産経9/13で猪瀬直樹が「談」として語っている。
「マスコミの『安倍叩き』はどうだったか。政治資金収支報告の記載漏れ…枝葉末節…『魔女狩り』の様相を呈して…」。
以下の方が興味深い。
「内閣改造で遠藤武彦氏が入閣したとき、『霞が関』は3年前に会計検査院で指摘されていたことを官邸に故意に知らせなかった。遠藤氏は『霞が関』が仕掛けたトロイの木馬だった」。
安倍改造内閣は桝添厚労相人気もあってか支持率を上昇させたのだったが、遠藤農水相辞任で早々に水をぶっかけられた。
遠藤武彦という人は就任後に「最もやりたくなかった大臣」旨を公言して、ヒドい人物、下品な人物だと思ったが、自らが役員を務める(務めていた)団体への補助金(農水省直接ではなく外郭団体のそれのようだが)にかかわる不正又は不備を認識していたのかどうか。
認識していれば農水相担任を受諾すべきではなかった。
あの時点では認識していなかった(記憶していなかった)可能性もある。
しかし、当人の頭の中にはなくとも、きちんと認識している者がいる。「霞が関」の農水省の関係官僚(役人)だ。その官僚が、官邸に知らせることはなく遠藤氏農水相就任後にマスコミに(とくに朝日新聞に)リークした可能性がある。
安倍政権は、ここでも<情報策略>に敗れている。
そしてまた、「霞が関」と朝日新聞等が一体となった<情報策略>だとすれば、安倍首相が「霞が関」にいかに<嫌われて>いたかもわかる気がする。
「天下り」規制にふみ込んだ安倍内閣に対する批判・嫌悪は(組合に集う下・中級官僚ののみならず)上級官僚およびそのOBにも強かったようだ。このことは半面では、安倍氏の対官僚姿勢を示すもので、政治・行政関係の「改革」(<戦後体制からの脱却)という「安倍政治」の重要な一つを示すものでもあっただろう。
官僚(や韓国・北朝鮮)に「受け」がよいかもしれない者が次期首相になって、そのことが国家・国民の将来のためになるのかどうか。
情報謀略
荒木和博・拉致-異常な国家の本質(勉誠出版、2005)は北朝鮮拉致被害者救出運動に密接に関与している人の本で、詳しい情報・当事者だからこその指摘・主張がある。
それとともに興味を惹いたのは荒木の歴史観・戦争観だ(p.103-)。
1.「20世紀の歴史に関する私の基本的見方」は同世紀の「最大の思想的害悪はマルクス・レーニン主義(科学的社会主義あるいは共産主義)であるということだ」。ずばり全く同感だ。
荒木は根拠資料を示すことなく「この思想によって20世紀に命を失った人が億を下らないのは言うまでもない」と述べる(p.104)。いくつかの本に従って8000万~2億人と書いてきたようにが、<少なくとも1億人>以上というのは、おさらく確実なところだろう。
2.敗戦の原因につき、私はきちんと整理して考えたことはないが、長らく、「悪い戦争」又は「侵略戦争」だったから負けたのではなく、結局は軍事力等を支える技術・科学を含めての「国力の差」だった、と感じてきたように思う。
荒木はこう言う-「侵略戦争をやったから負けた」、「陸軍が暴走し勝算のない戦いに突入し物量の差で負けた」とかなのではなく、a「当時の政治家や軍の指導層の切迫感のなさ、無責任」と、b「それに乗じたゾルゲ・尾崎秀実などの謀略の成功」にあった(p.105)。
また言う-「日本の最大の過ちは国家としての明確な戦争指導方針を欠いたこと」だ、あの戦争は「謀略に乗せられ、なし崩し的に突入せざるをえなくなった、失敗した自衛戦争」だった(p.107)。
中西輝政等も言及しているが、中国国民党を同共産党と組ませて抗日に向かわせたコミンテルンの「戦略」(又は謀略)、米国ルーズベルト政権に入り込んでいた共産主義者たちの反日・親中姿勢等々が<日本敗戦>の大きな原因だったようだ。おそらくは上の荒木の認識は、教科書的な認識ではない。
しかし、戦時中にもまた「共産主義という悪魔」の謀略があったことはたしかで、<情報戦争>に負けた、彼らの<情報謀略>に勝てなかった、という側面があったのは事実だろう。
ソ連共産党のエージェント(スパイ)だったとされるゾルゲにつき、篠田正浩監督の映画<スパイ・ゾルゲ>(2003)は、観ていないのだが、彼と尾崎秀実らをドイツ・ナチスや日本軍国主義と闘った<ヒーロー>の如く描いているらしい(6/18の潮匡人氏に関する部分参照)。そのような映画の製作・上映もまた、今日の、一つの<情報謀略>ではないかと思われる。
それとともに興味を惹いたのは荒木の歴史観・戦争観だ(p.103-)。
1.「20世紀の歴史に関する私の基本的見方」は同世紀の「最大の思想的害悪はマルクス・レーニン主義(科学的社会主義あるいは共産主義)であるということだ」。ずばり全く同感だ。
荒木は根拠資料を示すことなく「この思想によって20世紀に命を失った人が億を下らないのは言うまでもない」と述べる(p.104)。いくつかの本に従って8000万~2億人と書いてきたようにが、<少なくとも1億人>以上というのは、おさらく確実なところだろう。
2.敗戦の原因につき、私はきちんと整理して考えたことはないが、長らく、「悪い戦争」又は「侵略戦争」だったから負けたのではなく、結局は軍事力等を支える技術・科学を含めての「国力の差」だった、と感じてきたように思う。
荒木はこう言う-「侵略戦争をやったから負けた」、「陸軍が暴走し勝算のない戦いに突入し物量の差で負けた」とかなのではなく、a「当時の政治家や軍の指導層の切迫感のなさ、無責任」と、b「それに乗じたゾルゲ・尾崎秀実などの謀略の成功」にあった(p.105)。
また言う-「日本の最大の過ちは国家としての明確な戦争指導方針を欠いたこと」だ、あの戦争は「謀略に乗せられ、なし崩し的に突入せざるをえなくなった、失敗した自衛戦争」だった(p.107)。
中西輝政等も言及しているが、中国国民党を同共産党と組ませて抗日に向かわせたコミンテルンの「戦略」(又は謀略)、米国ルーズベルト政権に入り込んでいた共産主義者たちの反日・親中姿勢等々が<日本敗戦>の大きな原因だったようだ。おそらくは上の荒木の認識は、教科書的な認識ではない。
しかし、戦時中にもまた「共産主義という悪魔」の謀略があったことはたしかで、<情報戦争>に負けた、彼らの<情報謀略>に勝てなかった、という側面があったのは事実だろう。
ソ連共産党のエージェント(スパイ)だったとされるゾルゲにつき、篠田正浩監督の映画<スパイ・ゾルゲ>(2003)は、観ていないのだが、彼と尾崎秀実らをドイツ・ナチスや日本軍国主義と闘った<ヒーロー>の如く描いているらしい(6/18の潮匡人氏に関する部分参照)。そのような映画の製作・上映もまた、今日の、一つの<情報謀略>ではないかと思われる。
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