秋月瑛二の「自由」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

ドレミ

2860/ドレミ7音・1オクターブ12音の作り方。

 2023年6月〜8月に「『ドレミ』はなぜ『7音』なのか」を連載?していたが、中途で終わっている。
 M・ヴェーバーの『音楽社会学』や「日本音階」研究がすでに明治時代にあって「岩波文庫」に残っていることに気づいて、それらに関心が移ったことにもよる。
 また、丁寧または厳密に音設定の可能性を全て考慮する、ということを試みたからでもあった。
 再開して、一挙に、実際に私なりの「ドレミ…7音」の設定方法を示す。
 さらには、上の1オクターブ7音を基礎にして、1オクターブ12音も私なりに設定する。これらは、ピアノでの7つの「白鍵」と残り5つの「黒鍵」の成立ちもきっと説明するだろう。
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  何度も書いたように、ヒトにとって、ちょうど1オクターブ違う音(音波数比が2または1/2の乗数)の発見に次いで重要だったのは、1に次ぐ2と3の数字を利用して1オクターブのあいだに新しい音を設定することを発見したことだろう。仔細は省略して、つぎの並びの3音が得られる。最後の1オクターブ上の2は〔、2〕と記す。
 A—①1、②4/3、③3/2〔、2〕。*3音(2を含めて4音)。
 以下に共通する<秋月瑛二の音の設定方法>の要点はつぎのとおり。
 01、得られている(隣り合う)各音の間の周波数比を確認する。この差を「間差」と呼ぶことにする。
 02、「間差」が最大の部分の中に新しい音を設定することにする。
 03、最大の「間差」のある下の(低い)音の周波数比に可能なかぎり既出の数値を掛けて、新しい音の周波数比び関する数値とする。
 以上を繰り返す。最大の「間差」部分の発見、下の(低い)音を基準とすること、可能なかぎり既出の数値の選択、の3点が要点だ。
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  実際に、Aから5音設定へと発展させる。「間差」は最後の2との間も含めて3箇所にできる。
 Aでの「間差」。
 01→4/3=4/3÷1
 02→9/8=(3/2)÷(4/3)
 03→4/3=2÷(3/2)
 最大の「間差」は4/3だ。4/3=1.333333、9/8=1.125。
 「間差」4/3のある下の(低い)音に既出の「9/8」を掛けて、新しい音の周波数比とする。すると、つぎの並びが得られる。新しいのは、②と⑤だ。
 B—①1、②9/8(=1x(9/8))、③4/3、④3/2、⑤27/16(=(3/2)x(9/8))〔、2〕。*5音(2を含めて6音)。
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  Bでの「間差」。最後の2との間も含めて5箇所ある。
 01→9/8=(9/8)÷1
 02→32/27=(4/3)÷(9/8)
 03→9/8=(3/2)÷(4/3)
 04→9/8=(27/16)÷(3/2)
 05→32/27=(2)÷(27/16)
 最大の「間差」は32/27だ。32/27=1.185185…、9/8=1.125
 「間差」32/27のある2箇所の下の(低い)音に既出の「9/8」を掛けて、新しい音の周波数比とする。すると、つぎの並びが得られる。新しいのは、③と⑦だ。
 C—①1、②9/8、③81/64=(9/8)x(9/8)、④4/3、⑤3/2、⑥27/16、⑦243/128=(27/16)x(9/8)〔、2〕。*7音(2を含めて8音)。
 以上で、1オクターブ内に、7音(2を含めて8音)が設定できた。
 それぞれに、ドレミの語を当てると、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ(・ド)になる。もちろん、現在に耳にするドレミと同じではない(だがよくは似ている)。
 これが最初に得られる7音(8音)だとすると。これらにのみピアノ・オルガン類でで「白鍵」を与えるのも理由がある、ということになるだろう。
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  7音(2を含めて8音)からさらに12音(2を含めて13音)へと発展させる。
 Cでの「間差」。最後の2との間も含めて7箇所ある。
 01→9/8=(9/8)÷1
 02→9/8=(81/64)÷(9/8)
 03→256/243=(4/3)÷(81/64)
 04→9/8=(3/2)÷(4/3)
 05→9/8=(27/16)÷(3/2)
 06→9/8=(243/128)÷(27/16)
 07→256/243=2÷(243/128)
 最大の「間差」は9/8だ。9/8=1.125、256/243=1.053497…。
 「間差」9/8のある5箇所の下の(低い)音に既出の「256/243」を掛けて、新しい音の周波数比とする。すると、つぎの計12音(13音)の並びが得られる。新しいのは、②、④、⑦、⑨、⑪だ。
 D—①1
 ②256/243
 ③9/8
 ④32/27=(9/8)x(256/243)
 ⑤81/64
 ⑥4/3
 ⑦1024/729=(4/3)x(256/243)
 ⑧3/2
 ⑨128/81=(3/2)x(256/243)
 ⑩27/16
 ⑪16/9=(27/16)x(256/243)
 ⑫243/128
 ⑬2。
 横に並べると、1、256/243、9/8、32/27、81/64、4/3、1024/729、3/2、128/81、27/16、16/9、243/128、2。
 新しい5音は256/243、32/27、1027/729、128/81、16/9で、最も数字が多くても(1027/729)で、32/27、16/9というきわめて簡潔な数字(分数)も出てくる。
 以上で、1オクターブ内に12音(最後の2を含めて13音)が設定できた。自然に作業していくと、11でも13でもなく、12音が得られた。
 これらを、半音記号の一つを用いて、ドレミ…に加えて、つぎのように並べることもできる。
 ド・レ♭・レ・ミ♭・ミ・ファ・ソ♭・ソ・ラ♭・ラ・シ♭・シ(・ド)。
 上のCでの7音が「白鍵」だとすると、上の半音記号(♭)付きの音はピアノ・オルガン類では「黒鍵」とすることが考えられる
 「黒鍵」数は5つだ。
 しかも、ミ・ファ、シ・ドの間には「黒鍵」が入らないので、5つの「黒鍵」は左の2つ、右の3つに分かれることになる。これは、現在のピアノ・オルガン類と同じだ。
 ——
  以上の全ては、A—①1、②4/3、③3/2〔、2〕の3音(2を含めて4音)から出発している。その際に、②と③の「間差」が「9/8」であることに気づいたことが大きい。
 Cでの7音(2を含めて8音)は、意識的に7音になるよう「企てた」のではない。隣り合う各音の「間差」の最大部分を、既出の数値を使って二分して新しい音を増やしていくと、計2回の作業でCへと至った。
 Dでの12音(2を含めて13音)についても全く同じで、12音になるよう意識的に「企てた」のではない。
 Cでの各音の「間差」は同じ数値のものが5カ所あったことから、結果として5音増えて、7+5で12音になったにすぎない。意識的な「操作」は全くない。
 それでも、ある程度は(完全にではないが)均等に分配された7音、12音を1オクターブ内に、素人の秋月瑛二でも設定することができた。
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  以下は「秘密」の暴露ではなく、「偶然」なのかどうか不思議に思っていることだ(但し、F-Gが9/8というのは意識していなかったが、C-Dがピタゴラス音律では9/8だという知識はあった)。
 第一。Cの7音は、最もよく提示されるピタゴラス音律での7音と分数値が完全に一致している。
 第二。Dの12音は、ピタゴラス音律で得られる各音のうち、最初の5音をα方式(上昇型・時計回り型・プラス方式)、残りの7音をβ方式(下降型・反時計回り型・マイナス方式)で設定した場合の分数値と合致している。
 いずれにせよ、つぎのことは言えるだろう。
 ピタゴラス音律とは一定の音の周波数値を2乗・4乗していって1〜2の範囲内になるよう2・4〜で除する(割る)または一定の音の周波数値を1/2乗・1/4乗していって1〜2の範囲内になるよう2・4〜で乗じる(掛ける)ことによって1オクターブ内に12音(2に近い音を含めて13音)を発見しようとするものだ。
 だが、このような複雑な(かつピタゴラス・コンマを残す)作業を行わなくても、今回に秋月瑛二が行った方法によっても、同じような結果を得られのではないだろうか。
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2659/「ドレミ…」はなぜ7音なのか⑤。

  前回までに作り出す事のできた二種の「5音」音階とは、つぎだ。便宜的に、それぞれX、Zと称しておこう。
 X—①1、②9/8、③4/3、④3/2、⑤27/16、⑥2。
 Z—①1、②32/27、③4/3、④3/2、⑤16/9、⑥2。
 間差の広い箇所に新しい音を設定する。5つある間差の数値は、つぎのとおり。
 X—①②9/8、②③32/27(=(4/3)÷(9/8))、③④9/8、④⑤9/8(=(27/16)÷(3/2))、⑤⑥32/27(=2÷(27/16))。
 最大は32/27で、2箇所ある。残りの3箇所は、9/8。
 Z—①②32/27、②③9/8(=(4/3)÷(32/27)、③④9/8、④⑤32/27(=(16/9)÷(3/2))、⑤⑥9/8(=2÷(16/9))。
 最大は32/27で、2箇所ある。残りの3箇所は、9/8。
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  この最大の(間差が広い=周波数比が最も大きい)32/27を二つの部分に分割しよう。Xでは、②③の間と、⑤⑥の間。Zでは、①②の間と④⑤の間。
 そうすると、32/27は2箇所にあるので、新しい音が二つ増える。そして、既存の5音に加えて、計7音になるはずだ。
 分割方法は無限にあり得るが、つぎの三つの方法を合理的なものとして選択できる、と考えられる。
 まず、すでに9/8という数値を利用していることを参照して、32/27を9/8と残余の部分に分ける方法が考えられる。こも場合は、厳密には二つに分かれる。
 第一に、9/8を先に置き、(9/8)×α=32/27とする。この場合のα=256/243であることが容易に計算できる。
 第二に、9/8を後ろに置き、(256/243)×(9/8)=32/27とする。
 既存の音(の数値)にこれら二つの数値のいずれを乗じるかを決めておく必要があるので、上の第一と第二は区別しなければならない。
 これら以外に第三に、32/27の「中間値」で二つに分割することが考えられる。この「中間値」はもちろん「16/27」ではなく、32/27と64/27の「中間値」である48/27でもない。
 正解は、<2乗すれば32/27となる数値>、すなわち<(32/27)の2乗根>だ。後述もするように、この数値を「β」と称することにする。これを分数表示することはできないし、「無理数」なので、小数化すると無限に数字がつづく。
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  上の三つの方法の順序で、二分割作業を、以下に行なう。結果として計「7音」を得ることができる。その場合の「7音」音階を、便宜的にそれぞれ、XX、ZZと表記しよう。
 第一のXX関連。元の②③、⑤⑥の各間差が、32/27だ。
 (1) 9/8(②)×(9/8)=81/64。なお、(81/64)×(256/243)=4/3で、元の③の数値となる。
 (2) (27/16)(⑤)×(9/8)=(243/128)。なお、(243/128)×(256/243)=2で、元の⑥に戻る。
 以上で、元の「5音」以外に、新しく、(81/64)と(243/128)の二つの数値が得られた。
 元のXの「5音」にこれらを加えて挿入し、小さい(周波数比の小さい)順に改めて並べ直すと、つぎのようになる。
 XXの01
 ①1、②9/8、③81/64、④4/3、⑤3/2、⑥27/16、⑦243/128、⑧2。
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 次いで、第一のZZ関連。元の①②、④⑤の各間差が、32/27だ。
 (1) 1(①)×(9/8)=(9/8)。なお、(9/8)×(256/243)=32/27で、元の②の数値となる。
 (2) 3/2(④)×(9/8)=(27/16)。なお、(27/16)×(256/243)=(16/9)で、元の⑤に戻る。
 以上で、元の「5音」以外に、新しく、(9/8)と(27/16)の二つの数値が得られた。
 元のZの「5音」にこれらを加えて挿入し、小さい(周波数比の小さい)順に改めて並べ直すと、つぎのようになる。
 ZZの01
 ①1、②9/8、③32/27、④4/3、⑤3/2、⑥27/16、⑦16/9、⑧2。
 ----
  次に、(256/243)を先に乗じる、第二の方法を採用する。
 第二のXX関連。元の②③、⑤⑥の各間差が、32/27だ。
 (1) (9/8)(②)×(256/243)=(32/27)。なお、(32/27)×(9/8)=4/3で、元の③の数値となる。
 (2) (27/16)(⑤)×(256/243)=(16/9)。なお、(16/9)×(9/8)=2で、元の⑥に戻る。
 以上で、元の「5音」以外に、新しく、(32/27)と(16/9)の二つの数値が得られた。
 Xの元の「5音」にこれらを加えて挿入し、小さい(周波数比の小さい)順に改めて並べ直すと、つぎのようになる。
 XXの02
 ①1、②9/8、③32/27、④4/3、⑤3/2、⑥27/16、⑦16/9、⑧2。
 ----
 次いで、第二のZZ関連。元の①②、④⑤の各間差が、32/27だ。
 (1) 1(①)×(256/243)=(256/243)。なお、(256/243)×(9/8)=(32/27)で、元の②の数値となる。
 (2) (3/2)(④)×(256/243)=(128/81)。なお、(128/81)×(9/8)=16/9で、元の⑤に戻る。
 以上で、元の「5音」以外に、新しく、(256/243)と(128/81)の二つの数値が得られた。
 Zの元の「5音」にこれらを加えて挿入し、小さい(周波数比の小さい)順に改めて並べ直すと、つぎのようになる。
 ZZの02
 ①1、②256/243、③32/27、④4/3、⑤3/2、⑥128/81、⑦16/9、⑧2。
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  第三の方法は、32/27を、「2乗すれば(32/27)になる数値」で分割する。この「(32/27)の2乗根」を、「β」と簡称する。この方法による場合は、間差の32/27を構成する大小のどちらの数値からβでの乗除を行っても、結果は異ならない。
 なお、この「β」=「(32/27)の2乗根」は1.088662…なので、「9/8」(1.125)よりも小さい。
 第三のXX関連。元の②③、⑤⑥の各間差が32/27だ。
 (1) (9/8)×β=(9/8)β。なお、(9/8)β×β=(4/3)。
 (2) (27/16)×β=(27/16)β。なお、(27/16)β×β=2。
 以上で、元の「5音」とは異なる、新しい、(9/8)β、(27/16)βを得られた。
 Xの元の「5音」にこれらを加えて挿入し、小さい(周波数比の小さい)順に改めて並べ直すと、つぎのようになる。
 XXの03
 ①1、②9/8、③(9/8)β=約1.225、④4/3、⑤3/2、⑥27/16、⑦(27/16)β=約1.838、⑧2。
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 次いで、第三のZZ関連。元の①②、④⑤の各間差が32/27だ。
 (1) 1(①)×β=β。なお、β×β=(32/27)。
 (2) (3/2)×β=(3/2)β。なお、(3/2)β×β=(16/9)。
 以上で、元の「5音」とは異なる、新しい、βと(3/2)βを得られた。
Z の元の「5音」にこれらを挿入し、小さい(周波数比の小さい)順に改めて並べ直すと、つぎのようになる。
 ZZの03
 ①1、②β、③32/27、④4/3、⑤3/2、⑥(3/2)β、⑦16/9、⑧2。
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  これで、最初のXとZの「5音」音階を基礎にして、計6種の「7音」音階を、秋月瑛二なりに作り出すことができた。
 種々の数字・数値が登場しているが、振り返って、重要な数字・数値を挙げると、つぎのとおりだ。
 第一に、4/3と3/2。この二つは古代人もすみやかに気づいた、核となる数字だっただろう。当初はあるいは(3と1/3ではなく)3/2と2/3だったかもしれない。後者の2/3は容易に4/3に転化した。
 第二に、(3/2)÷(4/3)で得られる、9/8という数字。
 私は<ピタゴラス音律での全音>が(9/8)で<ピタゴラス音律での半音>が(256/243)であることをすでに知っているので、(9/8)から出発すればピタゴラス音律での音階と似たものができるだろうと想定はしていた。
 しかし、9/8とは上記のとおり<(2/3)と(3/2)>という原初的二音の間差(周波数比)なのであり、この数字は論理的には必ずピタゴラス音律につながるものではないように思われる。
 第三に、「5音」設定終了の段階で生じた、相互の音の間差のうち最大の間差(周波数比)を示す、「32/27」という数字。
 第四に、(32/27)を二分割する場合に登場した、(32/27)÷(9/8)の結果としての、256/243という数字。
 最後に、(32/27)から生じる、「(32/27)の2乗根」=「β」。
 これらの数字・数値を組み合わせて、六種の「7音」音階ができたわけだ。ピタゴラス音律での計算方法である、3または3/2を乗じつづけて、かつ2の自乗数で除する(「シャープ系」の場合)ようなことをしなかった。
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  正確には、6種ではない。それぞれの音階を、①数値、②1=ド=Cとした場合の十二平均律での近い数値の音(ドレミ)の順に、並べてみよう。第三の方法による場合は除く。
 ①XX01—1、9/8、81/64、4/3、3/2、27/16、243/128、2。
   —ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド
 ②ZZ01—1、9/8、32/27、4/3、3/2、27/16、16/9、2。
   —ド、レ、ミ♭、ファ、ソ、ラ、シ♭、ド
 ③XX02—1、9/8、32/27、4/3、3/2、27/16、16/9、2。
   —ド、レ、ミ♭、ファ、ソ、ラ、シ♭、ド
  これは②と同じ。「移調」すると、ラ、シ、ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラになる。これの並び方を—「移調」することなく—変更すると、ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ドにもなる。
 ④ZZ02—1、256/243、32/27、4/3、3/2、128/81、16/9、2。
    —ド、レ♭、ミ♭、ファ、ソ、ラ♭、シ♭、ド
  これは、ラ♭がドになるよう「移調」して全体を並べると、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド、レ、ミになる。さらにこれの並び方を変更すると、ド〜ドにも、ラ〜ラにもなる。
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 以下は参考として再び付記。
 ⑤XX03—1、9/8、(9/8)×β、4/3、3/2、27/16、(27/16)×β、2。 
 ⑥ZZ03—1、β、32/27、4/3、3/2、(3/2)×β、16/9、2。
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  検討作業がこれで終わったのではない。
 つぎの問題は、これまでの発想や検討作業の過程を継続して、「8音」音階や「9音」音階を作ることはできないのか、できないとすればそれは何故か、だ。
 <「ドレミ…」はなぜ7音なのか。
 ——

2654/「ドレミ…」はなぜ7音なのか④。

 以下の一部ずつだけを読んだ。衝撃的に面白そうだ。
 ①小泉文夫・日本の音—世界のなかの日本音楽(平凡社文庫、1977)。
 ②小泉文夫・歌謡曲の構造(平凡社文庫、1996)。
 小泉文夫、1927〜1983。元東京芸術大学教授(民族音楽)。
 日本の音楽・音階についてこの欄に既に記述したことは、書き直しが必要になりそうだ。
 →「2635/<平均律>はなぜ1オクターブ12音なのか②」で、日本の古歌も「西洋音楽」の楽譜で表記され得ることは「西洋音楽」の「広さ・深さを感じさせる」と書いたが、「西洋音楽」を高く評価しすぎかもしれない。
 また、→「2652/私の音楽ライブラリー④」で1963年の「恋のバカンス」は「画期的だった」と(むろん主旋律だけでなく前奏・伴奏を含めての)素人的印象を語ったが、これも単純だったかもしれない。
 すでにこの項の「③」で「律音階」に触れており、今回も「民謡音階」に言及するが、日本の伝統的音階が叙述の主対象ではない。このテーマは、別途、上の小泉文夫著等をふまえて扱いたい。
 このテーマは、「日本音楽」とは何か、「日本民族」とは何か、「日本とは何か」という大きな問題に関連しそうだ。「日本語の成立」過程に関する問題とも、少しは類似性がある。
 ——
  さて、この項の<「ドレミ…」はなぜ7音なのか>は「西洋音楽」での1オクターブ12音をふまえた「ドレミ…」の7音構造の背景に関心をもつものだ。
 1オクターブ内での4/3と3/2の「発見」による1、4/3、3/2(、2)の3音構造の成立に続く9/8と27/16の設定による「5音」音階の成立まで、私ならばどのようにして音階を作るか、を叙述してきた。
 だが、このように迂回しつつ、「西洋」の「ドレミ…」の音階が7音(最後のドを含めて8音)で構成されざるを得なかったことを、「証明」することができる可能性がある、という見通しをもっている。
 ---
  「5音」からさらに数を増やすことを急がず、立ち止まってみよう。
 前回に9/8と27/16を新たに加えたが、それは1×(9/8)と(3/2)×(9/8)の計算結果の採用による。1-(4/3)、(3/2)-2、といういずれも4/3または3対4という広い間差(周波数比)の間に、「小さい」方の数値に9/8を乗じたものだった。
 だが、4/3および2という「大きい」方の数値から9/8だけ小さい数値を計算することによっても、新しい二つの数値が得られるはずだ。次もように、それぞれの「大きい」数値に8/9を掛けることでよい。
 (4/3)×(8/9)=32/27。2×(8/9)=16/9。
 これら二つを1、4/3、3/2、2という「3音」構造に挿入して小さい順に並べると、以下のようになる。
 Z①1、②32/27、③4/3、④3/2、⑤16/9、⑥2。
 これは、前回に記した「5音」(最後を含めて6音)音階の数値と異なっている。前回に記したのは、つぎだった。
 X①1、②9/8、③4/3、④3/2、⑤27/16、⑥2。
 このX は、前回に記したように、今日の〈十二平均律〉の場合に近い音を選んで1=ドとして表現すると、「ド・レ・ファ・ソ・ラ・ド」だ。そして、伝統的音階のうち雅楽に使われる「律音階」にきわめて類似している。
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  上のを、今日の〈十二平均律〉の場合に近い音を選んで1=ドとして表現し直すと、つぎのようになる。
 「ド・ミ♭・ファ・ソ・シ♭・ド」。Xの②と⑤よりもこのZの②と⑤の方が数値が大きいこと(かつその割合は同じだろうこと)は、設定の仕方からして当然のことだ。
 念のための確認すると、つぎのとおり。
 Z②(32/27)÷X②(9/8)=256/243。(=ミ♭とレの間差)
 Z⑤(16/9)÷X⑤(27/16)=256/243。(=シ♭とラの間差)
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  ところで、興味深いことだが、Zの5音(6音)音階の「ド・ミ♭・ファ・ソ・シ♭・ド」=「C-E♭-F-G-B♭」は、日本の伝統的音階のうち、「民謡音階」に相当する、と見られる。
 日本の伝統的音階として四つを挙げること、そして各音階をどう説明するかには、あるいは一致がないのかもしれない。
 ここでは、ネット上で前回に触れた「律音階」とともに「民謡音階」についても以上の叙述と同じ説明をしているサイトを挙げ、その説明を一部抜粋引用しておく。冒頭で記した小泉文夫の著も結局は同様なのだが(というより、小泉の説の影響を受けているように見られるが)、今回は小泉著には直接には触れない。
 →「文化デジタルライブラリー」
 民謡音階—「わらべ歌や物売りの声、日本民謡の中でよく使われている…」。「楽譜の通り、…『ド—♭ミ—ファ—ソ—♭シ—ド』で構成されます」。
 律音階—「『律』という言葉は、中国から入ってきました」。「楽譜の通り、…『ド—レ—ファ—ソ—ラ—ド』で構成されます」。
 →「メリー先生の音楽準備室」
 「民謡音階の構成音は、ド、ミ♭、ファ、ソ、シ♭の5音。わらべ歌や日本の民謡の多くで、この音階が使われています。」
 「律音階で使われている5つの音は、ド、レ、ファ、ソ、ラです。中国から伝来した音楽の基本的な音階で、雅楽にも用いられています。」
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 さらに追記すると、「ド・ミ♭・ファ・ソ・シ♭・ド」=「C-E♭-F-G-B♭-C」をド→その下のラ、C→その下のAへとそのまま「移調」すると、つぎのようになり、「♭」記号は消える。
 「ラ・ド・レ・ミ・ソ・ラ」=「A-C-D-E-G-A」
 「ラ」を主音とする、今日にいう7音(8音)の<短調音階>のうち、「ファ」と「シ」が欠けている。
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  こうして、二種の「5音」音階を作ることができた。
 次回に、「7音」音階に接近してみよう。
ギャラリー
  • 2679/神仏混淆の残存—岡山県真庭市・木山寺。
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  • 2679/神仏混淆の残存—岡山県真庭市・木山寺。
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  • 2679/神仏混淆の残存—岡山県真庭市・木山寺。
  • 2564/O.ファイジズ・NEP/新経済政策④。
  • 2546/A.アプルボーム著(2017)-ウクライナのHolodomor③。
  • 2488/R・パイプスの自伝(2003年)④。
  • 2422/F.フュレ、うそ・熱情・幻想(英訳2014)④。
  • 2400/L·コワコフスキ・Modernity—第一章④。
  • 2385/L・コワコフスキ「退屈について」(1999)②。
  • 2354/音・音楽・音響⑤—ロシアの歌「つる(Zhuravli)」。
  • 2333/Orlando Figes·人民の悲劇(1996)・第16章第1節③。
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  • 2320/レフとスヴェトラーナ27—第7章③。
  • 2317/J. Brahms, Hungarian Dances,No.4。
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  • 2309/Itzhak Perlman plays ‘A Jewish Mother’.
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  • 2305/レフとスヴェトラーナ24—第6章④。
  • 2305/レフとスヴェトラーナ24—第6章④。
  • 2293/レフとスヴェトラーナ18—第5章①。
  • 2293/レフとスヴェトラーナ18—第5章①。
  • 2286/辻井伸行・EXILE ATSUSHI 「それでも、生きてゆく」。
  • 2286/辻井伸行・EXILE ATSUSHI 「それでも、生きてゆく」。
  • 2283/レフとスヴェトラーナ・序言(Orlando Figes 著)。
  • 2283/レフとスヴェトラーナ・序言(Orlando Figes 著)。
  • 2277/「わたし」とは何か(10)。
  • 2230/L・コワコフスキ著第一巻第6章②・第2節①。
  • 2222/L・Engelstein, Russia in Flames(2018)第6部第2章第1節。
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  • 2203/レフとスヴェトラーナ12-第3章④。
  • 2203/レフとスヴェトラーナ12-第3章④。
  • 2179/R・パイプス・ロシア革命第12章第1節。
  • 2152/新谷尚紀・神様に秘められた日本史の謎(2015)と櫻井よしこ。
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  • 2151/日本会議・「右翼」と日本・天皇の歴史15①。
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  • 2136/京都の神社-所功・京都の三大祭(1996)。
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  • 2118/宝篋印塔・浅井氏三代の墓。
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  • 2102/日本会議・「右翼」と日本・天皇の歴史11①。
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  • 2101/日本会議・「右翼」と日本・天皇の歴史10。
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  • 2098/日本会議・「右翼」と日本・天皇の歴史08。
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