますけれど、こういうふうに行政機関が各方面から違法性を指摘されている状態、そのものについて、適切だと思いますか。
 知事:ご指摘というものは真摯に受け止めますけれども、県としての対応は適切だったと考えていますし、今、きちっと行政については、新年度入って、着実に政策も含めて進められているというふうに思っています。
 産経新聞:違法性が指摘されるという余地を残した状態でも、問題ないと考えていますか。
 知事:そういった指摘というものは真摯に受け止めます
 それは第三者委員会の報告書というものも真摯に受け止めるということですね。
 ただ、3月26日の会見を含めて、県としての考えというものはこれまで述べさせていただいたとおりですので、そこは真摯に受け止めるということでも、やはり考え方についての違いがあったということですので、それはいろんなご指摘というものは受け止めつつも、県としては、県政運営をきちっとこれからもしっかりやっていくということが大事だと思います。
 産経新聞:受け止めると結構おっしゃっていますけれど、受け止めた結果どうなっているのか教えてください。
 知事:受け止めた結果、3月26日などの会見で述べさせていただいたというとおりですね。
 産経新聞:風通しの良い職場づくりに向けて努力するというふうに、知事は何回もおっしゃっていますけれども、具体的に風通しの良い職場というのはどういう状況か具体的に教えてください。
 知事:まさにその風通しの良い職場だということだと思いますね。
 職員がそれぞれ意見を闊達に知事と政策に関する議論をし合うという意味で、風通しの良い職場を作っていくことが、私は大事だというふうに考えていますね。
 産経新聞:これだけ違法性が指摘されている行政機関ということになりますけど、現状の評価として知事の言う、風通しの良い職場というふうになっていると考えていますか。
 知事:それはいろんなご指摘、いろんなまだまだ不十分だというご指摘もあるかもしれないですけど、私としては新年度が始まって、新たな体制のもとで幹部含めて、日々の業務から含めて、風通しの良い職場づくりに向けて、全力で対応させていただいています。
 産経新聞:現状、風通しの良い職場になっていますか。
 知事:それは私としてはそうなるように、これからも努力していくということが大事だと思いますね。」
 
 「関西テレビ:実際、奥谷議員だったり丸尾議員に対して、誹謗中傷を行っている人に対して、何かお伝えされたいことというのはありますでしょうか。
 知事:先ほど申し上げているとおり、すべての利用されている方に、やはりどなたに対してのSNSの誹謗中傷というものもやるべきではないということが大事ですので、それをお伝えしたいと思いますね。

 読売テレビ:先ほどの17日の消費者問題特別委員会の件なんですけれども、審議官からこれまでも国と兵庫県の間で公益通報の法解釈についての助言をしていると答弁があったんですけれども、その助言の内容については知事に報告入っていますでしょうか。
 知事:百条委員会などに対してとかで消費者庁の方から議会が法解釈の確認などを行って、そういったやりとりがあったということなどは聞いてはいますけれども、大臣の発言を受けた後、技術的助言は来てはないというふうに聞いていますね。

 読売テレビ:一応、その答弁の質問内容とその答弁の文脈が3号通報についてだったんですけれども、その公益通報の解釈についての助言はこれまでにも来てないということでいいでしょうか。
 知事:私は、そこは存じ上げていないので、また確認していただければと思います。
 読売テレビ:その答弁で大臣が、今後、3号通報の法解釈について、県にどのような指導・助言ができるか今後も検討しますというふうな発言がありました。
 公益通報に当たるかどうかの最終的な県の判断は、最終的には知事が担うことになると思うんですけれども、今後、何か国から指導・助言があった場合、知事の判断もしくはその県の判断というのは、変わる余地というのは今もあるんでしょうか。
 知事:仮定の質問になりますので、詳細はお答えできないですけれども、県としての考えは、これまで述べさせていただいたとおりです。」
 ————
 ②につづく。

2871/兵庫県人事課·「二つめ」の第三者委員会の任務全ては「週刊文春の情報元」捜し。

 兵庫県議会のいわゆる<百条委員会>とは別に、知事に指揮監督権があるいわば行政部には、三つの「第三者委員会」が設置されていた。
 「一つめ」の委員会は、長いが正確には「令和6年3月に職員が作成・配布した『「齋藤元彦兵庫県知事の違法行為等について(令和6年3月12日現在)』と題する文書」に関する調査を行ってきた「文書問題に関する第三者調査委員会」は、今年2025年3月19日に、県当局に対して「調査報告書」を提出した。
 <残り二つの>、つまり「二つめ」と「三つめ」の第三者委員会はいずれも、今年度末日の2025年3月31日に「報告書」を提出した
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 これら二つの委員会について、その設置根拠の問題がある。条例上の根拠はなく、「要綱」がそれに代わっているか、個別の委員(弁護士)との<委託契約>が法的根拠であるか、のいずれかなのだろう。この問題については、ここでは言及しない。
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  これらの、「二つめ」と「三つめ」の第三者「委員会」の簡単な経緯と調査対象について、マスメディアはつぎのように報道している(引用等はいずれもネット上の3/31付けの情報から)。三つにだけ触れる。
 ①/朝日新聞デジタル。執筆者名/添田樹紀(神戸総局・県政担当)。
 「情報漏洩疑惑めぐる第三者調査終了/兵庫県、内容は処分時に公表」
 「兵庫県は31日、斎藤元彦知事らが内部告発された問題をめぐる情報漏洩疑惑を調べていた二つの第三者委員会の調査が終了し、報告書が提出されたと発表した。…<中略>…
 二つの第三者委は、それぞれ①前総務部長が告発者の元西播磨県民局長の公用パソコン内の私的情報を県議らに漏洩した疑惑、②政治団体『「NHKから国民を守る党』党首の立花孝志氏らがSNSで拡散した県保有情報の漏洩疑惑、を調べてきた。いずれも地方公務員法違反が指摘されている。
 ①の疑惑をめぐっては昨年7月、週刊文春が前総務部長が告発文書とは関係のない私的情報をファイルにとじ、県職員や県議に見せて回っていた、と報道。県は10月に第三者委を設置し、真偽を調べていた。…<以下、省略>…」
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 ②/日経オンライン
 「告発者の情報漏洩疑惑、兵庫・第三者委が調査報告書提出」
 「兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを内部告発した元県幹部の私的情報が漏洩した疑惑を巡り、2つの第三者委員会は31日、県に調査報告書を提出した。…<中略>…
 情報漏洩疑惑は2つあり、それぞれ第三者委が設置された。1つは告発文書を作成した元幹部の私的情報を、元総務部長が県議などに漏らしたとされる疑惑。もう1つは、元幹部が公用パソコンに保存していたとされる情報がSNS上で拡散された経緯に関する疑惑だ。いずれも地方公務員法(守秘義務)違反の恐れがある。…<中略>…
 同日、2つの第三者委の調査実施要綱を初めて公表した。兵庫県弁護士会から推薦された弁護士3人がそれぞれ委員を務めた。」
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 ③/サンテレビNEWS
 「知事らの疑惑告発/元県民局長の私的情報漏えい問題で第三者委が調査結果提出」
 「兵庫県は、斎藤知事の告発文書を巡り、告発者の私的な情報などが漏えいした問題について、設置していた2つの第三者委員会の調査が終了したと発表しました。…<中略>…
 兵庫県は3月31日、残る2つの委員会が報告書を県に提出したと発表しました。
 2つの委員会は、告発者の元県民局長の公用パソコンにあった私的な情報が県の前の総務部長から県議に流失した疑惑と、元局長の私的な情報を含む県保有の情報が、政治団体党首の立花孝志氏に漏えいした疑惑を調査していました。」
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 以上によると、「二つめ」の「第三者委員会」に問題を限るが(最後のものに疑問・問題がないわけではないが)、この二つめの「第三者委員会」が調査したのは、それぞれ、①「前総務部長が告発者の元西播磨県民局長の公用パソコン内の私的情報を県議らに漏洩した疑惑」、②「元幹部が公用パソコンに保存していたとされる情報がSNS上で拡散された経緯に関する疑惑」、③「告発者の元県民局長の公用パソコンにあった私的な情報が県の前の総務部長から県議に流失した疑惑」だ。
 表現は同一でないが、同一のものを指している、と考えられる。すなわち、<元西播磨県民局長(告発者)の公用パソコン内の「私的情報」の漏洩>だ。しかも、この「漏洩」者は、①・②「前総務部長」、 ③「前の総務部長」と、すでに特定されている。
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  しかし、不思議なことにこれらの「報道」の前提になっているはずの「記者発表」の内容は異なる。
 「二つめ」を担当した(総務部)人事課の「発表」は、つぎのとおり(兵庫県のウェブサイトから引用)。発表者は、課長・上田真也、主幹・桑原真知子。課内の担当班は、「人事課人事班」。
 「秘密漏えい疑いに関する第三者調査委員会の調査終了について
 週刊文春令和6年7月25日号に掲載された本県職員が秘密を漏えいしたと疑われる事案の調査を行ってきた『秘密漏えい疑いに関する第三者調査委員会』の調査が終了し、本日、県に対して調査報告書が提出されました。 …<以下、省略>…」 
 同日に併せて、「秘密漏えい疑いに関する第三者調査委員会調査委託契約書」の内容も公表された。
 その第1条は「委託」の対象を、つぎのように定めていた(この対象のことをこの契約書は「事案」と称している)。
 「週刊文春令和6年7月 25 日号に掲載された兵庫県職員が秘密を漏えいしたと疑われる事案に関する事実確認調査」。
 同じことは、同様に3月31日に公表された「秘密漏えい疑いに関する第三者調査実施要綱」にも記載されている。冒頭の第1条は、つぎのとおり。
 「(目的)第1条 週刊文春令和6年7月25日号に掲載された本県職員が秘密を漏えいしたと疑われる事案(この実施要綱において「秘密漏えい疑い」といい、以下「本件事案」という。)について、公平かつ中立な観点から専門的な知見を持つ第三者による客観的な調査等を、調査委員会を設けて実施する。」
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  以上のとおり(秋月瑛二が勘違いしているのではない)、「報道」内容と「記者発表」内容は異なっている。
 強いて言えば、前者での<元西播磨県民局長(告発者)の公用パソコン内の「私的情報」>と、後者での「週刊文春令和6年7月25日号に掲載された」情報は同じだ、という説明があり得るのかもしれない。
 たしかに、重なっている部分はあり得る。しかし、同一の対象を指しているとは考えられない。
 前者によると、情報「漏洩」者は<前総務部長>と特定されている。井ノ本某だ。
 しかし、週刊文春2024/7/25号の記事の「漏洩」元、あるいはこの記事の「取材先」である、または週刊文春への情報「提供者」は、井ノ本某をかりに含むとしても、兵庫県の関係職員一般に広く及ぶと見られ、したがってまた、(「漏洩」した)対象「情報」自体がかなり異なるように考えられる。
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 そうすると、「二つめ」の委員会(弁護士3名。人事課所管)が担当したのは、週刊文春という雑誌メディアに<どの職員がどのような情報をどのように提供したのか>だった、と思われる。
 <元西播磨県民局長(告発者)の公用パソコン内の「私的情報」の前総務部長による漏洩>の経緯・内容とは、大きく異なる。
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 予約投稿後に、週刊文春2024年7月25日号の関係記事(p.21-p.23)を実際に見て、上記のことを確認した。以下の叙述も含めて、もっと断定的に書いてよいが、そのままにする。
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  まとめると、第一に、マスメディアによる兵庫県(人事課)発表内容のネット上の「報道」は<誤報>である可能性が高い。少なくとも、「記者発表」の内容に忠実であるとは言えない。
 第二に、週刊文春という雑誌メディアへの「情報提供」または「取材への応答」を行なった兵庫県職員を明らかにする調査を、この「二つめ」の委員会(弁護士3名)は行なった。この点は、3月末および今日までの一般的な?、およびマスメディアの理解と異なる、と考えられる。
 上の第二点について、さらに触れる。
 週刊文春側が「情報源」を明らかにするとは思えない。
 「三つめ」の第三者委員会の調査対象となる項目の過半数(13項目のうち9項目)に「週刊文春」のいくつかの号の記事が挙げられていた(「要綱」別表による)ことが、すでに話題になり、問題視されている。
 同じことは、「二つめ」の委員会が調査対象とした(漏洩)「情報」全体についても言えるだろう。つまり、「週刊文春」の特定号の記事となった情報を提供した兵庫県職員の探索がなされた、と考えられる。
 なお、兵庫県に関する情報の(内部職員からの)「外部提供」と「秘密漏洩」とは、むろん、同じではない。
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 ついでに。「二つめ」の委員会による調査を担当した人事課(職員)に対しても(「三つめの」それを担当した法務文書課(職員)に対しても)、兵庫県知事・斎藤元彦の指揮監督権が及ぶ
 上記の契約内容や「要綱」について、斎藤元彦が全く知らなかった、何ら報告されず何の指示もしなかったとは、到底考えられない。
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2861/斎藤元彦兵庫県知事による懲戒処分(2024.05.07)の「理由」。

  斎藤元彦・兵庫県知事が元西播磨県民局長に対して2024年5月7日に行なった懲戒処分(停職三月)の「理由」は四点あるとされる。その日に被処分者も「了知」して、当日に「発効」した、といちおう理解しておく。
 なお、審査請求(行政不服申立て)や取消訴訟の対象となる「処分」を国の行政手続法(法律)や兵庫県行政手続条例〔1995年7月条例22号〕は「申請にもとづく処分」と「不利益処分」に分けている。許認可等の申請に対する拒否処分は前者に、営業停止命令や公務員への懲戒処分は後者に含まれる。
 申請に定する拒否処分にも不利益処分にもそれを通知する文書に理由は付記されなければならない(兵庫県行政手続条例8条・14条)。
 斎藤元彦・兵庫県知事が2024年5月7日に行なった西播磨県民局長に対する懲戒処分(停職三月)にも「理由」が処分通知書自体に(別添であれ)記載されていたはずだ。
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  2025年3月16日に公表された<第三者委員会>(第一)の報告書は、上記懲戒処分はつぎの「四つの処分理由」により行われたと整理している。
 ①〜④は原文まま。ここでは番号ごとに区切った。
「①「誹謗中傷文書(本件文書)の作成・配布行為、
 ②「人事データ専用端末の不正利用(人事課管理職時に、特定の職員の顔写真データに関し、業務上の端末を不正に利用するとともに、個人情報を不正に取得し持ち出した)、
 ③「職務専念義務違反行為(平成23年から14年間にわたって、勤務時間中に計200時間程度、多い日で1日3時間、公用パソコンを使用して業務と関係ない私的文書を多数作成した)、
 ④ハラスメントメント行為(令和4年5月、次長級職員に対してハラスメント行為を行い、著しい精神的苦痛を与えた)」。
 なお、同報告書の付記によると、②〜④は「3月25日に引き上げた公用パソコン内のデータから判明したものだった」。
 以上、上記報告書のp.123-4。
 ————
  YouTube 上で提供されている情報の中には、兵庫県(人事関連部署)が作成された、<懲戒処分一覧>とでも称すべき文書のうち、上記懲戒処分の部分をそのまま画像として示しているものがある。
 それら(複数)によると、「処分理由」はつぎのとおり。丸数字はなく、四つの段落に分けられている。ここでは便宜的に、順序とおりに①〜④の丸数字を付す。
 ①「令和6年3月、知事や一部の幹部職員を誹謗中傷する文書を作成・配布し、多方面に流出させることで、県政への信用を著しく損なわせた」。
 ②「平成23年〜28年にかけて、人事課管理職時に、業務の目的外で人事データ専用端末を使用して特定の職員(1名分)の顔写真データを2回表示・撮影し、又は顔写真データを1回コピーして、そのデータを公用PCに保存し、人事異動の際には、そのデータを自宅に持ち帰った上で異動先の公用PCに保存することによって、業務上の端末を不正に操作するとともに、個人情報を不正に取得し持ち出した」。
 ③「平成23年から14年間にわたって、勤務時間中に計200時間程度、多い日で1日3時間、公用PCを使用して業務と関係のない私的文書を多数作成し、職務専念義務等に違反した」。
 ④「令和4年5月、次長級職員に対して人格を否定する文書を匿名で送付するハラスメント行為を行い、当該職員に著しい精神的苦痛を与えた」。
 以上。
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  「<懲戒処分一覧>とでも称すべき文書のうち上記懲戒処分の部分」と上に書いたが、その理由はつぎのとおり・第一に、「事案一」と当該文書の左上に書かれている。第二に、正式の「付記理由」は処分通知書に(別添であれ)記載されるのであって、紹介されているのは、処分通知書そのものではない(処分通知書全文を「公開」するのは被処分等の「権利」を過度に害する可能性がある、という問題もある)。
 したがって、上の四点の「理由」は正規の文章そのままではない可能性がある。もう少しは詳細だった可能性はある。
 但し、基本的な理由を疎漏したり省略したりしているとは考えられないので、上の懲戒処分の適否・効力を—「理由」との関係でも—考察するには、上のような「付記理由」を前提としても、おそらく差し支えないだろう。
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2859/法(法学)という「ものの考え方」002—斎藤元彦①。

 「ものの考え方」という表現に厳密に拘泥しなければ、社会のことはたいてい「法」に関係しているので、この表題でほとんど何でも書けるな、ということを後になって気づいた。
 元々予定していた内容ではないが、気になる「法」的問題に触れる。常識的、または基礎的な問題ではない。
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  斎藤元彦(現兵庫県知事)の法的または法学的知識には、問題が多いように見える。表向きは詳しいように見えて、じつはほとんど「無知」なのではないか。この人が「経済学部」出身であることに、今回はとくには注目しない。
 なお、斎藤が総務省出身だからと言って、総務省所管の公職選挙法(法律)のことをよく知っている、ということは、公職選挙法担当部署の経験がない限り、あり得ないだろう。公職選挙法、政治資金規正法あたりを専門とする弁護士も、ほとんど存在しない。
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  さて、2025年3月5日の定例記者会見の中に、斎藤がこう述べている部分がある。
 「懲戒処分に対しては…、もし…不服があれば、これは人事委員会というところに不服申立てができます。そこで審査されて、もしそこで本人の申立てが通らなかったとしても、次は裁判ということでいきますので、ご本人が本当に不服や何か問題があるのであれば、…申立てや裁判をすることができたはずです。ご本人はされなかったということで、それで懲戒処分というものは確定した、というのが今の見解でございます。
 同旨のことを、後でこうも言っている。
 「懲戒処分というものは、手続内容を経てやっているものですから、…処分された方がもし不服があれば不服申立てや裁判をされているということが一つのあり方ですから、そこをされなかったというところで、処分については確定をしているというのが今の見解ですね」。
 以上の趣旨・意味が理解されると、斎藤は想定していたのだろうか。記者会見に出席した記者たちは理解したのだろうか。
 上の部分をとくに取り上げて論評するメディア・マスコミはなかったように思われる。
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  読解すると、つぎのようになる。
 2024年5月に兵庫県知事が行なった、元西播磨県民局長に対する懲戒処分は、行政不服審査法、行政事件訴訟法(いずれも法律)にいう「処分」(広義=「行政庁による処分その他公権力の行使に当たる行為」)に該当する。
 いったんなされた「処分」については<取消訴訟の排他性(排他的管轄)>というものがあり、訴訟の中では、「行政訴訟」の中の「抗告訴訟」の中の「取消訴訟」でもってしか、原則として、争うことができない。原則として、「取消訴訟」によって、当該「処分」の法的効力の「取消し」(=処分時に遡及しての法的効力の否認)を求めなければならない。
 行政不服審査法による「行政不服申立て」もすることができるが、通常は、取消訴訟と行政不服申立てのどちらでもよい。
 但し、公務員に対する懲戒処分については<行政不服申立て前置主義>が個別の法制度上採用されていて、取消訴訟を提起する前に必ず「不服申立て」(本件の場合は人事委員会に対する「審査選挙」)をしなければならず、その結果(=裁決)に不服があるときに、「取消訴訟」という訴訟の提起ができる。
 「行政不服申立て」については「審査請求」も含めて「不服申立て期間」(「審査請求期間」)が定められていて、原則として、処分があったことを知った日の翌日から起算して三月」以内に行なわなければならない。なお、了知日いかんを問わず、「処分があった日の翌日から起算して一年を経過したときは、することができない」(以上、行政不服審査法18条)。
 元西播磨県民局長に対する懲戒処分は2024年5月7日に行われたとされ、その日に同氏が了知したとすると(これは通常は「処分通知書」の受領だ)、不服があれば同年8月7日までは兵庫県人事委員会に対して「審査請求」をすることができた
 その不服申立てについての「裁決」に(一部にせよ)不服があれば、原則として、当該裁決があったことを「知った日」から(の翌日起算で)六箇月」以内であれば、「取消訴訟」を提起することができる(行政事件訴訟法14条)。この場合、原懲戒処分についての取消訴訟というかたちをとる。
 元西播磨県民局長は、2024年7月7日に、自死しているのが発見された、とされる。
 存命であれば、上記のとおり8月7日までは「審査請求」をすることができた。だが、死亡によりこれを行なうことはできなくなった(遺族による損害賠償請求は別だが、本人しか「審査請求」はできない)。
 そうすると、「取消訴訟」の提起は「審査請求」についての「裁決」の存在が必要であるので、「取消訴訟」の提起も不可能になった。
 行なわれた「処分」についての、「取消し」を求める「審査請求」と「取消訴訟」を合わせて「取消争訟」と称することがあり、前者の「前置主義」が採用されている場合にとくに、行なわれた処分についての<取消争訟の排他性(排他的管轄)>が語られることがある。
 本件の場合、被処分者がこの<取消争訟の排他的管轄>を遵守しなかったので、要するに人事委員会に対する「審査請求」を行なわなかったので、被処分者に対する処分(懲戒処分)の法的効力を「取消す」法的手段はもう存在しなくなった、と表現することができる。
 このことを一般に、一定の「処分」は「確定した」、より正確には「形式的に確定した」という。形式的確定力が生じた」とも言う。この<形式的確定>は審査請求期間や「取消訴訟」の「出訴期間」の<徒過>によって生じる。
 斎藤元彦が「ご本人」が「不服申立てや裁判」をしなかったので本件の懲戒処分は「確定した(確定している)」と言っているのは、以上のような法制を前提にしている。
 そして、今さら懲戒処分の適法性や有効性を議論しても無駄だ、相手が「法的手続」をとらなかったから、すでに法的には有効なものとして「確定」しているのだ、と言いたいのだろう。
 なお、客観的には「違法な」処分であっても<取消争訟の排他性(排他的管轄)>があるゆえに、一定期間の<徒過>によって、有効なものとして「通用」してしまう、という現象が生じ得ることを現行法制度が容認していることは、否定できない。(以上は法的「効力」に関する叙述であり、損害賠償や刑事法上の問題は別論。)
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  しかし、司法試験の必須科目である「行政法」を勉強した者や国家公務員試験で「行政法」という科目を選択して勉強した者であれば、さらに、つぎのことも知っていなければならない。
 のうのうと「確定した(している)」というのが今の「見解」ですね、と言っている斎藤元彦の「法的知識」は中途半端だ。おそらくは、上記の<取消争訟の排他性>のことを総務省入省後に知っていて、そのことだけを「振りかざして」いるのだろう
 斎藤元彦の言明にはない重要な点は、以下のとおりだ。
 「違法な」処分と「瑕疵のある」処分を同じ意味で用いるとすると(「瑕疵」概念の用法には必ずしも絶対的な一致はない)、そこでの「瑕疵」には、つぎの二種がある(「軽微な瑕疵」という論点を省く)。
 「取消しうべき瑕疵」と「無効の瑕疵」だ。この区別は、民法(学)上もある。むしろ民法(学)上の概念と議論が行政上の「処分」についても応用されている、と言える。より簡単に「取消しの瑕疵」と「無効の瑕疵」の区別とも言う。
 しかして、上記の取消争訟の排他性(排他的管轄)>が適用されるのは、「取消しうべき瑕疵」をもつ「処分」に限られ、「無効の瑕疵をもつ」、つまり「無効な」処分は、この<排他性>の制約を受けない。
 要するに、「無効」である処分は、行政不服申立て制度や「取消訴訟」制度を利用しなくとも、当然に、あるいは当初から、「無効」であって、法的「効力を有しない」のだ。

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  2025年3月16日に発表された兵庫県の「第三者委員会」(第一)の報告書は、こう明記している。まずは、「第10章・公益通報などの観点から見た場合の県の対応の問題点について/第3・本件文書の作成・配布行為に対する兵庫県の対応の適否/6・本件懲戒処分の適法性/(4)・処分理由①について/イ・通報対象事実とそうでない事実の混在について」にある。
 「本件文書を作成して配布した行為を懲戒処分の対象とすることは、公益通報該当性が認められない部分、真実相当性が認められない部分を含め、懲戒権者に与えられた裁量権の範囲を逸脱し、濫用するものであるから、違法であり、その部分について行われた懲戒処分は効力を有しないと判断する」。
 また、上は公益通報者保護法の観点からと見られるのに対し、続く「ウ・斎藤知事のパワハラ行為に着目した検討」は最終的には「違法」とまとめているが、前提としてこう書いている。
 斎藤知事にパワハラがあったとの指摘・通報が懲戒処分の理由となるか否かという観点から検討して「懲戒処分を行うべきではないという判断に至れば、保護法の観点とは別に、パワハラを指摘した部分については、その効力が否定されることになる」。
 これらにおける「効力を有しない」、「効力が否定される」とは、<無効だ>と言っているに等しいだろう。
 とすると、「第三者委員会(第一)」の報告書によると、上のかぎりで、「ご本人」が取消争訟を提起しなかったので「確定した(している)」と、のうのうと(偉そうに?)言って済ますことはできない。
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  斎藤元彦は十分に正確には「知って」いないのであり、そのことを自覚しないまま、記者会見という公の場で恥ずかしい「見解」を披歴していることになる。
 法的問題に関連する斎藤元彦の発言には、他にも問題の多い、または間違っているものがある。回を改める。
 また、上記<第三者委員会>報告書では、理由の一部(①)について違法とされ「無効」とされたがその他の理由(本件での②〜④)については「違法」が断定されておらず、「効力を有しない」との明記もない。このような場合、一体としての一つの懲戒処分の法的「効力」はどうなるのか、少なくとも「停職三月」は維持されないだろうというのは確実だが、ではどうなるかはやや困難な問題だ。
 上記<第三者委員会>報告は「判決」ではなく、本件懲戒処分の丁寧な司法審査をしているわけでもない。これらにものちに、論及するかもしれない・
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2856/斎藤元彦兵庫県知事・2025年3月5日(水)記者会見②。

 斎藤元彦兵庫県知事・2025年3月5日(水)記者会見(一部)②。
 出所/兵庫県庁「知事記者会見(2025年3月5日(水曜日))」
 前回のつづき。
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 Arc Times:元県民局長は、公益通報者なんでしょうか。
 知事:4月4日で内部通報されたという意味では、4月4日に公益通報されたと。
 正確に言いますと、私は報道内容等でそう聞いているということです。
 Arc Times:少なくとも3月は別にして、知事の見解としては、4月については公益通報しているということですね。
 そういう意味で公益通報者なわけですけれども。
 知事:4月4日の時点では。
 Arc Times:その人物に対して、今、この後に及んで、わいせつな文書ということを言う理由はなぜでしょうか。
 これ、不利益を与えないというのは、公益通報者保護法の大きな趣旨ですけれども、なぜ公益通報者だと分かっているのに、その人物を、今、傷つけるようなことを言うんでしょうか。

 知事:3月の文書の配布について、これは公益通報ではなくて、誹謗中傷性の高い文書を作成されたということで、その作成をした。
 それを、公用パソコンを使って、業務時間外にやったと。
 Arc Times:それは、3月の話でしょ。私は4月の話をしてるんじゃなくて、4月以降は、もう公益通報者になったはずですから。
 知事:その調査をしていきながらですね、公用PCの中に4つの非違行為、その中に倫理上問題のある文書が見つかったということですから、それの説明を差し上げたということです。
 Arc Times:今日ですね、初めてわいせつな文書という言い方をしましたが、この間も質問出ていますけれども、知事は、今、見たことはないとおっしゃっていました。
 わいせつな文書とこの場で言うことは、非常に、まさに誹謗中傷性が高いと思いますが、その根拠は何でしょうか。
 知事がそこまで、この会見の場でおっしゃる根拠は何でしょうか。
 知事:パソコンの端末を調査された時に、そういったわいせつな内容が含まれる文書があるという報告を受けたからです。
 Arc Times:それは、百条委員会では、奥谷委員長は小説か日記か分からない文書と、真偽が分からないということを皆さん言っていますけれども、知事は、それはもうわいせつな文書と断定しているんですね。
 知事:そういう文書だったという風に報告を受けていますので。

 倫理上極めて問題のある文書で、それを、やっぱり公用パソコンで、県民の皆さんの税金で買っているパソコンですから、そこでやっぱり作られているということは、そこは問題がありますよね。
 Arc Times:知事は、この場でそういう言葉を使うことについて、それがさらなる中傷になるということは考えないんでしょうか。
 ご自身として、そこまで踏み込む必要があると考える理由は、なぜなんでしょうか。
 知事:倫理上問題がある文書というのは、これまで申し上げてましたんで、その範囲内で、どういった文書かというとわいせつな文書ということを申し上げただけです。
 Arc Times:でも、そのわいせつな内容は、知事は知っているんでしょうか、知らないんでしょうか。
 知事:中身は見ていませんけども、極めて不適切な内容だということを、この場では言えませんけど、あったということは聞いています
 Arc Times:それは人事課の判断ということなんですね。
 「わいせつ」というのは、主観的な判断ですけれども、そういう判断を県当局として、人事課も知事もしているということでいいんですね。
 知事:わいせつな文書だとは思いますね。

 それを公用パソコンでやられていますので、そこは1つの処分理由の中に、やっぱり業務上関係ない文書を作っていた。
 それは何かというと、倫理上極めて問題のある文書だということで。
 やっぱり、県民皆さんの税金を投入して、職務中にそんな文書を作っていたらですね、これは他の団体でも、パソコンを閲覧していましたと、それを勤務時間中に、例えば、競馬サイトとかアダルトサイトを見ていた場合に、それを理由に懲戒処分をされているというケースもあるとは思うんですけど、それと同様に、やっぱり勤務時間中に、業務と関係ないことをやっていたという場合には、やはり処分対象になるというだけの話ですね。
 Arc Times:これだけ公益通報者保護法の問題になっている中で、その妥当性が問われてきた中で、この9カ月、知事はあえて本人が、今、公益通報者であるということが分かっていながら、本人の不利益になることを、今、まだこの場で言い続けるわけですね。
 知事:4月4日以降は、公益通報された方ですけど、3月の外部に文書をされた時点については、我々は誹謗中傷性の高い文書を作成された、そこで調査をした結果、ご指摘いただいた文書を含む、4つの非違行為が見つかったということですね。
 Arc Times:今回の報告書について、知事は、今日の囲み取材で、公益通報者保護法に違反する可能性が高いというところについては、適法だという可能性もあるということだという風に言い、処分についてはもう確定したことだという風に言い、この文書については誹謗中傷性が高いと。
 この報告書では、文書には一定の事実が含まれていると、知事は事実無根、嘘八百と言ったけれども、ここには事実があったという風に言われているわけですが、これについても、誹謗中傷性が高いということで見解が変わってないわけですよね。

 知事:例えば、五百旗頭さんの話で言いますと、副理事長の任を解かせていただいたということは、事実としてはありますけども、命を縮めたということは事実ではないという風に思いますので、そこは誹謗中傷性が高いと思いますね。
 Arc Times:結局、メインのポイントで、真っ向から反対する見解を知事は全部述べているんですけど。
 これは地方自治法100条に基づく、極めて重い、偽証ができない、この県においては51年ぶりの報告書なわけですが、それを知事は、1つの見解という風にしか捉えていなくて、その内容については、全て主要なポイントにおいて全く聞く耳を持たないという状態なんですけれども、それがゼロ回答、自分の考えを変えないというのが、先ほどの必要な研修うんぬんのところはいいので、含めてゼロ回答というのは知事の答えなんでしょうか。
 そう受け取らざるをえないんですけれども。
 知事:ゼロ回答ではないとは思いますけども、やはり我々が主張すべきポイントはしっかり主張していくということは大事だと思いますし、改めるべきところはしっかり改めていくということで、百条委員会の報告書は本当にしっかり受け止めさせていただきたいと思います。
 Arc Times:私も昨日、会見に出ましたが、その意味では、議会はこれに対して、皆さん真摯に受け止めて欲しいと言っていましたが、知事は、しっかり受け止めるとは言いつつ、中身については全く逆のことを言い続けているわけですが、これは県議会とすると、後は、再び178条、不信任のとこに行くしかないということでしょうか。
 知事:ちょっとそこは分からないですけど、私としては、やっぱり百条委員会の報告書というのは、大変重いですから、そこは、しっかりと受け止めていくと。
 改めるべきところはしっかり改めていくということが大事だと思いますし、今日は2月補正予算も可決していただきました。
 本当にありがたいと思いますし、当初予算についてもこれからぜひ成立していけるように、議会側と未来志向の政策議論をしっかり深めていくということが大事だと思っています。
 Arc Times:アンガーマネジメント研修は、知事は受けるつもりがあるのでしょうか、ここで指摘されていますけど、これは知事のことを指していると思いますが。
 知事:ハラスメント研修というものは、しっかり受けようと思っていますので、そういった中でしっかり対応していきたいという風に思います。
 毎日放送:文書への対応を検討する上で、業務時間中に業務上必要のない、業務とは関係のない文書を作る人が作成した文書だから真実相当性がないという風に考えたということはありますでしょうか。
 知事:それはないですね。
 毎日放送:しっかりと切り離していたという認識で合っていますか。
 知事:やはり文書の内容について、私自身もそうです。
 これまで述べているとおりですね、通報対象事実について、やはり、客観的な裏付けや証拠がないということと噂話を集めて作成しただけだということをおっしゃっていたんで、それと誹謗中傷性の高い文書だということで、保護すべき外部通報としての要件は欠いているという風に考えていましたね。
 毎日放送:今回、報告書がまとまったことで、文書の中の一定の事実が認められたということですけれども、改めて嘘八百という発言については、どういう風に振り返られますか。
 知事:叱責をした、強く注意をしたことがあるとか、そういった事実については、確かに私も付箋を1枚投げてしまったりとか、机を叩いたという事実はあるということですね。
 一方で違法性の認定については、それぞれの項目で、どこまでされたかというとそこは違法性の認定というものは、あの文書を見る限りは、可能性としては触れつつも違法の認定はされてなかったということが、調査結果でもあるとは思います。
 いずれにしても、議会側からのご指摘ですね、これはやはり真摯に受け止めて、しっかり対応していきたいという風に思います。
 毎日放送:一定の事実が認められている状況ではありますが、行き過ぎた表現だったとは思っていないということでしょうか。
 知事:一定の事実は認められた面もありますけど、先ほどの、例えば、五百旗頭先生とかで言いますと、人事異動が先生の命を縮めたということは明白だというそこの一番大事なポイントのところが、やはり、そういった事実はない、認定されていないということがありますので、そこはやはり、文書の内容というのは、私どもとしては、誹謗中傷性の高い事実でないことが多々含まれている文書だという思いは、今も変わっていませんね。
 毎日放送:発言自体を撤回もされないということでしょうか。
 知事:そうですね。

 発言自体は強い発言だったという風には反省はしています。」
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2855/斎藤元彦兵庫県知事・2025年3月5日(水)記者会見①。

 斎藤元彦兵庫県知事・2025年3月5日(水)記者会見(一部)①
 出所/兵庫県庁「知事記者会見(2025年3月5日(水曜日))」
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 産経新聞:報告書〔いわゆる百条委員会報告書—掲載者〕の中では、告発文書について一定の事実が含まれていたことが認められたというような明記もされていますが、知事としてはこれまでの県の対応については適切だったとお考えでしょうか。
 知事:議会側から百条委員会の報告書で、一定の見解が示されたということは、しっかり受け止めるという必要がございます。
 改めていくところはしっかり改めていくということが大事だと思います。
 文書問題に関して、県の対応というものは、これまで申し上げているとおり県としては適切だったという風に考えています。
 産経新聞:告発者を懲戒処分とした一連の県の対応について、報告書では公益通報者保護法違反の可能性が高いというような明記もされています。
 その際、囲みの取材の時にその可能性について、逆に言うと適法性の可能性もあるというようなご発言をされていたんですけれども、もう一度説明をしていただければと思います。
 知事:今回、議会側から報告書で一定の見解が示されたということは重く受け止めるということが必要だと思います。
 県としては、今回の文書問題に関する初動の対応から、懲戒処分の対応まで、これは弁護士とも相談しながらやってきたということ、そして、文書について誹謗中傷性の高い文書だということで、作られた方を調査したということです。
 それを踏まえた調査結果とそれを含めた4つの非違行為というものが、判明しましたので、懲戒処分をさせていただいたということです。
 内容、手続きともに問題なかったと考えています。
 公益通報の関係については、有識者の中でも様々な見解があるということで、違法性があるという指摘をされている方も百条委員会でもおられましたけれど、一方で、文書等ではやむを得なかったとか、そういった違法性がなかったという旨もおっしゃっている方もおられますので、意見が分かれるという問題ではあると思いますけれども、県としては違法性の問題はなく、適切だったという風に考えています。
 産経新聞:認定について断定をしていないから適法の可能性もあるんだというご説明ということですか。
 知事:可能性というもので、違法性についての可能性ということをおっしゃっていますので、可能性というからには他の可能性もあるということだと思います。
 産経新聞:報告書の中で、今回の県民局長に対しての救済回復の処置をとるというような規定に基づいた対応も必要だということも明記されています。
 改めて元県民局長の名誉回復について、例えば処分撤回をするなり、謝罪をするなり、そういったことを考えないでしょうか。

 知事:元県民局長が亡くなられたということは、大変残念で、改めてお悔やみを申し上げたいと思います。
 元県民局長も県政に長年にわたりご尽力いただいたということへの感謝もやはり大事だと私自身も思っています。
 一方で、今回の文書については、文書そのものが誹謗中傷性の高い文書だということと、多方面に実名を挙げて、企業名であったり個人名、病名まで実名などを挙げてやられて、事実でないことが含まれるような文書でございますので、誹謗中傷性の高い文書だということです。
 それに基づいてどなたが作られたかということを調べざるをえなかったというのが今回の対応です。
 そして、公用パソコンの中に、当該文書のデータが見つかったということ。
 それ以外にも、他の職員の写真画像、これは、本来は、人事課でおそらく保存されているもんだと思いますけど、それを抜き取って保存していたということ。
 別の部長への誹謗中傷とされるハラスメントの文書を作成されたということです。
 それから四つ目が、倫理上極めて不適切なわいせつな文書を作成されていたということで、4つの非違行為が判明しましたので、ここは懲戒処分ということになりました。
 懲戒処分の内容、手続きともに適切だった、適正だったと考えています。
 懲戒処分に対しては、先ほどの囲み取材でも申し上げましたけれど、もし不満、そして不服があれば、これは人事委員会というところに不服申し立てができます
 そこで審査がされて、もし、そこで本人の申し立てが通らなかったとしても、次は裁判ということでいきますので、ご本人が本当に不服や何か問題があるのであれば、人事委員会などに申し立てや裁判をするということができたはずです。
 ご本人はされなかったということで、それで懲戒処分というものは確定したというのが今の見解でございます。 

 産経新聞:先ほどの処分の理由の中で元県民局長が公用パソコンの中に保管した私的文書の内容について触れていました。
 倫理上極めて不適切な文書というような表現をされていたと思います。
 当初の処分の発表ではその内容について業務と関係のない私的な文書を多数作成というような説明の仕方をされていたと思います。
 今、現在、その内容に触れた説明をするという、その意図というか意味というのは、どういったところにあるんでしょうか。
 知事:倫理上問題のある文書というものは、これまでから申し上げていましたので、それが業務上じゃない文書ということで、どういった文書かということで説明したということです。
 産経新聞:この私的文書の内容について、県保有情報であるにもかかわらずSNS上にも流出してしまうという問題にも発展していると思いますが、そういったその内容に触れる発言を知事自身が行うというところの重大性についてどういうお考えでしょうか。
 知事:文書のその件については、今、第三者委員会の方で調査がされているというとこだと思います。
 その結果を、今、待っているというとこです。
 公用PCですから、県民の皆さんのパソコンの中にあった文書が業務時間中に業務と関係ないということをされていたということですから、そこの内容について、倫理上不適切なわいせつな文書だったということを申し上げているということです。
 産経新聞:私的文書について、先ほど言った「わいせつな」という表現をされていたと思いますけれども、これが流出されたことによって、一方でその告発文書の信用性というものも、失わせるような発信をするSNS上では見られるんですけれども、そういった事態がある中で、なぜ知事も「わいせつな」というような表現をするのかというところを教えてください。
  知事:公用PCの中身というものが、1つの我々が懲戒処分をさせていただいたということで、4つの非違行為ということになります。
 その1つの中が今申し上げた、業務上関係のないというものの中で倫理上問題のある、文書だったということです。
 それを申し上げたということです。
 産経新聞:有識者の方にも取材をしていると、そういった私的文書が流出してしまうこと自体も告発者の不利益扱いだというような見解を示されている有識者の方もいるんですけれども、そういった中でも中身について触れる説明をしないといけないですか。
 知事:懲戒処分の1つの理由になっています。
 これは業務上と関係ない、倫理上極めて問題のある文書だということで、これは申し上げるということは問題ないと思っています。

 日経新聞:今回、報告書を受けて、斎藤知事はこれまでの対応、県の対応は適切だったと従来の説明をされていると思いますが、仮に適切だと思っていても、当時を振り返って、より良い判断というのはいろんな場面であったかと思います。
 その中で、今回、報告書が出ていろんな課題も指摘されていると思いますが、当時を振り返ってこうするべきだったと思ったり、今後それを振り返る機会をしっかり作るなど、その辺りはどのようなご認識でしょうか。
 知事:内容で言いますと、議会側からもご指摘があったとおり、風通しの良い職場づくりに向けて、研修などをしっかりやっていくということは本当に大事だと考えています。
 物品受領についても、県民の皆さんから疑念を抱かれないようなルールづくりは大事だと考えていますので、そういった改めるべきところはしっかり改めていくということが大事だと考えています。
 その点も含めまして、一連の対応については、私としては問題ないと考えています。
 日経新聞:県として調査するのではなく、最初から第三者機関に委託するなど、その辺りについても特に思うことはないということでしょうか。
  知事:あの時、取り得る対応としては、最善の対応だったと考えています。
 確かにいろんなご指摘はあると思いますが、やはり、誹謗中傷性の高い文書が作成されて、多くの個人や企業の名称が出て、そして核心的なところが事実でない、信用を失墜しかねない違法行為などをやっているという内容でしたので、そこは早く対応しなければならないということで、誰が作ったかを調べたという対応ですから、ここは初動からも含めて対応に問題はなかったという風に考えています。

 日経新聞:今日の本会議後の知事囲み取材の中で、報告書の結果については、最終的には県民がどう判断するかが大事という発言もあったと思います。
 そこの意図をお伺いします。
 これまで、例えば、パワハラであったりとか、公益通報に関しては司法の判断という発言もあった中で、その辺の考えは従来と変わらないのか、何かお考えがあるのでしょうか。
 知事:そこについては従来と変わりません。
 ハラスメントについても、民事で言いますと、当事者がハラスメントだとされて、司法の場で判断されるということも一般的ですし、公益通報についても、通報された方が、公益通報についての争いをするということで、違法性の判断というものは司法の場でされる。
 これは百条委員会で弁護士もおっしゃっていたことだと思いますので、最終的には、今回、百条委員会で報告書が出まして、議会側の議決を受けたということですから、これについては県民の皆さんが最終的にどのようにこれを見て判断されるかというところはあると思います。
 日経新聞:最終的には司法の判断だけれども、県民の見方というのも重視したいと、そういう意図でしょうか。
 知事:文書の内容についての判断は、最終的には司法の場ということを、今おっしゃった2点については、そういうことだと思いますが、私が申し上げたかったのは、議会が今回報告書を議決したという議会の対応など、こういったものは、最終的には県民の皆さんが、どのように見て、どのようにこれから判断していくのかということです。

 日経新聞:その点で言えば、今、弁護士6人で構成している第三者委員会があると思いますが、元裁判官という意味では司法の見方という点では非常に精度の高いものかと思います。
 その結果を今後知事は受けると思いますが、真正面からしっかり受け止めていくのか、それでもやっぱり司法の場ということになるのでしょうか。
 知事:第三者委員会の結論については、まだこれから、調査中で結論が出ていないので、そのコメントはまた出てからだと思います。
 読売新聞:報告書の総括で指摘されている、「県のリーダーとして厳正に身を処していかれることを期待する」という部分についてですが、昨日の百条委員会の会見で、委員の1人から、「知事は議会とのコミュニケーションを重視する、しっかりと話し合っていくと再選後もおっしゃっている中で、議会と知事との間にこの報告書が位置付けられているものだと思っている。この報告書をどう受け止められるか、議会を重視してコミュニケーションをとっていくところの表れだ」と発言されていますが、再選後も訴えていた県議会とのコミュニケーションの取り方について、今後、斎藤知事はどのようにお考えでしょうか。
 知事:県議会も今回の代表質問や一般質問を通じて、政策について未来志向での提案や議論をいただいたということが大変多かったと私は捉えています。
 これが、県知事側と議会側のあるべき姿だという風に本当に思いますので、こういった政策議論を通じて、これは本会議だけではなく、機会ごとにやっている各会派との意見交換であったり、そういったことを通じて、政策の議論、そういったものをしっかりコミュニケーションしながら深めていくということが、本当に大事だと思っていますので、これはしっかりとこれからもやっていきたいと考えています。
 読売新聞:斎藤知事としては、再選前と再選後で、コミュニケーションの取り方は大分綿密になってきているとお考えでしょうか。
 知事:まだ11月に再選してから3ヶ月ほどで、これからしっかりやっていくということ、これは12月議会や今回の2月議会でも、本当に闊達な政策論争というものはされていると思いますので、引き続き、議会側と議論を闊達にしながらコミュニケーションを図っていきたいと考えています。
 読売新聞:本日の本会議で、増山県議による報告書に対する反対討論をされている際に、斎藤知事がうなずかれている場面があったと思いますが、知事はどのような思いで、その辺を聞かれていたのか、共感される部分もあったのかと思ったんですが、どのような感じだったんでしょうか。
 知事:私、うなずきましたっけ。あまり認識はしていないのですが、すみません。
 人の話を聞いている時にうなずきながら、というのは、よくやることですので特に他意はございませんが、ご主張をしっかりされたという姿を見ていたということです。

 読売新聞:報告書の中身で指摘されている部分について、独立性を担保するために、県以外の第三者委員会に調査を委ねるべきだった、第三者委員会を設置することとしたが、本来は元県民局長の処分前に設置し、処分するのであれば、その調査結果に基づいて処分を行うべきだったと考えられるとの指摘がありますが、これについてどのようにお考えでしょうか。
 知事:1つの議会側からの見解だとは受け止めてはいますが、いろんなやり方があるということだと思います。
 私としては、当時の兵庫県として取り得る対応は、先ほど申し上げた、初動からの対応は適切だったと思っています。
 読売新聞:元総務部長による元県民局長のプライバシー情報の漏えい疑惑について、県として刑事告発も含めた厳正な対応を早急に求めると指摘がありますが、知事としてこの指摘を受けてどのように動かれていく予定でしょうか。
 知事:ここは、今、第三者調査委員会で調査を進めているところですので、その調査結果を待って、適切に対応したいと考えています。
 読売新聞:先ほど、日経新聞の報告書を受けてという話で、知事ご自身として改めて今回の指摘を受けて、風通しの良い県政とか、贈答品のルールなどもあったと思いますが、これまで気付いていなかった部分で、反省しなければいけなかったとご自身の中で思われるような、ご自身の課題について何かありましたか。
 知事:職員とのコミュニケーションということで、感謝の気持ちを伝えさせていただいたりとか、そういったところです。そこは本当に大事なポイントだと思いますので、そこをよりこれから大切にしていきたいという風に考えています。
 読売新聞:元県民局長の公用PCの中身の私的情報について、先ほど明言される部分があったと思いますが、知事は中身をご覧になられたんでしょうか。 
 知事:私は見たことはないです。

 読売新聞:見たことはなくて、先ほどの話というのは、人事課からずっと前から聞いていた話ということですか。
 知事:見つかった当初に倫理上極めて問題のある文書だということを聞いていました。
 読売新聞:その後、確認した部分から新たに確認したということではないということではないですか。
 知事:ないです。
 そういった文書がありますということは聞いていました。
 読売新聞:その当時発言されていなかった「わいせつな」という部分で、今回、出たという理由は何かあるのでしょうか。
 知事:倫理上、極めて問題があるということで、それはわいせつな文書だということです。 
 読売新聞:これまではそういったお話は出てなかったように思うのですが。
 知事:そうでしたっけ。
 倫理上問題のある文書ということで、そういった趣旨も含めていると思いますので、そこは、今日申し上げたというところです。

 毎日新聞:百条委員会から報告書が出ました。
 先ほどの囲み取材でも、今の会見でもそうですが、それについては、議会側からの1つの見解だとおっしゃっています。
 今、同じ文書問題についての第三者委員会の調査が進んでいまして、月内にも結果が出ると思います。
 その結果が、県議会の百条委員会の結論と重なる部分については、たとえ、今までの県の見解と違っていても、そこの部分というのは改められるのでしょうか。
 それとも、あくまでもそれは違うんだということになるのか、その辺どのようにお考えなんでしょうか。
 知事:第三者委員会の結論はまだ出ていませんので、それが出てみないことには、そこについては、どういう考えかというのは難しいかと思います。
 報告書が出てからの対応だと思います。
 毎日新聞:知事ご自身の姿勢としてそこはどうなんでしょうか。
 2つの報告書から、これまでの県のやったことは、これは間違っている、違うというような指摘があった場合に、それを受け入れられるのか、それとも、そうではないのか、知事の姿勢としてどうでしょうか。
 知事:今日もそうですが、1つの見解としてしっかり受け止めていくことは大事だと思います。
 毎日新聞:第三者委員会の結論もまた1つの見解ということですか。
 知事:そこは内容を見てみないと分からないですが、第三者委員会としての報告書が出たら、それをしっかり見解として受け止めていくということは大事だと思います。

 毎日新聞:議会との対話の件で。先ほど浜田議長が取材に応じられ、その時に、百条委員会の報告書に関して、知事の方からオファーがあれば喜んで対話はしたいと。
 現状としては、11月に就任されて以来、なかなかじっくり話す機会もなかったということで、浜田議長の方はそのような見解ですが、知事として、直接会談をするとか、面会してこの件について話をするということについてはどのようにお考えですか。
 知事:それは政策の話をしたいということですか。
 毎日新聞:県議会として百条委員会が51年ぶり報告書を出したという、この件についてです。
 知事:必要があればぜひ会いたいと思いますけども、議会側からは、今日、議決が本会議でされて、私どもの方にも、議長名で文書が来ましたから、そこが、議会側からの報告書の提出があったということですので、そこで文書問題についての対応というものは議会側として、一定の節目を迎えたということだとは思います。
 毎日新聞:コミュニケーションを重視されるということであれば、報告書という書類ではなく、それを基に直接お話しされることがコミュニケーションを深めることになると思いますが、その辺はどうお考えですか。
 知事:そこは必要があれば、やるということは大事だと思っています。
 読売テレビ:先ほど、片山元副知事がコメントを出しまして、元県民局長の公用PCのデータについて、自主的な公開を知事に求めていくという風に話しました。
 ただ、この私的情報については、生前、元県民局長が取扱いの配慮を百条委員会に求めていた内容でもありますが、この公用PCのデータの知事の自主的な公開についてはどのようにお考えでしょうか。
 知事:元副知事からのコメントは、ちょっと承知はしていませんが、公用PCについては、基本的には、県民の皆さんの税金で購入させていただいて、使用させているもの、公のものですから。
 そこにもちろん、人事課とかに、家族とかの個人情報とかが保存されて、そういったところのプライバシーとか、そういう写真とかというのは、大事に保存・保管しなければいけないというのはあります。
 一方でやはり、公用PCですからね。
 ここは県民の皆さんが、どういった使われ方をされているのかというのは、税金ですから、関心も高いですし、チェックをしたいという思いはあるとは思います
ので。
 ただ、今回については、現時点ではそういった公用PCの中身を公表するということは、県としては決めてはいません。
  読売テレビ:確認ですが、決めてはないけれども、精査した上で検討したいということなんでしょうか。
 知事:そこは、現時点では、公表するということは決めてはないんですけども、いろんなご指摘はもちろんあると思いますので、そこはどういう風にするかというのは、公用PCですからね、やっぱり税金で買わせていただいたパソコンなので、そこがやはり業務と関係ない使い方をされていたということは、やはり県民の皆さんにとっても、どういう使い方をしていたんだと、自分たちの税金で買って、公務員が業務に使うということが、やはり本来のあるべき姿でしょうと。
 そこは、税金を払われている納税者の方々から見てやっぱりいろんな関心はあると思いますので、そこはどういった対応ができるかというのは、最初から全てがだめとかという議論ではなくて、それは、手続きとか内容の精査をしながら、どういう対応をするかということを、決めていくことになるとは思います。

 読売テレビ:これまでのやりとりの中で知事は今回の報告書の件、1つの見解として受け止めるという風に発言されていますけれども、一応、今回その見解を出したのが、二元代表制の一翼を担う議会が出したということです。
 議会も、知事よりも前の選挙ではありますが、県民の負託を得ているという状況で、1つの見解というのは、少し報告書を矮小化しているにも聞こえるんですけれども、それでも1つの見解という受け止めなんでしょうか。
 知事:大変重い見解だという風に思っています。
 やはり、二元代表制の一翼を担う議会から今回、百条委員会の報告書として、1つの見解が示されたということは、やはり我々としてはしっかり受け止めなければいけないという風に考えています。
 NHK:百条委員会の報告書では、パワハラの疑いなどについても一定、事実の内容も含まれていたと。
 これに対して、知事はこういった報告書というのは1つの見解だというところで、ある種、百条委員会側ひいては議会側と知事の間で、すごく相入れない部分があるのかなと思っていまして、それはどうやって間を埋めていかれようとしているんでしょうか。
 知事:相入れていないという風に私は全く思っていなくて、もちろん議会側からの提言にもあったですね、アンガーマネジメント研修を取り入れて欲しいとか、あとは、物品受領についてのルールづくりを、会食も含めて、しっかりやって欲しいということで、そういった提言というものは、やはり我々としてもその見解をしっかり受け止めて、それを改めるべきところに、反映させていただくということは本当に大事だという風に思っていますので、そこはしっかりやっていきたいという風に思っています。」

 「NHK:文書問題の報告書とは、切り分けて予算は予算としてしっかり議論をしていくべきということですか。
 知事:今日、県議会で百条委員会の報告書をいただいたということは、大変重く受け止めるということは大事だと思います。
 改めるところをしっかり改めていくということが、私自身も大事だという風に思っていますので、その上で、謙虚な気持ちを持って、政策を進めていくという意味で、百条委員会の提言というものもしっかり踏まえていくということが大事だと思いますし、その上で、来年度予算の成立、これはやはり県民の皆さんの大きなご負託の中で、県の事業、予算というものをしっかり前に進めて欲しいということが、111万票ですね、それ以外の方も含めて、やはり県政をしっかり前に進めていって欲しいのが、県民の皆さんの総意、大きな思いですから、それを体現していくということ、それを実現していくということが、斎藤県政にとって大事なことだと思います。
  NHK:最終判断は司法の場というところ、今日に限らずこれまでも述べられました。
 昨日、百条委員会の報告書をまとめて、今日、賛成多数で了承されたと。
 知事自ら、最終判断は司法の場というところがちょっとふわっとしていて、知事はこの評価を受けて、何か司法の判断を仰ぐようなアクションとかは取られるおつもりなんですか
 一方で文書を書かれた元県民局長の方は亡くなられているので、そういう行動はできないと。
 やるとしたら知事ご自身が何か司法の場において判断を仰ぐなどそういったアクションは現時点で何か考えられているんでしょうか。
 知事:私からはないと思います。

 NHK:先ほどお話あった公用パソコンの公開というのは、元県民局長の公用パソコンの公開ということでよろしかったですか。
 知事:先ほどのご質問の趣旨が、そうであればそうだということです。
 NHK:先ほどの質問も確か元県民局長のパソコンの公開についての質問だったと思うんですが、知事としても、そこは公開も検討ということでしょうか
 知事:そこはいろんな、情報公開請求とか、いろんなものがどういう風にあるのかちょっと私は承知していませんけども、そういったものがあったりする中で、どういう風に対応していくのかというのは、今後、情報公開請求などがあればとかですね、あとは、いろんな県民の皆さんの関心など踏まえて、どういう風にしていくかというのは、今後、議論を全くしないというよりも、そういった議論はあり得るという可能性を言ったということですね。
 NHK:県民の皆さんからの関心も高まり、仮に情報公開請求があった際には元県民局長の公用パソコンの公開というのも一定可能性としてはあるということですか
 知事:請求とかがあれば、もちろん検討はしていかなければいけないと思いますし、最初から全てを公開しないのかというものでもなくて、それは一応そういった可能性としては、議論をしていくということはあり得るというだけの話ですね。

 朝日新聞:先ほど、知事がおっしゃいました元県民局長が公用パソコンで作成した私的文書の内容について触れられた件なんですけども、産経新聞もおっしゃっておられましたが、懲戒理由は、業務中に業務と関係ない文書を作成したということで、要は職務専念義務違反が理由だったはずで、「わいせつな」というその内容について触れるのは、元県民局長を不必要に貶めるようなことにならないでしょうか
 知事:倫理上、極めて問題のあるは文書だということはこれまでも申し上げていましたし、その倫理上問題があるということは、その中で、わいせつな文書だということを申し上げたということです。

 朝日新聞:報告書では、告発文書には一定の事実が含まれていたとしている一方で知事は、昨年の3月の会見で嘘八百ですとか、それ以降も真実相当性がないとおっしゃっておられました。
 この真実相当性がないという部分については、何か撤回とかそういったお考えはいかがでしょうか。
 知事:我々としては、噂話を集めて作成したということとかですね、あと文書の内容についても、具体的な供述や裏付けがなく、誹謗中傷性の高い文書だということですので、従来の見解から変わってはいません。

 朝日新聞:パワハラについてです。
 報告書では、先ほど知事は、違法性の認定はないと先ほどの囲み取材でおっしゃいました。
 業務上必要な範囲の厳しい指導をしたということでしたけれども、百条委員会の調査では、指導として必要のない行為だったとか理不尽な叱責だったという証言も出ていまして、県立考古博物館の叱責について、報告書では極めて不適切な叱責と評価もしています。
 提言のところでは、業務上必要な範囲ではない不適切な指導が、複数あったということはまず知事自身が認めることが重要で、言動を真に改める姿勢を持たなければならないとしておりますけども、この提言に対してはどう対応されていかれますか。
 知事:私としては、これは前から申し上げているとおり、業務上必要な範囲内で、これは厳しくもありましたけども、注意させていただいたり、指導はさせていただきました。
 そこについてもし不快な思いをされたという方がおられるんだったら、申し訳ないという風に思っていますけども、あくまで業務上の必要なところで、注意をさせていただいたりしたというところだと思います。
 一方で県議会の百条委員会の報告書からは、そういった意味も含めたコミュニケーションをしっかりやっていくということの大事さも、主旨として提言されていると思いますので、県職員の皆さんへの感謝の気持ちとか、そういったものはしっかりこれからも伝えていくと、言葉として伝えていくということをぜひやっていきたいという風に考えています。
 朝日新聞:今も、職員が不快に思われたら申し訳ないというようなことだったんですけども、不適切だったとは今からでも思われないということでしょうか
 知事:私としては、厳しく指導や注意もさせていただきましたが、業務上の必要な範囲内で本当に県政を良くしたい、良い仕事をして欲しいという思いでさせていただいたという風に考えてはいます。
 ただ、厳しくやるということで、不快に思われたりした方がおられれば、そこは申し訳ないという風に思っています。

 朝日新聞:元県民局長の名誉回復の件で、百条委員会の奥谷委員長が、昨日、「百条委員会は裁判所ではないので、公益通報者保護法違反であると断定はしていないけれども、その可能性があるんであれば、県として検証して、問題があるなら法に従って適切に対応して欲しい」という思いだとおっしゃっておられました。
 改めてその対応が適切だったかどうかの検証というのをするお考えというのはいかがでしょうか。
 知事:そこは百条委員会で一定検証されて、これから第三者委員会でも検証されるということだと思いますし、私としてはこれまで会見の場でも、対応が適切だったということは、何度も申し上げてきたというところだと思います。
 いずれにしても、今回、百条委員会から、そこについて一定の見解も示されましたが、私としては、今回の懲戒処分についての対応に問題はなかったという風に考えていますし、やはり、懲戒処分というのは、手続き内容を経てやっているものですから、ここは処分された方が、もし不服があれば、不服申し立てや裁判をされているというところが、1つのあり方ですから、そこをされなかったというところで、処分については確定をしているというのが今の見解ですね。
 朝日新聞:昨年、県議会が、全会一致で議決を決めた不信任決議案ですが、これは知事の資質を問題視された結果だったと思います。
 今回、百条委員会は地方自治法に基づいて設置されたもので、9ヶ月に及ぶ調査を経て出してきた調査報告書ですけれども、こういったところについては1つの見解と先ほどから繰り返しおっしゃいますし、先ほどの囲み取材の中では、違法の可能性が高いと指摘されたことについては、適法の可能性もあるとおっしゃいますけれども、今、ご自身の知事としての資質についてはどのようにお考えですか。
 知事:コミュニケーション不足とか風通しの良い職場づくりをしっかりしていくということは、ご指摘いただいたことなどは、真摯に受け止めて、改めるべきところはしっかり改めていくということが大事だという風に思っています。
 前回の選挙で、知事の資質というものが大きな争点になって、知事選がされました。
 そんな中で、政策を訴える中で、結果的に多くの県民の皆さんの負託をいただいたということですから、そこはそのご負託というものが、斎藤県政が進めて欲しいという知事のこれからのある意味、県政に対する推進をしっかりやって欲しいということを期待していただいていますので、そこもしっかり受け止めて、県政をこれから前に進めていくために、自分の資質や手腕をしっかり、発揮していきたいという風に考えています。

 フリー記者A:今日の記者会見では、ことさら、選挙に勝った、選挙に勝ったということをおっしゃっています。
 昨日発表された報告書を見ると、20メートル歩かされたこと等いわゆるパワハラ疑惑について、その概ねが事実として類推されるという風に結論づけられています。
 しかし、知事、選挙の最中に、怒鳴ってない、付箋投げてない、パワハラしてないとおっしゃってました。
 選挙の結果は尊いです。
 しかし、知事、演説の中で、この百条委員会で証言された内容と違うことをおっしゃっていました。
 有権者に対する街頭演説、力を入れられた街頭演説に虚偽の内容があったと言わざるを得ないと思うんですが、その点についてご見解何かありますでしょうか。
 知事:私は、付箋を1枚だけを投げてしまったということとか、厳しく注意をさせていただいたということは、選挙戦の中でも言ったことはあると思いますし、自分が虚偽なことを言ったという認識はないです。
 フリー記者A:三宮の街頭演説のときに、そんなことしてませんって明確におっしゃってます。
 知事:そんなことというのはちょっとよくわからないです
 フリー記者A:パワハラについてです。
 知事:パワハラかどうかというのは、最終的な司法の場が認定することですし、私としては、業務上必要な範囲で、社会通念上の範囲内で、指導や指摘をさせていただいたということで、そういった発言をしたんだとは思いますね。

 フリー記者A:百条委員会の報告書をしっかり受け止めるという風におっしゃっています。
 しかし、この百条委員会の報告書は、懲戒処分そのものの内容の妥当性ではなく、懲戒処分をしたことが、公益通報をしがたい組織風土をつくり、風通しの悪い組織を作ってしまうことがあり、県当局に対する真摯な反省を求めています。
 読み上げると、「この度の兵庫県の対応は、組織の長や幹部の不正を告発すると、告発された当事者自らがその内容を否定し、さらに通報者を探して公表された上、懲戒等の不利益処分等により、保護者が潰される事例として受け止められかねない状況にある。」この発言は極めて重いと思います。
 知事は組織のリーダーです。
 組織改革をする必要があると思いますが、この報告書の指摘する知事への要請内容とあなたが先ほどから俗に言う死体蹴りを重ねている。
 亡くなった元県民局長の名をあえて今日あなたは毀損しようとしている。
 今うなずいてますね。
 それと、この報告書をしっかり受け止めるというご発言が、報告書をしっかり受け止めるんであれば、今日ことさらに元県民局長の公用PCの内容を、ここで初めて卑猥な画像などという言葉を使って、さらす必要などないじゃないですか。
 あなたは人が死んだことは何だと思ってるんですか。
 知事:質問ですか。
 フリー記者A:あなたの人間性を問うてるんです。

 あなたの日本語能力に合わせましょうか。
 死者を冒涜するな。
 職員を馬鹿にするな。
 知事:ご指摘は、百条委員会の報告書というものは、しっかり真摯に受け止めていくということが、大事だという風に思っています。
 フリー記者A:真摯に受け止めるんであれば、今日の記者会見での元県民局長へのプライバシー情報に対する言及を取り消していただけないですかね。
 知事:倫理上極めて問題のある文書というものは、これまでも申し上げてましたし、その内容について申し上げたということです。
 フリー記者A:この度の兵庫県の対応は、組織の長や幹部の不正を告発すると、告発された当事者自らがその内容を否定し、さらに通報者を探して公表された上、懲戒等の不利益処分等により、通報者が潰される事例として受け止められかねない状況にあると百条委員会は、指摘してるんです。
 その状況を改善するおつもりはないということですか。

 知事:それは、公益通報というものが大変大事な制度ですから、これはしっかりやっていかなければいけないというのは、本当に私自身も強く思っています。
 やっぱり公益通報、これを通報対応者は保護していくということ、そして、しっかりそれを踏まえて是正措置をしていくということは本当に大事だという風に思っています。
 フリー記者A:大事だと思うんであれば、今日の記者会見の内容おかしくないですか。
 知事:私は、今日、質問していただいたことに、1つ1つに回答させていただいています。
 フリー記者A:処分は適切とおっしゃっていますが、百条委員会の報告書が指摘しているのは処分の内容の適切性ではなくて、処分に至る前の調査がまず行われたことが不適切だと言っています。
 その内容をどう受け止められるのかと、それと、昨日閣議決定された公益通報者保護法は、あなたの行為を明確に非合法化する内容です
 その閣議決定についての受け止めを教えてください。

 知事:この文書に関しては、私が文書に書かれた当事者として、事実と異なる記載があるということ、それから、個人名や企業名も多数含まれてますんで、これは放置しておくと、多方面に大きな影響や不利益を及ぼす内容であるという風に認識しました。
 だからこそ、しっかり調査対応するように指示したということです。
 そういった内容に誹謗中傷性があるものということで、作成者がどなたかということを調査をして、信ずるに足る相当の理由があるかどうかということを確認していくことが、法律上そこが禁止されているとは考えていないというのが、本会議でも説明させていただいたというとおりでございます。
 それから、法改正があったということですけども、それは国において公益通報のあり方というものをしっかり議論されて審議されて、先日、閣議決定がされたということですので、それはそういった法改正に基づいて、兵庫県においても、公益通報保護制度の改善をしていくと、制度上の対応をしていくと。
 既に、外部窓口の設置というものもさせていただいています。
 フリー記者A:僕はそんなこと聞いてないです。
 あなたは元官僚として自分の行為が立法事実となったことをどう受け止めていますかって聞いているんです。
 知事:国において、しっかり議論されて、法律の改正を閣議決定されたということですので、そこはしっかり受け止めたいと思いますね。
 フリー記者A:はい。しっかり受け止めてください。

 ————
 つづく。

2844/法(法学)という「ものの考え方」001。

  およそ五ヶ月前、昨年10月下旬から11月上旬に「NHK というものの考え方」(①〜③)という表題の稿を掲載したことがあった。
 この奇妙なまたは意味不明部分のある表題は、のちに<法(法学)という「ものの考え方」>という表題でいくつかの文章を書こうと予定していたからだ。「もの」は「NHK というもの」ではなく、「ものの考え方」という語の一部だ。
 再び思い起って、<法(法学)という「ものの考え方」>を書いてみよう。但し、当初に想定していたものとは内容または掲載順序が異なる。
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 こんな表題で何か書いてみようと思った動機はいくつかある。
 第一に、「法学」というものが基礎にしている論理または「ものの考え方」には、「法学」に限られないその他の「学問」分野にも共通する(その意味では<普遍的な>)、さらには人間が生活していくうえで漠然と前提にしている、あるいは少なくとも「生活」していくうえで役立つ、「ものの考え方」があるのではないか、という何となくの思いがあるからだ。
 第二に、かなり具体的には西尾幹二や江崎道朗等々々の多数の「文学部」出身者の書く文章には、あるいは「文学評論」から出発したような論者またはたんなる「もの書き」の文章には、<法(法学)という「ものの考え方」>が決定的に欠けている、そしてそれは「致命的だ」と感じるところがあるからだ。
 この点と分離して整理しておかないが、上の点はまた、わが国における、またはマスメディアを含む日本の「社会」における、「法」(法学)や「政治」(政治学)に関する<リテラシー>というものの欠如または著しい不十分さと通底していると感じられる。
 「法」や「政治」全般に関する専門家では全くないが、随筆ふうに、気軽にいくつか書いていってみよう。
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  さっそくだが、兵庫県・斎藤元彦問題に関係する、兵庫県記者クラブの面々を中心とする<マスメデイア>の「法リテラシー」の欠如は著しいのではなかろうか。
 3月19日に兵庫県知事(斎藤元彦)設置の「第三者委員会」の一つの最終報告書が提出され、委員による(委員長を中心とする)記者発表と会見が行われた。途中からライブ放映を見ていたら、記者たちの諸質問から推察される彼らたちの<能力不足>に感じ入るところがあった。
 そもそも当該「第三者委員会」に課されていた任務に関する無知または基礎知識の不十分さも垣間見えた。もっと究極的には、国や自治体の「記者クラブ」制度の功罪という論点もあるだろう(さらに大手新聞における記者の採用・養成やその配置の問題も)。
 上の後者は別論として、つぎの趣旨の質問が、某大手新聞社のたぶん兵庫県庁記者クラブ配属記者から発せられていた。
 なお、告発文書作成・配布者に対する懲戒処分(停職三月)の適否に関わる。この処分には事由(理由)が4つ挙げられていたらしいが、第一を除く第二〜第四の理由による部分は「有効」という委員会の判断に関する質問だった。第一の理由による部分は「違法」でかつ「効力がない」=「無効」という判断は、容易に理解できたらしい。
 ①「違法」であるかまたは問題があるが「有効」ということの意味を知りたい。
 ②<手続>は「違法」だが<結果>は「有効」という意味か。そうだとすれば何故か。
 これに対する委員の一人の回答には不十分な部分もあると直感したが、つぎの回答部分は全く適切だ。
 単純に、「適法」=「有効」、「違法」=「無効」、ではない。
 つまり適法・違法と有効・無効は同列の問題ではない。
 元裁判官だった者を含むという弁護士たちが叙述した報告書に含まれる「法的」または「法学的」な論点に関する判断の意味を、この記者は(ふつうの日本語文として何度読んでも)理解できないに違いない。
 刑事法上の(原則的な)「違法収集証拠排除」の法理に回答は言及していたが、回答されていたように、県知事による公務員の「懲戒処分」にそのまま適用されるものではない、というのは、一般論としては「正しい」。
 --------
 「効力」の有無の問題以前に、もともと「違法」とは何か、という問題がある。
 法学部出身者の半分くらいは、以下のことを、何となくであれ、知っているだろう。
 きわめて大雑把に言って、憲法・行政法という「公法」系と民法・民事訴訟法という「民事法」系、刑法・刑事法という「刑事法」系とで、「違法」の意味、位置づけは全く異なる。いや、民法と民事訴訟法、刑法と刑事訴訟法とでも大きく異なる(例えば、「行為規範」性の有無によって)。
 だから、適法・違法と有効・無効という問題のあらわれ方自体が、<法分野>によって大きく異なるわけだ。
 「民事の問題」と「刑事の問題」の違いくらいは、新聞記者であれば(少なくとも何となくであれ)知っているだろう。
 だが、この程度の素養だけで、官公庁(この概念にも少なくともかつては「法学」的意味があった)に関係する新聞記者あるいは「フリー」の記者、「ジャーナリスト」であり得るのだとすると、日本の「社会」は相当に恐ろしい。
 ————

2841/兵庫県議会調査報告書・<公益通報保護>全文②。

 兵庫県議会・文書問題調査特別委員会(百条委員会)が2025年3月4日にとりまとめた調査報告書のうち、「Ⅳ 公益通報者保護にかかる調査の内容と結果について」のみの全文掲載の二回め。体裁・様式は全く同じではないが、内容はそのまま。
 出所—兵庫県議会ホームページ
 ————
 「Ⅳ 公益通報者保護にかかる調査の内容と結果について
  1 委員会としての判断
  ア 認められる事実
  ————
 以上、前回
 以下の見出しはつぎのとおり。
 1 委員会としての判断
  イ 事実に対する評価
  1 公益通報者保護法違反について
   (1) 外部公益通報
   (2) 体制整備義務違反
  2 行政として取るべき対応
   (1) 初動対応
   (2) 調査方法の問題点
   (3) 齋藤知事の対応
   (4) 公益通報者保護法に対する齋藤知事や幹部の関わり方について
   (5) 文書問題の対応について
   (6) 情報漏洩
   (7) まとめ
 2 提言」
  —————
 以下、全文掲載
 「イ 事実に対する評価
 1 公益通報者保護法違反について
  (1) 外部公益通報
 元県民局長は、議員、マスコミ、警察の特定の者に文書を配布している。 齋藤知事は真実相当性が認められないと再三説明をしているが、真実相当性は公益通報に当たるか否かとは関係がなく、保護要件にとどまる。
 元県民局長の公用メール及び公用パソコンに保存された資料に基づき、クーデターや転覆といった言葉が並んでいたことや、元県民局長作成の人事案や知事を貶める資料があったことなどをもって、文書配布は不正な目的の行為に当たり、公益通報ではないと判断したという証言がある。しかし、当該文書入手(3 月 20 日)、協議時点(3 月 21 日)ではまだ公用メール及び公用パソコンの調査は行われておらず、当該文書の内容から不正な目的が明らかでない限り、公益通報ではないとの判断は調査後に行われるべきものであり通報時ではない。仮に公用メール及び公用パソコンの調査も含めて3月 22 日に作成者の特定を開始したことの正当性を主張するのであれば、公益通報者保護法に基づく指針に定められた「通報者探索防止措置」は事実上意味がなくなり、法令の趣旨を尊重して社会に規範を示すべき行政機関がとってよい行為とは考えられない。さらに「通報者探索防止措置」を認識せず行われた調査の中で、公用 PC の中の情報から非違行為を認定し懲戒処分にしたことは、違法収集証拠排除法則の法理に反するものであり、告発者潰しを行う材料にしたことは非常に不適切であると考える。
 なお、人事当局は特別弁護士に相談の上、不正の目的があったと判断したことはないと証言しており、県として不正の目的があったと公に認めていない。また、複数の参考人は、「専ら」公益を図る目的の通報と認められる必要はなく、交渉を有利に進めようとする目的や事業者に対する反感などの目的が併存しているというだけでは、「不正の目的」であるとは言えず、不正目的の認定は慎重に行う必要があるとしている。
 「通報対象事実」については、少なくとも阪神・オリックス優勝パレードにかかる信用金庫からのキックバックについて背任罪の可能性があり、通報対象事実が含まれている。なお、刑法の背任行為として刑事告発され県警に受理されている。
 以上のことからすると、今回の調査では、元県民局長が齋藤県政に不満を持っていた事情はうかがえるものの、元県民局長は今回の文書作成については後輩職員のためを思い行ったと主張しており、人事課調査による判断と同様に、不正な目的であったと断言できる事情はないと考える。
よって、元県民局長の文書は公益通報者保護法上の外部公益通報に当たる可能性が高い。
 (2) 体制整備義務違反
 公益通報者保護制度を所管する消費者庁は、公益通報者保護法に基づく指針第4の2(1)不利益な取扱いの防止に関する措置及び(2)範囲外共有等の防止に関する措置は内部通報した場合に限定せずに、処分等の権限を有する行政機関やその他外部への通報が公益通報となる場合も公益通報者を保護する体制の整備が求められるとしている。他方、今回の文書の場合には、通報の探索が例外的に許容されるのではないかという参考人の意見もあった。
 しかし、上記のとおり、法令の趣旨を尊重して社会に規範を示すべき行政機関としては、公益通報者保護法に基づく指針を原則通り遵守すべきと考えられる。
 文書内容の事実確認よりも通報者の特定を優先した調査や3月 27 日の記者会見での文書作成者を公にしたこと、元県民局長のプライバシー情報の漏洩などは、公益通報者保護法に基づく指針第4の2(2)「範囲外共有等の防止に関する措置」を怠った対応であり、現在も違法状態が継続している可能性がある。
 2 行政として取るべき対応
 (1) 初動対応
 3月 21 日の協議時点で齋藤知事及び参加者は当該文書を誹謗中傷の文書であると認識しており、公益通報の議論はなかったという証言があることから、初動対応において公益通報に関する認識はなかったと考えられる。そのため、3月 22 日には作成者の特定のために元県民局長らの公用メールの調査等に着手し、3月 25 日に作成者を元県民局長と特定、3月 27 日には知事が記者会見で本人が認めていなかったにもかかわらず、事実無根だと認めているような発言のほかにも「公務員失格」と通報者を侮辱するような発言をしている。
  しかし、当該文書の内容は、本委員会でも一定の事実認定ができており、全くの事実無根とは言えないため、齋藤知事らは公益通報に該当しうるかもしれないという前提に立ち、作成者の特定を行う前に、まずは当該文書の内容を調査すべきであった。
 また、3月 27 日の記者会見で県民局長の職を解き、通報者を公表したことは、告発者潰しと捉えられかねない不適切な対応であった。同日に元県民局長から告発文にある内容を精査してから対応して欲しいと片山氏に要請があったが、この時点から内部公益通報としての手続が必要であった。
 さらに言えば、齋藤知事らは当事者である自分たちだけで当該文書が公益通報に該当するか否かを判断するべきではなかった。法令を遵守することは当然のことながら、それが、法令の趣旨を尊重して社会に規範を示すべき行政機関がとる立場であると言える。
 また、参考人によると、公益通報事案については、受付、調査、是正措置等の対応全てを通じ、不利益取扱、範囲外共有、通報者探索が禁止され、これに違反すると体制整備義務違反状態となるため、調査結果が判明する前にこれらの扱いをすることは原則として許されないし、調査結果が判明し、たとえ通報者の指摘する事実関係が認められなかったとしても、これらの扱いをすることが許されない場合があり得るとしている。加えて、告発の対象となった権力者が通報者探しを指示する場合、あるいはそれを承認する場合、その者の責任も厳しく問われるとの参考人意見もある。
 さらに、本年2月 18 日の衆議院総務委員会で政府参考人は、「法定指針の1号通報の対応体制において、事実に関係する者の公益通報対応業務に関与させない措置を求めているが、一般論として外部から不正行為について指摘された事業者は、自らが行う調査、是正に当たり、事実に関係する者を関与させないことなど、適切な対応が取ることが望ましい」と答弁している。 初動対応時の調査は、当事者である齋藤知事の指示の下、同じく当事者である片山氏が中心となって行っているが、調査は当事者が関与せずに行うべきであったと考えられる。通常であれば、このような案件の調査は人事課や各部総務課が調査を実施することになるが、利害関係者中心で調査を行うのは不適切である。これは内部公益通報時だけでなく、外部への公益通報の際にも同様である。今回のような知事及び県幹部が当事者である場合は、告発文に記載のあった当事者が調査に関わることのないよう利益相反を排除し、独立性を担保するためにも県以外の第三者に調査を委ねるべきであった。そのことが調査の過程及び結果の客観性・公平性・信頼性を高めることになる。県当局は後日、第三者委員会を設置することとしたが、本来は元県民局長の処分前に設置し、もし処分をするのであればその調査結果に基づいて処分を行うべきだったと考えられる。
 加えて、参考人によると、真実相当性の要件は、通報者の通報時点における状況から判断することや通報者の供述内容は、調査主体への信頼感により影響を受けるため誰が調査するのかが重要としている。元県民局長は、県当局の調査に対し、文書の内容を誰から聞いたかについて、単なるうわさ話と話しているが、元県民局長の立場からすれば、文書に記載されている当事者が調査に関わっている限り、情報提供者を守るために真実を話せなかったと考えられる。
 以上のように、県の一連の文書問題に対する初動対応は、県民の不信感を招く不当なものであったと考える。
 (2) 調査方法の問題点
 当該文書の作成者の特定はすべきではなかったという判断である。その上で、作成者特定に当たっての今回の調査方法には、今後の県政の信頼回復のために考慮しておく必要がある幾つかの問題点があったと考える。
 公用メールの調査について、公用パソコンは県から貸与されたものであり、業務以外の使用は禁じられているものの、そのメール内容の調査はその必要性や方法について慎重に検討を行った上で行うべきである。地裁レベルだが判例でも社内メールの調査が無条件に認められているわけではない。当委員会の調査では、メール調査に当たってのルール及び実施の記録がないことが判明している。これではメール調査を恣意的に実施でき、適正な調査であったかの事後の検証もできないと言わざるを得ない。
 今回の調査の中で行われた私用スマートフォンの内容確認は任意だったが、作成に関与したと疑われた人物の私物スマートフォンのLINEのやり取りを確認したことが証言と資料から確認されている。これは職員の人権への配慮を欠いた調査であり、しかも、その人物は結果的に当該文書作成に関わっていなかった。このような調査を人事当局が行う可能性があるということは、職員の萎縮、ひいては県政運営への信頼低下を招くものと言わざるを得ない。
 (3) 齋藤知事の対応
 3月 27 日の記者会見では、齋藤知事は調査の対象者を特定したり、処分を予告すること、さらには「うそ八百」「元県民局長は認めている」と発言した。片山氏や人事当局は、「これから調査する」という認識で齋藤知事とも話をしたつもりであったため、その発言に驚いた。この時点においては当該文書の存在は広く知られておらず、実害も生じておらず、人事当局が予定していたとおりの人事異動の発表にとどめておくべきであった。今回の文書問題が大きく取り上げられることになったのは、この記者会見によることが大きいことを踏まえると、このような部下の進言や意見に真摯に耳を傾ける姿勢が必要であったと考えられる。
 なお、そのことは第三者による調査の進言、公益通報の結果を待ってから処分を行うことの進言に対する態度についても言える。
 (4) 公益通報者保護法に対する齋藤知事や幹部の関わり方について
 公益通報者保護法が目指すのは、徹底して不正行為を告発する人々を守り、社会の正義と透明性を維持することが目的であり、兵庫県としては立法趣旨を踏まえ、まずは公益通報に該当する可能性がないかを慎重に検討すべきであったが、初動対応時の齋藤知事や幹部は公益通報の認識がなかったと証言しており、公の立場として大きく思慮に欠ける点があったと言える。
 また、齋藤知事は証人尋問や記者会見で何度も法的に問題ないことを主張しているが、行政機関は法律に違反しなければいいのではなく、法律の趣旨を尊重したうえで遵守する姿勢を示すことが重要である。
 (5) 文書問題の対応について
 この度の兵庫県の対応が全国から注目される中、組織の長や幹部の不正を告発すると、権力者が当事者にも関わらず自ら告発内容を否定し、更に通報者を探して公表し、懲戒等の不利益処分等で通報者が潰される事例として受け止められかねない状況にある。そのことが公益通報の抑制につながらないか危惧される。公益通報者保護法に違反しているかどうか見解が分かれるとはいえ、「組織の長その他幹部からの独立性の確保」や「利益相反の排除」といった原則にのっとった対応が必要であったと考える。
 また、元県民局長の処分には、退職保留決裁が終わる前に、退職保留が本人に通知されたことも問題がある。
 (6) 情報漏洩
 県の個人情報保護管理の総括保護管理者である井ノ本氏は証言を拒否しているが、同氏が元県民局長のプライバシー情報を複数の議員に見せていることが聞き取り調査によって明らかになっている。当該文書の価値を貶めようとする発言を行っていた証言も得られており、「告発者潰し」があったと言われかねない状況がうかがえる。この行為は地方公務員法の守秘義務違反、さらには県における個人情報管理の問題である。告発者である元県民局長をおとしめることによって、当該文書の信頼性を毀損しようとしたこともうかがわれ、地方公務員法違反を否定できる要素は皆無に等しいと考える。この漏洩問題はその背景や関係者等を明らかにしなければならない問題と考える。
 (7) まとめ
 以上のように、一連の県の文書問題への対応には看過できない問題があったと言わざるを得ない。
 また、井ノ本氏による元県民局長のプライバシー情報の漏洩問題は、公益通報者保護法に反する問題にとどまらず、県組織としてのガバナンス、マネジメントが適正に行われているのかという疑問を抱く。この問題への対応に関しては、元県民局長への処分と比較し、あまりにも大きく異なっている。
 2 提言
 法令を遵守するだけでなく、法令の趣旨を尊重して社会に規範を示すべき行政機関が、公益通報の認識を欠き、また、後になって公益通報に該当しないから問題ないと主張して通報したことを非違行為として認定し懲戒処分にまで至ったことは大変遺憾であり、県当局は責任の重さを痛感すべきである。
 今後は、県行政・県組織の不正行為や違法行為に関する告発に対しては、常に公益通報の可能性を念頭に対応することが求められ、知事を含めた幹部が公益通報者保護法に対する理解を深める機会を定期的に設けることが不可欠である。体制整備に関しては、指針第4に掲げる内部公益通報対応体制の整備は当然のことながら、外部公益通報に対応できる体制づくりを進める必要がある。
 あわせて、告発の調査に当事者は関与しないこと、通報者探索及び範囲外共有等は行わないことの明確化が必要である。今後、受付段階、調査段階、是正措置等において、告発者の不利益処分が行われていないか、第三者による常設の検証機関の設置が必要である。知事、副知事をはじめ組織の長は、就任に当たり、公益通報者保護法及び個人情報保護法に関する研修を受講するなどして、法の趣旨や責務を改めて認識することが重要である。
 なお、有益な公益通報が守られるよう、公益通報に当たっては個人のプライバシーへの配慮や公益通報の濫用を防ぐことなど、職員にも公益通報者保護法の理解を深めることが重要である。
 また、不正調査等で必要な場合も想定されるため、メール調査そのものを否定はしないが、その判断基準の整備及び調査実施記録の作成・保存を確実に行うべきである。そのことによって、今回のような疑念を持たれるメール調査を防ぐとともに、事後的な検証が可能となる。職員の私用スマートフォン等の調査についても、今後一切行わないよう県当局として宣言する必要がある。
 さらに、綱紀委員会の運営は当事者が関わることのないよう、一定のルールを設けるべきである。 井ノ本氏による元県民局長のプライバシー情報の漏洩については、現在、第三者(弁護士)による調査が進められているが、調査結果は速やかに公表するとともに、県として刑事告発も含めた厳正な対応を早急に求める。
 なお、一連の県の対応は、公益通報者保護法に違反している可能性が高いと考えられることから、県自らの対応として公益通報者保護法の法定指針で定める「不利益な取扱い、範囲外共有や通報者の探索が行われた場合には、適切な救済・回復の措置をとる。」や「不利益な取扱い、範囲外共有や通報者の探索が行われた場合に、当該行為を行った労働者及び役員等に対して、行為態様、被害の程度、その他情状等の諸般の事情を考慮して、懲戒処分、その他適切な措置をとる。」という規定に基づいた措置を行う必要があると考える。
 最後に、齋藤知事は周囲の進言や意見に真摯に耳を傾ける姿勢を持つ必要があり、県職員が上層部へ必要な進言を行うことを躊躇しない組織風土を醸成するとともに、兵庫県のリーダーとして共感やいたわりの姿勢を持ち、透明性のある兵庫県政の確立に努めるべきである。」
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2839/兵庫県議会「百条委員会」調査報告書・<公益通報者保護>全文①。

 兵庫県議会・文書問題調査特別委員会(百条委員会)は2025年3月4日に最終の調査報告書を取りまとめ、翌日の県議会全体会議でも承認された(報告内容は行政当局に対する議会自体の 「報告」になった)。
 この報告書の目次の概要(秋月による。全文ではない)は、つぎのとおり。
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「Ⅰ 文書問題調査特別委員会について
  1 概要
  2 開催状況について
 Ⅱ 任意調査について
  1 職員アンケートによる調査
  2 聞き取りによる調査
  3 書面による調査
 Ⅲ 文書の7項目にかかる調査の内容と結果について
  1 五百旗頭真理事長ご逝去に至る経緯について
  2 令和3年の知事選挙における県職員の事前選挙活動等について
  3 次回知事選挙に向けた投票依頼について
  4 知事が贈答品を受け取っていることについて
  5 知事の政治資金パーティー実施にかかるパーティー券の購入依頼について
  6 阪神・オリックス優勝パレードにかかる信用金庫等からのキックバックについて
  7 知事のパワーハラスメントについて
 Ⅳ 公益通報者保護にかかる調査の内容と結果について
 Ⅴ 総括
 VI 提出を求めた資料一覧」
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 以上のうち、「Ⅳ 公益通報者保護にかかる調査の内容と結果について」のみの全文を掲載する。罫線の省略など、体裁・様式は全く同じではないが、内容はそのまま。下線のみ掲載者。
 出所—兵庫県議会ホームページ
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 「Ⅳ 公益通報者保護にかかる調査の内容と結果について
  1 委員会としての判断
  ア 認められる事実
  事実経過
 R6.3.12(火)  元県民局長が文書をマスコミ、県会議員、警察に配布。
  3.20(水) 齋藤知事が当該文書を民間人から入手。
  3.21(木) 当該文書に関する協議のため、齋藤知事が片山氏、小橋氏、井ノ本氏、原田氏を招集し、片山氏らに文書の作成者や目的を含め、調査するように指示。この際、公益通報者保護の議論はなかった。
  3.22(金) 人事当局から元県民局長の公用メール1年分を調べるように指示を受けた担当課長はデータを人事当局に提出。公用メールの調査にあたって本人の同意は得ていない。(4月下旬に元県民局長の公用パソコンのファイルの操作ログ3年分も提出した。)
  3.23(土) 齋藤知事は、片山氏から元県民局長の事情聴取を行うという提案を受け、それを了承。調査については片山氏に一任された。
  3.25(月) 片山氏及び人事当局が元県民局長及び職員2名の聞き取り調査を実施した。片山氏は元県民局長の調査の際、公用パソコンに私物USBがあったが、取り外すように指示し、公用パソコン1台だけを県庁に持ち帰った。なお、職員1名の私用スマートフォンのLINEの調査も行った。
 元県民局長から人事当局に電話があり、「自分単独で作成し、噂話をまとめたもので、周囲の者を巻き込まないように」との要請があった。
  3.26(火) 元県民局長の退職保留が決まった。
  3.27(水) 小橋氏は、齋藤知事に対し、教育委員会ではこのような問題の時には第三者に調査させることが多いと進言。
 人事当局の用意した知事記者会見での想定問答は、内容の詳細については調査が必要なので言えないという説明だったが、齋藤知事は元県民局長が作成した文書について「嘘八百」「元県民局長本人は認めている」と発言。
  4.1(月) 人事当局は、県の特別弁護士に、第三者機関調査やSNSでの当該文書の拡散、公益通報としての取扱いの要否などを相談。
 特別弁護士からは、公益通報の手続がされた段階でいったん判断する必要がある、第三者機関調査については、費用や時間を要することから内部調査で十分との見解を得る。
  4.4(木) 元県民局長が公益通報受付窓口に通報。
 人事当局によれば、4 月 4 日に元県民局長が公益通報受付窓口に通報した時点で、公益通報の調査結果を待たないと処分はできないと考え、すぐに小橋氏と井ノ本氏に進言し、齋藤知事も了承したとのこと。なお、齋藤知事はこうした進言を受けた記憶がないと否定している。
  4.15(月) 齋藤知事は、「風向きを変えたい」との理由から、処分をできるだけ早くしたほうがいいと指示。
 人事当局によると、井ノ本氏から公益通報の調査結果を待たずに処分できないか検討を指示されたが、公益通報の結果を待つべきと進言した。
 なお、齋藤知事は人事当局に対して流れを変えるために公益通報の調査結果を待たずに処分できないかと指示した記憶はないと否定している。
  4.17(水) 人事当局によると知事の指示による井ノ本氏と人事当局との元県民局長の処分スケジュールのやりとりは下記のとおり。
  ・4月 24 日に処分する案の作成を井ノ本氏が指示
  ・4月 24 日に処分する案を井ノ本氏に提出し、齋藤知事が了解
  ・人事当局が 4 月 24 日処分案は現実的に無理と判断し、5月 17 日処分案を井ノ本氏に相談。井ノ本氏からは5月 10 日を案1、5月 17 日を案2とする指示があり、齋藤知事は5月 10 日で了解した。
  4.24(水) 人事当局によると、井ノ本氏から連休明けの5月7日処分案の指示があり、弁護士と相談して処分日を5月7日に決定した。
 井ノ本氏は、人事当局との処分日のやり取りは自分の判断ではなく、知事と話をした上で日程を決めたと証言している。
 なお、齋藤知事は5月7日処分の決定事項を報告されたと証言している。
  5.2(木) 元県民局長に対する綱紀委員会が開催された。
  5.7(火) 元県民局長の処分を公表。」
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 以上、「1 委員会としての判断」のうち「ア 認められる事実」が終わり。以下、「イ 事実に対する評価」へとつづく。

2837/兵庫県知事2024/03/27記者会見への前県民局長反論文(2024/04/01)全文。

 兵庫県知事・斎藤元彦の2024/03/27記者会見に対する前西播磨県民局長の反論文(2024/04/01)全文。
 出所=さとうしょういちブログ(選挙ドットコム)、2024/12/11に再掲載された。
 ●は元の掲載のまま。様式が少し変わっている可能性があるが、文章自体はそのまま引用している。最大の見出し項目のみ当欄において太字化した。
 →原掲載。
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 「報道機関各位元兵庫県西播磨県民局長です。この度はお騒がせしており申し訳ありません。先日の知事記者会見の場で欠席裁判のような形で、私の行為をほとんど何の根拠もなく事実無根と公言し、また私の言動を事実とは異なる内容で公にされましたので、以下の通り、事実関係と、自分の思うところをお伝えします。
  今回の行為に及んだ背景このことについては色々と申し上げたいことがありますが、書けば書くほど「名誉毀損だ。訴える」とまた言われる可能性がありますので省略します。一言で言うと、今の県政運営に対する不信感、将来に対する不安感、頑張って働いている職員の皆さんの将来を思っての行動です。なお、私がそう思うに至った個別の事象については、告発にある内容の調査が実施される中で明らかにされることと思います。 
 2 経緯 
 ①現体制になって、一部の職員による専横、違法行為がなされているという話を多く仄聞しました。西播磨の地にいても、そうしたことは耳に入ってくるものです。このままでいいのかなぁ、困っています、なんとかならないのかという嘆きの声として。
 既に速攻で消去(理由不明)されましたが、県のホームページの県民局長メッセージ(FB、X上には一部残っています)に後輩たちへのエールを掲載しました。ほんとに沢山の後輩達から頑張りますという心温まる返事をいただきました。その度に「ああ、彼らはこれからも兵庫県を背負っていくのだな」と。
 今の僕に彼らに対して何が出来るのかを考えた結果、役職定年前のタイミングでありながら、今回の行動に出たのです。これを機に兵庫県という組織がより良いものになる事を願って。
  ②決して自分の処遇への不平不満から出たものではありません。メッセージにも書きましたが自分自身の県庁生活にはとても満足しています。特に最後の3年間を西播磨で過ごせた事はこの上もない喜びです。ほんとに素晴らしい地域で住民の皆さんには感謝しかないです。なのに、ご迷惑をおかけし、また心配もしてくださっていることになんとお詫びを申し上げたらいいか。 既に退職後の行き先も県とは無関係のところに決まっていましたが、先方には迷惑をおかけしてしまいました。
 ③また、今回の内部告発の文章作成を一部勤務時間(3時間程度)に行ったことについては職務専念義務違反の認識はありました。この点については言い訳いたしません。県民の皆さん、申し訳ありませんでした。(でも、県民局長は土日休日出勤がかなり多いのに代休が取れない中で、平日の合間時間を3時間ほど活用させてもらったと言ったら大目に見ていただけませんか? それに年休も有り余っているんです)
 ④情報収集から告発文作成、配付まで、全ての作業を私一人で行いました。もっとスマートにやる方法もあったとは思いますが、誰にも相談せずにやりましたので野暮ったいやり方になってしまいました。(今時、職場のPCを使ってこんなことをするなんてアホかと何人もの人から言われました)
 ⑤本来なら保護権益が働く公益通報制度を活用すればよかったのですが、自浄作用が期待できない今の兵庫県では当局内部にある機関は信用出来ません。
 ⑥今回の内部告発の内容については、情報の精度には差があり、中には一部事実でないものもあるかも知れません。ただ、事実でないものについては配付先から世間に出回ることはないだろうという判断から、可能な限り記載することにしました。
 守秘義務違反とは職務上知り得た秘密を漏らすことであり、秘密とはすなわち真実です。内部告発の中の真実については、それは即ち私の違法行為となる可能性が高いです。それは十分に理解しての行動です。
 真実でない内容については名誉毀損の疑いがあるものの、公然と不特定多数への周知を行った訳ではありませんし、文章末には配付先の皆さんへ取扱注意をお願いしています。また、真実の公表についても公益性の観点から名誉毀損の問題はないだろうと判断しました。
 マスコミ関係者の配付先を極端に絞ったことは、配付されなかった方々にはとっては心外と思われたことと思います。名誉毀損となる可能性(公然の基準)を少しでも抑えようとしたためであり、ご理解をお願いします。関係者の皆さん申し訳ありませんでした。
  3 手続き・記者会見での問題点
 ①今回の事案について、私と人事当局間でなされた意味のあるやり取りは、私の職場PCが押収された直後の3月25日午前11時30分頃に、●●職員局長へ電話で「告発文は自分一人で作成した。他に関係者はいない」と伝えたことのみ。26日電話により情報の入手経路についての漠然としたやり取り(この資料上は論点外)があったのみです。
 いつ作業したか、どこにどんな方法で送ったか、告発文の内容の真偽についてどう思っているのかなどは全く聴取されていません。一番肝心の動機ですら聴取されていません。
 ②3月27日9時30分からの人事異動の辞令交付の際、私から片山副知事、●●総務部長に「内部告発文にある内容をきちんと精査してから対応してくれ」と要請しました。
 一方、その際、この事案に係わる記者発表があることも私に告知しませんでした。にも関わらず、この段階で、
 《問題点》③私への事情聴取も内部告発の内容の調査も十分なされていない時点で、知事の記者会見という公の場で告発文書を「誹謗中傷」、「事実無根」と一方的に決めつけ、かつ信用失墜行為である、名誉毀損の告訴・(守秘義務違反の)被害届を検討するなどの発言をしたこと・そもそも名誉棄損の要件である「公然と事実等を適示」していません。・信用失墜したのは、私なのか、告発文に出てくる者達なのかは全ての事実が判明した後でないと判断できないはずです。・このような生煮えの状態で公にしなければよかったのではと思いますが。
  ④事実無根かどうかは現時点では不明ですし、私はメールしていないにもかかわらず、MBSが「事実無根のメールを流布した疑い」と報道したこと 根拠のない報道ならMBSを名誉毀損の相手方にしますし、MBSが職員の誰かからの情報に基づくものなら、「それが誰か」を問題とします。また現にメールが届いた職員がいるなら証拠を公表して下さい。
 {参考}MBSネットニュース「事実無根のメール流布した疑い」兵庫県が幹部職員の退職を先送りする異例の人事異動 調査を継続へ兵庫県によりますと、男性幹部職員は、業務時間中に仕事用のパソコンで、職員らの人名をあげて、その尊厳を傷つけるような内容などの文章を作成、メールなどで送り、一部は名指しされた職員ら本人にも届いていたということです。3月22日に県が文章を確認、聞き取ったところ、男性職員が行為を認めたということです。
 ⑤「ありもしないことを縷々並べた内容を作ったことを本人も認めている」という知事の発言がありました。また、それを受けての報道もありますが、私自身がそのことを認めた事実は一切ありません。そもそも告発文はできるだけ事実に基づいて書いたつもりです。
 ③~⑤について、・これらの知事発言により、記者会見の場では、告発文の内容の真偽について、私が事実無根であると認めていることが前提となってしまったのではないでしょうか。告発内容が大半のマスコミの方は分からない訳ですから当然です。
 ・これらの行為こそ、私に対する名誉毀損である可能性が高いのではないでしょうか。
 ・一連の人事考査の手続きのどこに重大な瑕疵があったのでしょうか。私が人事課に在籍していた頃はこのような事務処理はあり得ませんでした。
 ・私の反論する場も設けずに、現時点で一方的に公にされるのは不当ではないでしょうか。
 ・特にMBSについては徹底的な事実確認を求めます。
 ・ここまで言い切ったのですから、直ちに事実無根を証明できる根拠を示して下さい。
 ・なお、人事課が発表した「文書を作成したと本人が認めたので、懲戒免職の対象となる可能性がある」ということと、知事の「(懲戒免職の対象となる)誹謗中傷・事実無根の文書を作成したと本人が認めている」ということは全く異なります。
 ・知事は必要な情報の開示を全くせず、曖昧かつ誤解を与える発言を行うことにより、事実とは異なる内容をそれこそ“流布”したことになります。このような杜撰な会見で、人間が一人、社会的に抹殺されようとしています。そのことを十分に理解すべきです。
 ⑥パソコンを押収され、また、今の自分の状況から、告発文を皆さんに配付することが難しい状況です。
 内部告発内容にやましい所がないのであれば、正々堂々と人事当局から報道機関に資料配付を行うべきです。(取扱いの協定を結べば可能なはずです。)
 この状態が続くと私がいかにも事実無根の誹謗中傷を撒き散らしたかのように世間で思われ続け、不公平です。心配して連絡を頂いた方にも告発内容は伏せ続けています。「内容は分からないが、君がやったことやから信じるわ」と言われると心が痛みます。
 ➆人事当局は私の行為に関する調査ではなく、もっと大きな違法行為、信用失墜行為についての事実関係を早急に調査すべきです。関係者に人事当局に関わる職員が在籍しているのであれば、無実が証明されるまでは人事上の措置(この事案からの排除など)が必要と思います。調査にあたっては、第三者委員会を設立するか、司法による調査・捜査をすべきです。お手盛り調査、お手盛り処分は御法度です。
 名誉毀損罪については告訴を、地方公務員法違反(守秘義務違反)については被害届を一刻も早く警察に提出し、司法の捜査に委ねませんか。これが一番合理的かつ効果的です。
  ➇守秘義務違反で罪を問われるのは私一人です。 今回の内部告発の秘密にあたる部分は県職員、元県職員に関するものであり、対外的な漏洩を行った私の責任です。
 私のところに情報が届くまでのプロセスは問題にすべきではないと考えます。 
 一般県民とは関わりのない事柄についてのローカルエリアの職員間の世間話、内輪話についてまで厳密に守秘義務違反を問うことは明らかにやり過ぎです。ましてや違法行為、不適切行為に対する義憤からなされたことならば。
 この点の全庁調査を実施したり、厳密に禁止する事は「綱紀粛正」ではなく「恐怖政治」の始まりです。そうなると職員は委縮し、組織が疲弊し ます。職員に良かれと思ってやったことが逆に職員を苦しめる結果になることは辛すぎます。
 私が言うのも筋違いですが、常識的な判断・行動を人事当局にはお願いします。  
 私が行った内部告発の内容のような行為こそが綱紀粛正されるべきことです。  
 全ての職員が元気に楽しく仕事出来る健全な職場になることを心から願っています。それが長年お世話になった兵庫県という組織への私の恩返しになると思っています。  
 以上が私の申し上げたいことです。現在置かれている状況もご配慮いただき、適切に取扱っていただけたらと思います。よろしくお願いします。
  令和6年4月1日元西播磨県民局長 ●●●●
 連絡先:●●●●●●@docomo.ne.jp※問い合わせはメールアドレスまでしていただけたら幸いです。
 (追記)全てを書き終え、傍らの新書からこぼれ出た栞をふと見ると、そこには人の心のありようについて説いた「ニーバーの祈り」が 神よ、変えてはならないものを受け入れる冷静さを、変えるべきものは変える勇気を、そして変えてはならないものと変えるべきものとを見分ける知恵を我に与えたまえ。 こんなタイミングにこんな言葉に出会うなんて…。後輩職員達への最後のエールとしてこの言葉を送ります。」
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2835/菅野完の(と)「市民」運動①。

  この欄の「菅野完」への言及を検索してみると、つぎの著を前提にし、かつ「日本会議」または<保守>・<左翼>を主題にした文章投稿で、三回、この人の名を付随的に出している。
 菅野完・日本会議の研究(扶桑社新書、2016)。著者・菅野完、1974年生まれ。
 この著は20-30万部売れ、「日本会議」本の先駆になったともされる。
 おそらく少なくとも概略は全部読んだ。そして、当時の私はすでにある程度は、この本の叙述内容について知っていたような気がする。
 →No.1377(2016/07)→No.1629(2017/07)→No.1660(2017/07)
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 当時に気にしていたのは、上の著が扶桑社新書の一つとして刊行されていることの不思議さだった。
 当時は<新しい歴史教科書をつくる会>の分裂に関心があった。そして、その名を継承した団体の新教科書の発行元は自由社で、分裂したもう一方の八木秀次らの新団体の教科書の発行元は育鵬社になった、という知識があった。
 また、育鵬社の上部会社は「扶桑社」で、かつ産経新聞社グループは、雑誌「月刊正論」も含めて、ときには西尾幹二や藤岡信勝を起用しつつ、主としては新団体=教育再生会議の側の味方をした、という知識もあった。むろん、「日本会議」は明確に後者の側に立った。西尾幹二は、日本会議や日本青年協議会を、少なくとも「分裂」の数年後までは、激しく批判・罵倒していた。
 ついでながら、安倍晋三が後者の側に立って八木秀次らを厚遇したのは屋山太郎らの働きかけと安倍の無知・無関心に起因するのだろうと、当時は何となく推測していた。
 しかし、当時とその後に書かなかったが、安倍晋三は小泉純一郎に重用され、彼の後継者として登場したのだから、小泉を「狂気の宰相」と称した書物を刊行した(かつ「郵政選挙」で城内実らの<反小泉・造反>グループを支持した)西尾幹二の名を知らなかったはずはなく、良い印象を持っていなかっただろう。むしろ、「日本会議」の支援を受ける自らに対する「敵」だと、西尾幹二・藤岡信勝グループを意識した可能性も高い(安倍晋三と産経グループの日枝久との関係もあったかもしれない)。
 余談を挿入したが、ともあれ、菅野完の「日本会議」に関する批判的分析本が、親日本会議と推察されなくもない産経グループの扶桑社から出版されているのは、当時の私には奇妙だった。日本会議批判者=「左翼」だと二元的に判断して、菅野完を「左翼」の一人だと想像したような気もする。
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  上の時期から10年近く経て、菅野完を「斎藤元彦(兵庫県知事)批判者」として知るようになった。
 かつまた、2025年2月24日に神戸市で「県民集会」を成功させた、「兵庫県政を正常に戻す会」の「相談役」は、菅野完だった。
 むしろ、「正常化する会」設立の唯一の発起人であり、その会の規約(会則)の草案すら用意していたのは、菅野完だった。したがって、彼自身はかなり遠慮した話し方も設立後はしているが、私には、菅野完はかなりの程度、上記の会(菅野によると「市民」運動団体だとされる)の創設者だと思える。
 じつは私は、上記の団体の主張・見解あるいは感覚に、ほとんど賛同している。仔細はむろん省略して、斎藤元彦も、立花孝志も、「異常」だ。だから、菅野完のYouTube発信・投稿も、かなり熱心に視聴してきた(なお、伊東乾のブログでの早くからの斎藤元彦批判・分析も、読んでいる)。
 だから、「兵庫県政を正常に戻す会」の今後に、大いなる関心を持っている。一度だけの、2月24日の「県民集会」開催で終わるのではないことが明言されてもいるからだ。
 上の関心は、純粋な?「市民」運動、「市民」団体が日本の政治状況(政党・既存の「政治」団体の環境)の中でどの程度成立するのだろう、という関心と幾ばくかの危惧につながっている。
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 2025年2月24日の「県民集会」は成功裡に終了したようで、準備会開催からわずか40日でこれができたのは、兵庫県民(および日本国民)の兵庫県政への関心の強さとともに、これを主導した菅野完等々の非凡な能力とこれまでの経験の蓄積によるところが大きいと思われる。
 だが、100パーセント、無条件で支持するというのではなく(「反カルト思考」からすると当然だろう)、全国に同時配信されていたこの「県民集会」の内容、とくに登壇者の選定には、奇妙さと懸念を感じるところもある。
 菅野完という人物にも、強い興味と関心をもっている。なかなかの人だ。
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2831/増山誠・兵庫県議会議員(維新)2025/02/23記者会見(一部)①。

 増山誠・兵庫県議会議員(維新)2025/02/23記者会見(一部)。
  出所・当日のYouTubeライブ配信(2025/02/23)。
 太字化・下線、最終の文責は掲載者(=秋月)。
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 記者「増山さんが備忘録として作っていた文書についてですが、公用パソコンの中身について、増山さんは実際にご覧になっているんですか? それとも、どなたかからお聞きした内容をまとめている、という内容だったんですか?」
 増山「見てないです」。
 記者「すべて聞いた情報ということですか?」
 増山「はい、そうです」。
 記者「元県民局長の私的な情報などをを含む、その音声などを、立花氏に提供したことについてですが、根底として、その告発文書を作成した方はこういう方だ、っていうのを広めることで、例えば、告発文書の信頼、信用度を下げるというか、そういった意図はなかったですか?
 増山「そういう意図はないですね」。
 記者「あくまで県民の方により広く知ってほしい、ということでしょうか?」
 増山「そうですね、はい」。
 記者「間違った情報が、例えば流れていたとして、それを打ち消すために、ということがあったとして、それは間違った情報を流している所に伝えるとか、そういうことは考えられていなかったですか?」
 増山「マスコミを全て調べて、そこに送付するというのもかなり非現実的ですし、そういう意味で私はマスコミよりもSNS等の媒体で広める必要があるのかな、と思った次第です。」
 記者「音声提供されたのは、立花氏にだけでしょうか?」
 増山「そうですね、はい」。
 記者「なぜ、知事選の期間中にお渡しになったんですか?」
 増山「それまでの誹謗中傷が、タイミング的に、その時がタイミングだったので…」
 記者「提供することで、例えば民意がどういうふうになってほしいとか、そういう思いは、その時にあったんですか?」
 増山「どういうふうになってほしいというより、広く知ったうえで、行動してほしい、という思いですね。よりたくさんの情報に触れた方が、正しい決断につながる、と思っておりますので」。
 記者「結果的に、民意の部分については、増山さんが思っているようになったというか、その民意については、最終的に、ご自身としては納得されていらっしゃる、ということでしょうか?」
 増山「結果については、県民の皆さんが下した結論ですので、尊重したいと思います」。
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 記者「立花さんが発信されていることがデマだとは認識していない、という冒頭の発言があったと思うのですが、立花さん、候補として二枚めのポスター、自殺の真相というポスターがありましたけれども、そこで不同意性交等罪が発覚することを恐れての自殺だと思われる、というふうに書かれていますけれども、この内容についての真偽については、増山さんとしては今、どう思っていらっしゃいますか?」
 増山「ちょっと私、二枚めのポスターというものを詳しく見ていないんで、分かんないんですけど…」。
 記者「このポスターでは自殺の真相というタイトルが付いていて、不同意性交等罪が発覚することを恐れての自殺だと思われる、と書いてあるんです」。
 増山「なるほど、はい。どこかのソースにもとづいてそれを書いてあるのであれば、私がそれをデマだと認定することはできないと思いますけれども」。
 記者「正しい認識だと?」
 増山「正しいか正しくないかはちょっとわからないんですが、デマと認定することは、立花氏がどういう情報をもとにそのことを書いているのか知りませんので、認定できない、という意味で申し上げております」。
 記者「続けてすみませんけれどもお話を伺うと、立花さんが不同意性交について発信を始めたきっかけは、やはり増山さんとの会話にあるようにも理解したんですけれども、そういうことでよろしいでしょうか?」
 増山「私にはその認識はないですけれども」。
 記者「そういう情報提供をした認識はないこと…」。
 増山「認識はないですね」。
 記者「はい、なるほど。ただ、今も増山さんは不同意性交の可能性はあると、思ってらっしゃると…」。
 増山「そうですね。あると思う。可能性はあると思う。それを完全否定するような情報を私、持ち合わせておりませんので、例えば、全部パソコンの中を見て、同意だったというような証拠を見ていませんので、なかなか、その蓋然性というんですかね、60歳間近の人事課長、局長、教育次長を務められていた方が、短期間のうちに、複数の女性と倫理的に不適切な関係を結んでいるということの情報を得るにあたって、それが同意だったのか否かというものを、一般常識から照らし合わせると、なかなか難しいのではないか、ということから、可能性は否定できない、というふうに感じておりますが、はい」。
 記者「それが。可能性が否定できないとおっしゃってる根拠なんでしょうか。その他に具体的な情報源があって、真実と信じるに足る相当の理由が増山さんの中にあるんでしょうか?」
 増山「不同意性交だという断定はしておりませんので。その可能性を示唆するような、真実相当性のある情報を聞いておりますので。ただ、その可能性が十分にあるのか、少しあるのか、ということに関しては、それぞれの判断なので、私としても…」。
 記者「その情報を聞いてらっしゃるというのは、十年間で複数というところから類推して、ということではまさかないですよね。それとは別に情報源がある、ということですね?」
 増山「はい、そうです」。
 記者「不同意性交とおっしゃるからには、これはかなり名誉を傷つける発信だと思うんですけれども、それなりに信頼のできる、それなりにどころかかなり信頼のできるものだ、というように理解してよろしいでしょうか?」
 増山「私、不同意性交だということは言っておりませんので。可能性を否定することはできない、ということを言っておりますので」。
 記者「不同意性交である可能性がある、ということをおっしゃっているわけですね?」
 増山「可能性は否定できないですね」。
 記者「そういうふうな発信をされるからには、相当の根拠がないと、法的な責任が出てくると思いますけど」。
 増山「私から不同意性交だという発信をしたことはないんですが。今お訊きされているので、私の認識を述べたまでであって、私が、不同意性交だと断定しているわけでもなければ、可能性が高いと言っているわけでもないです」。
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2829/斎藤元彦兵庫県知事・2024年5月22日記者会見(一部)。

 斎藤元彦兵庫県知事・2024年5月22日記者会見(一部)。
 出所/兵庫県庁ホームページ「知事記者会見(2024年5月22日(水曜日))」。
 太字化、丸数字は掲載者(秋月)。「元西播磨県民局長」=告発文書(2024/03/12)の作成・発信者。
 藤原弁護士=藤原正広氏(兵庫県弁護士会)。
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 ①
 記者:文書問題に関して、先日、丸尾議員から出されたアンケートの中に、「はばタンPay+」について書かれた告発がありました。
 その中で、第1弾で知事の顔写真が掲載されていなかったことに知事が激怒し、第2弾と第3弾の「はばタンPay+」のチラシデータには、知事の顔写真が載ったという、要約するとそのような事実が書かれていました。
 実際にそのような指示をされたのか、もしくは激怒された事実があったのか、改めてお伺いします。 
 知事:丸尾議員のアンケートの件は、私自身は詳細を見ていないので、現時点では個別の回答は控えておいたほうが良いかと思っています。
「はばタンPay+」のポスターやチラシの作成は、産業労働部がしっかり議論をして、効果的に事業効果を発信するために、どうすれば良いかということを考えて、その中で、おそらく知事の写真を使うという提案をされたと認識しているので、それが現時点の事実です。 
 記者:その説明であれば、知事の指示ではなく、産業労働部からの提案として上がってきたものを知事が採用したという説明でよろしいですか。
 知事:基本的には、産業労働部が部長を中心にして、効果的な事業発信をするにはどうすれば良いかということをしっかり議論して、その中で私とコミュニケーションしながら決めていったと認識しています。
 記者:そのアンケートに関連して、今年3月に尼崎の森で行われたユニバーサルマラソンの会場に設置されていた授乳室が、知事の意向で知事専用の控え室になって、実際に一般の利用者が使えなかった事実があることも書かれていました。
 職員の方に聞き取りをして、実際にそこの授乳室が知事の控え室になっていた事実があった上で、一般の方が利用できなかった事実も認められました。
 知事の意向とは言われなかったのですが、知事の受け止めをお願いします。
 知事:この件もアンケートの中で出てきたということですね。
 詳細については、個別にお答えすることは控えたいと思っていますが、事実としては、3月30日に尼崎の森中央緑地でユニバーサルマラソンがありました。これは世界パラ陸上のプレイベントとして開催しました。
 私は当日、公務がいろいろあったので、確かスーツで行き、そこで着替える必要があったので、担当部局が着替えるスペースを用意してくれたのだと思います。
 施設のスペースを一時使用したことは事実です。
 ただ、着替える部屋が用意されることは伺っていましたが、その部屋が授乳室であることは、私は正直認識していなくて、到着もかなりぎりぎりになって、バタバタと着替えて、外に行ったので、今回の取材等の指摘の中でそこが授乳室だったことを初めて認識したのが正直なところです。
 ただ、私が着替えた授乳室の代替場所も用意していたと担当からも伺っていますが、結果的に県民の皆さんに、ご迷惑、ご不便をかけたことはお詫び申し上げたいと思っています。
 今後は、担当部局ともしっかり連携して、県民の皆さんが普段利用されているような設備や施設は使わないようにすることを徹底していきたいですし、そのように指示をしているので、今回は本当に申し訳なかったと思っています。
 ②
 記者:最初に出た告発文の関連で、第三者機関での再調査を明言されたかと思いますが、それについての詳細など、現時点で決まっていることはありますか。
 知事:昨日、第三者機関の設置をする方向は示しました
 これについては、人選をどうするか、調査方法などについては、議会の意見も踏まえながら、検討していくことになるので、現時点でどのようにするかは、決まっていないと認識しています。
 これからだと思います。
 記者:第三者機関の設置はこれからだと思いますが、調査が進んで、知事がこれまで否定されてきていた事実がある意味、一転して認定されるようなことになれば、政治的責任を取るお考えはありますか。 
 知事:これから第三者委員会を開催して、外部の有識者の観点から調査していくことになりますので、まずはそこでしっかり調査をしていただくことが大事かなと考えています。
 記者:政治的責任についてはどのようにお考えですか。
 知事:そこは調査をしっかりやっていただくことが大事だと思っているので、現時点では、仮定の話はなかなか答えられないと思っています。
 大事なのは、昨日も申し上げましたが、県民の皆さんに、客観的な調査をしていくことが、県政の信頼性をより高めていくことにつながると思っています。
 そのために、今回、第三者委員会を設置して、しっかり調査をして、事実関係を改めて確認していくことが、大事なポイントと私自身は思っています。
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 ③
 記者:文書問題に関してお伺いします。
 昨日、ひょうご県民連合から県の内部調査は、客観性や中立性が損なわれているということで、前県民局長への処分撤回と弁護士費用の支払いを公費以外から支払うよう求めると提出されたと思いますが、受け止めをお願いします。 
 知事:今回、実施した懲戒処分の調査は、昨日も申し上げましたが、人事当局が主軸となって実施して、そこに弁護士の助言なども受けて行いました。
 弁護士は県の調査の助言やサポートをする形で関わっていただきましたが、調査内容自体は適正なものだと考えています。
 記者:弁護士に関してですが、内部調査に協力した藤原弁護士は、疑惑の調査対象の団体の顧問弁護士であったことも明らかになっています。
 その中で、改めて知事自身は、弁護士が利害関係者に当たるか当たらないかという認識はどのように考えていますか。 
 知事:今回の件に関しては、人事当局が行った調査ですが、藤原弁護士の助言をいただきながら、適切に調査をしてきたという意味では問題ないと考えています。
 いずれしても、これから第三者機関を立ち上げて、実際どのようにするかはこれから決まっていくと思いますが、改めて、文書についての調査をしていくことになるのではないかと思っています。 
 記者:その弁護士が利害関係者かどうかは、すごく内部調査の疑義に関わるところだと思います。
 弁護士が利害関係者かどうかについて、知事としては県の調査に100%影響がないと考えていますか。 
 知事:繰り返しになりますが、懲戒処分の調査ですので、あくまで主軸は人事当局が行っています。
 懲戒処分の調査主権者は人事当局なので、そこは調査していく中で、弁護士のサポートをいただきながら、いろいろ調査してきたということです。
 調査内容や処分に関しても、適正であったと考えています。
 記者:弁護士に関して、今後、もし第三者委員会や第三者機関が設置された場合に、県民から疑惑が持たれていることもあるので、藤原弁護士を第三者委員会のメンバーに入るかどうか、どのように考えていますか。 
 知事:実際にどの方がメンバーに入っていただくかは、これから準備をしていく中で決まっていくと思います。現時点では何とも言えません。
 客観性、中立性を担保できるような人選になっていくのだと考えています。
 記者:入れるかもしれないということですか。 
 知事:わかりませんが、基本的には、今まで人事当局の調査はそこでやってきました。
 今回、知事部局から独立して第三者機関を設置することが、昨日の議会からの申し入れもあったので、私自身はそれが良いと判断しました。
 そのような意味では、この流れの中で適切な弁護士など、どのようなメンバーにするかは、今の指摘もおそらく踏まえながら、適切にどのようなメンバーにするかは、皆さんが客観的に見て、このような人であれば、合理性、客観性があるという方に決まっていくと思っています。
 記者:文書問題に関して、改めて第三者機関を設置することになった経緯を改めて説明していただけますか。
  知事:今回の件に関しては、人事当局が調査をして懲戒処分を行いました。
 この調査は、私自身としては問題なく適正であったと考えています。処分内容についても適当なものだと考えています。これは今でもそうです。
 一方で、先日、議長や県議会からも要請がありましたが、県民の皆さんにより十分に説明責任を果たしていくこと、県政をさらに前に進めていくために、より信頼を高めていくことが大事だと思います。
 これまでも、様々な指摘を受ける中で、外部の方に入っていただいて調査することも必要ではないかと考え、熟慮、検討を重ねてきました。
 昨日、改めて議会から第三者機関の設置の要請を受けました。
 基本的に私が判断しましたが、二元代表制の一翼である議会からも要請を受けたことを重く受け止めて、今回の文書問題を調査する第三者委員会を設置することが必要だと判断したのが経緯です。
知事:スケジュールや委員の人選、どのような調査をするのかなどは、どこが準備していくかも含めて、これからだと思います。
 知事部局から独立したところが、議会の意見も踏まえながら、準備をしていきます。
 昨日、議長からは監査委員という一つの提案もいただきましたが、その点も含めて、これから準備作業をするための準備をどうするかが決まっていくのではないかと思っています。 
記者:第三者機関は、なるべく早めに早急に設置するべきだという指摘もある中で、いつまでに設置するなど、考えはありますか。 
 知事:昨日、設置をする方針を示したので、できるだけ速やかに設置することが望ましいとは思います。
 具体的にどのタイミングで設置するか、メンバー、スケジュールは、これから決まっていくことになるのではないかと思っています。
 記者:第三者機関の設置は、昨日の話では、事前に準備会などを開いてという話が内藤議長からもありましたが、今後、どのような対応を取っていくのか、お聞かせください。
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 ④
 記者:先ほど丸尾議員のアンケート調査についてのお話がありました。
こちらの内容については、知事は確認されていないということですか。
 知事:詳細については、私は拝見していない状況です。 
 記者:ただ、丸尾議員が調査を行って職員からのアンケートでこのような指摘が、21件出てきたということで、知事の言動や幹部職員の言動についての疑惑がアンケートで集まったことについての受け止めは何かありますか。
 知事:丸尾議員のアンケートについては、詳細はまだ承知していませんが、そのような意味でもコメント自体は差し控えたいなと思っています。
 いずれにしても、今回の文書問題に関して、これから第三者機関を設置していくので、そこでこの文書問題に関する調査が改めて行われることになるのではないかなと思っています。 
記者:知事の発言の中で、先ほど議会からの意見も踏まえてという話もありました。
 丸尾議員も1県議としての申し入れを、2回ほどしていて、内容を詳細まで見ないのは何か理由があるのでしょうか。
 知事:今の状況として、詳細は見ていないというところです。
 いずれにしても議会からは、より客観的に調査するために、第三者委員会を設置するべきだという要請をいただいたので、それに沿って、これから準備と対応をしていく形になります。
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  ⑤
 記者:今回の文書問題について伺います。
 メンバーや設置時期、監査委員会などの声もある中で、これから検討を進めていくという発言があったと思います。
 現時点で、藤原弁護士の件も出ており、いろいろ疑義が持たれてしまったこともありますが、知事としては、第三者機関の委員やメンバーは、どのような方が一番望ましいと現状で考えていますか。
 知事:具体的にこのような方が良いとかは、言及することは差し控えた方が良いと思います。中立性の確保が大事だと考えています。
 事務局をどのようにするか、昨日は監査委員という話もありましたが、それ以外にも委員の選定などをきちっと一つ一つ手続きを踏まえながら、委員のメンバー選定も含めて決めていくことが大事だと考えています。
 一歩一歩やっていくことが、県民の皆さんへのより十分な説明をしていくことにつながっていくと考えています。
記者:できるだけ速やかに設置時期などを議論していくという話がありました。
 知事として、これだけいろいろと世間を賑わせている話題でもあり、早く真相を知りたい方もいると思います。
 知事としては、いつまでにこの問題の結論を出したいなど、何か考えていることはありますか。
 知事:第三者委員会がどのような調査期間でやるかにもなると思います。
 これから第三者委員会が設置されて、どのように調査していくかという中で決まっていくことなので、現時点で私がこれだけのタイミングの中でなどを言及するということは、差し控えたいと思っています。
 一方で県の業務を、しっかり前に進めていくことも大事だと思いますので、毎日の県政の政策立案や行事やイベントについては、きちんと全力で対応していきたいと考えています。
 記者: 昨日の要請書の件に関して、内藤議長から準備会の立ち上げを内藤議長の任期中(6月)にして欲しいというような要望もありました。
 知事として、準備会を立ち上げるつもりがあるかお伺いします。
 知事:今回の第三者委員会が、より客観的に調査をしていく意味でも、どのような委員構成や内容にしていくかが大事だと思います。
 そのような意味でも、何らかのこの準備をするための枠組みが重要だということが議長のご指摘だったと思います。
 その辺りどうするか含めて、これからの検討になるかと思っています。 
 記者:スケジュール的には、議長からは6月までにはというようなお話がありました。準備の枠組みとして、時期など考えていますか。
 知事:できるだけ速やかに設置していくとことが大事だと思っています。
 それに向けて関係する方々としっかり協議をしながら、準備を進めていくことになると思っています。
 記者:昨日のぶら下がりの中で、準備の進め方や設置の検討過程など必要なプロセスは県民にしっかり説明していくと言われていました。
 一方で議員がそのような準備組織に参画するのであれば、県民の皆さんへの説明が一定オープンになっているのではないかということも言われていました。
 議会の議員を準備組織に選んだ場合、県民への検討過程の説明は、それに変わるようなニュアンスに捉えたのですが。
 県民の信頼性を高める意味であれば、議会のみならず、記者会見の場でも説明していただくことが望ましいのかと思います。
 議会以外にも説明される場は予定されているのでしょうか。
 知事:決定プロセスをどうするかを含めて、これから議論をして、決めていくことになるかと思います。
 もし準備組織を作るのであれば、そこが主体となって、作っていく形になるので、その準備組織自体が、どのように説明をしていくのかも大事だと思います。
 それを私が改めて言うのが良いのか、それか中立性の観点から好ましいかは、しっかり議論しなければと思っています。
 記者:文書問題で、これまで手続きについては、適切だったという認識を示されていたかと思います。
 昨日、県議会が無所属や共産党を含む全会一致で第三者機関を設置するべきだとの要請があり、二元代表制の一翼を担う議会の決定は重いと言われていたと思います。
 全会一致というのは珍しいケースかと思います。知事の最初の第三者委員会を設置しない方針について異議を唱えられたと部分があると思います。
 昨日は吉村知事も疑義があるなら内輪で判断すべきではないと言われていました。
 これまでも指摘されていますが、3月の会見で知事が嘘八百という発言されたことに対して、撤回すべきであるというような県議会からの意見もあり、知事の初動ミスであるような指摘が高まっている気がしますが、この初動ミスであることに対する知事の受け止めをお聞かせください。 
 知事:人事当局の調査や処分も含めて、その都度、私自身は適切に判断して対応してきたと考えています。
 いろいろな指摘があることは事実で、そこは真摯に受け止めなければと思っています。
 今でも、やはり今回の人事当局の調査、対応は適切だったと考えています。
 様々な議会からのご指摘、そして昨日の議長からの要請を受ける中で、第三者機関の設置が必要だということを、私自身もこれまでも熟慮、検討を重ねてきましたが、今回、改めてそこを判断させてもらったということなので、一つ一つのプロセスを私自身は適切に積み重ねてきたと捉えています。
 記者:反省点というのは、基本的にはなかったと考えているのでしょうか。
 知事:いろいろな指摘があるので、この問題をきちっと調査、これからまたしていく中で、最終的に振り返ったときにどう捉えるかは、また改めて考えていく形になると思います。

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 ⑥
 記者:先週、総務常任委員会で一部の県議が、阪神・オリックス優勝パレードを担当していた課長が自死されたことを指摘されていましたが、県としてはその件については認められないのでしょうか。 
 知事:個人情報に関する事柄なので、お答えができないということです。
 記者:個人情報というのは、個人情報保護法に基づく個人情報のことを言われているということでよろしいですか。 
 知事:詳細は、人事当局から答えさせますが、いずれにしても、個人情報に関することなのでお答えできないというのが、今の私のスタンスです。 
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 ⑦
 記者:先ほど話に出た、藤原弁護士の件でお伺いします。
 関係性だけ見れば疑惑で指摘されている団体の顧問弁護士で、いわゆる利害関係者に当たると見えるのですが、改めて利害関係者に当たるかどうかは、どうお考えでしょうか。
 知事:私としては、人事当局が行った調査は、懲戒処分の調査としては適正にやっていただいていると考えています。
 調査の主軸は人事当局なので、そこに弁護士の助言を得て処分を行ったというものです。プロセスについても適正であったと認識はしています。
 記者:弁護士は、あくまでも調査の中の主ではなく、サブ的な役割だというご説明だと思うのですが、改めて伺います。
 お聞きしているのはそこではなく、利害関係者に当たるのかどうかをお尋ねしているのですが。
 知事:私としては法的な問題もあるので、今の時点で明確に答えることはできないということです。
 後程、必要があれば人事当局から調査をした担当部局ですから、そこから説明をしていただくことが良いかと思っています。
 いずれにしても、人事当局の主となる調査としては、対応としては適切であったと私自身は捉えています。 
 記者:法的な問題というのは、後日、裁判などになった時に、利害関係者に当たるかどうかが一つの論点になりうるから答えられないということなのでしょうか。
 知事:そのような意味よりも、利害関係者というのが法的な言葉なので、そこがどうなるのかというところは、私としては今の時点で答える材料がないのでコメントできないということです。
 そのような観点から、より詳細に人事当局の方から、後程、説明をさせていただきたいと思います。
 記者:なぜ詳しくお尋ねしてるかというと、もし利害関係者であるということになれば、今回の内部調査に問題があったということに繋がると思います。
 そうなれば、今回の内部調査自体を撤回する可能性も出てくるのではないかと思うのですが、そこについて、お答えいただけないですか。 
 知事:繰り返しになりますが、調査の主軸は人事当局が行ってるということです。
 そこに弁護士のサポートをいただいたということなので、あくまで人事当局が調査した結果としての対応ということです。
 様々な項目について、あくまでメインは人事当局が調査して、そのサポートを弁護士がやったことになるので、現時点では適正であったと考えています。
 記者:先ほどの弁護士の件ですが、利害関係者かどうか、今は答えられないということですが、そもそも、兵庫県信用保証協会の基金の4割弱が兵庫県から出資されていると聞いています。
 普通の株式会社などと単純比較はできないと思うのですが、兵庫県のお金が大きく入っている、かつ、兵庫県の幹部職員の天下り先で、現理事長、専務理事も兵庫県の職員のOBであり、片山副知事もそこの理事長の出身であると聞いています。
 兵庫県の幹部職員やお金も入っている組織の中で、20年間顧問弁護士を務めてきた方が、兵庫県に対して、いわゆる公正で中立的な判断ができるかといったら、一般企業の考え方からすると難しいと思いますが、そこに対して、斎藤知事のお考えをお聞かせください。
 第三者的に見て、そうした利害関係がある所に20年勤めてきた顧問弁護士が公正にジャッジできると思われますか。 
 知事:今回は、弁護士が調査の主体としてやっているというものではなく、あくまで人事当局が懲戒処分の調査権限があるので、そこが、多分、大事なところだと思います。
 あくまでも、人事当局が調査をしてジャッジをしていくことになっていきますが、そこに弁護士が法的な指摘も受けてサポートいただきました。
 その上で委員会にかけて、調査を決定したことになりますので、そのような意味では人事当局がきちっと主となって調査をして、そして処分内容を決定した意味では、適切だったと考えています。
 人事当局:人事当局が行った調査の内容や手続き、処分の量定等に疑義がある場合の制度としては、被処分者、今回の場合であれば元西播磨県民局長になりますが、その被処分者が、人事委員会に審査請求を行うことができるような制度はあります。
 もし疑義等があれば、そのような対応がなされるものと認識しています。
 記者:そのような通報制度があるのはわかりますが、改めて最初に選ぶ弁護士として適切だったかどうかで言うと、今も適切だったとお考えですか。
 知事:私がどの弁護士を選んだかということではないのがまず1点です。
 人事当局が、調査をする中で、様々な方の意見を聞きながら、当該弁護士をサポートの対象として選んだということです。
 いろいろな指摘があると思いますが、現時点では人事当局の調査対象のプロセス含めて適切であったと考えています。 
記者:藤原弁護士は斎藤知事を聴取していると思いますが、聴取をした段階で斎藤知事は県信用保証協会の弁護士である藤原弁護士が聴取をしているという認識はありましたか。
 知事:認識はなかったです。
 記者:どの段階で顧問弁護士だとご存じになりましたか。
 知事:報道を見てです。
 記者:聴取を受けている段階では、知らずに聴取されていたということですか。
 知事:そうです。
 記者:県信用保証協会は、先ほども指摘がありましたが、公金で保証する協会で、幹部職員の天下り先の顧問弁護士だということも、聴取を受けた段階では知らなかったということですか。
 知事:県信用保証協会の人事は、当然私自身も認識しているところはありますが、顧問弁護士がどなたかは、そもそも承知はしていません。
 記者:お名前を聞いても知らなかったということですか。
 知事:今回、聴取を受ける段階等で初めてお会いした方です。
 そして、聴取を受けている段階では、協会の顧問になっていることは存じ上げていなかったので、報道で初めて知ったということです。
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2827/斎藤元彦兵庫県知事・2024年5月14日記者会見(一部)。

 斎藤元彦兵庫県知事・2024年5月14日記者会見(一部)。
 出所/兵庫県庁ホームページ「知事記者会見(2024年5月14日(火曜日))」。
 太字化、丸数字は掲載者(秋月)。「元西播磨県民局長」=告発文書(2024/03/12)の作成・発信者。
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 記者:
  文書問題に関して、今月9日にひょうご県民連合が第三者機関の設置を申し入れて、本日も石井秀武議員が申し入れをされました。
  改めて第三者機関の設置についてのお考えをお伺いします。 
 知事:
  今回の案件について、5月9日にひょうご県民連合から申し入れがあったことは承知しています。今日も石井議員から申し入れがあったことも承知しています。
  繰り返しになりますが、今回の件に関して、人事当局が懲戒処分にあたって弁護士にも相談しながら、文書に関する調査、対応を行いました。
  一定の第三者性が保たれてますし、客観性があるということで、処分の実施や内容については問題ないと私自身は考えています
  一方で、県民の皆さんにより十分に説明責任を果たしていくことも必要だという意見も見受けられます。
  我々としては、人事当局の行った調査は十分客観性があると今でも認識していますが、より説明責任を果たしていくべきだという意見もあります。
  今日もいろいろな施策を説明しましたが、県政をさらに前に進めていくためには、より信頼を高めていくことも大事だと思っており、今回の調査結果等について、外部の方に調査をしてもらうなり、しっかり説明責任を果たしていくことも大事だと思っています。
  この件は、県議会の動きなども踏まえながら、今後、どのような形で行うのが良いのかを、熟慮、検討していきたいと考えています。
 記者:
  議会の動きを踏まえつつというのは、例えば百条委員会など、具体的にどうなれば検討をしていくか、考えはありますか。 
 知事:
  議会の動きも踏まえながらです。
  まずは我々としてどうするべきかをしっかり熟慮、検討していくことになるのかと思っています。 
 記者:
  今回、公益通報を元西播磨県民局長がされて、吉村知事が9日の会見で第三者の通報機関を設置すべきだというご意見も出てきました。
  また、通報内容も、第三者の弁護士や専門家の意見を踏まえることが重要だという意見も出ましたが、改めてこのような意見を踏まえての知事の考えをお聞かせください。 
 知事:
  今の公益通報は、庁内に窓口を置いており、調査をして、是正が必要であれば、外部の委員に諮ってから是正措置をしていくことで、一定の客観性や外部性はあるとは思っています。
  そのような中で、今回、公益通報の窓口そのものについて、いろいろな指摘があることも承知しています。
  今回の事案をしっかり、見定めながら、今後、公益通報の窓口は外部に置いていくことを含めて、しっかり検討していきたいと思っています。
 記者:
  第三者機関の設置に関して、熟慮、検討していくということですが、設置すると決定されたわけではないのでしょうか。 
 知事:
  その可能性も含めて、今後、熟慮、検討していくということです。
  当然、二元代表制の一翼である議会側からも、既に複数の申し入れがありますし、議会側の動きも見据えながら、まずは私として、どのように対応していくかということです。
  やはり、先ほど申し上げましたが、今回の人事当局の調査自体は、弁護士にも入ってもらって、十分調査としては対応できていると思っています。
  より前を向いて、今後、県政を進めていくためには、県民の皆さんへの十分かつ丁寧に説明責任を果たしていくことも大事だと指摘もされていますし、私自身もそのように感じつつあるところなので、そのような観点から、外部の方に入っていただき、調査をしてもらうことも、一つの必要な説明責任の果たし方だと思っており、その辺り含めて、熟慮、検討していきたいと思っています。 
 記者:
  先週の会見では、第三者機関を設置しない、弁護士の先生もそのように仰っているので、そうだと思うと発言されていました。
  この判断を変えられた理由は、県議会からの意見があったところが大きいのでしょうか。
 知事:
  そこも一つありますが、県議会側にも様々な意見があります。
  正式に申し入れが来たもの以外にも、多様な意見もあるといろいろな形で伺っています。
  そもそも今回の事案について、より一層の説明責任を果たしていくためにも、そのような外部の方を交えて、我々が今回行った調査結果の内容も含めて、見てもらうことが、大事かと私も日々、考えたりします。
  そのような中で、今後さらに熟慮と検討を進めていきたいと思っています。 
 記者:
  熟慮、検討されて、概ね結論を出される時期の見通しありますか。 
 知事:
  そこはまだ決まっていません。 
 記者:
  第三者機関を設置するにあたり、一番重要なのは、委員の選定だと思いますが、委員の選定など、知事の中でイメージはありますか。 
 知事:
  まだ、熟慮、検討してる状況なので、具体的なものがあるわけではありません。
 記者:
  公益通報に基づく調査自体も進められていると思います。
  その調査との関連ですが、人事当局の調査があって、公益通報に基づく調査も続けていくのか、さらに第三者機関による調査も行うのかお聞かせください。 
 知事:
  公益通報についても、私が直接関与しているわけではありません。
  財務当局が実施していますが、基本的には、そのプロセスを止める理由がないので続けていく形になると思っています。
  そこに関しては、財務当局に聞いてもらえばと思います。 
 記者:
  第三者機関が調査するかどうかにもよりますが、基本的に公益通報の調査結果は公表されるケースがほぼ無いと思います。
  今回は注目を集めているケースで、公益通報についても通報者が公表されている異例の事態かと思いますが、公益通報の結果を公表するのか、今後、調査を始められると思いますが、第三者機関の調査自体は公開になるのかお聞かせください。 
  知事:
  そこも、まずは公益通報のプロセスは、財務当局に確認していただいたら良いと思います。
  また、第三者機関の公開は、熟慮、検討していく中で、どうしていくかになると思うので、具体的にどうするかまでは定まっていないと思います。 
 記者:
  公益通報の調査結果は、おそらく通常のやり方だと非公表のままだと思います。
  今回は、知事の判断にも関わってくると思いますが、関与するつもりはないのでしょうか。 
 知事:
  おそらく関与する余地がないのかと思います。
  改めて財務当局に確認をしてもらえればと思いますが、今、決められているルールに沿って調査をし、調査結果をどのように公表するのかも含めて、財務当局が委員の方と議論をしていくと思います。
  確か是正の必要性が何か出てくれば、委員に諮って公表されると思います。そういうことが出てくれば、公表することもあると思います。 
 記者:
  説明責任に関して、第三者機関が調査することが決まれば、第三者関からの報告書等が出てくるかと思います。
  先週の段階では、どのような発表の仕方をするかは検討したいということでした。現時点ではどの段階で知事から説明しようと思っているのか教えてください。
 知事:
  現在、公益通報の調査があって、今後、外部の方に入っていただいて、調査をしてもらうことも含めて、熟慮、検討していくことになります。
  どの段階で私自身が説明するのかは、現時点では決められないと思います。 
 記者:
  調査中の段階では説明はできないということですか。 
 知事:
  基本的に調査をしてる時には、調査の当事者が説明することは、よほどの何かがあれば別ですが、基本的には難しいと考えています。
  今後、どのような形で進めていくかによって変わってくると思います。 
 記者:
  第三者機関を設置するのであれば、調査の対象となるのはどの範囲なのか、挙がっている7項目なのか、懲戒処分全体の話なのかを教えてください。
  また、懲戒処分結果に対してもおそらく影響が出てくると思いますが、その見解を教えてください。
 知事:
  そこは、たぶん、私が、内容や調査の立て付けをどうしてくかを、あまり言う立場ではないと考えています。
  今後、外部の方に入っていただいて、調査をしていただくことを熟慮、検討していく中で、より客観性を保つためにはどうすれば良いかを、関係者の方で話し合ってもらう。そこには、議会が一定このような方向が良いのではないかということも一つあるかもしれません。
  二元代表制なので、県政全体をしっかり前に進めていくために、このような形で合意形成していくのも一つのあり方かと思いますが、私自身がこうして欲しいという立場ではないと、今は、思っています。 
 記者:
  処分が覆るかもしれないという結果についてはどうですか。 
 知事:
  現時点で人事課の調査は十分されて、処分を決定したと思っているので、仮定の話については、明確にお答えするのはなかなか難しいと思っています。 
 記者:
  文書問題に関して、先日、ひょうご県民連合が記者に対して説明を行った際に、兵庫県の財務規則では、寄附で物品を受け取る際には、寄附申出書を徴収しなければならないが、コーヒーメーカーの時は寄附申出書が提出されていない可能性があるというお話がありました。
  実際に原田産業労働部長がコーヒーメーカーを受け取った際には寄附申出書を、実際に処理していたかどうかを教えてください。
 知事:
  私は知りません。その辺りは担当の方から。
  社会通念上の儀礼の範囲内で、一定そのような地域の産品などをいただくとことはあるとは思います。
その都度、そのような手続きをしていたかどうかは、ケース・バイ・ケースだと思います。
  今後、今回の事案を含めて、いろいろ調査をしていますが、最終的には贈答品などのルールをきちっと定めていくことが、私は大事だと思っており、しっかり検討していく課題だと思います。
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 記者:
  文書問題に関して、先ほど第三者機関の設置を熟慮、検討するというお話がありました。
  逆に言えば今の段階で設置すると言い切れない、引っかかっている理由は何があるのでしょうか。 
 知事:
  先ほど申し上げたとおり、私としては、人事当局が行った調査は十分調査をして対応してきたものだと今でも思っています。
  繰り返しなりますが、より十分な県民の皆さんへの説明責任が必要だという意見もあるので、県政の信頼をこれから回復していくためにも、そのような外部の方に入っていただいて、調査結果をしっかり調査してもらって説明責任を果たしていくことが大事だと考えつつあります。
  これから議会側も、既に5月9日に申し入れをされていますが、議会側もどのような考えがあるかをしっかり伺って、そこを踏まえて対応していくということが大事だと思います。
  特に二元代表制になるので、当局側の知事と議会がしっかり今回の問題も含めて意思疎通をして、どのような形でやっていくべきかを、一定、合意形成をして、きちっとやっていくことを検討していきたいと思っています。
  今の時点で、どうこうと言うよりも、しっかり熟慮、検討していくにはもう少し時間がかかるのではないかというのが率直な思いです。 
 記者:
  第三者機関を設置することは考えているけども、具体的な中身ややり方などは、これから熟慮していく考えでしょうか。
 知事:
  中身やどのようにするかは、多分、私がこのようにしたいとか、このようにしてということを最終的に決められる立場では無くなってくると思います。
  繰り返しになりますが、県議会の中にもいろいろな意見があると思います。今の時点で調査は十分に尽くされており、もう良いのではないかという意見もあれば、やはり説明責任をしっかり果たしていく意味でも、作った方が良いのではないかなど、いろいろ意見があると思います。
  それを伺って、どうするかを、最終的に、熟慮、検討して定めていきたいと率直に思っているところです。 
 記者:
  知事が最終的に全体像を考えるのではなく、議会との対話の中で、第三者機関のあり方、中身をどうするか、対話を通じて考えていくということですか。 
 知事:
  最終的には、県が執行者なので、中身をどうするかは別にして、どうするかはおそらく知事が予算も含めた執行権者なので、どうするかを判断していかなければいけないと思います。
  その過程の中で、議会側も含め、ご意見を伺いながら最終的に判断をしていくことになると思います。 
 記者:
  先ほどの質問に関連して、前回の会見までは、第三者機関は一切考えていないとのことでした。
外部の方を含めた第三者機関を設置することの必要性を一番強く感じられたのは、どのようなやりとり、どのようなきっかけだったのですか。
 知事:
  元々、完全に否定していたというよりも、今やっているプロセス、人事当局の懲戒処分に関する調査が、弁護士を入れた中できちっとやっているので、そこで一定の客観性と第三者性、公益通報のプロセスも含めれば、今の時点ではこれで十分ではないかとの見解を述べてたというのが事実だと思います。
  今でもそこは、そのような考えもありますが、やはり日々、自分の中でもいろいろ考えていく中で、議会側もいろいろなご意見があります。
  そして、県民の皆さんの中でも、斎藤県政をもっと前に進めて、若者・Z世代対策を含めて、どんどん施策を前に進めていくためにも、今よりも、もっと十分な説明責任を果たしていくことが大事ではないのかなど、いろいろなご意見もあります。
  そのような中で、私自身もこれからしっかり説明責任を、すでに調査結果が出ていますが、その内容も含めて、外部の方に見てもらうことが必要かどうかを議会側の意向も踏まえながら、熟慮、検討していきたいという心の内になってきたというのが、現在の状況です。 
 記者:
  今回、7点の指摘の中で、県庁内部からの声で、いわゆるパワハラに当たるのではないかという行為が様々なところから声があるとの指摘がありました。
  熟慮するにあたって、県庁内部からの声、ご自身の部下からの言動や行為が、もう一度見直すことに繋がったということはありますか。
 知事:
  そのようなことというよりも、報道であったり、県議会の意見、あとは自分の中でいろいろ考えたりすることがある中で、より説明責任を果たしていくため、外部の方に今回の調査結果を含めて対応していくことも大事なポイントではないかと考え始めたところです。
  これから、県議会からの意見なども伺いながら、最終的に熟慮、検討して判断していきたいと考えています。 
 記者:
  熟慮、検討していくために、議会との対話の場を知事として設けられるのか、どのような形で検討を進めていくのか、何か考えがあればお聞かせください。 
 知事:
  今のところ具体的なものはありませんが、議会からもいろいろな会派が申し入れをされつつある中で、おそらく議長含めて各会派の方々は、どうすべきかを考えていく状況になる可能性もあります。
  その中で、どのタイミングで誰とどうすべきか、おのずと定まっていくと思っています。
  今の段階で、こうしたい、このタイミングでしたいことがあるわけではありません。 
 記者:
  説明責任という言葉が出てきましたが、知事は3月末の会見で事実無根という発言をされました。
  知事自身が、文書内で書かれている疑惑は、その一つ一つをこれまで説明はされてこなかったかと思います。
  その説明責任はどう考えているのでしょうか。
 知事:
  説明責任は、私自身が説明するというよりも、県民の皆さんに対してしっかり県が説明していくことが、県というものはやはり組織ですから、大事という意味で申し上げています。
  これは私の口からが良いのか、それとも今回も人事当局の調査結果で、このような方向性を皆さんとともに説明をしたこともあります。
  そのような意味での説明責任をどう果たしていくかが、今でも大事だと思っています。そこは前回の人事当局の調査結果が、一定客観性も入れて調査をしたと私は思っており、一定の説明責任は果たしていると感じています。
  それでも、より客観的に説明責任を果たしていくべきだという声がある中で、外部の方の調査をしてもらうことを含めて、これから熟慮、検討していくことになります。
  外部の方が調査する方向であれば、その方々が最終的には説明をしていくこともあるかと思いますが、そこはこれからどのような形でやっていくかがベースになるかと思っています。 
 記者:
  自身がその疑惑について説明されることも含めて検討されるのでしょうか。 
 知事:
  そこはやはり調査の対象となっている当事者なので、ここがすごくこの問題のポイントにもなっています。
  最初の方に、私は虚偽が多いと言いましたが、それはその時点で、私自身が当事者として、そのような事実が無いことが多いので、そこを申し上げましたが、その後、調査を進めていく中で、私自身が個別のことについて、コメントや評価をしていくことは適切ではないということだったので控えてきました。
  今後、人事当局の調査が終わったとはいえ、公益通報のプロセス、外部の方も入れたプロセスが進んでいくことになれば、当面、私の方から個別のことについてお答えをすることは、どの段階かはありますが、今の時点では、そこはできないと考えています。
 記者:
  調査の段階で、知事自身が、自身の疑惑について一つ一つ説明するのは適切ではないという考えでしょうか。 
 知事:
  客観性を持って説明していくためには、私以外の方が調査することなので、まずは人事当局の内部調査を実施し、公益通報の調査も進んでいきます。
  それが私以外の方が調査をして発表していくことが、一番客観性を持ったものなのではないかと思っています。 
 記者:
  そのご意見も踏まえて、3月末での自身が当事者として書かれていることに事実無根だという発言をされたことについて、人事当局の調査中でしたが、あの発言は今の段階でも適切だとお考えでしょうか。 
 知事:
  適切か適切でないかは、コメントはなかなかできませんが、当時としては、公益通報がされていない段階で、私自身も内容について書かれた当事者として、そうでは無いということが多々含まれていたので、そこをあのような形で、指摘させていただいたということです。 
 記者:
  3月に、文書問題が出てきて、2カ月近くこのような状態が続いているかと思います。
  そのような状況は、県民の皆さん、全国的にも、不安やどうなっているのだろうという状態が続いていることについて、知事の受け止めをお願いします。 
 知事:
  懲戒処分が決まった時にも申し上げましたが、このような状況になったことについて、県民の皆さんにお詫びを申し上げなければならないとお伝えしました。
  これから県政を前にしっかり進めていくためにも、今回の事案について、適切に対応して、信頼回復につなげていき、前に進めていくことが大事だと思っています。 
 記者:
  知事のこれまでを振り返って、あの時このような対応をしておくべきだったなど、反省すべき部分とかはありますか。 
 知事:
  プロセスとしては、人事当局の調査、そして、結果的に公益通報というプロセスになっているので、対応としては現時点では適切な対応をしてきたと認識しています。
  ただ、先ほど申し上げたとおり、より県民の皆さんに対して、客観的な説明を果たしていくことも大事なポイントだと思います。
  これから、前を向いていく意味でも、外部の方に入っていただいて、調査をしてもらうことを含めて、これから県議会の意向なども聞きながら、熟慮、検討していく、そして判断していく形になると思っています。
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2826/斎藤元彦兵庫県知事・2024年5月8日記者会見(一部)。

 斎藤元彦兵庫県知事・2024年5月8日記者会見(一部)。
 出所/兵庫県庁ホームページ「知事記者会見(2024年5月8日(水曜日))」。
 太字化、下線、丸数字は掲載者(秋月)。「元西播磨県民局長」=告発文書(2024/03/12)の作成・発信者。
 —————
 
 記者:
  昨日の懲戒処分で、元西播磨県民局長の処分を決めましたが、知事の受け止めをお伺いします。
 知事:
  元西播磨県民局長と産業労働部長の処分を行いました。服務規程に違反した職員に対する懲戒処分等です。
  職員一丸となって、県政の推進に取り組んでいる中で、このような事案が起きたことは、改めて、大変遺憾であります。県民の皆さんにお詫びを申し上げたいと思っています。
  改めて公務員倫理の徹底を図るとともに、今後、より風通しの良い県庁組織を作る、風通しの良い職場づくりに向けて、私としても最大限取り組んでいきたいと考えています。
 記者:
  元西播磨県民局長は、公益通報もされていますが、なぜ、今の段階で人事処分の決定をされたのかをお伺いします。 
 知事:
  昨日、人事当局、同席いただいた藤原弁護士からも同様の説明があったと思いますが、確かに公益通報されていますが、通報以前に行われた本人の非違行為に対して、懲戒処分を行う判断を、今回、人事当局と協議しながら決めました。
  処分に関しては、昨日、弁護士含めて問題はないとの見解もいただいているので、それに沿って対応させていただきました。
 記者:
  人事当局からはどのような説明が知事にありましたか。
  調査方法や調査内容の説明はあったのでしょうか。 
 知事:
  最終的に懲戒処分を決めるにあたって、綱紀委員会で議論して、非違行為があったので、懲戒処分に相当する旨の説明がありました。
  過去やこれまでの例に沿って、懲戒処分の内容についても報告があり、私自身も内容を聞いて了承しました
 記者:
  3月27日の定例会見で、知事は「名誉毀損、法的な課題がある」と発言されましたが、調査を終えた現在の認識としてはどのように思われていますか。
  また、刑事告訴などを考えているのでしょうか。
 知事:
  昨日、人事当局から発表させていただいたとおり、今回、当該者の行為には、幾つもの非違行為があり、懲戒処分に相当するため処分をしました。
  調査内容の一つ一つについては、今後、公益通報があるので、コメントは少し差し控えたいと思っていますが、当該文書には、虚偽内容が含まれていた旨は、昨日、説明されたとおりだと考えています。
  そのようなことから今回、懲戒処分を行いました。
  今後の刑事的な手続きは、公益通報の手続きが進んでいる状況ですが、昨日、懲戒処分を行い、当該文書の内容は事実ではないことも示されたと受け止めているので、私としては現時点では刑事告訴などは考えていません。 
 記者:
  今回の件は、懲戒処分前に内容が公になってしまった異例の事態だったと思います。
  この件により、県政への不信感に繋がりかねない問題となったと思っていますが、この点について知事はどのように考えていますか。 
 知事:
  先ほども申し上げたとおり、職員一丸となって県政の推進に取り組んでいる中で、このような事態が起きたことは大変遺憾だと考えています。
 記者:
  前例に沿えば、懲戒処分は人事課の調査で実施することになると思います。
  先ほども不信感という発言もありましたが、一方で知事も日頃から開かれた県政という透明性を確保した運営を掲げていると思います。
  県民の疑念を解消するためにも、知事と利害関係のある職員や弁護士の調査ではなく、内外から外部の第三者委員会を設置するべきではないかとの意見もありますが、その点についてはどのようにお考えですか。 
 知事:
  今回は、人事当局が、まずは懲戒処分に相当するということで調査をしました。
  以前から申し上げているとおり、弁護士の意見も聞きながら、今回の調査をしたので、一定客観的な調査が実施されたと考えています。
  今後、公益通報に基づく手続きになるので、公益通報委員会もあり、一定の第三者性は担保できていると私自身は考えています。
  また、第三者委員会の設置の必要性は、昨日、藤原弁護士などからも、考え方が示されたと伺っています。私としては適当ではないかと考えているので、それを踏まえて対応していきます。
  
 記者:
  懲戒処分問題に関してお伺いします。
  昨日のレクで人事当局は、調査を尽くしたので、これ以上事実は出てこないため、第三者委員会は不要だというような趣旨を話されたと思います。
  今回、処分権者が行政トップである知事で、行政トップが決めた組織決定を、公益通報は県政改革課が内部で実施されるかと思いますが、行政トップが決めた組織決定を、内部調査が縛られずに客観性を持った調査ができるのかについては疑問の声も上がっているかと思います。
  この辺の公益通報に関してその調査が客観性を持てる根拠についてお伺いします。
 知事:
  そこはきちっと客観性を持ってやることが大事ですし、そうすべきだと考えています。
  今回は、人事当局が弁護士の意見も聞きながら、内部調査を客観的にやったということで、昨日発表して、それに基づいて、懲戒処分等をした形になっています。
  今後は、公益通報がされているので、それに沿って、弁護士等で構成される公益通報委員会で調査結果に基づく是正措置があれば、そこに対して意見を述べていくことになると考えています。
 記者:
  公益通報で、虚偽ではなく、誹謗中傷でもなく、公益通報として事実関係についても事実が認められるという、仮に真逆の事実が認められた場合、その懲戒処分の根拠が覆るかと思うのですが、そのあたりのご見解はいかがでしょうか。
 知事:
  仮定の話ですので、なかなかコメントしづらいと考えています。
  現在、当該者から公益通報があり、ここはプロセス、事実としてあるので、これに基づいて調査をしていく。
  そして、必要に応じて是正措置などを弁護士等で構成する通報委員会に付議しながら、決めていく形になります。 
 記者:
  今回の調査手法には、知事は関わっておられないということでした。
  昨日の人事当局の説明では、人数や期間なども調査手法に関することですので、明らかにしないとのことでしたが、第三者委員会などが設置されている場合では、透明性や客観性を持たせる意味でも、個人情報にかかわらない部分は明らかにすることが一般的かと思います。
  このあたり調査手法については、どのように評価をされていますか。 
 知事:
  懲戒処分に関する内部調査が、これまでのやり方に沿って、まずはやってきたことに加えて、今回は、当該文書の内容が一つの懲戒処分の構成要件としてあったので、そこは弁護士をきちっと入れさせていただいて、客観的にしっかり調査したことが、昨日の人事当局、それから藤原弁護士の見解だったと思っているので、そのような観点ではきちっと対応されたと認識しています。 
 記者:
  人数・期間等を明かさないこと、報道機関に対する聴取もあったかと思うのですが、調査手法に関することは、今回、調査を終えられてみて、知事としてどのように評価されているのかお聞かせください。
 知事:
  従来の人事当局の調査の中で実施されたものではあるので、もちろん報道機関への調査は、私自身は調査対象になっているので、指示などができなかったことはありますが、やはり報道の自由をしっかり尊重しながらやるべきだという思いはあります。 
 記者:
  人事調査の結果が出たので、個別事案について伺います。
  1つ目の調査結果で、ひょうご震災記念21世紀研究機構の副理事長である御厨さんと河田さんの解任について、片山副知事が打診したことは事実だと、今回の人事当局の調査では認定があったかと思います。
  2人とも震災分野の第一人者で、今回発表もあった創造的復興サミットに関しても要になられるのだと思ったのですが、震災30年を前にこのような人事のお話をされたことに関する趣旨をお聞かせください。 
 知事:
  そこは、人事当局の調査は現時点で昨日終わりましたが、これから公益通報の方でも調査が進むので、個別の当該文書に関する是非や内容のコメントをするのは、現時点では差し控えておいた方が良いというのが私の今の感覚です。
  指摘されていることについて、もし必要があれば、担当課を含めて、所管するところに聞いていただいたら良いのかもしれないです。
 
 記者:
  昨日、藤原弁護士が、知事を聴取するのは、十数年間の経験でも極めて異例だということでした。
  県議さんから言わせると、ガバナンスの問題や前回の知事選が影響しているのではないかといった、いろいろな声があります。
  知事として聴取を受け、今回、綱紀粛正を図る、風通しの良い組織にするためには、具体的にどのように改善していかれようと考えているのでしょうか。 
 知事:
  先ほど申し上げたとおり、懲戒処分が一旦決定されて、今後、公益通報の手続き等が進んでいくので、その経過を見た後に、具体的にどうするかを考えていくことも大事だと思っています。
  そのような中で、今回の懲戒事案が発生したことを踏まえると、職員倫理の徹底を図っていくことと、そのために必要なルールづくり、贈答品や公益通報の窓口をどうするかなども、きちっとやっていきたいと思っています。
  それから風通しの良い職場づくりというものを、私自身ももっと努力をしていかなければと考えています。
  先ほども言いましたが、この3年間、コロナ対応もそうですが、若者Z世代を応援する様々な施策を中心に、いろいろなことをさせてもらいました。
  職員には、一緒にやってきたことに改めて感謝を申し上げたいと思います。
  選挙などいろいろな指摘はあるのかもしれないですが、大事なのは、やはり、県民の皆さんにとって、一番良い施策をやっていくことが大事だと思います。
  そのために、県庁一丸となって、良い施策をみんなで作っていくような組織風土に私自身が先頭になってやっていくことを、これまでも努力してきましたが、今一度、働き方改革も含めてやっていきたいと考えています。
 記者:
  知事ご自身が、今回の懲戒処分に至る調査を通じて、反省すべき点、改善すべき点はどのように考えていますか。 
 知事:
  具体的に何かということよりも、今回、このような事態に至ったことは、県民の皆さんにお詫びを申し上げなければいけないと思っています。
  懲戒処分に至るようなことがあったことで、今一度、公務員倫理、服務規律の徹底をきちっとしていくこと。これは私自身も、やはり疑念を持たれないようないろいろなルール、それからそれを是正するような仕組みを作っていくことが大事だと考えています。
  先ほども言いましたが、風通しの良い職場づくりに向けて、より職員とのコミュニケーションを密にしていく。そして、良い施策を県民の皆さんのために実現できるような、そんな県庁づくりに努めていくことが大事だと思っています。
 
 記者:
  懲戒処分の問題で伺います。
  3月27日の定例会見で、知事は文書内容について事実無根が多々含まれている嘘八百、と言い切られていたかと思いますが、その影響で、この人事課の調査を受ける職員の中に萎縮する人がいたという可能性は考えられませんでしょうか。 
 知事:
  当時は、公益通報等される前の段階で、私としては当事者でもあって、事実ではない内容が多々含まれているという意味で発言をしました。
  その後、昨日、発表したとおり、人事課が内部調査として弁護士の助言やサポートをいただきながら、かなり関係者へのヒアリングや客観的な証拠も含めて、積み上げをしたと思いますので、そのような指摘は当たらないような調査結果になっていると私自身は捉えています。 
 記者:
  3月27日時点で公益通報はまだされていなかったと思いますが、確か懲戒処分に向けての人事課の調査は始まっているということだったと思います。
  その調査がある中で、定例会見で言い切ったことは、今でも適切だったと思われますか。
 知事:
  あの当時は私自身が、そのような形で指摘されている中で、そのような発言をさせていただいたというふうに考えています。
  その後、先ほど申し上げたとおり、人事当局が弁護士も入れながら、きちっと客観的な聞き取りや証拠などを集めて調査をしていたと私自身は受け止めています。 
 記者:
  懲戒処分の件で、先ほどから客観的な証拠がある、客観的な聞き取りが行われたという話だったのですが、人事当局からどのような調査をして、何をもって客観的と思われているのか
  内部調査ですので、知事の下で働かれている職員が調査を行っていて、何をもって客観的と考えられているのかお伺いします。 
 知事:
  昨日の調査結果の内容で、一つ一つの項目について説明がされているかと思います。そこで何が事実でないかどうかというところが、きちんと核心的なところを含めて説明をしたと認識しています。
  その際には、人事当局がきちっと弁護士のサポート、助言を受けながら、一つ一つの項目について、関係者の聞き取りなどしていたと考えているので、そこで一定の客観性はある調査になったと認識しています。 
 記者:
 今回の処分を決定した委員会に、この文書で疑惑として挙がっている幹部職員も委員長として入られていますが、その処分への中立公平性が担保されていると考えられていますか。
 知事:
  綱紀委員会の話だと思いますので、そこは人事当局としてもう一度説明してもらえますか。 
 人事当局:
  綱紀委員会の委員長が総務部長であるということで、昨日も申し上げましたが、調査の結果、事実認定をしたことを綱紀委員会で申し上げて、事実に基づいて非違行為の処分の量定について綱紀委員会で意見を聞くという形になります。
  調査過程では、総務部長を外しており、最後、処分権者の1人ではあるので、そのような意味で、認められた非違行為について、委員会に諮るということであり、問題ないものと考えています。 
 記者:
  調査には、委員長はもちろん入っていないと思いますが、調査対象として入っている方が、その処分、事実に基づいてという話ではありますが、処分決定するというところで、公平性をどのように担保されているんでしょうか。
  決定する上で、自分自身の疑惑が書かれているものを、どのように公立公平に扱っているのかは、もう少し説明をお願いします。
 人事当局:
  文書に書かれていることが基本的に事実ではないという調査結果が出ております。
  本人も当然のごとく、身に覚えのないことを書かれているということであるので、その点では処分に恣意的な思いが入る余地はありませんし、そのような意味では処分権者、知事はじめ、処分の決裁権者であり、当然、その処分を決定していくにあたっては必要な手続きになるので、そこの点では問題ないと考えています。 
 記者:
  文書の内容について、知事は以前、一つ答えると次も次もとなる。全体を精査した上で説明したいと会見でお話をされていました。
  今回、人事当局の調査でも一つ一つどれが事実ではないと説明をしていただいたので、全体の精査をされているのではないかと思います。
  人事当局の調査でも一定されていると考えられるかもしれないですが、どの段階で説明していただけるものなのかをお伺いします。 
 知事:
  私自身が調査内容について、一つ一つ説明することが、今の段階で良いのかどうかはあると思います。
  今は、人事当局が弁護士を入れて調査をしていたので、その間、私は調査対象でもあり、答えてはいません。
  かつ、昨日、調査結果を懲戒処分の中で説明をしたということになるので、そこを踏まえてこれから公益通報の手続きの中で、文書の内容が調査や精査されていくと考えています。
  私としては、今の段階で、文書の内容のことについて、コメントすることは控えたいと思っています。
  ある程度公益通報の調査が終わった後も、私自身が説明するのが良いのか、それとも昨日のように、私ではないという意味での第三者、人事当局の方から、昨日も弁護士が説明を補足しましたが、そのような形で内容の説明することの方が適切であれば、それを持って説明したことになると思っています。 
 記者:
  知事は、3月27日の段階で嘘八百というふうな発言をされています。
  何をもって嘘八百と会見の場で発言されたのかというところも、改めて説明が必要なのではないかと思いますが、そこはいかがでしょうか。 
 知事:
  そこは昨日の調査結果を踏まえた項目についての説明です。
  そこと、これからの公益通報のプロセスを経た後の結果を踏まえて対応は検討したいと考えています。 
 記者:
  先ほども質問があった法的手続きを進めているというような発言を3月27日にされていましたが、それはもう、撤回されるといいますか、法的手続きはしないということで良いのでしょうか。
 知事:
  昨日の時点で、懲戒処分の内容が一定決定され、そこで、内容について、真実でないということが一定示されたこともあり、懲戒処分されていることから、現時点では、刑事告訴などは考えていない状況です。
 ⑤ 
  記者:
  懲戒処分の問題でお伺いします。
  元西播磨県民局長は内部通報が信頼できないため、公益通報より先に文書を配布する方法をとったと言っています。
  他県では、庁外に公益通報窓口を設定している県も多いそうですが、公益通報の窓口を庁外に設置することは検討していますか。 
 知事:
  先ほど申し上げたとおり、今後の検討課題になると考えています。
  現時点では、公益通報の窓口は庁内に設置していますが、今回の事案を踏まえて、今後、窓口を外部に設置することも含めて検討課題と認識しています。 
 記者:
  今回、2人が処分されましたが、元西播磨県民局長は懲戒処分でも上から2番目に重い停職。産業労働部長は懲戒処分には当たらない戒告の事実上一つ下にあたる訓告という処分でした。文書による指導に過ぎないものではありますが、処分の軽重について、知事が思うことあればお伺いします。
 知事:
  まずは、人事当局の方から。 
  人事当局:
  昨日も申し上げたとおり、地方公務員法上の処分ではありませんが、本県の考査規程で訓告という処分を行うことができると規定されています。そのような意味では、訓告も懲戒処分に当たります。
   それぞれの処分は比較するものではなく、それぞれの職員が行った非違行為そのものを、過去の処分事例や本県の懲戒処分指針に基づいて、非違行為について処分の量定を検討するものです。
  今回、元西播磨県民局長と産業労働部長の処分の量定を比較することは、適切な比較の対象にならないと言いますか、それぞれ行った非違行為について、妥当な処分の量定を検討していくことになります。 
 記者:
  知事はどう思われていますか。
 知事:
  今、人事当局から説明させてもらったとおり、処分の量定は、それぞれの非違行為について、本県の懲戒処分の指針や過去の処分事例を踏まえて決定したものです。私としては今回の対応は適切なものだと考えています。 
 記者:
  先ほども、記者の方から質問がありましたが、改めて3月の定例会見の際に、当初から嘘八百、事実無根としていた告発文が、内部調査の結果、核心的な部分において全て事実無根と認定されたことについて、改めて受け止めをお願いします。 
 知事:
  現時点では、公益通報の手続きが進んでおり、それぞれの内容へのコメントは差し控えますが、改めて、職員一丸となって県政の推進に取り組んでる中で、このような状況になったということは、極めて遺憾であります。県民の皆さんに改めてお詫びを申し上げたいと考えています。
  改めて公務員倫理の徹底を図るとともに、私自身も、より風通しの良い職場づくりに向けて努力して参りたいと考えています。
 記者:
  弊社の情報番組や系列の報道番組において、橋下徹さんが発言していた言葉を一つ拝借させていただきますが、「斎藤知事は確かにパワハラがないと言いたいのは分かるが、それを今、調査中の段階で言ってしまうと、適正な調査ができないし、以後職員も告発がやりにくくなる」といった発言をしています。
  当初、人事当局の調査が始まっている段階で、事実無根や嘘八百と言ったことは、今振り返ってみて適切だったと考えているのでしょうか。 
 知事:
  今回の文書については、私としては、3月27日の時点では、文書に書かれた当事者として、事実でないことが多数書かれていたので、その中で、そのような表現をしたということになっています。
  昨日、人事当局が弁護士を入れて行った一定客観的な調査の中で、結果的に懲戒処分に該当する事案の一つとして、文書の内容に非違性が含まれたことが示されたことになっているのでないかと考えています。
 記者:
  先ほどの他の記者の方の質問にもありましたが、調査が始まっている段階で、知事の見解を言ってしまうと、内部の調査ですので、言いづらくなってしまう職員の方もいるのではないかという懸念がある中で、そのような発言があったことは、適切だったということで大丈夫ですか。
 知事:
  表現が適切であったかどうかは、今後、よく吟味をしていきたいと思っていますが、今回については、3月27日の時点で文書に書かれた内容が当事者として様々な事実ではない内容が含まれたということで、私自身もあのような表現をしました。 
 記者:
  先ほどから話題になっている過去の知事の発言で嘘八百や事実無根と言ってる思いや認識は今も変わりないということでしょうか。 
 知事:
  3月27日の時点で文書が出ていて、文書に書かれた内容について、当事者として、事実ではないことを書かれたことで、あのような表現をしたということです。
 
 記者:
  当時の思いや考えはわかりましたが、今回の人事当局の調査結果を受けて、改めて文書の評価をする時に、文書の中身は、やはり嘘八百であって、事実無根であるというのは変わりないのでしょうか。 
 知事:
  昨日、人事当局が発表したとおり、弁護士を入れた人事当局の調査によって、記載内容の核心的な部分が事実でないと明らかになった発言。
  それから、記載内容の各項目を、全体として見れば7つの項目全てが事実に反していると、昨日、人事当局、それから弁護士もそれを踏まえて評価されているということだと思います。
 
 記者:
  第三者委員会の件ですが、今のところ設置をしない考えだと思います。
  議員さんや一般の県民の方からも、やっぱり、第三者委員会を設置した方が良いのではないか、この内部調査だけで終わるのはどうなのか、というご意見も多々あるように見受けられます。
  これまでの説明を聞くと、弁護士に話を聞いて、法的には問題ないという意見は一定理解できますが、失礼な言い方ですが、ある意味、盾にとって強引に幕引きを図ろうとしているようにも見えます。
  今のこのやり方で、実際に県民に理解が得られると考えているのでしょうか。 
 知事:
  今回の内容は、そのような文書が出て、その後、公益通報という形で提出がされ、人事当局の調査が始まった形になります。
 b調査の内容は、昨日、発表しましたが、人事当局が弁護士とも相談しながら、きちっと客観的な内容を調査したと受け止めています。一定の第三者性、客観性というものは、これからやる公益通報のプロセスと含めて担保されているのではないかと考えています。
 県民の皆さんに、昨日も説明したとおり、今日も会見しているとおり、きちっとご理解をいただけるように、これからも努力していくことだと思います。
  第三者委員会の設置については、昨日、藤原弁護士からも見解が示されましたが、法的な専門家の観点から設置の必要はないと示されたので、私としてはそれを踏まえて、これから適切に対応していくことに尽きると考えています。 
  記者:
  弁護士の意見で法的に正しいかどうかという意見とは別に、一般の県民の方からすると、客観性が本当にあるのかどうか、いわゆる納得感や理解ができるかが非常に行政のあり方として大事ではないかと思います。
  今の発言では、やはり第三者委員会は何があっても設置しないというように聞こえます
  今後の展開によっても、全く設置する考えはないということでしょうか。 
 知事:
  まずは客観的な調査をきちっと実施していくことが大事だと思います。
  そのような意味で、私たちが、今、進めているのは、繰り返しなりますが、懲戒処分に関して、人事当局が調査をしていく。そこで弁護士のサポートをいただきながらできるだけ客観的にやってきました。
  それを、昨日、弁護士同席の下、内容の説明をしたことで、調査内容の説明や客観性は、一定担保できてるのではないかと私自身は考えています。
  これから公益通報の中で、今一度、プロセスが進んでいくことになります。
  委員会の委員の中には、弁護士とかも入っており、是正措置などが必要であれば、その意見を聞きながらやっていく形になるので、そのプロセスをきちっとやっていくことで、県民の皆さんに対する客観性を示していくことができるのではないかと私は考えています。
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2825/斎藤元彦兵庫県知事・2024年4月26日記者会見の内容(一部)。

 斎藤元彦兵庫県知事・2024年4月26日記者会見の内容(一部)。
 出所/兵庫県庁ホームページ「知事記者会見(2024年4月26日(金曜日))」。
 太字化、丸数字は掲載者(秋月)。「元西播磨県民局長」=告発文書(2024/03/12)の作成・発信者。
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 記者:
  前西播磨県民局長の文書問題でお伺いします。
  丸尾議員が、第三者調査機関を設置するよう要望を出されました。
  これまで知事は、まず人事当局が調査をしてからという見解を繰り返し示されています。
  改めて、人事当局ではなく、外部の第三者が調査を、という申入れ書を受け取った知事の見解をお聞かせください。 
 知事:
  先日、丸尾議員が申入れをされたことは承知をしています。
  私は、詳細な内容を把握できていません。
  今回の件に関しては、繰り返しになりますが、現在、人事当局が懲戒事案にも関する可能性があるため、弁護士と相談しながら客観的な事実を含めて詳細調査をしているところですので、そこがまずは県としては大事だと思っています。
  一方で、文書の内容は、公益通報もされています。
  公益通報は、是正の必要等あれば、第三者からなる公益通報委員会にも付議される形になっています。
  そこには、弁護士や公認会計士、学者の先生が入った委員会ですので、そのプロセスをきちんとやっていくことで、一定、第三者性が担保されると考えています。
  いずれにしても、現在、人事当局が、弁護士を入れて調査をしているので、しっかりやってもらうことが大事だと考えています。
 記者:
  公益通報の制度で外部有識者が入っているため、それが、第三者に当たるという見解でよろしいでしょうか。 
 知事:
  第三者性は、そこが一定あると私自身は考えています。
  片山副知事が入っていましたが、今回は外すことにします。
  現在、すでに人事当局の調査は、弁護士を入れてやっています。
 そ れと併せて、公益通報の制度の2つをきちんとやっていくことが大事だと考えています。 
 記者:
  第三者調査機関を新たに作る必要はないということでしょうか。 
 知事:
  繰り返しになって申し訳ありませんが、人事当局が弁護士と相談しながら行っている詳細な調査だと思います。
  内容について、私は、タッチはしていません。
  それとともに、公益通報を受けた上での、公益通報での調査をきちんとやっていくことが大事だと思います。
  人事当局の調査には、弁護士を入れており、公益通報の委員会にも、弁護士などの第三者も入っているので、一定の第三者性も担保されていると考えています。
  まずは、人事当局の調査が大事なポイントだと考えています。
 記者:
  前西播磨県民局の文書問題で、先ほど、新聞労連から、県庁と県知事に対する抗議声明が出されています。
  人事課が報道機関に対して聞き取り調査をしたことは、速やかにやめるべきだという内容でした。
  先週の会見では、知事は人事課の調査には関与していないとのことでしたが、本日、新聞労連の委員長からは、知事がリーダーシップを持って制止すべきだというようなご意見を述べられています。
  この抗議声明に対する受け止めをお伺いします。 
 知事:
  人事当局が、今、行う調査方法は、私自身も把握をしていないのが今の正直なところです。
  懲戒処分の可能性があるため、事実確認などをきちんと行うことは、そのような処分や調査の信頼性を確保するためにも大事なポイントだと思っています。
  一方で、事実確認をする際には、ご指摘のとおり、報道の自由を侵害しない範囲で適切に対応していくことは必要だと考えています。
  調査をどこにするなどは、調査方法に関することですので、私が直接指示をすることはできないことはご理解いただきたいと思います。
  報道の自由を侵害しない範囲で適切に対応していくことが必要だということは、前回も述べさせていただいてるところですので、一定ご理解いただきたいと考えています。 
 記者:
  人事課は、報道機関の聴取を続けるような意向なんですが、知事からも制止すべきだということは言いにくいということでしょうか。
 知事:
  調査方法をどこにするようにということは、私が当事者になっているので。
  もし、私が当事者でない立場であれば、そのようなこともできる可能性があるかもしれませんが、私が当事者になっている以上、調査をどこにする、しない、ということを指示することは難しいと思っています。
  何度も繰り返しになって申し訳ないですが、報道の自由を侵害しない範囲で適切に対応していくことは大事だと考えています。 
 記者:
  丸尾県議からの要望書で、本日、市川町から丸尾県議の要望書に対する抗議文のようなものが出ています。
  事実関係と違う、という話でゴルフクラブの件だったかと思いますが、我々も知事表敬などで知事応接室に入ったときに、アイアンクラブを見ることがあります。
  そもそも、アイアンクラブ自体がどこから提供があったもので、どのような目的で提供があったものなのかお聞かせください。 
 知事:
  市川町がどのような抗議をしたのか承知はしていません。
  アイアンクラブの件も含めて、個別の内容になりますので、繰り返しになりますが、人事当局、公益通報の調査も含めて、今、調査が進んでいる段階ですので、個別の事案の内容は、私自身が当事者にもなっており、現時点では、コメントすることを差し控えた方が良いと考えています。
 記者:
  知事応接室にあるものはPR目的で置いているのでしょうか。 
 知事:
  今回の文書の事案と離れて、もし答えるとすると、知事応接室に置いているものは、アイアンの製造工程が分かるように、最初は鉄の塊から完成品になるものです。市川町の鍛造アイアンで、地域の地場産業として大事なものだということをPRするために置いています。
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 記者:
  前西播磨県民局長の文書問題ですが、丸尾議員からの申入れは、知事は見られてないのでしょうか。
 知事:
  詳細は見ていません。申入れは把握していますが、中身は詳細には見ていません。 
 記者:
  丸尾議員の指摘の中で、公益通報の窓口を外部の有識者(弁護士)を入れた窓口を設置すべきということで、弊社の報道にも掲載しましたが、有識者からも外部有識者の窓口を設置した方が組織として自浄作用が発揮できるという意見もあります。
  公益通報の窓口のあり方をどのように考えていますか。 
 知事:
  今回は、今ある制度の中で、できるだけきちんと外部委員会の委員の意見を聴取しながら、客観性を持って調査していくことは、一定担保されており、担保していかなければいけないと考えています。
 今後、改善すべき点があれば、他府県の運用状況などもしっかり踏まえて、改善すべきところは改善していきたいと考えています。 
 記者:
  告訴の法的手続きを進めていくと、3月27日の会見で発言がありました。その法的手続きの認識について改めてお伺いします。
 知事:
  繰り返しになりますが、現在、当該文書も含めた内容について、人事当局が弁護士と相談しながら詳細な客観的な調査を実施している状況です。
  また、併せて、公益通報での客観的な調査が進んでいるので、その調査を進めることが大事だと思っています。 
 記者:
  調査結果を踏まえて、考えていくということですか。 
 知事:
  まずは、人事当局の調査結果がどのようになるかが大事だと思っています。 
 記者:
  3月27日には、「法的手続きを進める」と知事は発言がありました。
  ホームページで公開されている会見録には、「検討を進める」となっています。

  知事の認識として、あの時点では法的手続きを進めていたのか、それとも検討の段階だったのかを聞かせてください。 
 知事:
  そこは、内部のどのような状況かによるので、今の時点ではコメントは避けたいと思います。
  当時の発言としては、そういうことだったと認識しています。
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2824/斎藤元彦兵庫県知事・2024年4月18日記者会見の内容(一部)。

 斎藤元彦兵庫県知事・2024年4月18日記者会見の内容(一部)。
 出所/兵庫県庁ホームページ「知事記者会見(2024年4月18日(木曜日))」。
 太字化・下線は掲載者(秋月)。「元西播磨県民局長」=告発文書(2024/03/12)の作成・発信者。
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 記者「元西播磨県民局長の文書の問題に関して伺います。
 先日、産業労働常任委員会で部長が、加西市の企業に対して、6万円相当の物品提供を依頼してたと認められました。
 部長の言い分としては、知事に使ってもらうことで、地元企業の商品をPRしてもらいたかった、知事の指示ではなかったとの発言でした。
 調査中だと思いますが、改めて知事の見解や知事から指示があったのかなかったのかを教えてください。」
 知事「現在、人事当局が全体の調査を行っているところですので、詳細なコメントは差し控えますが、コーヒーメーカーの件に関して、原田産業労働部長がそのような対応をしたことは報道等で承知しています。
 私自身が、コーヒーメーカーを秘書課に送るように指示したとか、最終的に私がコーヒーメーカーを受け取った事実はありません。そこは明確にお伝えしておきたいと思います。
 昨日、報道等で出ていますが、原田産業労働部長の対応も含めて、いずれにしても、現在、人事当局が全体の調査を行っている最中ですので、調査結果を踏まえて、人事当局が、調査を完了した時点で報告をしてもらえると考えています。」
 記者「原田産業労働部長は、当日に提供の依頼があったが、その場で知事から、これは受け取れないというお話を2人でされたと思いますが、拒否した事実自体はありますか。」
 知事「その場でもその後も、私自身は受け取るべきではないと伝えています。」 
 記者「原田産業労働部長が受け取った後に、秘書課と相談して、受け取らないと改めて決まったというお話だったと思いますが、その件に関して知事のご判断は入っていましたか。」 
 知事「その件に関しては、調査していますが、少なくとも、私からは、秘書広報室長に対して、コーヒーメーカーについては受け取らないと指示をしているので、その指示に沿って対応してくれてたと認識しています。」
 記者「知事ご本人の口から拒否されたといいますか、受け取りを断ったのは一度だけという認識ですか。」
 知事「その場と、改めて秘書広報室長にも、受け取りはしないと指示した記憶はあります。」
 記者「昨日、今回の問題に関して、私にも人事課から聴取がありました。
 報道機関に対して人事課の聴取が行われることはほとんどないかと思いますが、聴取をされた目的や意図を改めて知事にお伺いします。」
 知事「本件に関する調査は、現在、私が指示をして調査していることはありません。私自身も当事者ですので、人事当局が現在調査中だと思います。
 どのような方法で調査を行っているかは承知していません。報道の自由など含めて、適切に対応していくことが大事だと思っています。」
 記者「我々としては、個別取材に関する問い合わせや聴取をされることは、報道の萎縮や取材の制限に繋がる可能性があると思っており、非常に違和感がありますが、このような聴取は他の報道各社にもされているのか、また、補助金を出しているような団体や県以外の団体に対しても行っているのか教えてください。」 
 知事「繰り返しになりますが、今回の調査については人事当局が対応しているので、調査のやり方に関しては、私自身は承知をしていませんので、答えとしては、分からないということになります。
 いずれにしても報道の自由など様々なことも含めて、適切に対応していくことが大事だと考えています。」 
 記者「元西播磨県民局長の文書の問題に関して、部長が産業労働委員会で、ご自身のことについて、経緯を説明されました。
 その説明の中で、県の商品をPRしたいという思いがあり、商品を受け取ったと発言されたと思います。
 知事は断られたということですが、これまでにもPRを目的に受け取っている事実はありますか。
 また、PRするために受け取ることが大事だという話などを各部長などに言ったことはありますか。」
 知事「地域や県産品のPRは、県の政策目的として大事な取り組みであり、適正なものだと思います。そのような県産品のPRは様々な場面でやっています。
 例えば、牛乳の消費拡大のPRのために知事応接室で牛乳をみんなで飲んだこともあり、そのような観点は決して否定をするものではないと思います。
 これまでもそのような観点に立って適正に行ってきましたので、今後も行っていくものだと考えています。」 
 記者「一方で、県の綱紀粛正通知では、民間においては慣例的な取り扱いとされていても、業務に関連する贈答品を受け取らないことと記載があると思います。
 今回の件は、未開封だったという話もありましたが、実際に高額な商品を受け取っていた事実があります。
 個別の商品に関することですが、知事として、部長級の方が依頼して受け取っていた事実についてはどのように考えていますか。」
 知事「PRの観点と服務規定の観点の中で、どのような事案として、判断するのかになるので、今回の件に関しては、当該文書の中にも書かれていることですので、人事当局が弁護士等と相談もしながら、服務規定の観点や県産品のPRなどの観点でどのように判断するのか、調査結果を待ちたいと考えています。
 現時点で今回の行動が良い悪い、全体としてどうかなどのコメントは差し控えておいたほうが良いと考えています。」 
 記者「一般的には、県にそのような商品を受け取る場合の区分あるのでしょうか。
 PRのために受け取って良いものとそうでないものの違いは、県としてどのような区分がされていますか。」
 知事「その件も含めて、人事当局が、まずは今回の事案を確認した上で、県としてのこれまでの対応方法に関して、改善すべき点があれば改善すべきだと思います。
 現時点で、私が現在の状況に言及するよりも、しっかりと今回の事案を調査した上で、どこが問題だったかなどの部分を改善することが大事だと思っています。」
 記者「元西播磨県民局長の文書の問題に関して、産業労働部長ご自身は、先日の議会答弁の中でも処分があれば受け入れるとおっしゃっていました。
 今回の件に関して、県の内規に照らせば、ルール違反ではないかと思いますが、現段階で処分についてはどのように考えていますか。」
 知事「まずは、事実関係をしっかりと調査した上で、県の内規やPRの目的を踏まえて、どのように判断するかが大事だと思います。
 その上で、今回の産業労働部長の対応が、適切かどうかをしっかりと判断する必要があり、人事当局と協議しながら、処分も含めて適切に検討していくことになると考えています。」
 記者「現時点では処分ありきではない、処分するかどうかも含めて検討していくということですか。」
 知事「そうです。
 いずれにせよ、私自身は受け取っていませんし、受け取れないので返却したものだと考えていましたが、結果的に失念をして、長期間返却を怠っていた点は問題があると思います。その点も踏まえて今後、まずは人事当局が適切に検討していくと考えています。」
 記者「元西播磨県民局長が作成された文書の中にも、今回のコーヒーメーカーなどのことが書かれていました。
 文書の中では、知事が指示したという中身になっていますが、産業労働部長のお話では知事の指示はなかった、あくまでも自身の判断で行ったということでした。
 ただ、双方の意見をまとめると、元西播磨県民局長が作成した文書の内容は、全てではないが一部は事実であったことになると思います。
 そうすると知事が以前批判されていた文書の中身が嘘八百や事実無根であることは、必ずしもそう言い切れなくなってきているのではないかという気がしますが、ご見解はいかがでしょうか。」
 知事「様々な捉え方があると思います。
 全てのことが事実か事実でないかと同時に、核心的なところが本当か本当でないかも大事ですので、一概には言えないと思います。
 その辺りも含めて、現在、人事当局が全体の調査をしているので、まずはその結果を待ちたいと考えています。」
 記者「元西播磨県民局長の作成された文書の一部とはいえ事実の部分も出てきたことで、県民目線で見ると、文書の中身がどこまでが本当でどこまでが嘘なのか、疑念が深まっているのではないかと思います。
 今回は、非常に特殊な事案だと思っています。県民の納得を得るために、改めて外部の目を入れるということで、第三者委員会を設置されないのか素朴な疑問として思っています。
 設置しないのであれば、どのようにして県民に納得していただけるのかなどご見解をお願いします。」
 知事「今回は懲戒処分にあたる事案ですので、まずは人事当局が中心となって、弁護士とも相談しながら、客観的な事実として、文書内容のどのようなところに問題があるのか、虚偽なのかを含めて、現在調査しているところですので、まずはそこが大事だと考えています。」
 記者「繰り返しになりますが、人事当局で調べるのは、通常の調査手法だと思いますが、どうしても疑念が深まっているのではないかと思います。
 今の調査手法で、県民の納得感が得られるかどうかについて、どのように考えていますか。」
 知事「調査手法も含めて、どのように行っているのかは、現在、人事当局が対応しています。
 私はその中身は承知していませんが、適切に対応していると思っています。
 まずは人事当局が、弁護士と相談しながら、客観的な事実をきっちりと調査することが大事で、調査結果を県民の皆さんに説明することにより、県民の皆さんの不安などを払拭していくことが大事だと思います。」
 記者「元西播磨県民局長の文書問題に関して、先日、産業労働部長が認めたコーヒーメーカーの件ですが、知事は、受け取ってはいけない、お返しをしなければいけないという認識を持たれていましたが、部長はその認識がなかったということでした。
 職員の間での贈答品に関する意識など、共通の認識はないのでしょうか。」
 知事「基本的には服務規程等に基づいて対応をこれまでも適切にしていると思っていますが、今回の事案は、調査を進めているので、その結果を踏まえて、現在の服務規程が適正なのか、それとも、より県民の皆さんにご心配などを抱かせないために、改善すべき点があれば、改善すべきところは改善していくことが大事だと考えています。」
 記者「現時点で部長級の方が、一旦受け取ってしまっているので、改善すべきではないかと思いますが、知事として、今後、結果はともかく、改めて周知していくことは必要かと考えていますか。」
 知事「必要だと思います。
 今回の事案がありましたが、それ以前の問題として、やはり職員として公務含めて、服務規律を遵守することは、当然大事なことです。
 現在の規定がこれまでどのように成り立って、改善されてきたか、修正されてきたかは、もう一度見なければいけませんが、その過程の中で、より改善すべき、適正にすべきところがあれば、もちろん修正すべきだと私自身も思っていますし、そうしたいと考えています。」
 記者「先ほどの質問にも、第三者委員会の話でまずは相談しながらというような説明がありましたが、これは問題が発覚したという場合は検討される、というお考えでしょうか。」
 知事「そこは今の段階で調査中ですので、予断を持ったことはコメントできないと考えています。
 まずは、今回のコーヒーメーカーの件は、報道の個別取材の中で出てきたということで、結果的にこれが委員会等で明らかになった面があります。これについて私も先ほどコメントしたとおりです。
 全体としては、今回の文書の件に関しては、現在、人事当局が中心になって調査をしているので、まずは結果をきちんと整理していくことが大事で、そこで、職員に対する懲戒事案ですから、必要であれば適正にやっていきます。
 その上で、先ほど質問もありましたが、より改善すべき服務規程の内容等あれば改善していくことが大事だと思いますので、現時点では、人事課の調査を待つことだと考えています。」
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2823/斎藤元彦兵庫県知事・2024年4月10日記者会見の内容(一部)。

 斎藤元彦兵庫県知事・2024年4月10日記者会見の内容(一部)。
 出所/兵庫県庁ホームページ「知事記者会見(2024年4月10日(水曜日))」。
 太字化は掲載者(秋月)。「西播磨県民局長」=<告発文書>(2024/03/12)の作成・発信者。
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 記者「前西播磨県民局長の問題でお伺いします。
 前県民局長が県の内部調査の調査方法が余りに非常識、不適切で、真相究明を期待できないというご主張があり、それを受けて、別途、公益通報されたということです。
 前県民局長のご意見に対する受け止めと、公益通報に対してどう答えられるのかお聞かせください。
 知事「当該文書の内容等は、改めて人事当局が弁護士と相談しながら、事実関係の調査を行っている状況です。
 私としては、調査をしている状況を受け止めているということです。
 公益通報に関しては、一応内容等について、私がお答えするということはできないので、公益通報が来ていることは報道等では拝見していますが、内容について私は承知していない状況です。
 もし、公益通報が届いているのであれば、基準に従って調査等がなされていくものだと認識しています。」
 記者「県の内部調査では、先ほど申し上げたように、『非常識、不適切』と問題視する発言を前県民局長がされています。
 県の内部調査ですので、知事のご意向も一定働くのではないか疑念が残ってしまうと思いますが、改めて、第三者委員会を設置するなどのお考えはありますか。」
 知事「現時点では、懲戒処分に該当する可能性があるということですので、人事当局が弁護士と相談しながら適正に調査をして対応していくことになります。
 一方で、公益通報があれば、基準に沿って適正に公益通報委員会を開いていくことが現時点での方針だと考えています。」
 記者「外部有識者を入れた公益通報委員会にその意見を求めることで、一定の客観性が担保できるのではないかというお考えでしょうか。」
 知事「公益通報があるのであれば、必要に応じて公益通報委員会が関与をしていくことになりますので、それに沿って対応していくことになると考えています。」 
 記者「公益通報委員会のメンバーに副知事も入っています。
 基本は、外部の有識者ですが、一部内部の方も入られていますが、今回の件については、副知事は除斥されることになるのでしょうか。」 
 知事「詳細は、財務部が説明します。
 基本的に該当する者は除くことになると聞いています。」 
 記者「公益通報文書問題ですが、人事当局が行っている調査と公益通報の調査は全く別物として、調査を行っていくということでしょうか。」 
 知事「人事当局の調査は、懲戒処分に該当する可能性があるので、内容を弁護士と相談しながら事実関係の調査を行っている状況です。
 もし、公益通報があれば、財務部が調査等を行っていくので、別の物になります。」 
 記者「被害届を検討されていると、3月27日の会見でも発言がありましたが、現在はどのような状況でしょうか。」
 知事「現在、懲戒処分の該当性を人事当局が中心になって、事実関係の調査を行っているので、そこを踏まえてどう対応するかになると思います。」 
 記者「処分をしてからの対応になるということですか。」
 知事「事実関係の調査結果が、どのような内容であるか、事案の内容によって、その後の対応がどうなるかということになると思います。
 今の段階では調査中ですので、調査が終わった後の対応はどうするかは、今の段階では未定です。」
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2818/斎藤元彦兵庫県知事・2024年4月2日記者会見の内容(一部)。

 斎藤元彦兵庫県知事・2024年4月2日記者会見の内容(一部)。
 出所/兵庫県庁ホームページ「知事記者会見(2024年4月2日(火曜日))」。
 太字化・下線は掲載者(秋月)。「西播磨県民局長」=<告発文書>(2024/03/12)の作成・発信者。
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 記者「西播磨県民局長が解任された問題の関係でお尋ねします。
  昨日、前県民局長から、文書の内容は、事実無根とは認めておらず、内部告発という趣旨、事実関係を早急に調査すべきだという反論がありました
  その点についてご見解をお願いします。」
 知事「その文書は、報道等で承知していますが、内容そのものを承知していません。
  本件の対応は、今後、しっかり調査していくことが大事だと思います。まずは県の関係している弁護士の意見なども聞きながら、これから文書の内容等について、しっかり調査を進めていきたいと考えています。」
 記者「前回の記者会見では、調査中という段階でしたが、知事から内容は事実無根である、誹謗中傷に当たるというお話があったと思います。
  前回、逆に言えば、なぜ調査中であるのに、そこまで言い切られたのでしょうか。」
  知事「いわゆる文書を見た時に、やはり明らかに事実と異なる内容が多々含まれていることを私自身も感じましたし、それについて、私は公人ですが、一般職の職員に対するプライバシーの課題、虚偽の内容による県自身に対する信用失墜の可能性も高いと考えたので、そこは一定説明したところです。
  なぜかと言うと、西播磨県民局長(幹部職員)の人事異動を行ったので、その時に言える範囲で説明することが必要だと思ったので説明しました。
  今後は、先ほど申し上げたとおり、内容について、本人からの聴取も含めて、しっかり弁護士とも相談しながら、精査を進めていくことになります。」
 記者「県の弁護士の意見も聞いて内容を精査するお話がありました。
  今回の件は、知事に関する内容も含まれている文書だったと思います。
  その意味では、調査の客観性を担保するため、例えば、弁護士なりを入れた第三者委員会のようなものに調査をお願いするなど、一定の客観性の担保が必要ではないかと思います。その辺はどうお考えでしょうか。」
 
 知事「まずは、懲戒処分に該当する事案ですので、人事当局がきちんと懲戒事案に関しては調査をしていくことが大事だと思っています。
  その中で、一定の客観性を担保する意味で、弁護士を入れて調査していくことが大事だと考えています。」 
 記者「あくまで調査の主導をするのは人事当局であって、外部の第三者委員会のようなものを特別に設置して調べるなどの考えはないということですか。」 
 知事「今の時点では、このような懲戒処分は、人事当局が最終的にはすることになるので、人事当局で内部調査をしっかりやっていく。
  ただ、一定の客観性を担保する意味で、弁護士の意見を聞きながら、アドバイスを受けながらやっていくことになります。」 
 記者「元西播磨県民局長の問題ですが、昨日の文書では、本人は、ふさわしくない行為をしたことについては認めていないと記載があり、あくまでも内部告発だということでした。
 窓口は異なると思いますが、公益内部通報制度などであれば調査が必要だと思いますが、知事としてはこの文書の取り扱いをどのように考えていますか。」 
 知事「現時点で確認したところ、当該文書は、兵庫県の公益内部通報制度では受理はしていませんので、公益通報には該当しないと考えています。
  文書を作成し、一定流布がされている、かつ、内容も虚偽や信用失墜の内容が含まれているので、まずは、先ほど申し上げましたが、人事上の対応をした段階で、私から言える範囲と分かる範囲の説明をしましたが、改めて、文書内容の調査精査について、弁護士に相談しながら進めていきたいと考えています。」 
 記者「最初の文書の中で複数の項目を挙げて指摘していたと思います。
  職員に関わる部分や誹謗中傷だと受け取られる部分にはなかなか触れづらいと思いますが、知事ご自身にかけられている疑惑もあったかと思います。
  知事ご自身でもこれが虚偽であると判断している部分もありますか。」 
 知事「ありますが、現段階では個別で説明するよりも、全体を通じて弁護士の協力を得ながら精査をして、懲戒処分を行う段階で、改めて話せる範囲で説明をすることが大事だと思っています。」 
 記者「文書には、言動や人事的な取り扱いを指摘している部分と、違法性を指摘している部分もあると思います。弁護士に依頼するのは、懲戒処分に該当するもの全てですか。
  それとも、公益内部通報制度では違法性があると思われたものに関しては、公務員には通報する義務があると思いますが、違法性に該当するかもしれない部分について、弁護士に調査を依頼することになると考えているのですか。」 
 知事「調査方法は今後精査していかなければいけませんが、文書の内容には正しくない情報が多々含まれていると私は認識しています。
  客観的に裏付けをしていくことから始めたいと思っています。その過程で、文書の内容に関して、名誉毀損や違法性などがどのように出てくるのかも、調査になると思います。」 
 記者「弁護士の調査をもって被害届や違法性があるのかどうかを判断される予定ですか。」 
 知事「まずは人事管理上の懲戒処分の案件になるので、内部調査をして、当該職員の懲戒処分をどうするのかを精査していくことになると思います。
  その先どうするかは、今後の検討になると考えています。」 
 記者「就任から2年半が経ちますが、斎藤県政はボトムアップ型の県政を掲げていたと思いますが、現職の幹部から今回のような批判の文書が出てくることに対して、知事はどのように受け止めていますか。」 
 知事「残念です。若者・Z世代応援パッケージ含めて、今後、新たな一歩を踏み出して、一丸となって進めていこうとした矢先ですので、残念です。
  ご本人がどのような意図と経緯、方法で、今回の文書を作ったのかは、本人への聴取だけではなく、客観的な資料含めて、人事課が調査をしています。
  なぜ今回の行動をしようと思ったのか、どのように行ったのか、内容はどうだったのかが明らかになってくると思うので、その過程で判明してくると思います。
  どちらにしても、県庁一丸となって、今後も仕事を進めていくことが大事だと思っています。」 
 記者「元西播磨県民局長に関連して、前回の会見で先ほどの話と重複しますが、事実無根や嘘八百など、結構厳しい言葉で告発を糾弾されていました。
  少なくともご自身に関わる告発に関して明らかに事実と異なる点について、この場で明言していただけませんか。」 
 知事「文書にはたくさんのことが記載されており、全体の精査をしているので、調査をしていくことが大事だと思っています。
  調査が終わった段階で、私に関することで、事実ではない部分などを説明できる範囲で説明する方が良いと考えています。」 
 記者「少なくとも調査の主導が人事課であると、知事についての事実確認が難しいのではないかと思いますが、その点はいかがですか。」 
 知事「公務中にどのような対応をしたかは、私に関することでも調査はできると思います。
  全体の調査をする中で、一つ一つ精査をしていく方が良いと思います。」 
 記者「先ほど文書見られた話と見ていない話が混在していたと思いますが、告発文書は確認されましたか。」 
 知事「当該文書は見ました。見ていないと言ったのは、昨日出された文書ですので、混在はしていません。」 
 記者「知事がパワーハラスメントしたという文言も告発文書にはあったかと思いますが、その点に関して、事実関係や心当たりはありますか。」 
 知事「その点も含めて、内容を調査・精査してから説明する方が良いと思っています。一つを答えると、次も次もとなるので、全体を精査した上で、伝えた方が良いと考えています。」 
 記者「人事の調査が終わった段階で、知事の疑惑に関しても、明確に説明を果たしていただけるということですか。」 
 知事「私も当事者ですので、人事当局で、弁護士を入れて、ある程度の客観性を含めて調査をしていきます。
  その上で、私は公人ですが、一般職の方はプライバシーもあるので、全体の中で説明できる範囲でしっかりと説明していくことになると思っています。」 
 記者「懲戒処分が行われた段階で知事自身が疑惑に対しても説明される理解でよろしいですか。」 
 知事「可能性としてはあると思いますが、懲戒処分の際には、人事当局で、弁護士を入れて調査していき、結果を説明することが原則だと思います。」
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2812/斎藤兵庫県知事・2025年2月5日定例記者会見の一部。

 斎藤元彦兵庫県知事/2025年2月5日(水)定例記者会見の一部。
 MBS NEWS(YouTube)による。文責・太字化は聴き取り、引用をした掲載者。後日により正確化することがありうる。
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 ①39分05秒あたり以降。
 質問者「フリーの記者の松本と言います。
 さっき読売新聞さんが訊いていた二馬力選挙のことなんですけれども、これは知事戦の期間中に私が直接斎藤さんに伺ったときに、本人が認識していないことを言われた記憶があります。
 しかし、陣営の関係の複数の方とか応援されている方からは当然認識していて、しかし連絡はもちろんとっていないんだけれども、悪い影響は出ていないようなのでそのままにしているんです、みたいな話を複数聞いています。
 で、先ほど以来指摘があるように、首相だけでなく総務大臣だったり、兵庫県選管も、公選法に違反する疑いがあるという認識を示しています。
 そもそもこれまでずっと、自分の選挙に専念してきたのでそのことは認識していないし、それを何か言う立場にない、ということを仰言っているのですけれども、周りの方々は皆認識していて、ご自身だけエアポケットのように認識していないというのはどう考えても無理がありますし、選挙後になってこれだけ問題視されている中で、何も仰言られないというのは、かなり無責任だというふうに思うのですが。
 あらためて、二馬力選挙というものについての認識をお聞かせ願えないでしょうか。」
 斎藤知事「これまで申し上げてきたとおりです。…」
 質問者「なぜその…」
 斉藤知事「私としては、選挙というものは、今回の兵庫県知事選挙は候補者ですから、候補者として…」
 質問者「候補者…、当事者だからこそ…。」
 斎藤知識人「私は当事者、候補者として戦わせていただきました。私はあの、繰り返し言ってますけれども、立花さん自身も知らなかったですし、直接会ったこともなかったです。もちろん、あのー、討論会の場でご挨拶させていただいたことはありましたけれども、私自身は自分自身ができる選挙、自分自身がやれることを精一杯やってきたということですから、そういったことはない、というふうに申し上げてきましたので、同じ考え方です。」
 質問者「選挙中はそれでよかったとしても、選挙後です。首相のご答弁もそうですし、選管の反応も総務大臣も全部、選挙後です。選挙後にこれだけ社会問題になっている、その社会問題の当事者である知事としての立場で、何も、自分は一候補者だったというのでは話が通らないと思うのですが。」
 知事「それは、今ご指摘いただいているご質問者の考えだと思います。私としては、先ほど来申し上げているとおり、自分としては自分が当事者、候補者である選挙戦を精一杯自分自身として、斎藤元彦としてやらしていただいた、ということです。
 質問者「それで、社会的な理解が得られる、とお考えですか?」
 知事「それはあのー、私自身はそのように思っていますが、そのように考えているというのは、今の斎藤元彦としての考えです。」
 質問者「わかりました」。
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 ②55分25秒あたり以降。
 質問者「フリーの菅野です。今日質問するつもりはなかったのですが、一時間の約束も守られそうにないので、5分間だけ質問させてもらいます。
 先ほど…、時事通信さんからの指摘もありましたように、同じ答えしかできないから皆さんの質問が荒れるんです。空虚な記者会見になる責任の帰するところは、知事です。我々ではありません。…
 先ほど、松本さんの質問、および朝日新聞さんの質問、共同通信さんの質問で、二馬力選挙の話が出ました。それは当然だと思います。昨日の衆議院の予算委員会で二馬力選挙のことが議論されましたので。
 そのときに、記者の側からは二馬力選挙という言葉しか出ていないのですが、松本さんの質問に対して、知事はやおら、立花さんの名前を出されたんです。昨日の国会の議論でも、立花さんの名前は出てなかったと思います。
 ということは、知事、立花さんが二馬力選挙をしていることをご存知だったのですか。」
 斎藤知事「ちょっと、よく分からないです。
 質問者「いや、すごく単純な質問じゃないですか。誰も立花さんと言っていないにもかかわらず、二馬力選挙という主語であなたに質問しているにもかかわらず、あなたの返答には立花さんという名前があった、ということです。
 ということは、あなたは、二馬力選挙の当事者は立花さんだったということをご存知だったということですか、と問うているのです。」
 斎藤知事「私は先ほど来申し上げましたとおり、候補者として、—いろいろな候補者がおられたと思います—もちろん討論会とかもやらせてもらってますし、どういった候補者がおられるかということは分かっています。そんな中で、私としては、自分ができる選挙戦をしっかりやらせていただいたということだけですので、そういった認識はありません。」
 質問者「いや、司会者の方ね、僕が言ってるのはこういうことです。
 知事に問わずに司会者の目を見て訊きますが、僕の問いは、共同通信さんも朝日新聞さんも松本さんも、二馬力選挙という主語で語っているのです。にもかかわらず、知事からのご返答が、やたら立花さんだった。
 ということは、二馬力選挙の片方の当事者は立花さんだという認識があるんですか、という問いなんです。
 これ、記者会見を短く答えようと思うならば、イエスかノーかで答えられる質問なんです。
 もう一度問いますが、立花さんが二馬力選挙の当事者であったというご認識があった、というご認識で間違いないですか。」
 斎藤知事「私は、自分ができる選挙を、自分が一人でしっかり、候補者としてやらせていただいた、ということが答えです。」
 質問者「その言い訳は、僕の質問が、立花さんの二馬力選挙で助けられたと思っていますか、というときには成立する言い訳です。
 昨日国会で議論された二馬力選挙、松本さんの言葉を借りれば、いま社会問題になっている二馬力選挙のうちの一馬力は立花さんだった、という認識があるのですか、という問いです。」
 斎藤知事「いや、私は、だから、さっきから申し上げているように…」
 質問者「主語はあなたではないんです。」
 斎藤知事「私自身が、自分ができる選挙戦を…」
 質問者「それは存じあげています。僕が問うているのは—あと2分ほどあります—、僕が問うているのは、立花さんが二馬力選挙のうちの一馬力だったという認識があるのですか、という問いです。」
 斎藤知事「あのー、特定のことについて答える義務はありません。
 私は、先ほど来申し上げているとおり、あのー前回の兵庫県知事選挙というものは、自分ができること、自分が候補者としてやることをやってきた、ということです。
 私以外の方がどうだったか、ということについては、コメントする立場にない、ということです。」
 質問者「先ほどの時事通信の方の質問、憶えておられます?」
 斎藤知事「あの、質問に答えるということを、お互いにしっかりやりましょう、という…」
 質問者「はい。その舌の根も乾かないあいだに、僕の質問に対する回答は、先ほどの時事通信さんへの回答と平仄すると思います?」
 斎藤知事「えーと、私自身は、自分が質問に答えるということをしっかり答えさせていただいているつもりです。」
 質問者「では、先ほどの、特定の質問に答える義務はない、とはどういうことですか?」
 斎藤知事「あの、私自身は選挙戦で、繰り返しになりますが、一候補者として、他の候補の方がたくさんおられたということは存じあげているけれども、他の方がどうだったかについて、答える立場にはないし、自分自身は候補者として選挙戦を懸命に戦っただけです。」
 質問者「最後に一問だけ。
 その兵庫県知事選挙に出馬された当事者として、あなたは、国会や兵庫県選管やさまざまな機関が警鐘を鳴らしている二馬力選挙について、考えたり、コメントを述べたりする立場にはない、というふうに思ってらっしゃるんですか?」
 斎藤知事「選挙戦のあり方というのは、制度について、国や国会が、法改正などでしっかり対応していく必要があれば、法改正などで対応することだと思いますです。その議論の推移をしっかり見守る、…」
 質問者「いや、僕の問いとは全く答えがズレているんです。兵庫県知事選挙に立候補した者として、国会で議論までされている二馬力選挙という問題について、あなたは、考える必要がない、と考えてらっしゃるんですか、と問うているんです。
 斎藤知事「私自身は、選挙に立候補した者として、コメントすることは差し控えたい、ということです。
 質問者「コメントを求めているのではないのです。考えるべきか、考えるべきではないのか、どちらですか、と問うているのです。
 斎藤知事「選挙制度については、国において議論されるべきものだと思います。」
 質問者「なるほど、あなたは、考える立場にない、ということですね。…ありがとうございました。」
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2806/斎藤元彦兵庫県知事・2024年3月27日記者会見の内容(一部)—兵庫県関係資料②。

 斎藤元彦兵庫県知事・2024年3月27日記者会見の内容(一部)—兵庫県関係資料②。
 出所/兵庫県庁ホームページ「知事記者会見(2024年3月27日(水曜日))。
 番号と太字化・下線付化は掲載者(秋月)。「西播磨県民局長」=<告発文書>(2024/03/12)の作成・発信者。
 ——
 
 記者「今日、発表のあった人事異動の関係でお伺いします。
 退職されるはずだった西播磨県民局長が役職定年で残るという、4日前の異例の人事でしたが、知事として、4日前での変更になった経緯を、話せる範囲でお聞かせください。」
 知事「当該者につきましては、県民局長としてふさわしくない行為をしたということ、そして本人もそのことを認めているということで、本日付で、県民局長の職を解きました。
 内容は、先ほど人事課から説明したとおりです。」 
 記者「詳細は、まだ話せないのですか」。 
 知事「本人も認めていますが、事実無根の内容が多々含まれている内容の文章を、職務中に、職場のPCを使って作成した可能性がある、ということです。
 それで今回の対応をしました。
 この当該内容の文書には、事実無根の内容が多々含まれていることなので、職員等の信用失墜、名誉毀損など、法的な課題がすごくあると考えています。
 現在、被害届や告訴なども含めて、法的手続きの検討を進めているところです。
 注意してもらいたいのは、当該文書をSNSなどを通じて、公然に流布するということが、法的な措置の対象になるということなので、ぜひ、その辺りは注意してもらいたいと考えています。
 以上を含めて、現在、人事当局を中心に調査を行っているので、ある程度、例えば処分内容が判明してきたら、改めて説明をすることになると思います。」
 ————
 
 記者「県民局長の人事の関係でお伺いします。
 個人名を挙げるのは難しいかもしれませんが、誰の名誉を棄損した認識でいるのでしょか。」
 知事「文書の内容は、文章自体が外部に出ることにより、人の名誉を傷つけることになるので、具体的に誰かとは言えないので、ご理解いただきたいと思いますが、職員個人等々になります。
 記者「複数の方ですか」。
 知事「そうだと認識しています」。
 記者「県民局長は、懲戒処分する方向で進めている理解でよろしいですか」。 
 知事「処分に関しては、今後の調査結果次第ですが、本人も作成と一定の流布を認めているので、懲戒処分を行うことになると考えています」。 
 記者「県民局長のみではなく、他に関連する人がいるという説明も先ほどのレクでありましたが、この方にはどのような関与がありますか。現状話せる範囲でお伺いできますか」。 
 知事「今後の調査になると思います。不確かなことは言えないと思いますが、1人でやったことなのか、複数の人が関与したことなのかを含めて、今後の調査になると思います」。
 ————
 
 記者「退職を取り消した職員に関してですが、組織の中で誹謗中傷するケースや手紙が出回ることは、希にあるかと思います。
 今回、退職4日前に退職を取り消したのは、知事として看過できないと判断したのですか。」 
 知事「副知事とも相談しながら対応しました。
 職務中に、職場のPCを使用して、事実無根の内容が多数含まれ、かつ、職員の氏名等も例示しながら、ありもしないことを縷々並べた内容を作ったことを本人も認めているので、名誉毀損や信用失墜、県へ業務上も含めて大きなダメージを及ぼしています。
 やはり、綱紀粛正しないといけませんので、看過できないと思い、退職を一旦保留し、今後、しっかり調査をしなければいけないと思いますが、然るべき対応をしていくことが、県庁の組織をしっかり立て直す意味でも大事だと思っています。
 若者・Z世代や予算、組織、人事も含めてこれから前を向いてやっていこうという矢先に今回のような絶対許されないような行為をした職員が出てきたことは、大変残念だと思いますので、今一度、県庁全体が綱紀粛正する必要があると思います。
 公務員ですので、選挙で選ばれた首長の下で、全員が一体として仕事をしていくことが大事なので、それに不満があるからといって、しかも業務時間中に、嘘八百含めて、文書を作って流す行為は公務員としては失格です
 同様の行為は今後もあってはならないですし、今回の事案の調査結果を踏まえながら、再度、公務員として誠実に仕事をしていくことを、全員で共有していきたいと思っています。
 ————
  
 記者「本日発表の人事異動に関して、流布されたとされる文書には、知事に関する記述が含まれているという趣旨でよいでしょうか」。 
 知事「私もありました」。
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2797/元兵庫県西播磨県民局長告発文(2024/03/12)全文。

 兵庫県斎藤元彦前知事(・現知事)から2024年5月7日に懲戒停職処分(停職三月)を受けた前兵庫県西播磨県民局長が作成したとされる告発文「(2024年3月12日現在)」の原文写し(画像)は、つぎの二つからリンクを通じて見ることができる。
  →斎藤元彦兵庫県知事の違法行為等について(24/03/12)〔二ュースハンター/2024/4/2号〕。
  →伊東乾ブログ/2024/07/16・兵庫県パワハラ知事に「死をもって」抗議した…。
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 「告発文書」には「4月4日」のものもあるとされる。この第二の文書は、2024年7月19日の兵庫県議会「百条委員会」に資料として配布されたとされる。
 これには、以下の①はなかったようだ。しかし、この点以外は「3月12日」文書と同一であるか、ほとんど同一だと秋月には思われる。
 「4月4日」文書は、つぎの〈Wikipedia〉に、その(画像版からすると)「文字おこし」をしたものが掲載されている。
  →Wiki「兵庫県庁内部告発文書問題」。
 ①・②には「ハンター編集部」による「黒塗り」部分があり、③には「百条委員会」幹部?による「黒塗り」部分とがある。前者においてより少ないが、絶対的ではない。以下では、③をベースにしつつ①・②によって「黒塗り」部分が最小になるようにして引用・紹介している。表題のみを、ここでは太字化した。
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 斎藤元彦兵庫県知事の違法行為等について(令和6年3月12日現在)
 ①五百旗頭真先生ご逝去に至る経緯
  令和6年3月6日に五百旗頭真先生が急逝されました。その死に至る経緯が次のとおりです。
  先生は現在、ひょうご震災記念21世紀研究機構の理事長をされています。井戸敏三兵庫県前知事から懇願され、兵庫県立大学理事長をはじめ兵庫県行政に深く関わってこられました。
  令和3年8月に知事が反井戸の齋藤元彦氏に交代してからは知事はじめ県幹部との関係に溝が出来ていたようです。とにかく齋藤氏は井戸嫌い、年長者嫌い、文化学術系嫌いで有名です。
  お亡くなりになられた日の前日ですが、齋藤知事の命を受けた片山安孝副知事が五百旗頭先生を訪問。要件は機構の副理事長をされている●●●先生、●●●●先生のお二人の解任についての通告です。相談ではなく、通告です。
  来年1月は阪神淡路大震災から30年の区切りの時を迎えます。機構の役割・使命 を果たす事実上最後の大きな契機であると言っても過言ではないと思います。●●、 ●●●の両先生はまさにこの分野における第1人者であり、井戸前知事が要請し、兵庫県政に関わってこられました。五百旗頭理事長もお二人には全幅の信頼を寄せておられているにも関わらず、このタイミングでの副理事長解任はハッキリ言って、五百旗頭先生と井戸前知事に対する嫌がらせ以外の何ものでもありません。
  あまりに突然の県からの通告に、先生はその時点では聞き置くに止め、片山氏にはお引き取り願ったそうです。その日、帰宅されてからも、齋藤知事のあまりの理不尽な仕打ちに憤慨され、夜も眠れなかったそうです。翌日、機構に出勤されてからも、 周囲の職員に同様の胸の内を明かされたそうです。そして、その日の午後に機構の理事長室で倒れられ、急性大動脈解離で急逝されました。
  急性大動脈解離は激昂などの情動的ストレスがトリガーになることもあるといい ます。齋藤知事、その命を受けた片山副知事が何の配慮もなく行った五百旗頭先生への仕打ちが日本学術界の至宝である先生の命を縮めたことは明白です。
 ②知事選挙に際しての違法行為
  令和3年7月18日執行の兵庫県知事選挙に際して、兵庫県職員である●●●●●、 ●●●●、●●●●、●●●●は、選挙期間以前から齋藤元彦立候補予定者について、 知人等に対する投票依頼などの事前運動を行った。●●氏は自分の居住地である三木市役所幹部等に対して「自分は選挙前から齋藤のブレーンだった。お前ら言うこと聞けよ」と恫喝している。
  ○公職選挙法違反、地方公務員法違反
  また、選挙公約の作成、選挙期間中の運動支援など、多岐にわたり選挙運動を手伝った。
  ○地方公務員法違反
  その時の論功行賞で、この4人はそれまでの人事のルール無視でトントン拍子に昇任。結果的に彼らが行ったことを裏付けすることとなっている。
 ③選挙投票依頼行脚
  令和5年下半期から齋藤元彦兵庫県知事は、次回知事選挙時の自分への投票依頼を始めている。産業界については●●●●産業労働部長が随行。
  具体的には、令和6年2月13日に但馬地域の商工会、2月16日に龍野商工会議所へ出向き、投票依頼したことを確認している。その他の市町の商工会議所、商工会へも働きかけを行っている様子。
  ○公職選挙法違反、地方公務員法違反
 ④贈答品の山
  齋藤知事のおねだり体質は県庁内でも有名。知事の自宅には贈答品が山のように積まれている。
 (例1)
  令和5年8月8日、兵庫型奨学金返済支援制度利用企業の視察として訪れた加西市の株式会社●●(●●●●のトースターで有名)における出来事。周囲にマスコミが いるため、●●の幹部から贈呈された高級コーヒーメーカーをその場では「そんな品物は頂けません」と辞退。一方、随行者の●●●●産業労働部長に向かって「みんな が見ている場所で受け取れるはずないやろ。失礼な。ちゃんと秘書課に送るように言っておけ!」と指示。後日、無事にコーヒーメーカーをゲットしている。●●●●● のご子息が●●で勤務しているという話もある。
 (例2)
  令和5年7月に●●●●●●●●●株式会社と兵庫県はスポーツ連携協定を結んだ。そして、ヘルメット着用のキャンペーンを展開している。そのPR用の写真は●●●●のロードバイク(約50万円)に跨がる知事。そのバイクは撮影の後、知事へ贈呈された模様(偽装的に無償貸与の形をとる、ほとぼりが冷めるまで県庁で保管するなどの小細工がなされているかも知れません)。特定の営利企業との包括協定は、 企業にとっては絶好のPRとなり、その見返りとしてのロードバイクの贈呈となると完全な贈収賄である。
   これらは全て●●●県民生活部長のアレンジ。
 (例3)
  神崎郡市川町からは、特産品のゴルフのアイアンセット(約20万円)が贈呈され ている。しかも、使いにくいからと再度、別モデルをおねだりしたという情報もある。 特別交付税(市町振興課所管)の算定などに見返りを行った可能性がある。
  現市町振興課●●●●課長は知事と同じ総務省からの出向にも関わらず、知事から考えられないくらい冷遇されているが、その辺りを忖度しなかったことへの面当てかも知れない。
 (例4)
  知事は驚異の衣装持ち。特にスポーツウエア。メーカーにすれば知事は動く広告塔。 これも貸与だと言えるのかどうか。特定企業(例えば●●●●●)との癒着には呆れるばかりである。
  そもそも、視察先やカウンターパートの企業を選定する際には、“何が貰えるか”が 判断材料だとか。企業リストには備考欄があって、“役得”が列記されているとか。
  そして、とにかく貰い物は全て独り占め。特産品の農産物や食品関係も全て。あまりの強欲、周囲への気配りのなさに、秘書課員ですら呆れているという噂。もちろん、 出張先での飲食は原則ゴチのタカリ体質、お土産必須。そのため、出張先では地元の 首長や利害関係人を陪席させて支払いをつけ回す。出張大好きな理由はこれ。現場主義が聞いて呆れる。
 ⑤政治資金パーティ関係
  令和5年7月30日の齋藤知事の政治資金パーティ実施に際して、県下の商工会議所、商工会に対して経営指導員の定数削減(県からの補助金カット)を仄めかせて圧力をかけ、パー券を大量購入させた。実質的な実行者は片山副知事、実行者は産業労働部地域経済課●●●●課長。
  また、兵庫県信用保証協会●●理事長、●等専務理事による保証業務を背景とした、 企業へのパー券購入依頼も実行された。●●理事長は片山副知事から県職員OBによる齋藤知事後援活動の責任者を依頼され、交換条件として厚遇の信用保証協会理事長 に異例の抜擢をされていた。
  この件は準公的な機関である保証協会を舞台にした政治活動なのでさすがに危険を感じたのか、●●理事長は1年で退任し、●●●銀行の監査役へ行くようである。 ●●●銀行の●●会長と●●副知事は白陵高校の先輩後輩。
  今後、県から●●●銀行へなにがしかの利益供与があるものと思われる。
 ⑥優勝パレードの陰で
  令和5年 11 月 23 日実施のプロ野球阪神・オリックスの優勝パレードは県費をかけないという方針の下で実施することとなり、必要経費についてクラウドファンディングや企業から寄附を募ったが、結果は必要額を大きく下回った。
  そこで、信用金庫への県補助金を増額し、それを募金としてキックバックさせることで補った。幹事社は●●信用金庫。具体の司令塔は片山副知事、実行者は産業労働部地域経済課。その他、●●バスなどからも便宜供与の見返りとしての寄附集めをした。パレードを担当した課長はこの一連の不正行為と大阪府との難しい調整に精神が持たず、うつ病を発症し、現在、病気休暇中。しかし、上司の●●●は何処吹く風のマイペースで知事の機嫌取りに勤しんでいる。
  ○公金横領、公費の違法支出
 ⑦パワーハラスメント
  知事のパワハラは職員の限界を超え、あちこちから悲鳴が聞こえてくる。
  執務室、出張先に関係なく、自分の気に入らないことがあれば関係職員を怒鳴りつける。例えば、出張先の施設のエントランスが自動車進入禁止のため、20m程手前で 公用車を降りて歩かされただけで、出迎えた職員・関係者を怒鳴り散らし、その後は 一言も口を利かなかったという。自分が知らないことがテレビで取り上げられ評判になったら、「聞いていない」と担当者を呼びつけて執拗に責めたてる。知事レクの際に 気に入らないことがあると机を叩いて激怒するなど、枚挙にいとまがない。
  また、幹部に対するチャットによる夜中、休日など時間おかまいなしの指示が矢のようにやってくる。日頃から気に入らない職員の場合、対応が遅れると「やる気がないのか」と非難され、一方では、すぐにレスすると「こんなことで僕の貴重な休み時間を邪魔するのか」と文句を言う。人事異動も生意気だとか気に入らないというだけで左遷された職員が大勢いる。
  これから、ますます病む職員が出てくると思われる。
  ○(職員からの訴えがあれば)暴行罪、傷害罪
 ※ この内容については適宜、議会関係者、警察、マスコミ等へも提供しています。
  しかし、関係者の名誉を毀損することが目的ではありませんので取扱いにはご配慮願います、兵庫県が少しでも良くなるように各自の後判断で活用いただければありがたいです。よろしくお願いします。
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ギャラリー
  • 2679/神仏混淆の残存—岡山県真庭市・木山寺。
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  • 2546/A.アプルボーム著(2017)-ウクライナのHolodomor③。
  • 2488/R・パイプスの自伝(2003年)④。
  • 2422/F.フュレ、うそ・熱情・幻想(英訳2014)④。
  • 2400/L·コワコフスキ・Modernity—第一章④。
  • 2385/L・コワコフスキ「退屈について」(1999)②。
  • 2354/音・音楽・音響⑤—ロシアの歌「つる(Zhuravli)」。
  • 2333/Orlando Figes·人民の悲劇(1996)・第16章第1節③。
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  • 2320/レフとスヴェトラーナ27—第7章③。
  • 2317/J. Brahms, Hungarian Dances,No.4。
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  • 2309/Itzhak Perlman plays ‘A Jewish Mother’.
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  • 2293/レフとスヴェトラーナ18—第5章①。
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  • 2286/辻井伸行・EXILE ATSUSHI 「それでも、生きてゆく」。
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  • 2283/レフとスヴェトラーナ・序言(Orlando Figes 著)。
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  • 2277/「わたし」とは何か(10)。
  • 2230/L・コワコフスキ著第一巻第6章②・第2節①。
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