佐伯啓思・日本の愛国心-序論的考察(NTT出版、2008.03)をたぶん4/01から読み始めて、p.152まで、数回に分けて一気に読んだ。「あとがき」も読了しているので、すでに半分近い。
佐伯の本には読み残しが多いが、「愛国心」は今日的テーマでもあり、最新の彼の本でもあるので、これを次に片付ける。
内容をフォローしないが、1.「ナショナリズム」、「国民」および「愛国心」に関する概念の分析は、シェーマ的すぎると感じるほどに、かつ唖然とするほどに、見事という他はない(p.92、93、p.107参照)。
朝日新聞コラムニストの若宮啓文は「ナショナリズム」概念について、きちんと何かを理解した上で<ジャーナリズムはナショナリズムの道具ではない>と書いたのだろうか。佐伯著をじっくり読んで理解できる能力が若宮啓文にあるかどうか。
2.佐伯は日本人の固有名詞を出して批判することが全くか殆どなかったように思うが、この本の第一章のうち30頁くらいは明確に丸山真男の名を出してのその論理・概念・理論の批判だ。その内容にも納得がいく。
あらためてこんな学者=丸山真男に「呪縛」された「知識人」たちを罪深いと感じるし、こんな学者の全集や書簡集等が今だに刊行されていることを異様だとも思う。
3.ホッブズ、ルソー、フランス革命、アメリカ革命等に関する話が(私には再び)出てくる。何度も読んだような、しかし新しい別のことも教えてくれているようだ。
余裕があればいつか、内容の一部を紹介・要約する。疑問点もある。
愛郷心
烏賀陽(ウガヤ)弘道・「朝日」ともあろうものが。(徳間書店、2005.10)という本がある。その中身というよりも<まえがき>の中にいい文があった。
「故郷も、親も、完全に愛することも、完全に憎むこともできない。それは、切り捨てることのできない「自分の一部」になってしまうのだ」。
そのとおりと感じる内容で、声に出して呟くと涙も滲みかける。故郷といえば、某市・某地方であり、そして日本だ。また、両親の「血」を引く私にとって、両親や祖父母は「自分の一部」なのだ。
朝日新聞の昨年10/06付社説の一部はこうだった―「時代の制約から離れて、民主主義や人権という今の価値を踏まえるからこそ、歴史上の恐怖や抑圧の悲劇から教訓を学べるのである。ナチズムやスターリニズムの非人間性を語るのと同じ視線で、日本の植民地支配や侵略のおぞましい側面を見つめることもできる」。
<植民地支配や侵略>の存否自体について議論はありうるのだがそれは別としても、この社説はそれらの「おぞましい側面」を「ナチズムやスターリニズムの非人間性を語るのと同じ視線で」、冷静・冷徹に見つめよと主張している。
<良心的>又は<正義>面を装っているのだろうが、その<おぞましさ>とは過去の日本のものであり、先輩である同胞日本人の行為のことだ。
上の烏賀陽の文と違いここには、「故郷も、親も…完全に憎むこともできない」という感情はない。過去の日本と先輩同胞への「愛惜の念」は全くない。それが朝日新聞だ。国籍不明と評されて当然の新聞、朝日新聞。
「故郷も、親も、完全に愛することも、完全に憎むこともできない。それは、切り捨てることのできない「自分の一部」になってしまうのだ」。
そのとおりと感じる内容で、声に出して呟くと涙も滲みかける。故郷といえば、某市・某地方であり、そして日本だ。また、両親の「血」を引く私にとって、両親や祖父母は「自分の一部」なのだ。
朝日新聞の昨年10/06付社説の一部はこうだった―「時代の制約から離れて、民主主義や人権という今の価値を踏まえるからこそ、歴史上の恐怖や抑圧の悲劇から教訓を学べるのである。ナチズムやスターリニズムの非人間性を語るのと同じ視線で、日本の植民地支配や侵略のおぞましい側面を見つめることもできる」。
<植民地支配や侵略>の存否自体について議論はありうるのだがそれは別としても、この社説はそれらの「おぞましい側面」を「ナチズムやスターリニズムの非人間性を語るのと同じ視線で」、冷静・冷徹に見つめよと主張している。
<良心的>又は<正義>面を装っているのだろうが、その<おぞましさ>とは過去の日本のものであり、先輩である同胞日本人の行為のことだ。
上の烏賀陽の文と違いここには、「故郷も、親も…完全に憎むこともできない」という感情はない。過去の日本と先輩同胞への「愛惜の念」は全くない。それが朝日新聞だ。国籍不明と評されて当然の新聞、朝日新聞。
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