佐伯啓思産経新聞11/22の「正論」の見出しは「大衆迎合の政治文化問う総選挙」で、「大衆迎合の政治文化」、佐伯の別の表現では「あまりにポピュリズムや人気主義へと流れた今日の政治文化」に決着をつけられるか否かが今回の総選挙で問われているとする。
 もちろん「大衆迎合」・「ポピュリズムや人気主義」に批判的な立場から佐伯は書いている。佐伯に問いたいのは、では、「大衆迎合」・「ポピュリズムや人気主義」に陥らない「政治文化」とはどのようなもので(どのように名付けられるもので)、そしてそれはどのようにして形成、確立されるのか、だ。
 この問題に触れずして、「ポピュリズム」等に対する蔑視・批判の言葉を吐いているだけでは、何ら積極的で建設的な展望は出てこず、西部邁も、また佐伯啓思自身もよく使っている<シニシズム>を拡大するだけではないか。