池田信夫が数年前のブログで、自然科学と違って<文科系学問>の評価はむつかしく、経済学を別として、法学部・文学部の(教員の)人事は「コネ」による、というようなことを批判的に書いていた。経済学を除き法学部・文学部の人事は「コネ」、という部分に記憶間違いは(たぶん)ない。
 明らかに日本共産党員だとみられ、民科法律部会の理事・副理事長の小沢隆一(小澤隆一)は、法学系教員がたぶん1名(多くて2名)と思われる東京慈恵会医科大学の教授に、何故就任しているのだろうか。もっともこれは法学部の話ではない。
 --------
  第一。ある大学・法学部である科目の教員の人事があり、特定の候補者について人事の検討を開始するか否かについての予備的な審査があったとき、審査(査読)委員の一人だった日本共産党の党員と思しき人物は、そもそも<論理展開>が論文のレベルに達していないとして正規手続きに移行するのに反対した。
 教授会の(出席者)全員による無記名投票で、僅か一票だけ賛成票が多く(予備段階なので票数はそのときは公表されなかったらしい)、人事は最後まで(提案者には結果は首尾よく)進んで終了した。
 のち、別の日本共産党の党員と思しき教員は、<あと一票だった(らしい)。惜しかったなぁ>とつぶやいて、残念がった。
 これは私が関係者から直接に聴いた話。その関係人物は「賛成(可)」票を投じたらしい。
 第二。ある大学・法学部である科目の教員人事があった。特定の候補者について人事の検討を開始するか否かについての予備的な審査があったとき、審査(査読)委員の一人だった日本共産党の党員と思しき人物は、<何故今どき、こんな主題の研究なのか>等と発言し、正規手続きに移行するのに反対した。
 提案している当該科目の関係者たちは善後策を話し合い、このままでは正規の審査後の採用決定(学部教授会としての)に必要な3分の2以上の多数を獲得できないだろうとやむなく判断し、提案自体を取り下げ、正規手続に移行しなかった。
 これも、私が関係者から直接に聴いた話。
 第三。ある大学・法学部である科目の教員人事があった。特定の候補者について人事の検討を開始するか否かについての予備的な審査があったとき、審査(査読)委員の一人だった日本共産党の党員と思しき人物は、外国語の読み方に誤りが多い等と発言して反対し、別の日本共産党シンパらしき(たぶん民科法律部会所属の)審査(査読)委員の一人は、外国の—と—は異なる「思想」であるのに並列するとは何事かという趣旨の発言をして、これまた反対した。
 提案自体の取り下げはなく正規手続に移行したが、採用決定に必要な3分の2以上の多数に1票だけ不足し、「正規に」提案が却下された。
 最初は賛成の様子だったが、最終的には「反対(否)」に回った、別の日本共産党シンパらしき(たぶん民科法律部会所属の)教員もいたらしい。
 これも、私が関係者から直接に聴いた話。
 第四。ある大学・法学部である科目の教員人事があった。特定の候補者について人事の検討を開始するか否かについての予備的な審査があったとき、複数の日本共産党員と思しき人物が反対し、結局この場合は、採用決定に必要な3分の2以上の多数に2票不足し、提案が否決された。
 これも、私が関係者から直接に聴いた話。
 その関係者が話の中で「ニッキョーというところ」という言葉を挿んでいたので何のことかといぶかった。だが、なんと、ニッキョー=日共=日本共産党で、「日本共産党」グループが反対したことを、その関係者は知らなかった。
 第五。ある大学・法学部での教員人事一般に関する話。
 日本共産党の党員+その硬いシンパのグループの人数と、これに反対する(迎合しない)グループの人数がほぼ3分の1ずつで拮抗している。
 どちらも「過半数」すら獲得することができず、人事がなかなか進まない。
 これも、私が関係者から直接に聴いた話。
 --------
  20歳くらい年上の教員がかつて言っていたことを思い出す。
 「(教授会構成人数のうち)彼ら(日本共産党員)の数を、3分の1以上にしてはいけない。」
 3分の1があれば、たいていの教員人事は、可でも否でも、「日本共産党員グループ」の意のままになるだろう。