秋月瑛二の「自由」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

資料・史料

2861/斎藤元彦兵庫県知事による懲戒処分(2024.05.07)の「理由」。

  斎藤元彦・兵庫県知事が元西播磨県民局長に対して2024年5月7日に行なった懲戒処分(停職三月)の「理由」は四点あるとされる。その日に被処分者も「了知」して、当日に「発効」した、といちおう理解しておく。
 なお、審査請求(行政不服申立て)や取消訴訟の対象となる「処分」を国の行政手続法(法律)や兵庫県行政手続条例〔1995年7月条例22号〕は「申請にもとづく処分」と「不利益処分」に分けている。許認可等の申請に対する拒否処分は前者に、営業停止命令や公務員への懲戒処分は後者に含まれる。
 申請に定する拒否処分にも不利益処分にもそれを通知する文書に理由は付記されなければならない(兵庫県行政手続条例8条・14条)。
 斎藤元彦・兵庫県知事が2024年5月7日に行なった西播磨県民局長に対する懲戒処分(停職三月)にも「理由」が処分通知書自体に(別添であれ)記載されていたはずだ。
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  2025年3月16日に公表された<第三者委員会>(第一)の報告書は、上記懲戒処分はつぎの「四つの処分理由」により行われたと整理している。
 ①〜④は原文まま。ここでは番号ごとに区切った。
「①「誹謗中傷文書(本件文書)の作成・配布行為、
 ②「人事データ専用端末の不正利用(人事課管理職時に、特定の職員の顔写真データに関し、業務上の端末を不正に利用するとともに、個人情報を不正に取得し持ち出した)、
 ③「職務専念義務違反行為(平成23年から14年間にわたって、勤務時間中に計200時間程度、多い日で1日3時間、公用パソコンを使用して業務と関係ない私的文書を多数作成した)、
 ④ハラスメントメント行為(令和4年5月、次長級職員に対してハラスメント行為を行い、著しい精神的苦痛を与えた)」。
 なお、同報告書の付記によると、②〜④は「3月25日に引き上げた公用パソコン内のデータから判明したものだった」。
 以上、上記報告書のp.123-4。
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  YouTube 上で提供されている情報の中には、兵庫県(人事関連部署)が作成された、<懲戒処分一覧>とでも称すべき文書のうち、上記懲戒処分の部分をそのまま画像として示しているものがある。
 それら(複数)によると、「処分理由」はつぎのとおり。丸数字はなく、四つの段落に分けられている。ここでは便宜的に、順序とおりに①〜④の丸数字を付す。
 ①「令和6年3月、知事や一部の幹部職員を誹謗中傷する文書を作成・配布し、多方面に流出させることで、県政への信用を著しく損なわせた」。
 ②「平成23年〜28年にかけて、人事課管理職時に、業務の目的外で人事データ専用端末を使用して特定の職員(1名分)の顔写真データを2回表示・撮影し、又は顔写真データを1回コピーして、そのデータを公用PCに保存し、人事異動の際には、そのデータを自宅に持ち帰った上で異動先の公用PCに保存することによって、業務上の端末を不正に操作するとともに、個人情報を不正に取得し持ち出した」。
 ③「平成23年から14年間にわたって、勤務時間中に計200時間程度、多い日で1日3時間、公用PCを使用して業務と関係のない私的文書を多数作成し、職務専念義務等に違反した」。
 ④「令和4年5月、次長級職員に対して人格を否定する文書を匿名で送付するハラスメント行為を行い、当該職員に著しい精神的苦痛を与えた」。
 以上。
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  「<懲戒処分一覧>とでも称すべき文書のうち上記懲戒処分の部分」と上に書いたが、その理由はつぎのとおり・第一に、「事案一」と当該文書の左上に書かれている。第二に、正式の「付記理由」は処分通知書に(別添であれ)記載されるのであって、紹介されているのは、処分通知書そのものではない(処分通知書全文を「公開」するのは被処分等の「権利」を過度に害する可能性がある、という問題もある)。
 したがって、上の四点の「理由」は正規の文章そのままではない可能性がある。もう少しは詳細だった可能性はある。
 但し、基本的な理由を疎漏したり省略したりしているとは考えられないので、上の懲戒処分の適否・効力を—「理由」との関係でも—考察するには、上のような「付記理由」を前提としても、おそらく差し支えないだろう。
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2856/斎藤元彦兵庫県知事・2025年3月5日(水)記者会見②。

 斎藤元彦兵庫県知事・2025年3月5日(水)記者会見(一部)②。
 出所/兵庫県庁「知事記者会見(2025年3月5日(水曜日))」
 前回のつづき。
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 Arc Times:元県民局長は、公益通報者なんでしょうか。
 知事:4月4日で内部通報されたという意味では、4月4日に公益通報されたと。
 正確に言いますと、私は報道内容等でそう聞いているということです。
 Arc Times:少なくとも3月は別にして、知事の見解としては、4月については公益通報しているということですね。
 そういう意味で公益通報者なわけですけれども。
 知事:4月4日の時点では。
 Arc Times:その人物に対して、今、この後に及んで、わいせつな文書ということを言う理由はなぜでしょうか。
 これ、不利益を与えないというのは、公益通報者保護法の大きな趣旨ですけれども、なぜ公益通報者だと分かっているのに、その人物を、今、傷つけるようなことを言うんでしょうか。

 知事:3月の文書の配布について、これは公益通報ではなくて、誹謗中傷性の高い文書を作成されたということで、その作成をした。
 それを、公用パソコンを使って、業務時間外にやったと。
 Arc Times:それは、3月の話でしょ。私は4月の話をしてるんじゃなくて、4月以降は、もう公益通報者になったはずですから。
 知事:その調査をしていきながらですね、公用PCの中に4つの非違行為、その中に倫理上問題のある文書が見つかったということですから、それの説明を差し上げたということです。
 Arc Times:今日ですね、初めてわいせつな文書という言い方をしましたが、この間も質問出ていますけれども、知事は、今、見たことはないとおっしゃっていました。
 わいせつな文書とこの場で言うことは、非常に、まさに誹謗中傷性が高いと思いますが、その根拠は何でしょうか。
 知事がそこまで、この会見の場でおっしゃる根拠は何でしょうか。
 知事:パソコンの端末を調査された時に、そういったわいせつな内容が含まれる文書があるという報告を受けたからです。
 Arc Times:それは、百条委員会では、奥谷委員長は小説か日記か分からない文書と、真偽が分からないということを皆さん言っていますけれども、知事は、それはもうわいせつな文書と断定しているんですね。
 知事:そういう文書だったという風に報告を受けていますので。

 倫理上極めて問題のある文書で、それを、やっぱり公用パソコンで、県民の皆さんの税金で買っているパソコンですから、そこでやっぱり作られているということは、そこは問題がありますよね。
 Arc Times:知事は、この場でそういう言葉を使うことについて、それがさらなる中傷になるということは考えないんでしょうか。
 ご自身として、そこまで踏み込む必要があると考える理由は、なぜなんでしょうか。
 知事:倫理上問題がある文書というのは、これまで申し上げてましたんで、その範囲内で、どういった文書かというとわいせつな文書ということを申し上げただけです。
 Arc Times:でも、そのわいせつな内容は、知事は知っているんでしょうか、知らないんでしょうか。
 知事:中身は見ていませんけども、極めて不適切な内容だということを、この場では言えませんけど、あったということは聞いています
 Arc Times:それは人事課の判断ということなんですね。
 「わいせつ」というのは、主観的な判断ですけれども、そういう判断を県当局として、人事課も知事もしているということでいいんですね。
 知事:わいせつな文書だとは思いますね。

 それを公用パソコンでやられていますので、そこは1つの処分理由の中に、やっぱり業務上関係ない文書を作っていた。
 それは何かというと、倫理上極めて問題のある文書だということで。
 やっぱり、県民皆さんの税金を投入して、職務中にそんな文書を作っていたらですね、これは他の団体でも、パソコンを閲覧していましたと、それを勤務時間中に、例えば、競馬サイトとかアダルトサイトを見ていた場合に、それを理由に懲戒処分をされているというケースもあるとは思うんですけど、それと同様に、やっぱり勤務時間中に、業務と関係ないことをやっていたという場合には、やはり処分対象になるというだけの話ですね。
 Arc Times:これだけ公益通報者保護法の問題になっている中で、その妥当性が問われてきた中で、この9カ月、知事はあえて本人が、今、公益通報者であるということが分かっていながら、本人の不利益になることを、今、まだこの場で言い続けるわけですね。
 知事:4月4日以降は、公益通報された方ですけど、3月の外部に文書をされた時点については、我々は誹謗中傷性の高い文書を作成された、そこで調査をした結果、ご指摘いただいた文書を含む、4つの非違行為が見つかったということですね。
 Arc Times:今回の報告書について、知事は、今日の囲み取材で、公益通報者保護法に違反する可能性が高いというところについては、適法だという可能性もあるということだという風に言い、処分についてはもう確定したことだという風に言い、この文書については誹謗中傷性が高いと。
 この報告書では、文書には一定の事実が含まれていると、知事は事実無根、嘘八百と言ったけれども、ここには事実があったという風に言われているわけですが、これについても、誹謗中傷性が高いということで見解が変わってないわけですよね。

 知事:例えば、五百旗頭さんの話で言いますと、副理事長の任を解かせていただいたということは、事実としてはありますけども、命を縮めたということは事実ではないという風に思いますので、そこは誹謗中傷性が高いと思いますね。
 Arc Times:結局、メインのポイントで、真っ向から反対する見解を知事は全部述べているんですけど。
 これは地方自治法100条に基づく、極めて重い、偽証ができない、この県においては51年ぶりの報告書なわけですが、それを知事は、1つの見解という風にしか捉えていなくて、その内容については、全て主要なポイントにおいて全く聞く耳を持たないという状態なんですけれども、それがゼロ回答、自分の考えを変えないというのが、先ほどの必要な研修うんぬんのところはいいので、含めてゼロ回答というのは知事の答えなんでしょうか。
 そう受け取らざるをえないんですけれども。
 知事:ゼロ回答ではないとは思いますけども、やはり我々が主張すべきポイントはしっかり主張していくということは大事だと思いますし、改めるべきところはしっかり改めていくということで、百条委員会の報告書は本当にしっかり受け止めさせていただきたいと思います。
 Arc Times:私も昨日、会見に出ましたが、その意味では、議会はこれに対して、皆さん真摯に受け止めて欲しいと言っていましたが、知事は、しっかり受け止めるとは言いつつ、中身については全く逆のことを言い続けているわけですが、これは県議会とすると、後は、再び178条、不信任のとこに行くしかないということでしょうか。
 知事:ちょっとそこは分からないですけど、私としては、やっぱり百条委員会の報告書というのは、大変重いですから、そこは、しっかりと受け止めていくと。
 改めるべきところはしっかり改めていくということが大事だと思いますし、今日は2月補正予算も可決していただきました。
 本当にありがたいと思いますし、当初予算についてもこれからぜひ成立していけるように、議会側と未来志向の政策議論をしっかり深めていくということが大事だと思っています。
 Arc Times:アンガーマネジメント研修は、知事は受けるつもりがあるのでしょうか、ここで指摘されていますけど、これは知事のことを指していると思いますが。
 知事:ハラスメント研修というものは、しっかり受けようと思っていますので、そういった中でしっかり対応していきたいという風に思います。
 毎日放送:文書への対応を検討する上で、業務時間中に業務上必要のない、業務とは関係のない文書を作る人が作成した文書だから真実相当性がないという風に考えたということはありますでしょうか。
 知事:それはないですね。
 毎日放送:しっかりと切り離していたという認識で合っていますか。
 知事:やはり文書の内容について、私自身もそうです。
 これまで述べているとおりですね、通報対象事実について、やはり、客観的な裏付けや証拠がないということと噂話を集めて作成しただけだということをおっしゃっていたんで、それと誹謗中傷性の高い文書だということで、保護すべき外部通報としての要件は欠いているという風に考えていましたね。
 毎日放送:今回、報告書がまとまったことで、文書の中の一定の事実が認められたということですけれども、改めて嘘八百という発言については、どういう風に振り返られますか。
 知事:叱責をした、強く注意をしたことがあるとか、そういった事実については、確かに私も付箋を1枚投げてしまったりとか、机を叩いたという事実はあるということですね。
 一方で違法性の認定については、それぞれの項目で、どこまでされたかというとそこは違法性の認定というものは、あの文書を見る限りは、可能性としては触れつつも違法の認定はされてなかったということが、調査結果でもあるとは思います。
 いずれにしても、議会側からのご指摘ですね、これはやはり真摯に受け止めて、しっかり対応していきたいという風に思います。
 毎日放送:一定の事実が認められている状況ではありますが、行き過ぎた表現だったとは思っていないということでしょうか。
 知事:一定の事実は認められた面もありますけど、先ほどの、例えば、五百旗頭先生とかで言いますと、人事異動が先生の命を縮めたということは明白だというそこの一番大事なポイントのところが、やはり、そういった事実はない、認定されていないということがありますので、そこはやはり、文書の内容というのは、私どもとしては、誹謗中傷性の高い事実でないことが多々含まれている文書だという思いは、今も変わっていませんね。
 毎日放送:発言自体を撤回もされないということでしょうか。
 知事:そうですね。

 発言自体は強い発言だったという風には反省はしています。」
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2855/斎藤元彦兵庫県知事・2025年3月5日(水)記者会見①。

 斎藤元彦兵庫県知事・2025年3月5日(水)記者会見(一部)①
 出所/兵庫県庁「知事記者会見(2025年3月5日(水曜日))」
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 産経新聞:報告書〔いわゆる百条委員会報告書—掲載者〕の中では、告発文書について一定の事実が含まれていたことが認められたというような明記もされていますが、知事としてはこれまでの県の対応については適切だったとお考えでしょうか。
 知事:議会側から百条委員会の報告書で、一定の見解が示されたということは、しっかり受け止めるという必要がございます。
 改めていくところはしっかり改めていくということが大事だと思います。
 文書問題に関して、県の対応というものは、これまで申し上げているとおり県としては適切だったという風に考えています。
 産経新聞:告発者を懲戒処分とした一連の県の対応について、報告書では公益通報者保護法違反の可能性が高いというような明記もされています。
 その際、囲みの取材の時にその可能性について、逆に言うと適法性の可能性もあるというようなご発言をされていたんですけれども、もう一度説明をしていただければと思います。
 知事:今回、議会側から報告書で一定の見解が示されたということは重く受け止めるということが必要だと思います。
 県としては、今回の文書問題に関する初動の対応から、懲戒処分の対応まで、これは弁護士とも相談しながらやってきたということ、そして、文書について誹謗中傷性の高い文書だということで、作られた方を調査したということです。
 それを踏まえた調査結果とそれを含めた4つの非違行為というものが、判明しましたので、懲戒処分をさせていただいたということです。
 内容、手続きともに問題なかったと考えています。
 公益通報の関係については、有識者の中でも様々な見解があるということで、違法性があるという指摘をされている方も百条委員会でもおられましたけれど、一方で、文書等ではやむを得なかったとか、そういった違法性がなかったという旨もおっしゃっている方もおられますので、意見が分かれるという問題ではあると思いますけれども、県としては違法性の問題はなく、適切だったという風に考えています。
 産経新聞:認定について断定をしていないから適法の可能性もあるんだというご説明ということですか。
 知事:可能性というもので、違法性についての可能性ということをおっしゃっていますので、可能性というからには他の可能性もあるということだと思います。
 産経新聞:報告書の中で、今回の県民局長に対しての救済回復の処置をとるというような規定に基づいた対応も必要だということも明記されています。
 改めて元県民局長の名誉回復について、例えば処分撤回をするなり、謝罪をするなり、そういったことを考えないでしょうか。

 知事:元県民局長が亡くなられたということは、大変残念で、改めてお悔やみを申し上げたいと思います。
 元県民局長も県政に長年にわたりご尽力いただいたということへの感謝もやはり大事だと私自身も思っています。
 一方で、今回の文書については、文書そのものが誹謗中傷性の高い文書だということと、多方面に実名を挙げて、企業名であったり個人名、病名まで実名などを挙げてやられて、事実でないことが含まれるような文書でございますので、誹謗中傷性の高い文書だということです。
 それに基づいてどなたが作られたかということを調べざるをえなかったというのが今回の対応です。
 そして、公用パソコンの中に、当該文書のデータが見つかったということ。
 それ以外にも、他の職員の写真画像、これは、本来は、人事課でおそらく保存されているもんだと思いますけど、それを抜き取って保存していたということ。
 別の部長への誹謗中傷とされるハラスメントの文書を作成されたということです。
 それから四つ目が、倫理上極めて不適切なわいせつな文書を作成されていたということで、4つの非違行為が判明しましたので、ここは懲戒処分ということになりました。
 懲戒処分の内容、手続きともに適切だった、適正だったと考えています。
 懲戒処分に対しては、先ほどの囲み取材でも申し上げましたけれど、もし不満、そして不服があれば、これは人事委員会というところに不服申し立てができます
 そこで審査がされて、もし、そこで本人の申し立てが通らなかったとしても、次は裁判ということでいきますので、ご本人が本当に不服や何か問題があるのであれば、人事委員会などに申し立てや裁判をするということができたはずです。
 ご本人はされなかったということで、それで懲戒処分というものは確定したというのが今の見解でございます。 

 産経新聞:先ほどの処分の理由の中で元県民局長が公用パソコンの中に保管した私的文書の内容について触れていました。
 倫理上極めて不適切な文書というような表現をされていたと思います。
 当初の処分の発表ではその内容について業務と関係のない私的な文書を多数作成というような説明の仕方をされていたと思います。
 今、現在、その内容に触れた説明をするという、その意図というか意味というのは、どういったところにあるんでしょうか。
 知事:倫理上問題のある文書というものは、これまでから申し上げていましたので、それが業務上じゃない文書ということで、どういった文書かということで説明したということです。
 産経新聞:この私的文書の内容について、県保有情報であるにもかかわらずSNS上にも流出してしまうという問題にも発展していると思いますが、そういったその内容に触れる発言を知事自身が行うというところの重大性についてどういうお考えでしょうか。
 知事:文書のその件については、今、第三者委員会の方で調査がされているというとこだと思います。
 その結果を、今、待っているというとこです。
 公用PCですから、県民の皆さんのパソコンの中にあった文書が業務時間中に業務と関係ないということをされていたということですから、そこの内容について、倫理上不適切なわいせつな文書だったということを申し上げているということです。
 産経新聞:私的文書について、先ほど言った「わいせつな」という表現をされていたと思いますけれども、これが流出されたことによって、一方でその告発文書の信用性というものも、失わせるような発信をするSNS上では見られるんですけれども、そういった事態がある中で、なぜ知事も「わいせつな」というような表現をするのかというところを教えてください。
  知事:公用PCの中身というものが、1つの我々が懲戒処分をさせていただいたということで、4つの非違行為ということになります。
 その1つの中が今申し上げた、業務上関係のないというものの中で倫理上問題のある、文書だったということです。
 それを申し上げたということです。
 産経新聞:有識者の方にも取材をしていると、そういった私的文書が流出してしまうこと自体も告発者の不利益扱いだというような見解を示されている有識者の方もいるんですけれども、そういった中でも中身について触れる説明をしないといけないですか。
 知事:懲戒処分の1つの理由になっています。
 これは業務上と関係ない、倫理上極めて問題のある文書だということで、これは申し上げるということは問題ないと思っています。

 日経新聞:今回、報告書を受けて、斎藤知事はこれまでの対応、県の対応は適切だったと従来の説明をされていると思いますが、仮に適切だと思っていても、当時を振り返って、より良い判断というのはいろんな場面であったかと思います。
 その中で、今回、報告書が出ていろんな課題も指摘されていると思いますが、当時を振り返ってこうするべきだったと思ったり、今後それを振り返る機会をしっかり作るなど、その辺りはどのようなご認識でしょうか。
 知事:内容で言いますと、議会側からもご指摘があったとおり、風通しの良い職場づくりに向けて、研修などをしっかりやっていくということは本当に大事だと考えています。
 物品受領についても、県民の皆さんから疑念を抱かれないようなルールづくりは大事だと考えていますので、そういった改めるべきところはしっかり改めていくということが大事だと考えています。
 その点も含めまして、一連の対応については、私としては問題ないと考えています。
 日経新聞:県として調査するのではなく、最初から第三者機関に委託するなど、その辺りについても特に思うことはないということでしょうか。
  知事:あの時、取り得る対応としては、最善の対応だったと考えています。
 確かにいろんなご指摘はあると思いますが、やはり、誹謗中傷性の高い文書が作成されて、多くの個人や企業の名称が出て、そして核心的なところが事実でない、信用を失墜しかねない違法行為などをやっているという内容でしたので、そこは早く対応しなければならないということで、誰が作ったかを調べたという対応ですから、ここは初動からも含めて対応に問題はなかったという風に考えています。

 日経新聞:今日の本会議後の知事囲み取材の中で、報告書の結果については、最終的には県民がどう判断するかが大事という発言もあったと思います。
 そこの意図をお伺いします。
 これまで、例えば、パワハラであったりとか、公益通報に関しては司法の判断という発言もあった中で、その辺の考えは従来と変わらないのか、何かお考えがあるのでしょうか。
 知事:そこについては従来と変わりません。
 ハラスメントについても、民事で言いますと、当事者がハラスメントだとされて、司法の場で判断されるということも一般的ですし、公益通報についても、通報された方が、公益通報についての争いをするということで、違法性の判断というものは司法の場でされる。
 これは百条委員会で弁護士もおっしゃっていたことだと思いますので、最終的には、今回、百条委員会で報告書が出まして、議会側の議決を受けたということですから、これについては県民の皆さんが最終的にどのようにこれを見て判断されるかというところはあると思います。
 日経新聞:最終的には司法の判断だけれども、県民の見方というのも重視したいと、そういう意図でしょうか。
 知事:文書の内容についての判断は、最終的には司法の場ということを、今おっしゃった2点については、そういうことだと思いますが、私が申し上げたかったのは、議会が今回報告書を議決したという議会の対応など、こういったものは、最終的には県民の皆さんが、どのように見て、どのようにこれから判断していくのかということです。

 日経新聞:その点で言えば、今、弁護士6人で構成している第三者委員会があると思いますが、元裁判官という意味では司法の見方という点では非常に精度の高いものかと思います。
 その結果を今後知事は受けると思いますが、真正面からしっかり受け止めていくのか、それでもやっぱり司法の場ということになるのでしょうか。
 知事:第三者委員会の結論については、まだこれから、調査中で結論が出ていないので、そのコメントはまた出てからだと思います。
 読売新聞:報告書の総括で指摘されている、「県のリーダーとして厳正に身を処していかれることを期待する」という部分についてですが、昨日の百条委員会の会見で、委員の1人から、「知事は議会とのコミュニケーションを重視する、しっかりと話し合っていくと再選後もおっしゃっている中で、議会と知事との間にこの報告書が位置付けられているものだと思っている。この報告書をどう受け止められるか、議会を重視してコミュニケーションをとっていくところの表れだ」と発言されていますが、再選後も訴えていた県議会とのコミュニケーションの取り方について、今後、斎藤知事はどのようにお考えでしょうか。
 知事:県議会も今回の代表質問や一般質問を通じて、政策について未来志向での提案や議論をいただいたということが大変多かったと私は捉えています。
 これが、県知事側と議会側のあるべき姿だという風に本当に思いますので、こういった政策議論を通じて、これは本会議だけではなく、機会ごとにやっている各会派との意見交換であったり、そういったことを通じて、政策の議論、そういったものをしっかりコミュニケーションしながら深めていくということが、本当に大事だと思っていますので、これはしっかりとこれからもやっていきたいと考えています。
 読売新聞:斎藤知事としては、再選前と再選後で、コミュニケーションの取り方は大分綿密になってきているとお考えでしょうか。
 知事:まだ11月に再選してから3ヶ月ほどで、これからしっかりやっていくということ、これは12月議会や今回の2月議会でも、本当に闊達な政策論争というものはされていると思いますので、引き続き、議会側と議論を闊達にしながらコミュニケーションを図っていきたいと考えています。
 読売新聞:本日の本会議で、増山県議による報告書に対する反対討論をされている際に、斎藤知事がうなずかれている場面があったと思いますが、知事はどのような思いで、その辺を聞かれていたのか、共感される部分もあったのかと思ったんですが、どのような感じだったんでしょうか。
 知事:私、うなずきましたっけ。あまり認識はしていないのですが、すみません。
 人の話を聞いている時にうなずきながら、というのは、よくやることですので特に他意はございませんが、ご主張をしっかりされたという姿を見ていたということです。

 読売新聞:報告書の中身で指摘されている部分について、独立性を担保するために、県以外の第三者委員会に調査を委ねるべきだった、第三者委員会を設置することとしたが、本来は元県民局長の処分前に設置し、処分するのであれば、その調査結果に基づいて処分を行うべきだったと考えられるとの指摘がありますが、これについてどのようにお考えでしょうか。
 知事:1つの議会側からの見解だとは受け止めてはいますが、いろんなやり方があるということだと思います。
 私としては、当時の兵庫県として取り得る対応は、先ほど申し上げた、初動からの対応は適切だったと思っています。
 読売新聞:元総務部長による元県民局長のプライバシー情報の漏えい疑惑について、県として刑事告発も含めた厳正な対応を早急に求めると指摘がありますが、知事としてこの指摘を受けてどのように動かれていく予定でしょうか。
 知事:ここは、今、第三者調査委員会で調査を進めているところですので、その調査結果を待って、適切に対応したいと考えています。
 読売新聞:先ほど、日経新聞の報告書を受けてという話で、知事ご自身として改めて今回の指摘を受けて、風通しの良い県政とか、贈答品のルールなどもあったと思いますが、これまで気付いていなかった部分で、反省しなければいけなかったとご自身の中で思われるような、ご自身の課題について何かありましたか。
 知事:職員とのコミュニケーションということで、感謝の気持ちを伝えさせていただいたりとか、そういったところです。そこは本当に大事なポイントだと思いますので、そこをよりこれから大切にしていきたいという風に考えています。
 読売新聞:元県民局長の公用PCの中身の私的情報について、先ほど明言される部分があったと思いますが、知事は中身をご覧になられたんでしょうか。 
 知事:私は見たことはないです。

 読売新聞:見たことはなくて、先ほどの話というのは、人事課からずっと前から聞いていた話ということですか。
 知事:見つかった当初に倫理上極めて問題のある文書だということを聞いていました。
 読売新聞:その後、確認した部分から新たに確認したということではないということではないですか。
 知事:ないです。
 そういった文書がありますということは聞いていました。
 読売新聞:その当時発言されていなかった「わいせつな」という部分で、今回、出たという理由は何かあるのでしょうか。
 知事:倫理上、極めて問題があるということで、それはわいせつな文書だということです。 
 読売新聞:これまではそういったお話は出てなかったように思うのですが。
 知事:そうでしたっけ。
 倫理上問題のある文書ということで、そういった趣旨も含めていると思いますので、そこは、今日申し上げたというところです。

 毎日新聞:百条委員会から報告書が出ました。
 先ほどの囲み取材でも、今の会見でもそうですが、それについては、議会側からの1つの見解だとおっしゃっています。
 今、同じ文書問題についての第三者委員会の調査が進んでいまして、月内にも結果が出ると思います。
 その結果が、県議会の百条委員会の結論と重なる部分については、たとえ、今までの県の見解と違っていても、そこの部分というのは改められるのでしょうか。
 それとも、あくまでもそれは違うんだということになるのか、その辺どのようにお考えなんでしょうか。
 知事:第三者委員会の結論はまだ出ていませんので、それが出てみないことには、そこについては、どういう考えかというのは難しいかと思います。
 報告書が出てからの対応だと思います。
 毎日新聞:知事ご自身の姿勢としてそこはどうなんでしょうか。
 2つの報告書から、これまでの県のやったことは、これは間違っている、違うというような指摘があった場合に、それを受け入れられるのか、それとも、そうではないのか、知事の姿勢としてどうでしょうか。
 知事:今日もそうですが、1つの見解としてしっかり受け止めていくことは大事だと思います。
 毎日新聞:第三者委員会の結論もまた1つの見解ということですか。
 知事:そこは内容を見てみないと分からないですが、第三者委員会としての報告書が出たら、それをしっかり見解として受け止めていくということは大事だと思います。

 毎日新聞:議会との対話の件で。先ほど浜田議長が取材に応じられ、その時に、百条委員会の報告書に関して、知事の方からオファーがあれば喜んで対話はしたいと。
 現状としては、11月に就任されて以来、なかなかじっくり話す機会もなかったということで、浜田議長の方はそのような見解ですが、知事として、直接会談をするとか、面会してこの件について話をするということについてはどのようにお考えですか。
 知事:それは政策の話をしたいということですか。
 毎日新聞:県議会として百条委員会が51年ぶり報告書を出したという、この件についてです。
 知事:必要があればぜひ会いたいと思いますけども、議会側からは、今日、議決が本会議でされて、私どもの方にも、議長名で文書が来ましたから、そこが、議会側からの報告書の提出があったということですので、そこで文書問題についての対応というものは議会側として、一定の節目を迎えたということだとは思います。
 毎日新聞:コミュニケーションを重視されるということであれば、報告書という書類ではなく、それを基に直接お話しされることがコミュニケーションを深めることになると思いますが、その辺はどうお考えですか。
 知事:そこは必要があれば、やるということは大事だと思っています。
 読売テレビ:先ほど、片山元副知事がコメントを出しまして、元県民局長の公用PCのデータについて、自主的な公開を知事に求めていくという風に話しました。
 ただ、この私的情報については、生前、元県民局長が取扱いの配慮を百条委員会に求めていた内容でもありますが、この公用PCのデータの知事の自主的な公開についてはどのようにお考えでしょうか。
 知事:元副知事からのコメントは、ちょっと承知はしていませんが、公用PCについては、基本的には、県民の皆さんの税金で購入させていただいて、使用させているもの、公のものですから。
 そこにもちろん、人事課とかに、家族とかの個人情報とかが保存されて、そういったところのプライバシーとか、そういう写真とかというのは、大事に保存・保管しなければいけないというのはあります。
 一方でやはり、公用PCですからね。
 ここは県民の皆さんが、どういった使われ方をされているのかというのは、税金ですから、関心も高いですし、チェックをしたいという思いはあるとは思います
ので。
 ただ、今回については、現時点ではそういった公用PCの中身を公表するということは、県としては決めてはいません。
  読売テレビ:確認ですが、決めてはないけれども、精査した上で検討したいということなんでしょうか。
 知事:そこは、現時点では、公表するということは決めてはないんですけども、いろんなご指摘はもちろんあると思いますので、そこはどういう風にするかというのは、公用PCですからね、やっぱり税金で買わせていただいたパソコンなので、そこがやはり業務と関係ない使い方をされていたということは、やはり県民の皆さんにとっても、どういう使い方をしていたんだと、自分たちの税金で買って、公務員が業務に使うということが、やはり本来のあるべき姿でしょうと。
 そこは、税金を払われている納税者の方々から見てやっぱりいろんな関心はあると思いますので、そこはどういった対応ができるかというのは、最初から全てがだめとかという議論ではなくて、それは、手続きとか内容の精査をしながら、どういう対応をするかということを、決めていくことになるとは思います。

 読売テレビ:これまでのやりとりの中で知事は今回の報告書の件、1つの見解として受け止めるという風に発言されていますけれども、一応、今回その見解を出したのが、二元代表制の一翼を担う議会が出したということです。
 議会も、知事よりも前の選挙ではありますが、県民の負託を得ているという状況で、1つの見解というのは、少し報告書を矮小化しているにも聞こえるんですけれども、それでも1つの見解という受け止めなんでしょうか。
 知事:大変重い見解だという風に思っています。
 やはり、二元代表制の一翼を担う議会から今回、百条委員会の報告書として、1つの見解が示されたということは、やはり我々としてはしっかり受け止めなければいけないという風に考えています。
 NHK:百条委員会の報告書では、パワハラの疑いなどについても一定、事実の内容も含まれていたと。
 これに対して、知事はこういった報告書というのは1つの見解だというところで、ある種、百条委員会側ひいては議会側と知事の間で、すごく相入れない部分があるのかなと思っていまして、それはどうやって間を埋めていかれようとしているんでしょうか。
 知事:相入れていないという風に私は全く思っていなくて、もちろん議会側からの提言にもあったですね、アンガーマネジメント研修を取り入れて欲しいとか、あとは、物品受領についてのルールづくりを、会食も含めて、しっかりやって欲しいということで、そういった提言というものは、やはり我々としてもその見解をしっかり受け止めて、それを改めるべきところに、反映させていただくということは本当に大事だという風に思っていますので、そこはしっかりやっていきたいという風に思っています。」

 「NHK:文書問題の報告書とは、切り分けて予算は予算としてしっかり議論をしていくべきということですか。
 知事:今日、県議会で百条委員会の報告書をいただいたということは、大変重く受け止めるということは大事だと思います。
 改めるところをしっかり改めていくということが、私自身も大事だという風に思っていますので、その上で、謙虚な気持ちを持って、政策を進めていくという意味で、百条委員会の提言というものもしっかり踏まえていくということが大事だと思いますし、その上で、来年度予算の成立、これはやはり県民の皆さんの大きなご負託の中で、県の事業、予算というものをしっかり前に進めて欲しいということが、111万票ですね、それ以外の方も含めて、やはり県政をしっかり前に進めていって欲しいのが、県民の皆さんの総意、大きな思いですから、それを体現していくということ、それを実現していくということが、斎藤県政にとって大事なことだと思います。
  NHK:最終判断は司法の場というところ、今日に限らずこれまでも述べられました。
 昨日、百条委員会の報告書をまとめて、今日、賛成多数で了承されたと。
 知事自ら、最終判断は司法の場というところがちょっとふわっとしていて、知事はこの評価を受けて、何か司法の判断を仰ぐようなアクションとかは取られるおつもりなんですか
 一方で文書を書かれた元県民局長の方は亡くなられているので、そういう行動はできないと。
 やるとしたら知事ご自身が何か司法の場において判断を仰ぐなどそういったアクションは現時点で何か考えられているんでしょうか。
 知事:私からはないと思います。

 NHK:先ほどお話あった公用パソコンの公開というのは、元県民局長の公用パソコンの公開ということでよろしかったですか。
 知事:先ほどのご質問の趣旨が、そうであればそうだということです。
 NHK:先ほどの質問も確か元県民局長のパソコンの公開についての質問だったと思うんですが、知事としても、そこは公開も検討ということでしょうか
 知事:そこはいろんな、情報公開請求とか、いろんなものがどういう風にあるのかちょっと私は承知していませんけども、そういったものがあったりする中で、どういう風に対応していくのかというのは、今後、情報公開請求などがあればとかですね、あとは、いろんな県民の皆さんの関心など踏まえて、どういう風にしていくかというのは、今後、議論を全くしないというよりも、そういった議論はあり得るという可能性を言ったということですね。
 NHK:県民の皆さんからの関心も高まり、仮に情報公開請求があった際には元県民局長の公用パソコンの公開というのも一定可能性としてはあるということですか
 知事:請求とかがあれば、もちろん検討はしていかなければいけないと思いますし、最初から全てを公開しないのかというものでもなくて、それは一応そういった可能性としては、議論をしていくということはあり得るというだけの話ですね。

 朝日新聞:先ほど、知事がおっしゃいました元県民局長が公用パソコンで作成した私的文書の内容について触れられた件なんですけども、産経新聞もおっしゃっておられましたが、懲戒理由は、業務中に業務と関係ない文書を作成したということで、要は職務専念義務違反が理由だったはずで、「わいせつな」というその内容について触れるのは、元県民局長を不必要に貶めるようなことにならないでしょうか
 知事:倫理上、極めて問題のあるは文書だということはこれまでも申し上げていましたし、その倫理上問題があるということは、その中で、わいせつな文書だということを申し上げたということです。

 朝日新聞:報告書では、告発文書には一定の事実が含まれていたとしている一方で知事は、昨年の3月の会見で嘘八百ですとか、それ以降も真実相当性がないとおっしゃっておられました。
 この真実相当性がないという部分については、何か撤回とかそういったお考えはいかがでしょうか。
 知事:我々としては、噂話を集めて作成したということとかですね、あと文書の内容についても、具体的な供述や裏付けがなく、誹謗中傷性の高い文書だということですので、従来の見解から変わってはいません。

 朝日新聞:パワハラについてです。
 報告書では、先ほど知事は、違法性の認定はないと先ほどの囲み取材でおっしゃいました。
 業務上必要な範囲の厳しい指導をしたということでしたけれども、百条委員会の調査では、指導として必要のない行為だったとか理不尽な叱責だったという証言も出ていまして、県立考古博物館の叱責について、報告書では極めて不適切な叱責と評価もしています。
 提言のところでは、業務上必要な範囲ではない不適切な指導が、複数あったということはまず知事自身が認めることが重要で、言動を真に改める姿勢を持たなければならないとしておりますけども、この提言に対してはどう対応されていかれますか。
 知事:私としては、これは前から申し上げているとおり、業務上必要な範囲内で、これは厳しくもありましたけども、注意させていただいたり、指導はさせていただきました。
 そこについてもし不快な思いをされたという方がおられるんだったら、申し訳ないという風に思っていますけども、あくまで業務上の必要なところで、注意をさせていただいたりしたというところだと思います。
 一方で県議会の百条委員会の報告書からは、そういった意味も含めたコミュニケーションをしっかりやっていくということの大事さも、主旨として提言されていると思いますので、県職員の皆さんへの感謝の気持ちとか、そういったものはしっかりこれからも伝えていくと、言葉として伝えていくということをぜひやっていきたいという風に考えています。
 朝日新聞:今も、職員が不快に思われたら申し訳ないというようなことだったんですけども、不適切だったとは今からでも思われないということでしょうか
 知事:私としては、厳しく指導や注意もさせていただきましたが、業務上の必要な範囲内で本当に県政を良くしたい、良い仕事をして欲しいという思いでさせていただいたという風に考えてはいます。
 ただ、厳しくやるということで、不快に思われたりした方がおられれば、そこは申し訳ないという風に思っています。

 朝日新聞:元県民局長の名誉回復の件で、百条委員会の奥谷委員長が、昨日、「百条委員会は裁判所ではないので、公益通報者保護法違反であると断定はしていないけれども、その可能性があるんであれば、県として検証して、問題があるなら法に従って適切に対応して欲しい」という思いだとおっしゃっておられました。
 改めてその対応が適切だったかどうかの検証というのをするお考えというのはいかがでしょうか。
 知事:そこは百条委員会で一定検証されて、これから第三者委員会でも検証されるということだと思いますし、私としてはこれまで会見の場でも、対応が適切だったということは、何度も申し上げてきたというところだと思います。
 いずれにしても、今回、百条委員会から、そこについて一定の見解も示されましたが、私としては、今回の懲戒処分についての対応に問題はなかったという風に考えていますし、やはり、懲戒処分というのは、手続き内容を経てやっているものですから、ここは処分された方が、もし不服があれば、不服申し立てや裁判をされているというところが、1つのあり方ですから、そこをされなかったというところで、処分については確定をしているというのが今の見解ですね。
 朝日新聞:昨年、県議会が、全会一致で議決を決めた不信任決議案ですが、これは知事の資質を問題視された結果だったと思います。
 今回、百条委員会は地方自治法に基づいて設置されたもので、9ヶ月に及ぶ調査を経て出してきた調査報告書ですけれども、こういったところについては1つの見解と先ほどから繰り返しおっしゃいますし、先ほどの囲み取材の中では、違法の可能性が高いと指摘されたことについては、適法の可能性もあるとおっしゃいますけれども、今、ご自身の知事としての資質についてはどのようにお考えですか。
 知事:コミュニケーション不足とか風通しの良い職場づくりをしっかりしていくということは、ご指摘いただいたことなどは、真摯に受け止めて、改めるべきところはしっかり改めていくということが大事だという風に思っています。
 前回の選挙で、知事の資質というものが大きな争点になって、知事選がされました。
 そんな中で、政策を訴える中で、結果的に多くの県民の皆さんの負託をいただいたということですから、そこはそのご負託というものが、斎藤県政が進めて欲しいという知事のこれからのある意味、県政に対する推進をしっかりやって欲しいということを期待していただいていますので、そこもしっかり受け止めて、県政をこれから前に進めていくために、自分の資質や手腕をしっかり、発揮していきたいという風に考えています。

 フリー記者A:今日の記者会見では、ことさら、選挙に勝った、選挙に勝ったということをおっしゃっています。
 昨日発表された報告書を見ると、20メートル歩かされたこと等いわゆるパワハラ疑惑について、その概ねが事実として類推されるという風に結論づけられています。
 しかし、知事、選挙の最中に、怒鳴ってない、付箋投げてない、パワハラしてないとおっしゃってました。
 選挙の結果は尊いです。
 しかし、知事、演説の中で、この百条委員会で証言された内容と違うことをおっしゃっていました。
 有権者に対する街頭演説、力を入れられた街頭演説に虚偽の内容があったと言わざるを得ないと思うんですが、その点についてご見解何かありますでしょうか。
 知事:私は、付箋を1枚だけを投げてしまったということとか、厳しく注意をさせていただいたということは、選挙戦の中でも言ったことはあると思いますし、自分が虚偽なことを言ったという認識はないです。
 フリー記者A:三宮の街頭演説のときに、そんなことしてませんって明確におっしゃってます。
 知事:そんなことというのはちょっとよくわからないです
 フリー記者A:パワハラについてです。
 知事:パワハラかどうかというのは、最終的な司法の場が認定することですし、私としては、業務上必要な範囲で、社会通念上の範囲内で、指導や指摘をさせていただいたということで、そういった発言をしたんだとは思いますね。

 フリー記者A:百条委員会の報告書をしっかり受け止めるという風におっしゃっています。
 しかし、この百条委員会の報告書は、懲戒処分そのものの内容の妥当性ではなく、懲戒処分をしたことが、公益通報をしがたい組織風土をつくり、風通しの悪い組織を作ってしまうことがあり、県当局に対する真摯な反省を求めています。
 読み上げると、「この度の兵庫県の対応は、組織の長や幹部の不正を告発すると、告発された当事者自らがその内容を否定し、さらに通報者を探して公表された上、懲戒等の不利益処分等により、保護者が潰される事例として受け止められかねない状況にある。」この発言は極めて重いと思います。
 知事は組織のリーダーです。
 組織改革をする必要があると思いますが、この報告書の指摘する知事への要請内容とあなたが先ほどから俗に言う死体蹴りを重ねている。
 亡くなった元県民局長の名をあえて今日あなたは毀損しようとしている。
 今うなずいてますね。
 それと、この報告書をしっかり受け止めるというご発言が、報告書をしっかり受け止めるんであれば、今日ことさらに元県民局長の公用PCの内容を、ここで初めて卑猥な画像などという言葉を使って、さらす必要などないじゃないですか。
 あなたは人が死んだことは何だと思ってるんですか。
 知事:質問ですか。
 フリー記者A:あなたの人間性を問うてるんです。

 あなたの日本語能力に合わせましょうか。
 死者を冒涜するな。
 職員を馬鹿にするな。
 知事:ご指摘は、百条委員会の報告書というものは、しっかり真摯に受け止めていくということが、大事だという風に思っています。
 フリー記者A:真摯に受け止めるんであれば、今日の記者会見での元県民局長へのプライバシー情報に対する言及を取り消していただけないですかね。
 知事:倫理上極めて問題のある文書というものは、これまでも申し上げてましたし、その内容について申し上げたということです。
 フリー記者A:この度の兵庫県の対応は、組織の長や幹部の不正を告発すると、告発された当事者自らがその内容を否定し、さらに通報者を探して公表された上、懲戒等の不利益処分等により、通報者が潰される事例として受け止められかねない状況にあると百条委員会は、指摘してるんです。
 その状況を改善するおつもりはないということですか。

 知事:それは、公益通報というものが大変大事な制度ですから、これはしっかりやっていかなければいけないというのは、本当に私自身も強く思っています。
 やっぱり公益通報、これを通報対応者は保護していくということ、そして、しっかりそれを踏まえて是正措置をしていくということは本当に大事だという風に思っています。
 フリー記者A:大事だと思うんであれば、今日の記者会見の内容おかしくないですか。
 知事:私は、今日、質問していただいたことに、1つ1つに回答させていただいています。
 フリー記者A:処分は適切とおっしゃっていますが、百条委員会の報告書が指摘しているのは処分の内容の適切性ではなくて、処分に至る前の調査がまず行われたことが不適切だと言っています。
 その内容をどう受け止められるのかと、それと、昨日閣議決定された公益通報者保護法は、あなたの行為を明確に非合法化する内容です
 その閣議決定についての受け止めを教えてください。

 知事:この文書に関しては、私が文書に書かれた当事者として、事実と異なる記載があるということ、それから、個人名や企業名も多数含まれてますんで、これは放置しておくと、多方面に大きな影響や不利益を及ぼす内容であるという風に認識しました。
 だからこそ、しっかり調査対応するように指示したということです。
 そういった内容に誹謗中傷性があるものということで、作成者がどなたかということを調査をして、信ずるに足る相当の理由があるかどうかということを確認していくことが、法律上そこが禁止されているとは考えていないというのが、本会議でも説明させていただいたというとおりでございます。
 それから、法改正があったということですけども、それは国において公益通報のあり方というものをしっかり議論されて審議されて、先日、閣議決定がされたということですので、それはそういった法改正に基づいて、兵庫県においても、公益通報保護制度の改善をしていくと、制度上の対応をしていくと。
 既に、外部窓口の設置というものもさせていただいています。
 フリー記者A:僕はそんなこと聞いてないです。
 あなたは元官僚として自分の行為が立法事実となったことをどう受け止めていますかって聞いているんです。
 知事:国において、しっかり議論されて、法律の改正を閣議決定されたということですので、そこはしっかり受け止めたいと思いますね。
 フリー記者A:はい。しっかり受け止めてください。

 ————
 つづく。

2846/兵庫県議会「百条委員会」報告書・<総括>全文。

 兵庫県議会・文書問題調査特別委員会(「百条委員会」)が2025年3月4日にとりまとめた調査報告書の「目次」は、つぎのとおり。
 「Ⅰ 文書問題調査特別委員会について
  Ⅱ 任意調査について
  Ⅲ 文書の7項目にかかる調査の内容と結果について
  Ⅳ 公益通報者保護にかかる調査の内容と結果について
  Ⅴ 総括
  Ⅵ 提出を求めた資料一覧」
 上のうち、「Ⅳ 公益通報者保護にかかる調査の内容と結果について」の全文はこの欄にすでに掲載した。
 以下、「Ⅴ 総括」の全文をそのまま掲載する。下線は掲載者。
 出所—兵庫県議会ホームページ
 ————
 Ⅴ 総括
 調査結果のとおり、調査項目のうち、「令和3年の知事選挙における県職員の事前選挙活動等について」、「次回知事選挙に向けた投票依頼について」は文書の真偽について事実確認ができなかったが、以下の項目については一定の事実が確認された。
「五百旗頭真理事長ご逝去に至る経緯について」は、片山氏から副理事長解任を伝えられた五百旗頭理事長が憤りを覚えていたことが認められる。よって、公社や外郭団体の再編や人員削減において、憶測や不信感が生まれないよう、対象団体の状況を公平公正に判断し、当事者をはじめ関係者に十分な理解を得る努力を怠ることのないように求める。
 「知事が贈答品を受け取っていることについて」は、PR等でなく齋藤知事個人として消費していたと捉えられても仕方がない行為もあったと言わざるを得ない。昨年 12 月 11 日発表の「県民の信頼確保に向けた改善策の実施」において、一定の措置が講じられているが、受け取らない一定の基準を客観的に示すことや接待対応についてのルールの明確化も図るべきである。
 「知事の政治資金パーティー実施にかかるパーティー券の購入依頼について」は、片山氏の依頼により経済界に影響力のある県信用保証協会理事長が疑念を抱かれる行動をとっていたことは否めず、一般職だけでなく役員も含めた政治活動や選挙活動に関わる倫理規程等を定めることが必要である。
 「阪神・オリックス優勝パレードにかかる信用金庫等からのキックバックについて」は、資金調達が難航し、パレード後も継続して資金調達をする特異な状況に追い込まれていたことが認められるため、県が利害関係のある企業団体に寄附金や協賛金を依頼するにあたっては、行政運営に不信感を抱かれることのないよう細心の注意を払うことを求める。また、刑事告発されている背任容疑について、県関係者が起訴され有罪となる事態となった場合は、齋藤知事自らの管理・監督責任を重く受け止め対処することを求める。
 「知事のパワーハラスメントについて」は、「パワハラを受けた」との証言は無かったものの、パワハラ防止指針が定めるパワハラの定義である「①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの要素を全て満たすもの」に該当する可能性があり、パワハラ行為と言っても過言ではない言動があった。前述の「県民の信頼確保に向けた改善策の実施」において、一定の措置が講じられているが、知事、副知事などの特別職を含む管理職等へのアンガーマネジメント研修の実施など、さらに踏み込んだ対策に取り組むことを求める。
 公益通報者保護については、元県民局長の文書は公益通報者保護法上の外部公益通報に当たる可能性が高く、県の初動は、文書内容の調査をせずに通報者の特定を行うなど、不適切な対応に終始しており、現在も体制整備義務違反の疑いが指摘されている。初動対応のほかにも、調査方法や3月 27 日の記者会見、公益通報者保護法に対する関わり方についても問題なしとはいえない。
 この度の兵庫県の対応は、組織の長や幹部の不正を告発すると、告発された当事者自らがその内容を否定し、更に通報者を探して公表されたうえ、懲戒等の不利益処分等により通報者が潰される事例として受け止められかねない状況にある。
 今後は、知事を含めた幹部職員が公益通報者保護法に対する理解を深めるとともに、組織内の不正行為や違法行為に関する告発に対しては、常に公益通報の可能性を念頭に対応することが不可欠である。さらに、外部公益通報に対応できる体制づくりを進めるとともに、告発内容の調査に当事者は関与しないこと、通報者探索及び範囲外共有等は行わないことの明確化が必要である。
 井ノ本氏による元県民局長のプライバシー情報の漏洩については、告発者潰しを企図していたと言われかねない状況がうかがえる。弁護士による調査の結果を速やかに公表するとともに、県として刑事告発も含め、適切かつ早急な対応を求める。
 知事は、3月 27 日の記者会見で元県民局長の文書を「事実無根」、「うそ八百」と評したが、約9ヵ月に及ぶ本委員会の調査により、文書には一定の事実が含まれていたことが認められた。
 今回の文書問題を振り返ると、文書に記載の当事者である知事や幹部職員による初動対応や内部公益通報後の第三者機関の検討、元県民局長の処分過程など全体を通して、客観性、公平性を欠いており、法令の趣旨を尊重して社会に規範を示すべき行政機関の行うべき対応としては大きな問題があったと断ぜざるを得ない。
 最後に、齋藤知事におかれては、本報告書の期するところを重く受け止め、兵庫県のリーダーとして厳正に身を処していかれることを期待する。また、文書問題に端を発する様々な疑惑によって引き起こされた兵庫県の混乱と分断は、いま、憂うべき状態にあることを真摯に受け止めなければならない。これを脱却し、一刻も早く解消するために、県民に対して過不足のない説明責任を果たすとともに、先導的かつ雄県の名にふさわしい進取の気質に富んだ兵庫県政を取り戻すことを切に願うものである。
 ————
 以上。

2841/兵庫県議会調査報告書・<公益通報保護>全文②。

 兵庫県議会・文書問題調査特別委員会(百条委員会)が2025年3月4日にとりまとめた調査報告書のうち、「Ⅳ 公益通報者保護にかかる調査の内容と結果について」のみの全文掲載の二回め。体裁・様式は全く同じではないが、内容はそのまま。
 出所—兵庫県議会ホームページ
 ————
 「Ⅳ 公益通報者保護にかかる調査の内容と結果について
  1 委員会としての判断
  ア 認められる事実
  ————
 以上、前回
 以下の見出しはつぎのとおり。
 1 委員会としての判断
  イ 事実に対する評価
  1 公益通報者保護法違反について
   (1) 外部公益通報
   (2) 体制整備義務違反
  2 行政として取るべき対応
   (1) 初動対応
   (2) 調査方法の問題点
   (3) 齋藤知事の対応
   (4) 公益通報者保護法に対する齋藤知事や幹部の関わり方について
   (5) 文書問題の対応について
   (6) 情報漏洩
   (7) まとめ
 2 提言」
  —————
 以下、全文掲載
 「イ 事実に対する評価
 1 公益通報者保護法違反について
  (1) 外部公益通報
 元県民局長は、議員、マスコミ、警察の特定の者に文書を配布している。 齋藤知事は真実相当性が認められないと再三説明をしているが、真実相当性は公益通報に当たるか否かとは関係がなく、保護要件にとどまる。
 元県民局長の公用メール及び公用パソコンに保存された資料に基づき、クーデターや転覆といった言葉が並んでいたことや、元県民局長作成の人事案や知事を貶める資料があったことなどをもって、文書配布は不正な目的の行為に当たり、公益通報ではないと判断したという証言がある。しかし、当該文書入手(3 月 20 日)、協議時点(3 月 21 日)ではまだ公用メール及び公用パソコンの調査は行われておらず、当該文書の内容から不正な目的が明らかでない限り、公益通報ではないとの判断は調査後に行われるべきものであり通報時ではない。仮に公用メール及び公用パソコンの調査も含めて3月 22 日に作成者の特定を開始したことの正当性を主張するのであれば、公益通報者保護法に基づく指針に定められた「通報者探索防止措置」は事実上意味がなくなり、法令の趣旨を尊重して社会に規範を示すべき行政機関がとってよい行為とは考えられない。さらに「通報者探索防止措置」を認識せず行われた調査の中で、公用 PC の中の情報から非違行為を認定し懲戒処分にしたことは、違法収集証拠排除法則の法理に反するものであり、告発者潰しを行う材料にしたことは非常に不適切であると考える。
 なお、人事当局は特別弁護士に相談の上、不正の目的があったと判断したことはないと証言しており、県として不正の目的があったと公に認めていない。また、複数の参考人は、「専ら」公益を図る目的の通報と認められる必要はなく、交渉を有利に進めようとする目的や事業者に対する反感などの目的が併存しているというだけでは、「不正の目的」であるとは言えず、不正目的の認定は慎重に行う必要があるとしている。
 「通報対象事実」については、少なくとも阪神・オリックス優勝パレードにかかる信用金庫からのキックバックについて背任罪の可能性があり、通報対象事実が含まれている。なお、刑法の背任行為として刑事告発され県警に受理されている。
 以上のことからすると、今回の調査では、元県民局長が齋藤県政に不満を持っていた事情はうかがえるものの、元県民局長は今回の文書作成については後輩職員のためを思い行ったと主張しており、人事課調査による判断と同様に、不正な目的であったと断言できる事情はないと考える。
よって、元県民局長の文書は公益通報者保護法上の外部公益通報に当たる可能性が高い。
 (2) 体制整備義務違反
 公益通報者保護制度を所管する消費者庁は、公益通報者保護法に基づく指針第4の2(1)不利益な取扱いの防止に関する措置及び(2)範囲外共有等の防止に関する措置は内部通報した場合に限定せずに、処分等の権限を有する行政機関やその他外部への通報が公益通報となる場合も公益通報者を保護する体制の整備が求められるとしている。他方、今回の文書の場合には、通報の探索が例外的に許容されるのではないかという参考人の意見もあった。
 しかし、上記のとおり、法令の趣旨を尊重して社会に規範を示すべき行政機関としては、公益通報者保護法に基づく指針を原則通り遵守すべきと考えられる。
 文書内容の事実確認よりも通報者の特定を優先した調査や3月 27 日の記者会見での文書作成者を公にしたこと、元県民局長のプライバシー情報の漏洩などは、公益通報者保護法に基づく指針第4の2(2)「範囲外共有等の防止に関する措置」を怠った対応であり、現在も違法状態が継続している可能性がある。
 2 行政として取るべき対応
 (1) 初動対応
 3月 21 日の協議時点で齋藤知事及び参加者は当該文書を誹謗中傷の文書であると認識しており、公益通報の議論はなかったという証言があることから、初動対応において公益通報に関する認識はなかったと考えられる。そのため、3月 22 日には作成者の特定のために元県民局長らの公用メールの調査等に着手し、3月 25 日に作成者を元県民局長と特定、3月 27 日には知事が記者会見で本人が認めていなかったにもかかわらず、事実無根だと認めているような発言のほかにも「公務員失格」と通報者を侮辱するような発言をしている。
  しかし、当該文書の内容は、本委員会でも一定の事実認定ができており、全くの事実無根とは言えないため、齋藤知事らは公益通報に該当しうるかもしれないという前提に立ち、作成者の特定を行う前に、まずは当該文書の内容を調査すべきであった。
 また、3月 27 日の記者会見で県民局長の職を解き、通報者を公表したことは、告発者潰しと捉えられかねない不適切な対応であった。同日に元県民局長から告発文にある内容を精査してから対応して欲しいと片山氏に要請があったが、この時点から内部公益通報としての手続が必要であった。
 さらに言えば、齋藤知事らは当事者である自分たちだけで当該文書が公益通報に該当するか否かを判断するべきではなかった。法令を遵守することは当然のことながら、それが、法令の趣旨を尊重して社会に規範を示すべき行政機関がとる立場であると言える。
 また、参考人によると、公益通報事案については、受付、調査、是正措置等の対応全てを通じ、不利益取扱、範囲外共有、通報者探索が禁止され、これに違反すると体制整備義務違反状態となるため、調査結果が判明する前にこれらの扱いをすることは原則として許されないし、調査結果が判明し、たとえ通報者の指摘する事実関係が認められなかったとしても、これらの扱いをすることが許されない場合があり得るとしている。加えて、告発の対象となった権力者が通報者探しを指示する場合、あるいはそれを承認する場合、その者の責任も厳しく問われるとの参考人意見もある。
 さらに、本年2月 18 日の衆議院総務委員会で政府参考人は、「法定指針の1号通報の対応体制において、事実に関係する者の公益通報対応業務に関与させない措置を求めているが、一般論として外部から不正行為について指摘された事業者は、自らが行う調査、是正に当たり、事実に関係する者を関与させないことなど、適切な対応が取ることが望ましい」と答弁している。 初動対応時の調査は、当事者である齋藤知事の指示の下、同じく当事者である片山氏が中心となって行っているが、調査は当事者が関与せずに行うべきであったと考えられる。通常であれば、このような案件の調査は人事課や各部総務課が調査を実施することになるが、利害関係者中心で調査を行うのは不適切である。これは内部公益通報時だけでなく、外部への公益通報の際にも同様である。今回のような知事及び県幹部が当事者である場合は、告発文に記載のあった当事者が調査に関わることのないよう利益相反を排除し、独立性を担保するためにも県以外の第三者に調査を委ねるべきであった。そのことが調査の過程及び結果の客観性・公平性・信頼性を高めることになる。県当局は後日、第三者委員会を設置することとしたが、本来は元県民局長の処分前に設置し、もし処分をするのであればその調査結果に基づいて処分を行うべきだったと考えられる。
 加えて、参考人によると、真実相当性の要件は、通報者の通報時点における状況から判断することや通報者の供述内容は、調査主体への信頼感により影響を受けるため誰が調査するのかが重要としている。元県民局長は、県当局の調査に対し、文書の内容を誰から聞いたかについて、単なるうわさ話と話しているが、元県民局長の立場からすれば、文書に記載されている当事者が調査に関わっている限り、情報提供者を守るために真実を話せなかったと考えられる。
 以上のように、県の一連の文書問題に対する初動対応は、県民の不信感を招く不当なものであったと考える。
 (2) 調査方法の問題点
 当該文書の作成者の特定はすべきではなかったという判断である。その上で、作成者特定に当たっての今回の調査方法には、今後の県政の信頼回復のために考慮しておく必要がある幾つかの問題点があったと考える。
 公用メールの調査について、公用パソコンは県から貸与されたものであり、業務以外の使用は禁じられているものの、そのメール内容の調査はその必要性や方法について慎重に検討を行った上で行うべきである。地裁レベルだが判例でも社内メールの調査が無条件に認められているわけではない。当委員会の調査では、メール調査に当たってのルール及び実施の記録がないことが判明している。これではメール調査を恣意的に実施でき、適正な調査であったかの事後の検証もできないと言わざるを得ない。
 今回の調査の中で行われた私用スマートフォンの内容確認は任意だったが、作成に関与したと疑われた人物の私物スマートフォンのLINEのやり取りを確認したことが証言と資料から確認されている。これは職員の人権への配慮を欠いた調査であり、しかも、その人物は結果的に当該文書作成に関わっていなかった。このような調査を人事当局が行う可能性があるということは、職員の萎縮、ひいては県政運営への信頼低下を招くものと言わざるを得ない。
 (3) 齋藤知事の対応
 3月 27 日の記者会見では、齋藤知事は調査の対象者を特定したり、処分を予告すること、さらには「うそ八百」「元県民局長は認めている」と発言した。片山氏や人事当局は、「これから調査する」という認識で齋藤知事とも話をしたつもりであったため、その発言に驚いた。この時点においては当該文書の存在は広く知られておらず、実害も生じておらず、人事当局が予定していたとおりの人事異動の発表にとどめておくべきであった。今回の文書問題が大きく取り上げられることになったのは、この記者会見によることが大きいことを踏まえると、このような部下の進言や意見に真摯に耳を傾ける姿勢が必要であったと考えられる。
 なお、そのことは第三者による調査の進言、公益通報の結果を待ってから処分を行うことの進言に対する態度についても言える。
 (4) 公益通報者保護法に対する齋藤知事や幹部の関わり方について
 公益通報者保護法が目指すのは、徹底して不正行為を告発する人々を守り、社会の正義と透明性を維持することが目的であり、兵庫県としては立法趣旨を踏まえ、まずは公益通報に該当する可能性がないかを慎重に検討すべきであったが、初動対応時の齋藤知事や幹部は公益通報の認識がなかったと証言しており、公の立場として大きく思慮に欠ける点があったと言える。
 また、齋藤知事は証人尋問や記者会見で何度も法的に問題ないことを主張しているが、行政機関は法律に違反しなければいいのではなく、法律の趣旨を尊重したうえで遵守する姿勢を示すことが重要である。
 (5) 文書問題の対応について
 この度の兵庫県の対応が全国から注目される中、組織の長や幹部の不正を告発すると、権力者が当事者にも関わらず自ら告発内容を否定し、更に通報者を探して公表し、懲戒等の不利益処分等で通報者が潰される事例として受け止められかねない状況にある。そのことが公益通報の抑制につながらないか危惧される。公益通報者保護法に違反しているかどうか見解が分かれるとはいえ、「組織の長その他幹部からの独立性の確保」や「利益相反の排除」といった原則にのっとった対応が必要であったと考える。
 また、元県民局長の処分には、退職保留決裁が終わる前に、退職保留が本人に通知されたことも問題がある。
 (6) 情報漏洩
 県の個人情報保護管理の総括保護管理者である井ノ本氏は証言を拒否しているが、同氏が元県民局長のプライバシー情報を複数の議員に見せていることが聞き取り調査によって明らかになっている。当該文書の価値を貶めようとする発言を行っていた証言も得られており、「告発者潰し」があったと言われかねない状況がうかがえる。この行為は地方公務員法の守秘義務違反、さらには県における個人情報管理の問題である。告発者である元県民局長をおとしめることによって、当該文書の信頼性を毀損しようとしたこともうかがわれ、地方公務員法違反を否定できる要素は皆無に等しいと考える。この漏洩問題はその背景や関係者等を明らかにしなければならない問題と考える。
 (7) まとめ
 以上のように、一連の県の文書問題への対応には看過できない問題があったと言わざるを得ない。
 また、井ノ本氏による元県民局長のプライバシー情報の漏洩問題は、公益通報者保護法に反する問題にとどまらず、県組織としてのガバナンス、マネジメントが適正に行われているのかという疑問を抱く。この問題への対応に関しては、元県民局長への処分と比較し、あまりにも大きく異なっている。
 2 提言
 法令を遵守するだけでなく、法令の趣旨を尊重して社会に規範を示すべき行政機関が、公益通報の認識を欠き、また、後になって公益通報に該当しないから問題ないと主張して通報したことを非違行為として認定し懲戒処分にまで至ったことは大変遺憾であり、県当局は責任の重さを痛感すべきである。
 今後は、県行政・県組織の不正行為や違法行為に関する告発に対しては、常に公益通報の可能性を念頭に対応することが求められ、知事を含めた幹部が公益通報者保護法に対する理解を深める機会を定期的に設けることが不可欠である。体制整備に関しては、指針第4に掲げる内部公益通報対応体制の整備は当然のことながら、外部公益通報に対応できる体制づくりを進める必要がある。
 あわせて、告発の調査に当事者は関与しないこと、通報者探索及び範囲外共有等は行わないことの明確化が必要である。今後、受付段階、調査段階、是正措置等において、告発者の不利益処分が行われていないか、第三者による常設の検証機関の設置が必要である。知事、副知事をはじめ組織の長は、就任に当たり、公益通報者保護法及び個人情報保護法に関する研修を受講するなどして、法の趣旨や責務を改めて認識することが重要である。
 なお、有益な公益通報が守られるよう、公益通報に当たっては個人のプライバシーへの配慮や公益通報の濫用を防ぐことなど、職員にも公益通報者保護法の理解を深めることが重要である。
 また、不正調査等で必要な場合も想定されるため、メール調査そのものを否定はしないが、その判断基準の整備及び調査実施記録の作成・保存を確実に行うべきである。そのことによって、今回のような疑念を持たれるメール調査を防ぐとともに、事後的な検証が可能となる。職員の私用スマートフォン等の調査についても、今後一切行わないよう県当局として宣言する必要がある。
 さらに、綱紀委員会の運営は当事者が関わることのないよう、一定のルールを設けるべきである。 井ノ本氏による元県民局長のプライバシー情報の漏洩については、現在、第三者(弁護士)による調査が進められているが、調査結果は速やかに公表するとともに、県として刑事告発も含めた厳正な対応を早急に求める。
 なお、一連の県の対応は、公益通報者保護法に違反している可能性が高いと考えられることから、県自らの対応として公益通報者保護法の法定指針で定める「不利益な取扱い、範囲外共有や通報者の探索が行われた場合には、適切な救済・回復の措置をとる。」や「不利益な取扱い、範囲外共有や通報者の探索が行われた場合に、当該行為を行った労働者及び役員等に対して、行為態様、被害の程度、その他情状等の諸般の事情を考慮して、懲戒処分、その他適切な措置をとる。」という規定に基づいた措置を行う必要があると考える。
 最後に、齋藤知事は周囲の進言や意見に真摯に耳を傾ける姿勢を持つ必要があり、県職員が上層部へ必要な進言を行うことを躊躇しない組織風土を醸成するとともに、兵庫県のリーダーとして共感やいたわりの姿勢を持ち、透明性のある兵庫県政の確立に努めるべきである。」
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2839/兵庫県議会「百条委員会」調査報告書・<公益通報者保護>全文①。

 兵庫県議会・文書問題調査特別委員会(百条委員会)は2025年3月4日に最終の調査報告書を取りまとめ、翌日の県議会全体会議でも承認された(報告内容は行政当局に対する議会自体の 「報告」になった)。
 この報告書の目次の概要(秋月による。全文ではない)は、つぎのとおり。
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「Ⅰ 文書問題調査特別委員会について
  1 概要
  2 開催状況について
 Ⅱ 任意調査について
  1 職員アンケートによる調査
  2 聞き取りによる調査
  3 書面による調査
 Ⅲ 文書の7項目にかかる調査の内容と結果について
  1 五百旗頭真理事長ご逝去に至る経緯について
  2 令和3年の知事選挙における県職員の事前選挙活動等について
  3 次回知事選挙に向けた投票依頼について
  4 知事が贈答品を受け取っていることについて
  5 知事の政治資金パーティー実施にかかるパーティー券の購入依頼について
  6 阪神・オリックス優勝パレードにかかる信用金庫等からのキックバックについて
  7 知事のパワーハラスメントについて
 Ⅳ 公益通報者保護にかかる調査の内容と結果について
 Ⅴ 総括
 VI 提出を求めた資料一覧」
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 以上のうち、「Ⅳ 公益通報者保護にかかる調査の内容と結果について」のみの全文を掲載する。罫線の省略など、体裁・様式は全く同じではないが、内容はそのまま。下線のみ掲載者。
 出所—兵庫県議会ホームページ
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 「Ⅳ 公益通報者保護にかかる調査の内容と結果について
  1 委員会としての判断
  ア 認められる事実
  事実経過
 R6.3.12(火)  元県民局長が文書をマスコミ、県会議員、警察に配布。
  3.20(水) 齋藤知事が当該文書を民間人から入手。
  3.21(木) 当該文書に関する協議のため、齋藤知事が片山氏、小橋氏、井ノ本氏、原田氏を招集し、片山氏らに文書の作成者や目的を含め、調査するように指示。この際、公益通報者保護の議論はなかった。
  3.22(金) 人事当局から元県民局長の公用メール1年分を調べるように指示を受けた担当課長はデータを人事当局に提出。公用メールの調査にあたって本人の同意は得ていない。(4月下旬に元県民局長の公用パソコンのファイルの操作ログ3年分も提出した。)
  3.23(土) 齋藤知事は、片山氏から元県民局長の事情聴取を行うという提案を受け、それを了承。調査については片山氏に一任された。
  3.25(月) 片山氏及び人事当局が元県民局長及び職員2名の聞き取り調査を実施した。片山氏は元県民局長の調査の際、公用パソコンに私物USBがあったが、取り外すように指示し、公用パソコン1台だけを県庁に持ち帰った。なお、職員1名の私用スマートフォンのLINEの調査も行った。
 元県民局長から人事当局に電話があり、「自分単独で作成し、噂話をまとめたもので、周囲の者を巻き込まないように」との要請があった。
  3.26(火) 元県民局長の退職保留が決まった。
  3.27(水) 小橋氏は、齋藤知事に対し、教育委員会ではこのような問題の時には第三者に調査させることが多いと進言。
 人事当局の用意した知事記者会見での想定問答は、内容の詳細については調査が必要なので言えないという説明だったが、齋藤知事は元県民局長が作成した文書について「嘘八百」「元県民局長本人は認めている」と発言。
  4.1(月) 人事当局は、県の特別弁護士に、第三者機関調査やSNSでの当該文書の拡散、公益通報としての取扱いの要否などを相談。
 特別弁護士からは、公益通報の手続がされた段階でいったん判断する必要がある、第三者機関調査については、費用や時間を要することから内部調査で十分との見解を得る。
  4.4(木) 元県民局長が公益通報受付窓口に通報。
 人事当局によれば、4 月 4 日に元県民局長が公益通報受付窓口に通報した時点で、公益通報の調査結果を待たないと処分はできないと考え、すぐに小橋氏と井ノ本氏に進言し、齋藤知事も了承したとのこと。なお、齋藤知事はこうした進言を受けた記憶がないと否定している。
  4.15(月) 齋藤知事は、「風向きを変えたい」との理由から、処分をできるだけ早くしたほうがいいと指示。
 人事当局によると、井ノ本氏から公益通報の調査結果を待たずに処分できないか検討を指示されたが、公益通報の結果を待つべきと進言した。
 なお、齋藤知事は人事当局に対して流れを変えるために公益通報の調査結果を待たずに処分できないかと指示した記憶はないと否定している。
  4.17(水) 人事当局によると知事の指示による井ノ本氏と人事当局との元県民局長の処分スケジュールのやりとりは下記のとおり。
  ・4月 24 日に処分する案の作成を井ノ本氏が指示
  ・4月 24 日に処分する案を井ノ本氏に提出し、齋藤知事が了解
  ・人事当局が 4 月 24 日処分案は現実的に無理と判断し、5月 17 日処分案を井ノ本氏に相談。井ノ本氏からは5月 10 日を案1、5月 17 日を案2とする指示があり、齋藤知事は5月 10 日で了解した。
  4.24(水) 人事当局によると、井ノ本氏から連休明けの5月7日処分案の指示があり、弁護士と相談して処分日を5月7日に決定した。
 井ノ本氏は、人事当局との処分日のやり取りは自分の判断ではなく、知事と話をした上で日程を決めたと証言している。
 なお、齋藤知事は5月7日処分の決定事項を報告されたと証言している。
  5.2(木) 元県民局長に対する綱紀委員会が開催された。
  5.7(火) 元県民局長の処分を公表。」
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 以上、「1 委員会としての判断」のうち「ア 認められる事実」が終わり。以下、「イ 事実に対する評価」へとつづく。

2837/兵庫県知事2024/03/27記者会見への前県民局長反論文(2024/04/01)全文。

 兵庫県知事・斎藤元彦の2024/03/27記者会見に対する前西播磨県民局長の反論文(2024/04/01)全文。
 出所=さとうしょういちブログ(選挙ドットコム)、2024/12/11に再掲載された。
 ●は元の掲載のまま。様式が少し変わっている可能性があるが、文章自体はそのまま引用している。最大の見出し項目のみ当欄において太字化した。
 →原掲載。
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 「報道機関各位元兵庫県西播磨県民局長です。この度はお騒がせしており申し訳ありません。先日の知事記者会見の場で欠席裁判のような形で、私の行為をほとんど何の根拠もなく事実無根と公言し、また私の言動を事実とは異なる内容で公にされましたので、以下の通り、事実関係と、自分の思うところをお伝えします。
  今回の行為に及んだ背景このことについては色々と申し上げたいことがありますが、書けば書くほど「名誉毀損だ。訴える」とまた言われる可能性がありますので省略します。一言で言うと、今の県政運営に対する不信感、将来に対する不安感、頑張って働いている職員の皆さんの将来を思っての行動です。なお、私がそう思うに至った個別の事象については、告発にある内容の調査が実施される中で明らかにされることと思います。 
 2 経緯 
 ①現体制になって、一部の職員による専横、違法行為がなされているという話を多く仄聞しました。西播磨の地にいても、そうしたことは耳に入ってくるものです。このままでいいのかなぁ、困っています、なんとかならないのかという嘆きの声として。
 既に速攻で消去(理由不明)されましたが、県のホームページの県民局長メッセージ(FB、X上には一部残っています)に後輩たちへのエールを掲載しました。ほんとに沢山の後輩達から頑張りますという心温まる返事をいただきました。その度に「ああ、彼らはこれからも兵庫県を背負っていくのだな」と。
 今の僕に彼らに対して何が出来るのかを考えた結果、役職定年前のタイミングでありながら、今回の行動に出たのです。これを機に兵庫県という組織がより良いものになる事を願って。
  ②決して自分の処遇への不平不満から出たものではありません。メッセージにも書きましたが自分自身の県庁生活にはとても満足しています。特に最後の3年間を西播磨で過ごせた事はこの上もない喜びです。ほんとに素晴らしい地域で住民の皆さんには感謝しかないです。なのに、ご迷惑をおかけし、また心配もしてくださっていることになんとお詫びを申し上げたらいいか。 既に退職後の行き先も県とは無関係のところに決まっていましたが、先方には迷惑をおかけしてしまいました。
 ③また、今回の内部告発の文章作成を一部勤務時間(3時間程度)に行ったことについては職務専念義務違反の認識はありました。この点については言い訳いたしません。県民の皆さん、申し訳ありませんでした。(でも、県民局長は土日休日出勤がかなり多いのに代休が取れない中で、平日の合間時間を3時間ほど活用させてもらったと言ったら大目に見ていただけませんか? それに年休も有り余っているんです)
 ④情報収集から告発文作成、配付まで、全ての作業を私一人で行いました。もっとスマートにやる方法もあったとは思いますが、誰にも相談せずにやりましたので野暮ったいやり方になってしまいました。(今時、職場のPCを使ってこんなことをするなんてアホかと何人もの人から言われました)
 ⑤本来なら保護権益が働く公益通報制度を活用すればよかったのですが、自浄作用が期待できない今の兵庫県では当局内部にある機関は信用出来ません。
 ⑥今回の内部告発の内容については、情報の精度には差があり、中には一部事実でないものもあるかも知れません。ただ、事実でないものについては配付先から世間に出回ることはないだろうという判断から、可能な限り記載することにしました。
 守秘義務違反とは職務上知り得た秘密を漏らすことであり、秘密とはすなわち真実です。内部告発の中の真実については、それは即ち私の違法行為となる可能性が高いです。それは十分に理解しての行動です。
 真実でない内容については名誉毀損の疑いがあるものの、公然と不特定多数への周知を行った訳ではありませんし、文章末には配付先の皆さんへ取扱注意をお願いしています。また、真実の公表についても公益性の観点から名誉毀損の問題はないだろうと判断しました。
 マスコミ関係者の配付先を極端に絞ったことは、配付されなかった方々にはとっては心外と思われたことと思います。名誉毀損となる可能性(公然の基準)を少しでも抑えようとしたためであり、ご理解をお願いします。関係者の皆さん申し訳ありませんでした。
  3 手続き・記者会見での問題点
 ①今回の事案について、私と人事当局間でなされた意味のあるやり取りは、私の職場PCが押収された直後の3月25日午前11時30分頃に、●●職員局長へ電話で「告発文は自分一人で作成した。他に関係者はいない」と伝えたことのみ。26日電話により情報の入手経路についての漠然としたやり取り(この資料上は論点外)があったのみです。
 いつ作業したか、どこにどんな方法で送ったか、告発文の内容の真偽についてどう思っているのかなどは全く聴取されていません。一番肝心の動機ですら聴取されていません。
 ②3月27日9時30分からの人事異動の辞令交付の際、私から片山副知事、●●総務部長に「内部告発文にある内容をきちんと精査してから対応してくれ」と要請しました。
 一方、その際、この事案に係わる記者発表があることも私に告知しませんでした。にも関わらず、この段階で、
 《問題点》③私への事情聴取も内部告発の内容の調査も十分なされていない時点で、知事の記者会見という公の場で告発文書を「誹謗中傷」、「事実無根」と一方的に決めつけ、かつ信用失墜行為である、名誉毀損の告訴・(守秘義務違反の)被害届を検討するなどの発言をしたこと・そもそも名誉棄損の要件である「公然と事実等を適示」していません。・信用失墜したのは、私なのか、告発文に出てくる者達なのかは全ての事実が判明した後でないと判断できないはずです。・このような生煮えの状態で公にしなければよかったのではと思いますが。
  ④事実無根かどうかは現時点では不明ですし、私はメールしていないにもかかわらず、MBSが「事実無根のメールを流布した疑い」と報道したこと 根拠のない報道ならMBSを名誉毀損の相手方にしますし、MBSが職員の誰かからの情報に基づくものなら、「それが誰か」を問題とします。また現にメールが届いた職員がいるなら証拠を公表して下さい。
 {参考}MBSネットニュース「事実無根のメール流布した疑い」兵庫県が幹部職員の退職を先送りする異例の人事異動 調査を継続へ兵庫県によりますと、男性幹部職員は、業務時間中に仕事用のパソコンで、職員らの人名をあげて、その尊厳を傷つけるような内容などの文章を作成、メールなどで送り、一部は名指しされた職員ら本人にも届いていたということです。3月22日に県が文章を確認、聞き取ったところ、男性職員が行為を認めたということです。
 ⑤「ありもしないことを縷々並べた内容を作ったことを本人も認めている」という知事の発言がありました。また、それを受けての報道もありますが、私自身がそのことを認めた事実は一切ありません。そもそも告発文はできるだけ事実に基づいて書いたつもりです。
 ③~⑤について、・これらの知事発言により、記者会見の場では、告発文の内容の真偽について、私が事実無根であると認めていることが前提となってしまったのではないでしょうか。告発内容が大半のマスコミの方は分からない訳ですから当然です。
 ・これらの行為こそ、私に対する名誉毀損である可能性が高いのではないでしょうか。
 ・一連の人事考査の手続きのどこに重大な瑕疵があったのでしょうか。私が人事課に在籍していた頃はこのような事務処理はあり得ませんでした。
 ・私の反論する場も設けずに、現時点で一方的に公にされるのは不当ではないでしょうか。
 ・特にMBSについては徹底的な事実確認を求めます。
 ・ここまで言い切ったのですから、直ちに事実無根を証明できる根拠を示して下さい。
 ・なお、人事課が発表した「文書を作成したと本人が認めたので、懲戒免職の対象となる可能性がある」ということと、知事の「(懲戒免職の対象となる)誹謗中傷・事実無根の文書を作成したと本人が認めている」ということは全く異なります。
 ・知事は必要な情報の開示を全くせず、曖昧かつ誤解を与える発言を行うことにより、事実とは異なる内容をそれこそ“流布”したことになります。このような杜撰な会見で、人間が一人、社会的に抹殺されようとしています。そのことを十分に理解すべきです。
 ⑥パソコンを押収され、また、今の自分の状況から、告発文を皆さんに配付することが難しい状況です。
 内部告発内容にやましい所がないのであれば、正々堂々と人事当局から報道機関に資料配付を行うべきです。(取扱いの協定を結べば可能なはずです。)
 この状態が続くと私がいかにも事実無根の誹謗中傷を撒き散らしたかのように世間で思われ続け、不公平です。心配して連絡を頂いた方にも告発内容は伏せ続けています。「内容は分からないが、君がやったことやから信じるわ」と言われると心が痛みます。
 ➆人事当局は私の行為に関する調査ではなく、もっと大きな違法行為、信用失墜行為についての事実関係を早急に調査すべきです。関係者に人事当局に関わる職員が在籍しているのであれば、無実が証明されるまでは人事上の措置(この事案からの排除など)が必要と思います。調査にあたっては、第三者委員会を設立するか、司法による調査・捜査をすべきです。お手盛り調査、お手盛り処分は御法度です。
 名誉毀損罪については告訴を、地方公務員法違反(守秘義務違反)については被害届を一刻も早く警察に提出し、司法の捜査に委ねませんか。これが一番合理的かつ効果的です。
  ➇守秘義務違反で罪を問われるのは私一人です。 今回の内部告発の秘密にあたる部分は県職員、元県職員に関するものであり、対外的な漏洩を行った私の責任です。
 私のところに情報が届くまでのプロセスは問題にすべきではないと考えます。 
 一般県民とは関わりのない事柄についてのローカルエリアの職員間の世間話、内輪話についてまで厳密に守秘義務違反を問うことは明らかにやり過ぎです。ましてや違法行為、不適切行為に対する義憤からなされたことならば。
 この点の全庁調査を実施したり、厳密に禁止する事は「綱紀粛正」ではなく「恐怖政治」の始まりです。そうなると職員は委縮し、組織が疲弊し ます。職員に良かれと思ってやったことが逆に職員を苦しめる結果になることは辛すぎます。
 私が言うのも筋違いですが、常識的な判断・行動を人事当局にはお願いします。  
 私が行った内部告発の内容のような行為こそが綱紀粛正されるべきことです。  
 全ての職員が元気に楽しく仕事出来る健全な職場になることを心から願っています。それが長年お世話になった兵庫県という組織への私の恩返しになると思っています。  
 以上が私の申し上げたいことです。現在置かれている状況もご配慮いただき、適切に取扱っていただけたらと思います。よろしくお願いします。
  令和6年4月1日元西播磨県民局長 ●●●●
 連絡先:●●●●●●@docomo.ne.jp※問い合わせはメールアドレスまでしていただけたら幸いです。
 (追記)全てを書き終え、傍らの新書からこぼれ出た栞をふと見ると、そこには人の心のありようについて説いた「ニーバーの祈り」が 神よ、変えてはならないものを受け入れる冷静さを、変えるべきものは変える勇気を、そして変えてはならないものと変えるべきものとを見分ける知恵を我に与えたまえ。 こんなタイミングにこんな言葉に出会うなんて…。後輩職員達への最後のエールとしてこの言葉を送ります。」
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2832/増山誠・兵庫県議会議員(維新)2025/02/23記者会見(一部)②。

 増山誠・兵庫県議会議員(維新)2025/02/23記者会見(一部)②。
 出所—当日のYouTube ライブ配信(2025/02/23)。
 太字化、最終文責は掲載者(秋月)
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 記者「当時、知事選の前に、その斎藤さんのパワハラで、元県民局長が亡くなったという、これはデマだと思いますけれども、それを打ち消したいが為に、公用パソコンの中にあった情報を今回事実として提供された、ということなんですけど、なぜこの事実を提供すると、前段の。そのデマの部分が否定されるのか、というのが繋がらないんですが、どうリンクするのか、教えてもらってもよいでしょうか」。
 増山「それは私なりの感覚、というか思いでありまして、やはり、…パワハラではないというところが、まったく事実と違うということで、一つの要因として、…何でしょうね、そういった、…まあ公用PCの内容についてクーデターですとかそういったいたものがあったということで、何か否定される可能性があるのではないかというふうに感じたまでですので、これがあれが絶対に否定できるという確たるものがあって言うことではなく、まあ広く情報を提示していくことによって、クーデターですとか、そういったことの〔を〕県民の皆さんが広く知ることができることがいい事だと思っていた、ということですね」。
 記者「今の説明だとやっぱり繋がらないんですけど。斉藤さんのパワハラで元県民局長が亡くなったというデマを打ち消すために、より強いファクトをぶつけることでそちらに意識が行くようにしたかった、ということなのか、それとも先ほどから出ている女性関係の話が、これ立花さんの言い分ですけど、表に出ることを恐れて元県民局長が亡くなった可能性があるからそちらを知らしめたかったのか、増山さんはどちらの意図、もしくはまた別の意図があるんでしょうか? ちょっと繋がらないので教えてください」。
 増山「何かこの情報を出したからこの情報をピンポイント出打ち消せるということではなく、例としてパワハラの話は出しましたけれども、例えば県民局長というか元パレード担当課長についての情報も、私、お伝えはしています。あれは元局長が完全に否定されておりますので、その情報をもってパレード担当課長の方がお亡くなりになられたという情報は否定できるのではないかなというふうに、思っております」。
 記者「そこは分かります。だけど、斎藤さんのパワハラで元県民局長が亡くなったっていうことを、そういう情報が間違っているからそれを打ち消したいからっておっしゃったのは増山さんなので、じゃあそのために、なぜこの情報を出したのかっていう理由を教えてほしいんですけれども」。
 増山「はい、そこについては、ピンポイントでこれ出したからこれが否定されるというようなところまでの思いはありませんけれども、全体像を把握することによってその認識が変わってくる可能性もあるな、というところで、お話をさせていただいた、というところですね」。
 記者「文書の冒頭に女性関係の話が出てきますけれども、要するに、こういうふうな事実というかですね、スキャンダルと言いますか、そういう話が出ることで、これが事実かどうか分かりませんけれども、それが出ることで言われているデマを打ち消すっていう、そういうことでもないんですか? ちょっと説明が、すいません、分からなくて。もう一度お願いします」。
 増山「スキャンダラスなことで打ち消す、という意図はないですね」。
 記者「ではなくて、より強い事実っていうものをぶつけて、そちらの方も知ってほしい、そっちに意識が行く、じゃないですけど、そっちも知ってほしいと。ただそこは、自分なりのファクトだと思っている所だけどって、そういうことですかね? イメージとして」。
 増山「そうですね、はい。私の認識としてそういう部分はあったので、はい」。
 記者「あと増山さん、もう一つ。リハックの中でですね、10月25日の百条委員会のやり取りはですね、いずれ公表されるものであったものだから、それを事前に出すと、いうふうなつもりだった、ということでした。先ほど岸口さんがご説明いただいてましたけども、元県民局長が亡くなられた翌日のですね7月8日の朝の百条委員会の理事会で、このプライバシーに関する資料、これについては、出すか出さないかの議論になったと思います。最後までこれを公表しましょうと言っていたのは増山さんだけでした。しかしながら、多数決でこれ出さないということが正式に決まりました。これに、先ほどをもってですね、7月2日の段階では、県民局長からですね、プライバシー情報については扱わないで下さいと言って、代理人を通じて書類が出てますよね。ということは、先ほど増山さんもおっしゃってましたけれども、そういうプライバシーの部分については、おそらくカットされるか、議事録から削除されるんじゃないかってもうおっしゃってましたから、削除されるっていうことは十分に想定されたわけなのに、なぜその部分も含めて、音声データを立花さんに提供されたんでしょうか? 教えてください」。
 増山「はい。カットされるというのも、百条委員会も中でカットされるということでしたが、まああのう、今、なんて言うんでしょうね…。マスコミの皆さんの報道の中で出ている情報と違う重要な情報である、という認識がありましたので、そういう意味で、公共の利になる、という認識から出した、ということですね」。
 記者「女性関係の話と、文書の中身を、正しいかどうか調査するという百条委の目的とは別個のものだと思いますけれども、増山さんのその主張で行かれると、この文書を書かれた人がどういう人かっていうのもバックグラウンドで知っとかないと、百条委としては議論できないよ、だから公益性があるよって、そういうことをおっしゃってるんでしょうか? 教えてください」。
 増山「そういうことではないですね、百条委員会においては」。
 記者「じゃあなぜ、この女性関係の話が公益性があるっていう、このいわゆる文書問題に関わってですね、いわゆる懲戒処分してに関わって、これが必要だ、公益通報だっていう理屈は、少なくとも僕の中で、そうかなというふうな認識ははありますけれども、今話しているのは文書問題に関して、まさにそれを話し合う百条委員会の場で出た話です。これをなぜ、公益性があるものというふうに言ってらっしゃるのか、というのが、すいません、ちょっと分からないので、教えていただきたいです」。
 増山「はい。7月8日のお話をされていると思うんですが、あの当時私の方で、何がプライベート情報に入っているのか、というのは、全く分からない状態でした。やはりその中には、クーデターに関する文書がたくさん含まれていた、ということですから、今だもってその情報について開示を要求したことについては間違っていない、というふうに考えております」。
 記者「私が話しているのはクーデターの部分ではなくて、女性関係の部分…。クーデターの部分は先ほど岸口さんが説明されたように、不正な目的というのを調べるためには必要じゃないかと。そこの部分はご主張としては分かりました。女性関係の部分については、いかがでしょうか?」
 増山「ですから、プライベートの中に女性関係のものがあるのかクーデターのものがあるのか、というのが、いっさい伏せられた状態で議論が行なわれておりましたので、プライベートということで一括りになっていたんですね。ですから、そこは開示する必要があるのではないか、という主張をさせていただいた、ということです」。
 記者「で、10月25日に、そこで片山さんがそこについて触れられたわけですけれども、プライベート情報については出さないということを皆さん申し合わせていたんだから、当然そこについては削除される可能性があることは、増山さんだってその理事会には参加していたんだから、分かっていたはずなのに、なぜ出されたんですか、という質問なんですけど。教えてもらってもいいでしょうか」。
 増山「そうですね。百条委員会の中では削除される可能性はあると思いましたけれども、先ほども申し上げましたが、より広く事実を知ってもらう意味で、そこの部分までは必要な情報であると思ったので提供をした、ということですね」。
 記者「いわゆる、今回の内部文書、公益通報に関しては関係ないけれども、いわゆる懲戒処分であったりとか、倫理上、いわゆるさっきから出てた信用失墜行為であるとか、そういう部分で知ってもらう必要があるから出そうと思ったって、そういうことですか?」
 増山「そうですね。より広く情報を知ってもらう、という意味において、ここまでは必要だろうという私の判断がありましたので、提示をした、ということですね。

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 記者「だから、どっちですか? 文書問題で必要だからなのか…」。
 増山「いや、文書問題じゃないです」。
 記者「信用失墜行為で出さないといけない、というふうなことで、広く知ってもらいたいということで…。すみません、噛み合っていないですかね」。
 増山「信用失墜行為…」。
 記者「なぜこの行為を知ってもらわなければならないのか、という所が、文書問題の誰が書いたか、どういう意図で書いたかは別として、誰が書いたか、その人の属性がどういうものかということと、文書の中身が事実かどうかというのは切り分けて考えるべきだ、という話ではないのでしょうか。それも含めて知ってもらうというのが、増山さんのお立場ということなんですかね」。
 増山「なんかごめんなさい。質問がちょっと分からなかったんですが…。百条委としては削除される可能性はあるけれども、全体の…なんて言うんでしょうね、概要を把握するうえで、今ちまたに言われていることの補完として必要な情報であると。片山副知事もそういう意図をもって、どういう意図をもって発言されたかは分かりませんが、必要な情報だと思って言われたんだと思うので、私としても必要な情報かなと判断した、ということですね。」
 記者「増山さん、分かっていると思うんですけど、噛み合ってなくて。
女性関係の部分がどういう公益性があるか、というのを、ちょっともう一度教えてもらっていいですか。それを世に広く知らしめることで、どういう公益性があるか、というのを、端的に教えてもらっていいでしょうか」。
 増山「そうですね。県民局長の方が、処分内容にある所にもあるので、それの事実としてありますよね、ということですね」。
 記者「懲戒処分の内容として知ってほしかった、ということですね、そうすると」。
 増山「…そうなりますね。そうなると思います」。
 記者「公益通報とは無関係だということは分かっていた、ということですね? 公益通報、文書問題とは無関係だという認識だ、ということですか?」
 増山「そう先ほどから申し上げているつもりだったんですが」。
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2831/増山誠・兵庫県議会議員(維新)2025/02/23記者会見(一部)①。

 増山誠・兵庫県議会議員(維新)2025/02/23記者会見(一部)。
  出所・当日のYouTubeライブ配信(2025/02/23)。
 太字化・下線、最終の文責は掲載者(=秋月)。
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 記者「増山さんが備忘録として作っていた文書についてですが、公用パソコンの中身について、増山さんは実際にご覧になっているんですか? それとも、どなたかからお聞きした内容をまとめている、という内容だったんですか?」
 増山「見てないです」。
 記者「すべて聞いた情報ということですか?」
 増山「はい、そうです」。
 記者「元県民局長の私的な情報などをを含む、その音声などを、立花氏に提供したことについてですが、根底として、その告発文書を作成した方はこういう方だ、っていうのを広めることで、例えば、告発文書の信頼、信用度を下げるというか、そういった意図はなかったですか?
 増山「そういう意図はないですね」。
 記者「あくまで県民の方により広く知ってほしい、ということでしょうか?」
 増山「そうですね、はい」。
 記者「間違った情報が、例えば流れていたとして、それを打ち消すために、ということがあったとして、それは間違った情報を流している所に伝えるとか、そういうことは考えられていなかったですか?」
 増山「マスコミを全て調べて、そこに送付するというのもかなり非現実的ですし、そういう意味で私はマスコミよりもSNS等の媒体で広める必要があるのかな、と思った次第です。」
 記者「音声提供されたのは、立花氏にだけでしょうか?」
 増山「そうですね、はい」。
 記者「なぜ、知事選の期間中にお渡しになったんですか?」
 増山「それまでの誹謗中傷が、タイミング的に、その時がタイミングだったので…」
 記者「提供することで、例えば民意がどういうふうになってほしいとか、そういう思いは、その時にあったんですか?」
 増山「どういうふうになってほしいというより、広く知ったうえで、行動してほしい、という思いですね。よりたくさんの情報に触れた方が、正しい決断につながる、と思っておりますので」。
 記者「結果的に、民意の部分については、増山さんが思っているようになったというか、その民意については、最終的に、ご自身としては納得されていらっしゃる、ということでしょうか?」
 増山「結果については、県民の皆さんが下した結論ですので、尊重したいと思います」。
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 記者「立花さんが発信されていることがデマだとは認識していない、という冒頭の発言があったと思うのですが、立花さん、候補として二枚めのポスター、自殺の真相というポスターがありましたけれども、そこで不同意性交等罪が発覚することを恐れての自殺だと思われる、というふうに書かれていますけれども、この内容についての真偽については、増山さんとしては今、どう思っていらっしゃいますか?」
 増山「ちょっと私、二枚めのポスターというものを詳しく見ていないんで、分かんないんですけど…」。
 記者「このポスターでは自殺の真相というタイトルが付いていて、不同意性交等罪が発覚することを恐れての自殺だと思われる、と書いてあるんです」。
 増山「なるほど、はい。どこかのソースにもとづいてそれを書いてあるのであれば、私がそれをデマだと認定することはできないと思いますけれども」。
 記者「正しい認識だと?」
 増山「正しいか正しくないかはちょっとわからないんですが、デマと認定することは、立花氏がどういう情報をもとにそのことを書いているのか知りませんので、認定できない、という意味で申し上げております」。
 記者「続けてすみませんけれどもお話を伺うと、立花さんが不同意性交について発信を始めたきっかけは、やはり増山さんとの会話にあるようにも理解したんですけれども、そういうことでよろしいでしょうか?」
 増山「私にはその認識はないですけれども」。
 記者「そういう情報提供をした認識はないこと…」。
 増山「認識はないですね」。
 記者「はい、なるほど。ただ、今も増山さんは不同意性交の可能性はあると、思ってらっしゃると…」。
 増山「そうですね。あると思う。可能性はあると思う。それを完全否定するような情報を私、持ち合わせておりませんので、例えば、全部パソコンの中を見て、同意だったというような証拠を見ていませんので、なかなか、その蓋然性というんですかね、60歳間近の人事課長、局長、教育次長を務められていた方が、短期間のうちに、複数の女性と倫理的に不適切な関係を結んでいるということの情報を得るにあたって、それが同意だったのか否かというものを、一般常識から照らし合わせると、なかなか難しいのではないか、ということから、可能性は否定できない、というふうに感じておりますが、はい」。
 記者「それが。可能性が否定できないとおっしゃってる根拠なんでしょうか。その他に具体的な情報源があって、真実と信じるに足る相当の理由が増山さんの中にあるんでしょうか?」
 増山「不同意性交だという断定はしておりませんので。その可能性を示唆するような、真実相当性のある情報を聞いておりますので。ただ、その可能性が十分にあるのか、少しあるのか、ということに関しては、それぞれの判断なので、私としても…」。
 記者「その情報を聞いてらっしゃるというのは、十年間で複数というところから類推して、ということではまさかないですよね。それとは別に情報源がある、ということですね?」
 増山「はい、そうです」。
 記者「不同意性交とおっしゃるからには、これはかなり名誉を傷つける発信だと思うんですけれども、それなりに信頼のできる、それなりにどころかかなり信頼のできるものだ、というように理解してよろしいでしょうか?」
 増山「私、不同意性交だということは言っておりませんので。可能性を否定することはできない、ということを言っておりますので」。
 記者「不同意性交である可能性がある、ということをおっしゃっているわけですね?」
 増山「可能性は否定できないですね」。
 記者「そういうふうな発信をされるからには、相当の根拠がないと、法的な責任が出てくると思いますけど」。
 増山「私から不同意性交だという発信をしたことはないんですが。今お訊きされているので、私の認識を述べたまでであって、私が、不同意性交だと断定しているわけでもなければ、可能性が高いと言っているわけでもないです」。
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2829/斎藤元彦兵庫県知事・2024年5月22日記者会見(一部)。

 斎藤元彦兵庫県知事・2024年5月22日記者会見(一部)。
 出所/兵庫県庁ホームページ「知事記者会見(2024年5月22日(水曜日))」。
 太字化、丸数字は掲載者(秋月)。「元西播磨県民局長」=告発文書(2024/03/12)の作成・発信者。
 藤原弁護士=藤原正広氏(兵庫県弁護士会)。
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 ①
 記者:文書問題に関して、先日、丸尾議員から出されたアンケートの中に、「はばタンPay+」について書かれた告発がありました。
 その中で、第1弾で知事の顔写真が掲載されていなかったことに知事が激怒し、第2弾と第3弾の「はばタンPay+」のチラシデータには、知事の顔写真が載ったという、要約するとそのような事実が書かれていました。
 実際にそのような指示をされたのか、もしくは激怒された事実があったのか、改めてお伺いします。 
 知事:丸尾議員のアンケートの件は、私自身は詳細を見ていないので、現時点では個別の回答は控えておいたほうが良いかと思っています。
「はばタンPay+」のポスターやチラシの作成は、産業労働部がしっかり議論をして、効果的に事業効果を発信するために、どうすれば良いかということを考えて、その中で、おそらく知事の写真を使うという提案をされたと認識しているので、それが現時点の事実です。 
 記者:その説明であれば、知事の指示ではなく、産業労働部からの提案として上がってきたものを知事が採用したという説明でよろしいですか。
 知事:基本的には、産業労働部が部長を中心にして、効果的な事業発信をするにはどうすれば良いかということをしっかり議論して、その中で私とコミュニケーションしながら決めていったと認識しています。
 記者:そのアンケートに関連して、今年3月に尼崎の森で行われたユニバーサルマラソンの会場に設置されていた授乳室が、知事の意向で知事専用の控え室になって、実際に一般の利用者が使えなかった事実があることも書かれていました。
 職員の方に聞き取りをして、実際にそこの授乳室が知事の控え室になっていた事実があった上で、一般の方が利用できなかった事実も認められました。
 知事の意向とは言われなかったのですが、知事の受け止めをお願いします。
 知事:この件もアンケートの中で出てきたということですね。
 詳細については、個別にお答えすることは控えたいと思っていますが、事実としては、3月30日に尼崎の森中央緑地でユニバーサルマラソンがありました。これは世界パラ陸上のプレイベントとして開催しました。
 私は当日、公務がいろいろあったので、確かスーツで行き、そこで着替える必要があったので、担当部局が着替えるスペースを用意してくれたのだと思います。
 施設のスペースを一時使用したことは事実です。
 ただ、着替える部屋が用意されることは伺っていましたが、その部屋が授乳室であることは、私は正直認識していなくて、到着もかなりぎりぎりになって、バタバタと着替えて、外に行ったので、今回の取材等の指摘の中でそこが授乳室だったことを初めて認識したのが正直なところです。
 ただ、私が着替えた授乳室の代替場所も用意していたと担当からも伺っていますが、結果的に県民の皆さんに、ご迷惑、ご不便をかけたことはお詫び申し上げたいと思っています。
 今後は、担当部局ともしっかり連携して、県民の皆さんが普段利用されているような設備や施設は使わないようにすることを徹底していきたいですし、そのように指示をしているので、今回は本当に申し訳なかったと思っています。
 ②
 記者:最初に出た告発文の関連で、第三者機関での再調査を明言されたかと思いますが、それについての詳細など、現時点で決まっていることはありますか。
 知事:昨日、第三者機関の設置をする方向は示しました
 これについては、人選をどうするか、調査方法などについては、議会の意見も踏まえながら、検討していくことになるので、現時点でどのようにするかは、決まっていないと認識しています。
 これからだと思います。
 記者:第三者機関の設置はこれからだと思いますが、調査が進んで、知事がこれまで否定されてきていた事実がある意味、一転して認定されるようなことになれば、政治的責任を取るお考えはありますか。 
 知事:これから第三者委員会を開催して、外部の有識者の観点から調査していくことになりますので、まずはそこでしっかり調査をしていただくことが大事かなと考えています。
 記者:政治的責任についてはどのようにお考えですか。
 知事:そこは調査をしっかりやっていただくことが大事だと思っているので、現時点では、仮定の話はなかなか答えられないと思っています。
 大事なのは、昨日も申し上げましたが、県民の皆さんに、客観的な調査をしていくことが、県政の信頼性をより高めていくことにつながると思っています。
 そのために、今回、第三者委員会を設置して、しっかり調査をして、事実関係を改めて確認していくことが、大事なポイントと私自身は思っています。
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 ③
 記者:文書問題に関してお伺いします。
 昨日、ひょうご県民連合から県の内部調査は、客観性や中立性が損なわれているということで、前県民局長への処分撤回と弁護士費用の支払いを公費以外から支払うよう求めると提出されたと思いますが、受け止めをお願いします。 
 知事:今回、実施した懲戒処分の調査は、昨日も申し上げましたが、人事当局が主軸となって実施して、そこに弁護士の助言なども受けて行いました。
 弁護士は県の調査の助言やサポートをする形で関わっていただきましたが、調査内容自体は適正なものだと考えています。
 記者:弁護士に関してですが、内部調査に協力した藤原弁護士は、疑惑の調査対象の団体の顧問弁護士であったことも明らかになっています。
 その中で、改めて知事自身は、弁護士が利害関係者に当たるか当たらないかという認識はどのように考えていますか。 
 知事:今回の件に関しては、人事当局が行った調査ですが、藤原弁護士の助言をいただきながら、適切に調査をしてきたという意味では問題ないと考えています。
 いずれしても、これから第三者機関を立ち上げて、実際どのようにするかはこれから決まっていくと思いますが、改めて、文書についての調査をしていくことになるのではないかと思っています。 
 記者:その弁護士が利害関係者かどうかは、すごく内部調査の疑義に関わるところだと思います。
 弁護士が利害関係者かどうかについて、知事としては県の調査に100%影響がないと考えていますか。 
 知事:繰り返しになりますが、懲戒処分の調査ですので、あくまで主軸は人事当局が行っています。
 懲戒処分の調査主権者は人事当局なので、そこは調査していく中で、弁護士のサポートをいただきながら、いろいろ調査してきたということです。
 調査内容や処分に関しても、適正であったと考えています。
 記者:弁護士に関して、今後、もし第三者委員会や第三者機関が設置された場合に、県民から疑惑が持たれていることもあるので、藤原弁護士を第三者委員会のメンバーに入るかどうか、どのように考えていますか。 
 知事:実際にどの方がメンバーに入っていただくかは、これから準備をしていく中で決まっていくと思います。現時点では何とも言えません。
 客観性、中立性を担保できるような人選になっていくのだと考えています。
 記者:入れるかもしれないということですか。 
 知事:わかりませんが、基本的には、今まで人事当局の調査はそこでやってきました。
 今回、知事部局から独立して第三者機関を設置することが、昨日の議会からの申し入れもあったので、私自身はそれが良いと判断しました。
 そのような意味では、この流れの中で適切な弁護士など、どのようなメンバーにするかは、今の指摘もおそらく踏まえながら、適切にどのようなメンバーにするかは、皆さんが客観的に見て、このような人であれば、合理性、客観性があるという方に決まっていくと思っています。
 記者:文書問題に関して、改めて第三者機関を設置することになった経緯を改めて説明していただけますか。
  知事:今回の件に関しては、人事当局が調査をして懲戒処分を行いました。
 この調査は、私自身としては問題なく適正であったと考えています。処分内容についても適当なものだと考えています。これは今でもそうです。
 一方で、先日、議長や県議会からも要請がありましたが、県民の皆さんにより十分に説明責任を果たしていくこと、県政をさらに前に進めていくために、より信頼を高めていくことが大事だと思います。
 これまでも、様々な指摘を受ける中で、外部の方に入っていただいて調査することも必要ではないかと考え、熟慮、検討を重ねてきました。
 昨日、改めて議会から第三者機関の設置の要請を受けました。
 基本的に私が判断しましたが、二元代表制の一翼である議会からも要請を受けたことを重く受け止めて、今回の文書問題を調査する第三者委員会を設置することが必要だと判断したのが経緯です。
知事:スケジュールや委員の人選、どのような調査をするのかなどは、どこが準備していくかも含めて、これからだと思います。
 知事部局から独立したところが、議会の意見も踏まえながら、準備をしていきます。
 昨日、議長からは監査委員という一つの提案もいただきましたが、その点も含めて、これから準備作業をするための準備をどうするかが決まっていくのではないかと思っています。 
記者:第三者機関は、なるべく早めに早急に設置するべきだという指摘もある中で、いつまでに設置するなど、考えはありますか。 
 知事:昨日、設置をする方針を示したので、できるだけ速やかに設置することが望ましいとは思います。
 具体的にどのタイミングで設置するか、メンバー、スケジュールは、これから決まっていくことになるのではないかと思っています。
 記者:第三者機関の設置は、昨日の話では、事前に準備会などを開いてという話が内藤議長からもありましたが、今後、どのような対応を取っていくのか、お聞かせください。
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 ④
 記者:先ほど丸尾議員のアンケート調査についてのお話がありました。
こちらの内容については、知事は確認されていないということですか。
 知事:詳細については、私は拝見していない状況です。 
 記者:ただ、丸尾議員が調査を行って職員からのアンケートでこのような指摘が、21件出てきたということで、知事の言動や幹部職員の言動についての疑惑がアンケートで集まったことについての受け止めは何かありますか。
 知事:丸尾議員のアンケートについては、詳細はまだ承知していませんが、そのような意味でもコメント自体は差し控えたいなと思っています。
 いずれにしても、今回の文書問題に関して、これから第三者機関を設置していくので、そこでこの文書問題に関する調査が改めて行われることになるのではないかなと思っています。 
記者:知事の発言の中で、先ほど議会からの意見も踏まえてという話もありました。
 丸尾議員も1県議としての申し入れを、2回ほどしていて、内容を詳細まで見ないのは何か理由があるのでしょうか。
 知事:今の状況として、詳細は見ていないというところです。
 いずれにしても議会からは、より客観的に調査するために、第三者委員会を設置するべきだという要請をいただいたので、それに沿って、これから準備と対応をしていく形になります。
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  ⑤
 記者:今回の文書問題について伺います。
 メンバーや設置時期、監査委員会などの声もある中で、これから検討を進めていくという発言があったと思います。
 現時点で、藤原弁護士の件も出ており、いろいろ疑義が持たれてしまったこともありますが、知事としては、第三者機関の委員やメンバーは、どのような方が一番望ましいと現状で考えていますか。
 知事:具体的にこのような方が良いとかは、言及することは差し控えた方が良いと思います。中立性の確保が大事だと考えています。
 事務局をどのようにするか、昨日は監査委員という話もありましたが、それ以外にも委員の選定などをきちっと一つ一つ手続きを踏まえながら、委員のメンバー選定も含めて決めていくことが大事だと考えています。
 一歩一歩やっていくことが、県民の皆さんへのより十分な説明をしていくことにつながっていくと考えています。
記者:できるだけ速やかに設置時期などを議論していくという話がありました。
 知事として、これだけいろいろと世間を賑わせている話題でもあり、早く真相を知りたい方もいると思います。
 知事としては、いつまでにこの問題の結論を出したいなど、何か考えていることはありますか。
 知事:第三者委員会がどのような調査期間でやるかにもなると思います。
 これから第三者委員会が設置されて、どのように調査していくかという中で決まっていくことなので、現時点で私がこれだけのタイミングの中でなどを言及するということは、差し控えたいと思っています。
 一方で県の業務を、しっかり前に進めていくことも大事だと思いますので、毎日の県政の政策立案や行事やイベントについては、きちんと全力で対応していきたいと考えています。
 記者: 昨日の要請書の件に関して、内藤議長から準備会の立ち上げを内藤議長の任期中(6月)にして欲しいというような要望もありました。
 知事として、準備会を立ち上げるつもりがあるかお伺いします。
 知事:今回の第三者委員会が、より客観的に調査をしていく意味でも、どのような委員構成や内容にしていくかが大事だと思います。
 そのような意味でも、何らかのこの準備をするための枠組みが重要だということが議長のご指摘だったと思います。
 その辺りどうするか含めて、これからの検討になるかと思っています。 
 記者:スケジュール的には、議長からは6月までにはというようなお話がありました。準備の枠組みとして、時期など考えていますか。
 知事:できるだけ速やかに設置していくとことが大事だと思っています。
 それに向けて関係する方々としっかり協議をしながら、準備を進めていくことになると思っています。
 記者:昨日のぶら下がりの中で、準備の進め方や設置の検討過程など必要なプロセスは県民にしっかり説明していくと言われていました。
 一方で議員がそのような準備組織に参画するのであれば、県民の皆さんへの説明が一定オープンになっているのではないかということも言われていました。
 議会の議員を準備組織に選んだ場合、県民への検討過程の説明は、それに変わるようなニュアンスに捉えたのですが。
 県民の信頼性を高める意味であれば、議会のみならず、記者会見の場でも説明していただくことが望ましいのかと思います。
 議会以外にも説明される場は予定されているのでしょうか。
 知事:決定プロセスをどうするかを含めて、これから議論をして、決めていくことになるかと思います。
 もし準備組織を作るのであれば、そこが主体となって、作っていく形になるので、その準備組織自体が、どのように説明をしていくのかも大事だと思います。
 それを私が改めて言うのが良いのか、それか中立性の観点から好ましいかは、しっかり議論しなければと思っています。
 記者:文書問題で、これまで手続きについては、適切だったという認識を示されていたかと思います。
 昨日、県議会が無所属や共産党を含む全会一致で第三者機関を設置するべきだとの要請があり、二元代表制の一翼を担う議会の決定は重いと言われていたと思います。
 全会一致というのは珍しいケースかと思います。知事の最初の第三者委員会を設置しない方針について異議を唱えられたと部分があると思います。
 昨日は吉村知事も疑義があるなら内輪で判断すべきではないと言われていました。
 これまでも指摘されていますが、3月の会見で知事が嘘八百という発言されたことに対して、撤回すべきであるというような県議会からの意見もあり、知事の初動ミスであるような指摘が高まっている気がしますが、この初動ミスであることに対する知事の受け止めをお聞かせください。 
 知事:人事当局の調査や処分も含めて、その都度、私自身は適切に判断して対応してきたと考えています。
 いろいろな指摘があることは事実で、そこは真摯に受け止めなければと思っています。
 今でも、やはり今回の人事当局の調査、対応は適切だったと考えています。
 様々な議会からのご指摘、そして昨日の議長からの要請を受ける中で、第三者機関の設置が必要だということを、私自身もこれまでも熟慮、検討を重ねてきましたが、今回、改めてそこを判断させてもらったということなので、一つ一つのプロセスを私自身は適切に積み重ねてきたと捉えています。
 記者:反省点というのは、基本的にはなかったと考えているのでしょうか。
 知事:いろいろな指摘があるので、この問題をきちっと調査、これからまたしていく中で、最終的に振り返ったときにどう捉えるかは、また改めて考えていく形になると思います。

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 ⑥
 記者:先週、総務常任委員会で一部の県議が、阪神・オリックス優勝パレードを担当していた課長が自死されたことを指摘されていましたが、県としてはその件については認められないのでしょうか。 
 知事:個人情報に関する事柄なので、お答えができないということです。
 記者:個人情報というのは、個人情報保護法に基づく個人情報のことを言われているということでよろしいですか。 
 知事:詳細は、人事当局から答えさせますが、いずれにしても、個人情報に関することなのでお答えできないというのが、今の私のスタンスです。 
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 ⑦
 記者:先ほど話に出た、藤原弁護士の件でお伺いします。
 関係性だけ見れば疑惑で指摘されている団体の顧問弁護士で、いわゆる利害関係者に当たると見えるのですが、改めて利害関係者に当たるかどうかは、どうお考えでしょうか。
 知事:私としては、人事当局が行った調査は、懲戒処分の調査としては適正にやっていただいていると考えています。
 調査の主軸は人事当局なので、そこに弁護士の助言を得て処分を行ったというものです。プロセスについても適正であったと認識はしています。
 記者:弁護士は、あくまでも調査の中の主ではなく、サブ的な役割だというご説明だと思うのですが、改めて伺います。
 お聞きしているのはそこではなく、利害関係者に当たるのかどうかをお尋ねしているのですが。
 知事:私としては法的な問題もあるので、今の時点で明確に答えることはできないということです。
 後程、必要があれば人事当局から調査をした担当部局ですから、そこから説明をしていただくことが良いかと思っています。
 いずれにしても、人事当局の主となる調査としては、対応としては適切であったと私自身は捉えています。 
 記者:法的な問題というのは、後日、裁判などになった時に、利害関係者に当たるかどうかが一つの論点になりうるから答えられないということなのでしょうか。
 知事:そのような意味よりも、利害関係者というのが法的な言葉なので、そこがどうなるのかというところは、私としては今の時点で答える材料がないのでコメントできないということです。
 そのような観点から、より詳細に人事当局の方から、後程、説明をさせていただきたいと思います。
 記者:なぜ詳しくお尋ねしてるかというと、もし利害関係者であるということになれば、今回の内部調査に問題があったということに繋がると思います。
 そうなれば、今回の内部調査自体を撤回する可能性も出てくるのではないかと思うのですが、そこについて、お答えいただけないですか。 
 知事:繰り返しになりますが、調査の主軸は人事当局が行ってるということです。
 そこに弁護士のサポートをいただいたということなので、あくまで人事当局が調査した結果としての対応ということです。
 様々な項目について、あくまでメインは人事当局が調査して、そのサポートを弁護士がやったことになるので、現時点では適正であったと考えています。
 記者:先ほどの弁護士の件ですが、利害関係者かどうか、今は答えられないということですが、そもそも、兵庫県信用保証協会の基金の4割弱が兵庫県から出資されていると聞いています。
 普通の株式会社などと単純比較はできないと思うのですが、兵庫県のお金が大きく入っている、かつ、兵庫県の幹部職員の天下り先で、現理事長、専務理事も兵庫県の職員のOBであり、片山副知事もそこの理事長の出身であると聞いています。
 兵庫県の幹部職員やお金も入っている組織の中で、20年間顧問弁護士を務めてきた方が、兵庫県に対して、いわゆる公正で中立的な判断ができるかといったら、一般企業の考え方からすると難しいと思いますが、そこに対して、斎藤知事のお考えをお聞かせください。
 第三者的に見て、そうした利害関係がある所に20年勤めてきた顧問弁護士が公正にジャッジできると思われますか。 
 知事:今回は、弁護士が調査の主体としてやっているというものではなく、あくまで人事当局が懲戒処分の調査権限があるので、そこが、多分、大事なところだと思います。
 あくまでも、人事当局が調査をしてジャッジをしていくことになっていきますが、そこに弁護士が法的な指摘も受けてサポートいただきました。
 その上で委員会にかけて、調査を決定したことになりますので、そのような意味では人事当局がきちっと主となって調査をして、そして処分内容を決定した意味では、適切だったと考えています。
 人事当局:人事当局が行った調査の内容や手続き、処分の量定等に疑義がある場合の制度としては、被処分者、今回の場合であれば元西播磨県民局長になりますが、その被処分者が、人事委員会に審査請求を行うことができるような制度はあります。
 もし疑義等があれば、そのような対応がなされるものと認識しています。
 記者:そのような通報制度があるのはわかりますが、改めて最初に選ぶ弁護士として適切だったかどうかで言うと、今も適切だったとお考えですか。
 知事:私がどの弁護士を選んだかということではないのがまず1点です。
 人事当局が、調査をする中で、様々な方の意見を聞きながら、当該弁護士をサポートの対象として選んだということです。
 いろいろな指摘があると思いますが、現時点では人事当局の調査対象のプロセス含めて適切であったと考えています。 
記者:藤原弁護士は斎藤知事を聴取していると思いますが、聴取をした段階で斎藤知事は県信用保証協会の弁護士である藤原弁護士が聴取をしているという認識はありましたか。
 知事:認識はなかったです。
 記者:どの段階で顧問弁護士だとご存じになりましたか。
 知事:報道を見てです。
 記者:聴取を受けている段階では、知らずに聴取されていたということですか。
 知事:そうです。
 記者:県信用保証協会は、先ほども指摘がありましたが、公金で保証する協会で、幹部職員の天下り先の顧問弁護士だということも、聴取を受けた段階では知らなかったということですか。
 知事:県信用保証協会の人事は、当然私自身も認識しているところはありますが、顧問弁護士がどなたかは、そもそも承知はしていません。
 記者:お名前を聞いても知らなかったということですか。
 知事:今回、聴取を受ける段階等で初めてお会いした方です。
 そして、聴取を受けている段階では、協会の顧問になっていることは存じ上げていなかったので、報道で初めて知ったということです。
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2827/斎藤元彦兵庫県知事・2024年5月14日記者会見(一部)。

 斎藤元彦兵庫県知事・2024年5月14日記者会見(一部)。
 出所/兵庫県庁ホームページ「知事記者会見(2024年5月14日(火曜日))」。
 太字化、丸数字は掲載者(秋月)。「元西播磨県民局長」=告発文書(2024/03/12)の作成・発信者。
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 記者:
  文書問題に関して、今月9日にひょうご県民連合が第三者機関の設置を申し入れて、本日も石井秀武議員が申し入れをされました。
  改めて第三者機関の設置についてのお考えをお伺いします。 
 知事:
  今回の案件について、5月9日にひょうご県民連合から申し入れがあったことは承知しています。今日も石井議員から申し入れがあったことも承知しています。
  繰り返しになりますが、今回の件に関して、人事当局が懲戒処分にあたって弁護士にも相談しながら、文書に関する調査、対応を行いました。
  一定の第三者性が保たれてますし、客観性があるということで、処分の実施や内容については問題ないと私自身は考えています
  一方で、県民の皆さんにより十分に説明責任を果たしていくことも必要だという意見も見受けられます。
  我々としては、人事当局の行った調査は十分客観性があると今でも認識していますが、より説明責任を果たしていくべきだという意見もあります。
  今日もいろいろな施策を説明しましたが、県政をさらに前に進めていくためには、より信頼を高めていくことも大事だと思っており、今回の調査結果等について、外部の方に調査をしてもらうなり、しっかり説明責任を果たしていくことも大事だと思っています。
  この件は、県議会の動きなども踏まえながら、今後、どのような形で行うのが良いのかを、熟慮、検討していきたいと考えています。
 記者:
  議会の動きを踏まえつつというのは、例えば百条委員会など、具体的にどうなれば検討をしていくか、考えはありますか。 
 知事:
  議会の動きも踏まえながらです。
  まずは我々としてどうするべきかをしっかり熟慮、検討していくことになるのかと思っています。 
 記者:
  今回、公益通報を元西播磨県民局長がされて、吉村知事が9日の会見で第三者の通報機関を設置すべきだというご意見も出てきました。
  また、通報内容も、第三者の弁護士や専門家の意見を踏まえることが重要だという意見も出ましたが、改めてこのような意見を踏まえての知事の考えをお聞かせください。 
 知事:
  今の公益通報は、庁内に窓口を置いており、調査をして、是正が必要であれば、外部の委員に諮ってから是正措置をしていくことで、一定の客観性や外部性はあるとは思っています。
  そのような中で、今回、公益通報の窓口そのものについて、いろいろな指摘があることも承知しています。
  今回の事案をしっかり、見定めながら、今後、公益通報の窓口は外部に置いていくことを含めて、しっかり検討していきたいと思っています。
 記者:
  第三者機関の設置に関して、熟慮、検討していくということですが、設置すると決定されたわけではないのでしょうか。 
 知事:
  その可能性も含めて、今後、熟慮、検討していくということです。
  当然、二元代表制の一翼である議会側からも、既に複数の申し入れがありますし、議会側の動きも見据えながら、まずは私として、どのように対応していくかということです。
  やはり、先ほど申し上げましたが、今回の人事当局の調査自体は、弁護士にも入ってもらって、十分調査としては対応できていると思っています。
  より前を向いて、今後、県政を進めていくためには、県民の皆さんへの十分かつ丁寧に説明責任を果たしていくことも大事だと指摘もされていますし、私自身もそのように感じつつあるところなので、そのような観点から、外部の方に入っていただき、調査をしてもらうことも、一つの必要な説明責任の果たし方だと思っており、その辺り含めて、熟慮、検討していきたいと思っています。 
 記者:
  先週の会見では、第三者機関を設置しない、弁護士の先生もそのように仰っているので、そうだと思うと発言されていました。
  この判断を変えられた理由は、県議会からの意見があったところが大きいのでしょうか。
 知事:
  そこも一つありますが、県議会側にも様々な意見があります。
  正式に申し入れが来たもの以外にも、多様な意見もあるといろいろな形で伺っています。
  そもそも今回の事案について、より一層の説明責任を果たしていくためにも、そのような外部の方を交えて、我々が今回行った調査結果の内容も含めて、見てもらうことが、大事かと私も日々、考えたりします。
  そのような中で、今後さらに熟慮と検討を進めていきたいと思っています。 
 記者:
  熟慮、検討されて、概ね結論を出される時期の見通しありますか。 
 知事:
  そこはまだ決まっていません。 
 記者:
  第三者機関を設置するにあたり、一番重要なのは、委員の選定だと思いますが、委員の選定など、知事の中でイメージはありますか。 
 知事:
  まだ、熟慮、検討してる状況なので、具体的なものがあるわけではありません。
 記者:
  公益通報に基づく調査自体も進められていると思います。
  その調査との関連ですが、人事当局の調査があって、公益通報に基づく調査も続けていくのか、さらに第三者機関による調査も行うのかお聞かせください。 
 知事:
  公益通報についても、私が直接関与しているわけではありません。
  財務当局が実施していますが、基本的には、そのプロセスを止める理由がないので続けていく形になると思っています。
  そこに関しては、財務当局に聞いてもらえばと思います。 
 記者:
  第三者機関が調査するかどうかにもよりますが、基本的に公益通報の調査結果は公表されるケースがほぼ無いと思います。
  今回は注目を集めているケースで、公益通報についても通報者が公表されている異例の事態かと思いますが、公益通報の結果を公表するのか、今後、調査を始められると思いますが、第三者機関の調査自体は公開になるのかお聞かせください。 
  知事:
  そこも、まずは公益通報のプロセスは、財務当局に確認していただいたら良いと思います。
  また、第三者機関の公開は、熟慮、検討していく中で、どうしていくかになると思うので、具体的にどうするかまでは定まっていないと思います。 
 記者:
  公益通報の調査結果は、おそらく通常のやり方だと非公表のままだと思います。
  今回は、知事の判断にも関わってくると思いますが、関与するつもりはないのでしょうか。 
 知事:
  おそらく関与する余地がないのかと思います。
  改めて財務当局に確認をしてもらえればと思いますが、今、決められているルールに沿って調査をし、調査結果をどのように公表するのかも含めて、財務当局が委員の方と議論をしていくと思います。
  確か是正の必要性が何か出てくれば、委員に諮って公表されると思います。そういうことが出てくれば、公表することもあると思います。 
 記者:
  説明責任に関して、第三者機関が調査することが決まれば、第三者関からの報告書等が出てくるかと思います。
  先週の段階では、どのような発表の仕方をするかは検討したいということでした。現時点ではどの段階で知事から説明しようと思っているのか教えてください。
 知事:
  現在、公益通報の調査があって、今後、外部の方に入っていただいて、調査をしてもらうことも含めて、熟慮、検討していくことになります。
  どの段階で私自身が説明するのかは、現時点では決められないと思います。 
 記者:
  調査中の段階では説明はできないということですか。 
 知事:
  基本的に調査をしてる時には、調査の当事者が説明することは、よほどの何かがあれば別ですが、基本的には難しいと考えています。
  今後、どのような形で進めていくかによって変わってくると思います。 
 記者:
  第三者機関を設置するのであれば、調査の対象となるのはどの範囲なのか、挙がっている7項目なのか、懲戒処分全体の話なのかを教えてください。
  また、懲戒処分結果に対してもおそらく影響が出てくると思いますが、その見解を教えてください。
 知事:
  そこは、たぶん、私が、内容や調査の立て付けをどうしてくかを、あまり言う立場ではないと考えています。
  今後、外部の方に入っていただいて、調査をしていただくことを熟慮、検討していく中で、より客観性を保つためにはどうすれば良いかを、関係者の方で話し合ってもらう。そこには、議会が一定このような方向が良いのではないかということも一つあるかもしれません。
  二元代表制なので、県政全体をしっかり前に進めていくために、このような形で合意形成していくのも一つのあり方かと思いますが、私自身がこうして欲しいという立場ではないと、今は、思っています。 
 記者:
  処分が覆るかもしれないという結果についてはどうですか。 
 知事:
  現時点で人事課の調査は十分されて、処分を決定したと思っているので、仮定の話については、明確にお答えするのはなかなか難しいと思っています。 
 記者:
  文書問題に関して、先日、ひょうご県民連合が記者に対して説明を行った際に、兵庫県の財務規則では、寄附で物品を受け取る際には、寄附申出書を徴収しなければならないが、コーヒーメーカーの時は寄附申出書が提出されていない可能性があるというお話がありました。
  実際に原田産業労働部長がコーヒーメーカーを受け取った際には寄附申出書を、実際に処理していたかどうかを教えてください。
 知事:
  私は知りません。その辺りは担当の方から。
  社会通念上の儀礼の範囲内で、一定そのような地域の産品などをいただくとことはあるとは思います。
その都度、そのような手続きをしていたかどうかは、ケース・バイ・ケースだと思います。
  今後、今回の事案を含めて、いろいろ調査をしていますが、最終的には贈答品などのルールをきちっと定めていくことが、私は大事だと思っており、しっかり検討していく課題だと思います。
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 記者:
  文書問題に関して、先ほど第三者機関の設置を熟慮、検討するというお話がありました。
  逆に言えば今の段階で設置すると言い切れない、引っかかっている理由は何があるのでしょうか。 
 知事:
  先ほど申し上げたとおり、私としては、人事当局が行った調査は十分調査をして対応してきたものだと今でも思っています。
  繰り返しなりますが、より十分な県民の皆さんへの説明責任が必要だという意見もあるので、県政の信頼をこれから回復していくためにも、そのような外部の方に入っていただいて、調査結果をしっかり調査してもらって説明責任を果たしていくことが大事だと考えつつあります。
  これから議会側も、既に5月9日に申し入れをされていますが、議会側もどのような考えがあるかをしっかり伺って、そこを踏まえて対応していくということが大事だと思います。
  特に二元代表制になるので、当局側の知事と議会がしっかり今回の問題も含めて意思疎通をして、どのような形でやっていくべきかを、一定、合意形成をして、きちっとやっていくことを検討していきたいと思っています。
  今の時点で、どうこうと言うよりも、しっかり熟慮、検討していくにはもう少し時間がかかるのではないかというのが率直な思いです。 
 記者:
  第三者機関を設置することは考えているけども、具体的な中身ややり方などは、これから熟慮していく考えでしょうか。
 知事:
  中身やどのようにするかは、多分、私がこのようにしたいとか、このようにしてということを最終的に決められる立場では無くなってくると思います。
  繰り返しになりますが、県議会の中にもいろいろな意見があると思います。今の時点で調査は十分に尽くされており、もう良いのではないかという意見もあれば、やはり説明責任をしっかり果たしていく意味でも、作った方が良いのではないかなど、いろいろ意見があると思います。
  それを伺って、どうするかを、最終的に、熟慮、検討して定めていきたいと率直に思っているところです。 
 記者:
  知事が最終的に全体像を考えるのではなく、議会との対話の中で、第三者機関のあり方、中身をどうするか、対話を通じて考えていくということですか。 
 知事:
  最終的には、県が執行者なので、中身をどうするかは別にして、どうするかはおそらく知事が予算も含めた執行権者なので、どうするかを判断していかなければいけないと思います。
  その過程の中で、議会側も含め、ご意見を伺いながら最終的に判断をしていくことになると思います。 
 記者:
  先ほどの質問に関連して、前回の会見までは、第三者機関は一切考えていないとのことでした。
外部の方を含めた第三者機関を設置することの必要性を一番強く感じられたのは、どのようなやりとり、どのようなきっかけだったのですか。
 知事:
  元々、完全に否定していたというよりも、今やっているプロセス、人事当局の懲戒処分に関する調査が、弁護士を入れた中できちっとやっているので、そこで一定の客観性と第三者性、公益通報のプロセスも含めれば、今の時点ではこれで十分ではないかとの見解を述べてたというのが事実だと思います。
  今でもそこは、そのような考えもありますが、やはり日々、自分の中でもいろいろ考えていく中で、議会側もいろいろなご意見があります。
  そして、県民の皆さんの中でも、斎藤県政をもっと前に進めて、若者・Z世代対策を含めて、どんどん施策を前に進めていくためにも、今よりも、もっと十分な説明責任を果たしていくことが大事ではないのかなど、いろいろなご意見もあります。
  そのような中で、私自身もこれからしっかり説明責任を、すでに調査結果が出ていますが、その内容も含めて、外部の方に見てもらうことが必要かどうかを議会側の意向も踏まえながら、熟慮、検討していきたいという心の内になってきたというのが、現在の状況です。 
 記者:
  今回、7点の指摘の中で、県庁内部からの声で、いわゆるパワハラに当たるのではないかという行為が様々なところから声があるとの指摘がありました。
  熟慮するにあたって、県庁内部からの声、ご自身の部下からの言動や行為が、もう一度見直すことに繋がったということはありますか。
 知事:
  そのようなことというよりも、報道であったり、県議会の意見、あとは自分の中でいろいろ考えたりすることがある中で、より説明責任を果たしていくため、外部の方に今回の調査結果を含めて対応していくことも大事なポイントではないかと考え始めたところです。
  これから、県議会からの意見なども伺いながら、最終的に熟慮、検討して判断していきたいと考えています。 
 記者:
  熟慮、検討していくために、議会との対話の場を知事として設けられるのか、どのような形で検討を進めていくのか、何か考えがあればお聞かせください。 
 知事:
  今のところ具体的なものはありませんが、議会からもいろいろな会派が申し入れをされつつある中で、おそらく議長含めて各会派の方々は、どうすべきかを考えていく状況になる可能性もあります。
  その中で、どのタイミングで誰とどうすべきか、おのずと定まっていくと思っています。
  今の段階で、こうしたい、このタイミングでしたいことがあるわけではありません。 
 記者:
  説明責任という言葉が出てきましたが、知事は3月末の会見で事実無根という発言をされました。
  知事自身が、文書内で書かれている疑惑は、その一つ一つをこれまで説明はされてこなかったかと思います。
  その説明責任はどう考えているのでしょうか。
 知事:
  説明責任は、私自身が説明するというよりも、県民の皆さんに対してしっかり県が説明していくことが、県というものはやはり組織ですから、大事という意味で申し上げています。
  これは私の口からが良いのか、それとも今回も人事当局の調査結果で、このような方向性を皆さんとともに説明をしたこともあります。
  そのような意味での説明責任をどう果たしていくかが、今でも大事だと思っています。そこは前回の人事当局の調査結果が、一定客観性も入れて調査をしたと私は思っており、一定の説明責任は果たしていると感じています。
  それでも、より客観的に説明責任を果たしていくべきだという声がある中で、外部の方の調査をしてもらうことを含めて、これから熟慮、検討していくことになります。
  外部の方が調査する方向であれば、その方々が最終的には説明をしていくこともあるかと思いますが、そこはこれからどのような形でやっていくかがベースになるかと思っています。 
 記者:
  自身がその疑惑について説明されることも含めて検討されるのでしょうか。 
 知事:
  そこはやはり調査の対象となっている当事者なので、ここがすごくこの問題のポイントにもなっています。
  最初の方に、私は虚偽が多いと言いましたが、それはその時点で、私自身が当事者として、そのような事実が無いことが多いので、そこを申し上げましたが、その後、調査を進めていく中で、私自身が個別のことについて、コメントや評価をしていくことは適切ではないということだったので控えてきました。
  今後、人事当局の調査が終わったとはいえ、公益通報のプロセス、外部の方も入れたプロセスが進んでいくことになれば、当面、私の方から個別のことについてお答えをすることは、どの段階かはありますが、今の時点では、そこはできないと考えています。
 記者:
  調査の段階で、知事自身が、自身の疑惑について一つ一つ説明するのは適切ではないという考えでしょうか。 
 知事:
  客観性を持って説明していくためには、私以外の方が調査することなので、まずは人事当局の内部調査を実施し、公益通報の調査も進んでいきます。
  それが私以外の方が調査をして発表していくことが、一番客観性を持ったものなのではないかと思っています。 
 記者:
  そのご意見も踏まえて、3月末での自身が当事者として書かれていることに事実無根だという発言をされたことについて、人事当局の調査中でしたが、あの発言は今の段階でも適切だとお考えでしょうか。 
 知事:
  適切か適切でないかは、コメントはなかなかできませんが、当時としては、公益通報がされていない段階で、私自身も内容について書かれた当事者として、そうでは無いということが多々含まれていたので、そこをあのような形で、指摘させていただいたということです。 
 記者:
  3月に、文書問題が出てきて、2カ月近くこのような状態が続いているかと思います。
  そのような状況は、県民の皆さん、全国的にも、不安やどうなっているのだろうという状態が続いていることについて、知事の受け止めをお願いします。 
 知事:
  懲戒処分が決まった時にも申し上げましたが、このような状況になったことについて、県民の皆さんにお詫びを申し上げなければならないとお伝えしました。
  これから県政を前にしっかり進めていくためにも、今回の事案について、適切に対応して、信頼回復につなげていき、前に進めていくことが大事だと思っています。 
 記者:
  知事のこれまでを振り返って、あの時このような対応をしておくべきだったなど、反省すべき部分とかはありますか。 
 知事:
  プロセスとしては、人事当局の調査、そして、結果的に公益通報というプロセスになっているので、対応としては現時点では適切な対応をしてきたと認識しています。
  ただ、先ほど申し上げたとおり、より県民の皆さんに対して、客観的な説明を果たしていくことも大事なポイントだと思います。
  これから、前を向いていく意味でも、外部の方に入っていただいて、調査をしてもらうことを含めて、これから県議会の意向なども聞きながら、熟慮、検討していく、そして判断していく形になると思っています。
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2826/斎藤元彦兵庫県知事・2024年5月8日記者会見(一部)。

 斎藤元彦兵庫県知事・2024年5月8日記者会見(一部)。
 出所/兵庫県庁ホームページ「知事記者会見(2024年5月8日(水曜日))」。
 太字化、下線、丸数字は掲載者(秋月)。「元西播磨県民局長」=告発文書(2024/03/12)の作成・発信者。
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 記者:
  昨日の懲戒処分で、元西播磨県民局長の処分を決めましたが、知事の受け止めをお伺いします。
 知事:
  元西播磨県民局長と産業労働部長の処分を行いました。服務規程に違反した職員に対する懲戒処分等です。
  職員一丸となって、県政の推進に取り組んでいる中で、このような事案が起きたことは、改めて、大変遺憾であります。県民の皆さんにお詫びを申し上げたいと思っています。
  改めて公務員倫理の徹底を図るとともに、今後、より風通しの良い県庁組織を作る、風通しの良い職場づくりに向けて、私としても最大限取り組んでいきたいと考えています。
 記者:
  元西播磨県民局長は、公益通報もされていますが、なぜ、今の段階で人事処分の決定をされたのかをお伺いします。 
 知事:
  昨日、人事当局、同席いただいた藤原弁護士からも同様の説明があったと思いますが、確かに公益通報されていますが、通報以前に行われた本人の非違行為に対して、懲戒処分を行う判断を、今回、人事当局と協議しながら決めました。
  処分に関しては、昨日、弁護士含めて問題はないとの見解もいただいているので、それに沿って対応させていただきました。
 記者:
  人事当局からはどのような説明が知事にありましたか。
  調査方法や調査内容の説明はあったのでしょうか。 
 知事:
  最終的に懲戒処分を決めるにあたって、綱紀委員会で議論して、非違行為があったので、懲戒処分に相当する旨の説明がありました。
  過去やこれまでの例に沿って、懲戒処分の内容についても報告があり、私自身も内容を聞いて了承しました
 記者:
  3月27日の定例会見で、知事は「名誉毀損、法的な課題がある」と発言されましたが、調査を終えた現在の認識としてはどのように思われていますか。
  また、刑事告訴などを考えているのでしょうか。
 知事:
  昨日、人事当局から発表させていただいたとおり、今回、当該者の行為には、幾つもの非違行為があり、懲戒処分に相当するため処分をしました。
  調査内容の一つ一つについては、今後、公益通報があるので、コメントは少し差し控えたいと思っていますが、当該文書には、虚偽内容が含まれていた旨は、昨日、説明されたとおりだと考えています。
  そのようなことから今回、懲戒処分を行いました。
  今後の刑事的な手続きは、公益通報の手続きが進んでいる状況ですが、昨日、懲戒処分を行い、当該文書の内容は事実ではないことも示されたと受け止めているので、私としては現時点では刑事告訴などは考えていません。 
 記者:
  今回の件は、懲戒処分前に内容が公になってしまった異例の事態だったと思います。
  この件により、県政への不信感に繋がりかねない問題となったと思っていますが、この点について知事はどのように考えていますか。 
 知事:
  先ほども申し上げたとおり、職員一丸となって県政の推進に取り組んでいる中で、このような事態が起きたことは大変遺憾だと考えています。
 記者:
  前例に沿えば、懲戒処分は人事課の調査で実施することになると思います。
  先ほども不信感という発言もありましたが、一方で知事も日頃から開かれた県政という透明性を確保した運営を掲げていると思います。
  県民の疑念を解消するためにも、知事と利害関係のある職員や弁護士の調査ではなく、内外から外部の第三者委員会を設置するべきではないかとの意見もありますが、その点についてはどのようにお考えですか。 
 知事:
  今回は、人事当局が、まずは懲戒処分に相当するということで調査をしました。
  以前から申し上げているとおり、弁護士の意見も聞きながら、今回の調査をしたので、一定客観的な調査が実施されたと考えています。
  今後、公益通報に基づく手続きになるので、公益通報委員会もあり、一定の第三者性は担保できていると私自身は考えています。
  また、第三者委員会の設置の必要性は、昨日、藤原弁護士などからも、考え方が示されたと伺っています。私としては適当ではないかと考えているので、それを踏まえて対応していきます。
  
 記者:
  懲戒処分問題に関してお伺いします。
  昨日のレクで人事当局は、調査を尽くしたので、これ以上事実は出てこないため、第三者委員会は不要だというような趣旨を話されたと思います。
  今回、処分権者が行政トップである知事で、行政トップが決めた組織決定を、公益通報は県政改革課が内部で実施されるかと思いますが、行政トップが決めた組織決定を、内部調査が縛られずに客観性を持った調査ができるのかについては疑問の声も上がっているかと思います。
  この辺の公益通報に関してその調査が客観性を持てる根拠についてお伺いします。
 知事:
  そこはきちっと客観性を持ってやることが大事ですし、そうすべきだと考えています。
  今回は、人事当局が弁護士の意見も聞きながら、内部調査を客観的にやったということで、昨日発表して、それに基づいて、懲戒処分等をした形になっています。
  今後は、公益通報がされているので、それに沿って、弁護士等で構成される公益通報委員会で調査結果に基づく是正措置があれば、そこに対して意見を述べていくことになると考えています。
 記者:
  公益通報で、虚偽ではなく、誹謗中傷でもなく、公益通報として事実関係についても事実が認められるという、仮に真逆の事実が認められた場合、その懲戒処分の根拠が覆るかと思うのですが、そのあたりのご見解はいかがでしょうか。
 知事:
  仮定の話ですので、なかなかコメントしづらいと考えています。
  現在、当該者から公益通報があり、ここはプロセス、事実としてあるので、これに基づいて調査をしていく。
  そして、必要に応じて是正措置などを弁護士等で構成する通報委員会に付議しながら、決めていく形になります。 
 記者:
  今回の調査手法には、知事は関わっておられないということでした。
  昨日の人事当局の説明では、人数や期間なども調査手法に関することですので、明らかにしないとのことでしたが、第三者委員会などが設置されている場合では、透明性や客観性を持たせる意味でも、個人情報にかかわらない部分は明らかにすることが一般的かと思います。
  このあたり調査手法については、どのように評価をされていますか。 
 知事:
  懲戒処分に関する内部調査が、これまでのやり方に沿って、まずはやってきたことに加えて、今回は、当該文書の内容が一つの懲戒処分の構成要件としてあったので、そこは弁護士をきちっと入れさせていただいて、客観的にしっかり調査したことが、昨日の人事当局、それから藤原弁護士の見解だったと思っているので、そのような観点ではきちっと対応されたと認識しています。 
 記者:
  人数・期間等を明かさないこと、報道機関に対する聴取もあったかと思うのですが、調査手法に関することは、今回、調査を終えられてみて、知事としてどのように評価されているのかお聞かせください。
 知事:
  従来の人事当局の調査の中で実施されたものではあるので、もちろん報道機関への調査は、私自身は調査対象になっているので、指示などができなかったことはありますが、やはり報道の自由をしっかり尊重しながらやるべきだという思いはあります。 
 記者:
  人事調査の結果が出たので、個別事案について伺います。
  1つ目の調査結果で、ひょうご震災記念21世紀研究機構の副理事長である御厨さんと河田さんの解任について、片山副知事が打診したことは事実だと、今回の人事当局の調査では認定があったかと思います。
  2人とも震災分野の第一人者で、今回発表もあった創造的復興サミットに関しても要になられるのだと思ったのですが、震災30年を前にこのような人事のお話をされたことに関する趣旨をお聞かせください。 
 知事:
  そこは、人事当局の調査は現時点で昨日終わりましたが、これから公益通報の方でも調査が進むので、個別の当該文書に関する是非や内容のコメントをするのは、現時点では差し控えておいた方が良いというのが私の今の感覚です。
  指摘されていることについて、もし必要があれば、担当課を含めて、所管するところに聞いていただいたら良いのかもしれないです。
 
 記者:
  昨日、藤原弁護士が、知事を聴取するのは、十数年間の経験でも極めて異例だということでした。
  県議さんから言わせると、ガバナンスの問題や前回の知事選が影響しているのではないかといった、いろいろな声があります。
  知事として聴取を受け、今回、綱紀粛正を図る、風通しの良い組織にするためには、具体的にどのように改善していかれようと考えているのでしょうか。 
 知事:
  先ほど申し上げたとおり、懲戒処分が一旦決定されて、今後、公益通報の手続き等が進んでいくので、その経過を見た後に、具体的にどうするかを考えていくことも大事だと思っています。
  そのような中で、今回の懲戒事案が発生したことを踏まえると、職員倫理の徹底を図っていくことと、そのために必要なルールづくり、贈答品や公益通報の窓口をどうするかなども、きちっとやっていきたいと思っています。
  それから風通しの良い職場づくりというものを、私自身ももっと努力をしていかなければと考えています。
  先ほども言いましたが、この3年間、コロナ対応もそうですが、若者Z世代を応援する様々な施策を中心に、いろいろなことをさせてもらいました。
  職員には、一緒にやってきたことに改めて感謝を申し上げたいと思います。
  選挙などいろいろな指摘はあるのかもしれないですが、大事なのは、やはり、県民の皆さんにとって、一番良い施策をやっていくことが大事だと思います。
  そのために、県庁一丸となって、良い施策をみんなで作っていくような組織風土に私自身が先頭になってやっていくことを、これまでも努力してきましたが、今一度、働き方改革も含めてやっていきたいと考えています。
 記者:
  知事ご自身が、今回の懲戒処分に至る調査を通じて、反省すべき点、改善すべき点はどのように考えていますか。 
 知事:
  具体的に何かということよりも、今回、このような事態に至ったことは、県民の皆さんにお詫びを申し上げなければいけないと思っています。
  懲戒処分に至るようなことがあったことで、今一度、公務員倫理、服務規律の徹底をきちっとしていくこと。これは私自身も、やはり疑念を持たれないようないろいろなルール、それからそれを是正するような仕組みを作っていくことが大事だと考えています。
  先ほども言いましたが、風通しの良い職場づくりに向けて、より職員とのコミュニケーションを密にしていく。そして、良い施策を県民の皆さんのために実現できるような、そんな県庁づくりに努めていくことが大事だと思っています。
 
 記者:
  懲戒処分の問題で伺います。
  3月27日の定例会見で、知事は文書内容について事実無根が多々含まれている嘘八百、と言い切られていたかと思いますが、その影響で、この人事課の調査を受ける職員の中に萎縮する人がいたという可能性は考えられませんでしょうか。 
 知事:
  当時は、公益通報等される前の段階で、私としては当事者でもあって、事実ではない内容が多々含まれているという意味で発言をしました。
  その後、昨日、発表したとおり、人事課が内部調査として弁護士の助言やサポートをいただきながら、かなり関係者へのヒアリングや客観的な証拠も含めて、積み上げをしたと思いますので、そのような指摘は当たらないような調査結果になっていると私自身は捉えています。 
 記者:
  3月27日時点で公益通報はまだされていなかったと思いますが、確か懲戒処分に向けての人事課の調査は始まっているということだったと思います。
  その調査がある中で、定例会見で言い切ったことは、今でも適切だったと思われますか。
 知事:
  あの当時は私自身が、そのような形で指摘されている中で、そのような発言をさせていただいたというふうに考えています。
  その後、先ほど申し上げたとおり、人事当局が弁護士も入れながら、きちっと客観的な聞き取りや証拠などを集めて調査をしていたと私自身は受け止めています。 
 記者:
  懲戒処分の件で、先ほどから客観的な証拠がある、客観的な聞き取りが行われたという話だったのですが、人事当局からどのような調査をして、何をもって客観的と思われているのか
  内部調査ですので、知事の下で働かれている職員が調査を行っていて、何をもって客観的と考えられているのかお伺いします。 
 知事:
  昨日の調査結果の内容で、一つ一つの項目について説明がされているかと思います。そこで何が事実でないかどうかというところが、きちんと核心的なところを含めて説明をしたと認識しています。
  その際には、人事当局がきちっと弁護士のサポート、助言を受けながら、一つ一つの項目について、関係者の聞き取りなどしていたと考えているので、そこで一定の客観性はある調査になったと認識しています。 
 記者:
 今回の処分を決定した委員会に、この文書で疑惑として挙がっている幹部職員も委員長として入られていますが、その処分への中立公平性が担保されていると考えられていますか。
 知事:
  綱紀委員会の話だと思いますので、そこは人事当局としてもう一度説明してもらえますか。 
 人事当局:
  綱紀委員会の委員長が総務部長であるということで、昨日も申し上げましたが、調査の結果、事実認定をしたことを綱紀委員会で申し上げて、事実に基づいて非違行為の処分の量定について綱紀委員会で意見を聞くという形になります。
  調査過程では、総務部長を外しており、最後、処分権者の1人ではあるので、そのような意味で、認められた非違行為について、委員会に諮るということであり、問題ないものと考えています。 
 記者:
  調査には、委員長はもちろん入っていないと思いますが、調査対象として入っている方が、その処分、事実に基づいてという話ではありますが、処分決定するというところで、公平性をどのように担保されているんでしょうか。
  決定する上で、自分自身の疑惑が書かれているものを、どのように公立公平に扱っているのかは、もう少し説明をお願いします。
 人事当局:
  文書に書かれていることが基本的に事実ではないという調査結果が出ております。
  本人も当然のごとく、身に覚えのないことを書かれているということであるので、その点では処分に恣意的な思いが入る余地はありませんし、そのような意味では処分権者、知事はじめ、処分の決裁権者であり、当然、その処分を決定していくにあたっては必要な手続きになるので、そこの点では問題ないと考えています。 
 記者:
  文書の内容について、知事は以前、一つ答えると次も次もとなる。全体を精査した上で説明したいと会見でお話をされていました。
  今回、人事当局の調査でも一つ一つどれが事実ではないと説明をしていただいたので、全体の精査をされているのではないかと思います。
  人事当局の調査でも一定されていると考えられるかもしれないですが、どの段階で説明していただけるものなのかをお伺いします。 
 知事:
  私自身が調査内容について、一つ一つ説明することが、今の段階で良いのかどうかはあると思います。
  今は、人事当局が弁護士を入れて調査をしていたので、その間、私は調査対象でもあり、答えてはいません。
  かつ、昨日、調査結果を懲戒処分の中で説明をしたということになるので、そこを踏まえてこれから公益通報の手続きの中で、文書の内容が調査や精査されていくと考えています。
  私としては、今の段階で、文書の内容のことについて、コメントすることは控えたいと思っています。
  ある程度公益通報の調査が終わった後も、私自身が説明するのが良いのか、それとも昨日のように、私ではないという意味での第三者、人事当局の方から、昨日も弁護士が説明を補足しましたが、そのような形で内容の説明することの方が適切であれば、それを持って説明したことになると思っています。 
 記者:
  知事は、3月27日の段階で嘘八百というふうな発言をされています。
  何をもって嘘八百と会見の場で発言されたのかというところも、改めて説明が必要なのではないかと思いますが、そこはいかがでしょうか。 
 知事:
  そこは昨日の調査結果を踏まえた項目についての説明です。
  そこと、これからの公益通報のプロセスを経た後の結果を踏まえて対応は検討したいと考えています。 
 記者:
  先ほども質問があった法的手続きを進めているというような発言を3月27日にされていましたが、それはもう、撤回されるといいますか、法的手続きはしないということで良いのでしょうか。
 知事:
  昨日の時点で、懲戒処分の内容が一定決定され、そこで、内容について、真実でないということが一定示されたこともあり、懲戒処分されていることから、現時点では、刑事告訴などは考えていない状況です。
 ⑤ 
  記者:
  懲戒処分の問題でお伺いします。
  元西播磨県民局長は内部通報が信頼できないため、公益通報より先に文書を配布する方法をとったと言っています。
  他県では、庁外に公益通報窓口を設定している県も多いそうですが、公益通報の窓口を庁外に設置することは検討していますか。 
 知事:
  先ほど申し上げたとおり、今後の検討課題になると考えています。
  現時点では、公益通報の窓口は庁内に設置していますが、今回の事案を踏まえて、今後、窓口を外部に設置することも含めて検討課題と認識しています。 
 記者:
  今回、2人が処分されましたが、元西播磨県民局長は懲戒処分でも上から2番目に重い停職。産業労働部長は懲戒処分には当たらない戒告の事実上一つ下にあたる訓告という処分でした。文書による指導に過ぎないものではありますが、処分の軽重について、知事が思うことあればお伺いします。
 知事:
  まずは、人事当局の方から。 
  人事当局:
  昨日も申し上げたとおり、地方公務員法上の処分ではありませんが、本県の考査規程で訓告という処分を行うことができると規定されています。そのような意味では、訓告も懲戒処分に当たります。
   それぞれの処分は比較するものではなく、それぞれの職員が行った非違行為そのものを、過去の処分事例や本県の懲戒処分指針に基づいて、非違行為について処分の量定を検討するものです。
  今回、元西播磨県民局長と産業労働部長の処分の量定を比較することは、適切な比較の対象にならないと言いますか、それぞれ行った非違行為について、妥当な処分の量定を検討していくことになります。 
 記者:
  知事はどう思われていますか。
 知事:
  今、人事当局から説明させてもらったとおり、処分の量定は、それぞれの非違行為について、本県の懲戒処分の指針や過去の処分事例を踏まえて決定したものです。私としては今回の対応は適切なものだと考えています。 
 記者:
  先ほども、記者の方から質問がありましたが、改めて3月の定例会見の際に、当初から嘘八百、事実無根としていた告発文が、内部調査の結果、核心的な部分において全て事実無根と認定されたことについて、改めて受け止めをお願いします。 
 知事:
  現時点では、公益通報の手続きが進んでおり、それぞれの内容へのコメントは差し控えますが、改めて、職員一丸となって県政の推進に取り組んでる中で、このような状況になったということは、極めて遺憾であります。県民の皆さんに改めてお詫びを申し上げたいと考えています。
  改めて公務員倫理の徹底を図るとともに、私自身も、より風通しの良い職場づくりに向けて努力して参りたいと考えています。
 記者:
  弊社の情報番組や系列の報道番組において、橋下徹さんが発言していた言葉を一つ拝借させていただきますが、「斎藤知事は確かにパワハラがないと言いたいのは分かるが、それを今、調査中の段階で言ってしまうと、適正な調査ができないし、以後職員も告発がやりにくくなる」といった発言をしています。
  当初、人事当局の調査が始まっている段階で、事実無根や嘘八百と言ったことは、今振り返ってみて適切だったと考えているのでしょうか。 
 知事:
  今回の文書については、私としては、3月27日の時点では、文書に書かれた当事者として、事実でないことが多数書かれていたので、その中で、そのような表現をしたということになっています。
  昨日、人事当局が弁護士を入れて行った一定客観的な調査の中で、結果的に懲戒処分に該当する事案の一つとして、文書の内容に非違性が含まれたことが示されたことになっているのでないかと考えています。
 記者:
  先ほどの他の記者の方の質問にもありましたが、調査が始まっている段階で、知事の見解を言ってしまうと、内部の調査ですので、言いづらくなってしまう職員の方もいるのではないかという懸念がある中で、そのような発言があったことは、適切だったということで大丈夫ですか。
 知事:
  表現が適切であったかどうかは、今後、よく吟味をしていきたいと思っていますが、今回については、3月27日の時点で文書に書かれた内容が当事者として様々な事実ではない内容が含まれたということで、私自身もあのような表現をしました。 
 記者:
  先ほどから話題になっている過去の知事の発言で嘘八百や事実無根と言ってる思いや認識は今も変わりないということでしょうか。 
 知事:
  3月27日の時点で文書が出ていて、文書に書かれた内容について、当事者として、事実ではないことを書かれたことで、あのような表現をしたということです。
 
 記者:
  当時の思いや考えはわかりましたが、今回の人事当局の調査結果を受けて、改めて文書の評価をする時に、文書の中身は、やはり嘘八百であって、事実無根であるというのは変わりないのでしょうか。 
 知事:
  昨日、人事当局が発表したとおり、弁護士を入れた人事当局の調査によって、記載内容の核心的な部分が事実でないと明らかになった発言。
  それから、記載内容の各項目を、全体として見れば7つの項目全てが事実に反していると、昨日、人事当局、それから弁護士もそれを踏まえて評価されているということだと思います。
 
 記者:
  第三者委員会の件ですが、今のところ設置をしない考えだと思います。
  議員さんや一般の県民の方からも、やっぱり、第三者委員会を設置した方が良いのではないか、この内部調査だけで終わるのはどうなのか、というご意見も多々あるように見受けられます。
  これまでの説明を聞くと、弁護士に話を聞いて、法的には問題ないという意見は一定理解できますが、失礼な言い方ですが、ある意味、盾にとって強引に幕引きを図ろうとしているようにも見えます。
  今のこのやり方で、実際に県民に理解が得られると考えているのでしょうか。 
 知事:
  今回の内容は、そのような文書が出て、その後、公益通報という形で提出がされ、人事当局の調査が始まった形になります。
 b調査の内容は、昨日、発表しましたが、人事当局が弁護士とも相談しながら、きちっと客観的な内容を調査したと受け止めています。一定の第三者性、客観性というものは、これからやる公益通報のプロセスと含めて担保されているのではないかと考えています。
 県民の皆さんに、昨日も説明したとおり、今日も会見しているとおり、きちっとご理解をいただけるように、これからも努力していくことだと思います。
  第三者委員会の設置については、昨日、藤原弁護士からも見解が示されましたが、法的な専門家の観点から設置の必要はないと示されたので、私としてはそれを踏まえて、これから適切に対応していくことに尽きると考えています。 
  記者:
  弁護士の意見で法的に正しいかどうかという意見とは別に、一般の県民の方からすると、客観性が本当にあるのかどうか、いわゆる納得感や理解ができるかが非常に行政のあり方として大事ではないかと思います。
  今の発言では、やはり第三者委員会は何があっても設置しないというように聞こえます
  今後の展開によっても、全く設置する考えはないということでしょうか。 
 知事:
  まずは客観的な調査をきちっと実施していくことが大事だと思います。
  そのような意味で、私たちが、今、進めているのは、繰り返しなりますが、懲戒処分に関して、人事当局が調査をしていく。そこで弁護士のサポートをいただきながらできるだけ客観的にやってきました。
  それを、昨日、弁護士同席の下、内容の説明をしたことで、調査内容の説明や客観性は、一定担保できてるのではないかと私自身は考えています。
  これから公益通報の中で、今一度、プロセスが進んでいくことになります。
  委員会の委員の中には、弁護士とかも入っており、是正措置などが必要であれば、その意見を聞きながらやっていく形になるので、そのプロセスをきちっとやっていくことで、県民の皆さんに対する客観性を示していくことができるのではないかと私は考えています。
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2825/斎藤元彦兵庫県知事・2024年4月26日記者会見の内容(一部)。

 斎藤元彦兵庫県知事・2024年4月26日記者会見の内容(一部)。
 出所/兵庫県庁ホームページ「知事記者会見(2024年4月26日(金曜日))」。
 太字化、丸数字は掲載者(秋月)。「元西播磨県民局長」=告発文書(2024/03/12)の作成・発信者。
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 記者:
  前西播磨県民局長の文書問題でお伺いします。
  丸尾議員が、第三者調査機関を設置するよう要望を出されました。
  これまで知事は、まず人事当局が調査をしてからという見解を繰り返し示されています。
  改めて、人事当局ではなく、外部の第三者が調査を、という申入れ書を受け取った知事の見解をお聞かせください。 
 知事:
  先日、丸尾議員が申入れをされたことは承知をしています。
  私は、詳細な内容を把握できていません。
  今回の件に関しては、繰り返しになりますが、現在、人事当局が懲戒事案にも関する可能性があるため、弁護士と相談しながら客観的な事実を含めて詳細調査をしているところですので、そこがまずは県としては大事だと思っています。
  一方で、文書の内容は、公益通報もされています。
  公益通報は、是正の必要等あれば、第三者からなる公益通報委員会にも付議される形になっています。
  そこには、弁護士や公認会計士、学者の先生が入った委員会ですので、そのプロセスをきちんとやっていくことで、一定、第三者性が担保されると考えています。
  いずれにしても、現在、人事当局が、弁護士を入れて調査をしているので、しっかりやってもらうことが大事だと考えています。
 記者:
  公益通報の制度で外部有識者が入っているため、それが、第三者に当たるという見解でよろしいでしょうか。 
 知事:
  第三者性は、そこが一定あると私自身は考えています。
  片山副知事が入っていましたが、今回は外すことにします。
  現在、すでに人事当局の調査は、弁護士を入れてやっています。
 そ れと併せて、公益通報の制度の2つをきちんとやっていくことが大事だと考えています。 
 記者:
  第三者調査機関を新たに作る必要はないということでしょうか。 
 知事:
  繰り返しになって申し訳ありませんが、人事当局が弁護士と相談しながら行っている詳細な調査だと思います。
  内容について、私は、タッチはしていません。
  それとともに、公益通報を受けた上での、公益通報での調査をきちんとやっていくことが大事だと思います。
  人事当局の調査には、弁護士を入れており、公益通報の委員会にも、弁護士などの第三者も入っているので、一定の第三者性も担保されていると考えています。
  まずは、人事当局の調査が大事なポイントだと考えています。
 記者:
  前西播磨県民局の文書問題で、先ほど、新聞労連から、県庁と県知事に対する抗議声明が出されています。
  人事課が報道機関に対して聞き取り調査をしたことは、速やかにやめるべきだという内容でした。
  先週の会見では、知事は人事課の調査には関与していないとのことでしたが、本日、新聞労連の委員長からは、知事がリーダーシップを持って制止すべきだというようなご意見を述べられています。
  この抗議声明に対する受け止めをお伺いします。 
 知事:
  人事当局が、今、行う調査方法は、私自身も把握をしていないのが今の正直なところです。
  懲戒処分の可能性があるため、事実確認などをきちんと行うことは、そのような処分や調査の信頼性を確保するためにも大事なポイントだと思っています。
  一方で、事実確認をする際には、ご指摘のとおり、報道の自由を侵害しない範囲で適切に対応していくことは必要だと考えています。
  調査をどこにするなどは、調査方法に関することですので、私が直接指示をすることはできないことはご理解いただきたいと思います。
  報道の自由を侵害しない範囲で適切に対応していくことが必要だということは、前回も述べさせていただいてるところですので、一定ご理解いただきたいと考えています。 
 記者:
  人事課は、報道機関の聴取を続けるような意向なんですが、知事からも制止すべきだということは言いにくいということでしょうか。
 知事:
  調査方法をどこにするようにということは、私が当事者になっているので。
  もし、私が当事者でない立場であれば、そのようなこともできる可能性があるかもしれませんが、私が当事者になっている以上、調査をどこにする、しない、ということを指示することは難しいと思っています。
  何度も繰り返しになって申し訳ないですが、報道の自由を侵害しない範囲で適切に対応していくことは大事だと考えています。 
 記者:
  丸尾県議からの要望書で、本日、市川町から丸尾県議の要望書に対する抗議文のようなものが出ています。
  事実関係と違う、という話でゴルフクラブの件だったかと思いますが、我々も知事表敬などで知事応接室に入ったときに、アイアンクラブを見ることがあります。
  そもそも、アイアンクラブ自体がどこから提供があったもので、どのような目的で提供があったものなのかお聞かせください。 
 知事:
  市川町がどのような抗議をしたのか承知はしていません。
  アイアンクラブの件も含めて、個別の内容になりますので、繰り返しになりますが、人事当局、公益通報の調査も含めて、今、調査が進んでいる段階ですので、個別の事案の内容は、私自身が当事者にもなっており、現時点では、コメントすることを差し控えた方が良いと考えています。
 記者:
  知事応接室にあるものはPR目的で置いているのでしょうか。 
 知事:
  今回の文書の事案と離れて、もし答えるとすると、知事応接室に置いているものは、アイアンの製造工程が分かるように、最初は鉄の塊から完成品になるものです。市川町の鍛造アイアンで、地域の地場産業として大事なものだということをPRするために置いています。
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 記者:
  前西播磨県民局長の文書問題ですが、丸尾議員からの申入れは、知事は見られてないのでしょうか。
 知事:
  詳細は見ていません。申入れは把握していますが、中身は詳細には見ていません。 
 記者:
  丸尾議員の指摘の中で、公益通報の窓口を外部の有識者(弁護士)を入れた窓口を設置すべきということで、弊社の報道にも掲載しましたが、有識者からも外部有識者の窓口を設置した方が組織として自浄作用が発揮できるという意見もあります。
  公益通報の窓口のあり方をどのように考えていますか。 
 知事:
  今回は、今ある制度の中で、できるだけきちんと外部委員会の委員の意見を聴取しながら、客観性を持って調査していくことは、一定担保されており、担保していかなければいけないと考えています。
 今後、改善すべき点があれば、他府県の運用状況などもしっかり踏まえて、改善すべきところは改善していきたいと考えています。 
 記者:
  告訴の法的手続きを進めていくと、3月27日の会見で発言がありました。その法的手続きの認識について改めてお伺いします。
 知事:
  繰り返しになりますが、現在、当該文書も含めた内容について、人事当局が弁護士と相談しながら詳細な客観的な調査を実施している状況です。
  また、併せて、公益通報での客観的な調査が進んでいるので、その調査を進めることが大事だと思っています。 
 記者:
  調査結果を踏まえて、考えていくということですか。 
 知事:
  まずは、人事当局の調査結果がどのようになるかが大事だと思っています。 
 記者:
  3月27日には、「法的手続きを進める」と知事は発言がありました。
  ホームページで公開されている会見録には、「検討を進める」となっています。

  知事の認識として、あの時点では法的手続きを進めていたのか、それとも検討の段階だったのかを聞かせてください。 
 知事:
  そこは、内部のどのような状況かによるので、今の時点ではコメントは避けたいと思います。
  当時の発言としては、そういうことだったと認識しています。
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2824/斎藤元彦兵庫県知事・2024年4月18日記者会見の内容(一部)。

 斎藤元彦兵庫県知事・2024年4月18日記者会見の内容(一部)。
 出所/兵庫県庁ホームページ「知事記者会見(2024年4月18日(木曜日))」。
 太字化・下線は掲載者(秋月)。「元西播磨県民局長」=告発文書(2024/03/12)の作成・発信者。
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 記者「元西播磨県民局長の文書の問題に関して伺います。
 先日、産業労働常任委員会で部長が、加西市の企業に対して、6万円相当の物品提供を依頼してたと認められました。
 部長の言い分としては、知事に使ってもらうことで、地元企業の商品をPRしてもらいたかった、知事の指示ではなかったとの発言でした。
 調査中だと思いますが、改めて知事の見解や知事から指示があったのかなかったのかを教えてください。」
 知事「現在、人事当局が全体の調査を行っているところですので、詳細なコメントは差し控えますが、コーヒーメーカーの件に関して、原田産業労働部長がそのような対応をしたことは報道等で承知しています。
 私自身が、コーヒーメーカーを秘書課に送るように指示したとか、最終的に私がコーヒーメーカーを受け取った事実はありません。そこは明確にお伝えしておきたいと思います。
 昨日、報道等で出ていますが、原田産業労働部長の対応も含めて、いずれにしても、現在、人事当局が全体の調査を行っている最中ですので、調査結果を踏まえて、人事当局が、調査を完了した時点で報告をしてもらえると考えています。」
 記者「原田産業労働部長は、当日に提供の依頼があったが、その場で知事から、これは受け取れないというお話を2人でされたと思いますが、拒否した事実自体はありますか。」
 知事「その場でもその後も、私自身は受け取るべきではないと伝えています。」 
 記者「原田産業労働部長が受け取った後に、秘書課と相談して、受け取らないと改めて決まったというお話だったと思いますが、その件に関して知事のご判断は入っていましたか。」 
 知事「その件に関しては、調査していますが、少なくとも、私からは、秘書広報室長に対して、コーヒーメーカーについては受け取らないと指示をしているので、その指示に沿って対応してくれてたと認識しています。」
 記者「知事ご本人の口から拒否されたといいますか、受け取りを断ったのは一度だけという認識ですか。」
 知事「その場と、改めて秘書広報室長にも、受け取りはしないと指示した記憶はあります。」
 記者「昨日、今回の問題に関して、私にも人事課から聴取がありました。
 報道機関に対して人事課の聴取が行われることはほとんどないかと思いますが、聴取をされた目的や意図を改めて知事にお伺いします。」
 知事「本件に関する調査は、現在、私が指示をして調査していることはありません。私自身も当事者ですので、人事当局が現在調査中だと思います。
 どのような方法で調査を行っているかは承知していません。報道の自由など含めて、適切に対応していくことが大事だと思っています。」
 記者「我々としては、個別取材に関する問い合わせや聴取をされることは、報道の萎縮や取材の制限に繋がる可能性があると思っており、非常に違和感がありますが、このような聴取は他の報道各社にもされているのか、また、補助金を出しているような団体や県以外の団体に対しても行っているのか教えてください。」 
 知事「繰り返しになりますが、今回の調査については人事当局が対応しているので、調査のやり方に関しては、私自身は承知をしていませんので、答えとしては、分からないということになります。
 いずれにしても報道の自由など様々なことも含めて、適切に対応していくことが大事だと考えています。」 
 記者「元西播磨県民局長の文書の問題に関して、部長が産業労働委員会で、ご自身のことについて、経緯を説明されました。
 その説明の中で、県の商品をPRしたいという思いがあり、商品を受け取ったと発言されたと思います。
 知事は断られたということですが、これまでにもPRを目的に受け取っている事実はありますか。
 また、PRするために受け取ることが大事だという話などを各部長などに言ったことはありますか。」
 知事「地域や県産品のPRは、県の政策目的として大事な取り組みであり、適正なものだと思います。そのような県産品のPRは様々な場面でやっています。
 例えば、牛乳の消費拡大のPRのために知事応接室で牛乳をみんなで飲んだこともあり、そのような観点は決して否定をするものではないと思います。
 これまでもそのような観点に立って適正に行ってきましたので、今後も行っていくものだと考えています。」 
 記者「一方で、県の綱紀粛正通知では、民間においては慣例的な取り扱いとされていても、業務に関連する贈答品を受け取らないことと記載があると思います。
 今回の件は、未開封だったという話もありましたが、実際に高額な商品を受け取っていた事実があります。
 個別の商品に関することですが、知事として、部長級の方が依頼して受け取っていた事実についてはどのように考えていますか。」
 知事「PRの観点と服務規定の観点の中で、どのような事案として、判断するのかになるので、今回の件に関しては、当該文書の中にも書かれていることですので、人事当局が弁護士等と相談もしながら、服務規定の観点や県産品のPRなどの観点でどのように判断するのか、調査結果を待ちたいと考えています。
 現時点で今回の行動が良い悪い、全体としてどうかなどのコメントは差し控えておいたほうが良いと考えています。」 
 記者「一般的には、県にそのような商品を受け取る場合の区分あるのでしょうか。
 PRのために受け取って良いものとそうでないものの違いは、県としてどのような区分がされていますか。」
 知事「その件も含めて、人事当局が、まずは今回の事案を確認した上で、県としてのこれまでの対応方法に関して、改善すべき点があれば改善すべきだと思います。
 現時点で、私が現在の状況に言及するよりも、しっかりと今回の事案を調査した上で、どこが問題だったかなどの部分を改善することが大事だと思っています。」
 記者「元西播磨県民局長の文書の問題に関して、産業労働部長ご自身は、先日の議会答弁の中でも処分があれば受け入れるとおっしゃっていました。
 今回の件に関して、県の内規に照らせば、ルール違反ではないかと思いますが、現段階で処分についてはどのように考えていますか。」
 知事「まずは、事実関係をしっかりと調査した上で、県の内規やPRの目的を踏まえて、どのように判断するかが大事だと思います。
 その上で、今回の産業労働部長の対応が、適切かどうかをしっかりと判断する必要があり、人事当局と協議しながら、処分も含めて適切に検討していくことになると考えています。」
 記者「現時点では処分ありきではない、処分するかどうかも含めて検討していくということですか。」
 知事「そうです。
 いずれにせよ、私自身は受け取っていませんし、受け取れないので返却したものだと考えていましたが、結果的に失念をして、長期間返却を怠っていた点は問題があると思います。その点も踏まえて今後、まずは人事当局が適切に検討していくと考えています。」
 記者「元西播磨県民局長が作成された文書の中にも、今回のコーヒーメーカーなどのことが書かれていました。
 文書の中では、知事が指示したという中身になっていますが、産業労働部長のお話では知事の指示はなかった、あくまでも自身の判断で行ったということでした。
 ただ、双方の意見をまとめると、元西播磨県民局長が作成した文書の内容は、全てではないが一部は事実であったことになると思います。
 そうすると知事が以前批判されていた文書の中身が嘘八百や事実無根であることは、必ずしもそう言い切れなくなってきているのではないかという気がしますが、ご見解はいかがでしょうか。」
 知事「様々な捉え方があると思います。
 全てのことが事実か事実でないかと同時に、核心的なところが本当か本当でないかも大事ですので、一概には言えないと思います。
 その辺りも含めて、現在、人事当局が全体の調査をしているので、まずはその結果を待ちたいと考えています。」
 記者「元西播磨県民局長の作成された文書の一部とはいえ事実の部分も出てきたことで、県民目線で見ると、文書の中身がどこまでが本当でどこまでが嘘なのか、疑念が深まっているのではないかと思います。
 今回は、非常に特殊な事案だと思っています。県民の納得を得るために、改めて外部の目を入れるということで、第三者委員会を設置されないのか素朴な疑問として思っています。
 設置しないのであれば、どのようにして県民に納得していただけるのかなどご見解をお願いします。」
 知事「今回は懲戒処分にあたる事案ですので、まずは人事当局が中心となって、弁護士とも相談しながら、客観的な事実として、文書内容のどのようなところに問題があるのか、虚偽なのかを含めて、現在調査しているところですので、まずはそこが大事だと考えています。」
 記者「繰り返しになりますが、人事当局で調べるのは、通常の調査手法だと思いますが、どうしても疑念が深まっているのではないかと思います。
 今の調査手法で、県民の納得感が得られるかどうかについて、どのように考えていますか。」
 知事「調査手法も含めて、どのように行っているのかは、現在、人事当局が対応しています。
 私はその中身は承知していませんが、適切に対応していると思っています。
 まずは人事当局が、弁護士と相談しながら、客観的な事実をきっちりと調査することが大事で、調査結果を県民の皆さんに説明することにより、県民の皆さんの不安などを払拭していくことが大事だと思います。」
 記者「元西播磨県民局長の文書問題に関して、先日、産業労働部長が認めたコーヒーメーカーの件ですが、知事は、受け取ってはいけない、お返しをしなければいけないという認識を持たれていましたが、部長はその認識がなかったということでした。
 職員の間での贈答品に関する意識など、共通の認識はないのでしょうか。」
 知事「基本的には服務規程等に基づいて対応をこれまでも適切にしていると思っていますが、今回の事案は、調査を進めているので、その結果を踏まえて、現在の服務規程が適正なのか、それとも、より県民の皆さんにご心配などを抱かせないために、改善すべき点があれば、改善すべきところは改善していくことが大事だと考えています。」
 記者「現時点で部長級の方が、一旦受け取ってしまっているので、改善すべきではないかと思いますが、知事として、今後、結果はともかく、改めて周知していくことは必要かと考えていますか。」
 知事「必要だと思います。
 今回の事案がありましたが、それ以前の問題として、やはり職員として公務含めて、服務規律を遵守することは、当然大事なことです。
 現在の規定がこれまでどのように成り立って、改善されてきたか、修正されてきたかは、もう一度見なければいけませんが、その過程の中で、より改善すべき、適正にすべきところがあれば、もちろん修正すべきだと私自身も思っていますし、そうしたいと考えています。」
 記者「先ほどの質問にも、第三者委員会の話でまずは相談しながらというような説明がありましたが、これは問題が発覚したという場合は検討される、というお考えでしょうか。」
 知事「そこは今の段階で調査中ですので、予断を持ったことはコメントできないと考えています。
 まずは、今回のコーヒーメーカーの件は、報道の個別取材の中で出てきたということで、結果的にこれが委員会等で明らかになった面があります。これについて私も先ほどコメントしたとおりです。
 全体としては、今回の文書の件に関しては、現在、人事当局が中心になって調査をしているので、まずは結果をきちんと整理していくことが大事で、そこで、職員に対する懲戒事案ですから、必要であれば適正にやっていきます。
 その上で、先ほど質問もありましたが、より改善すべき服務規程の内容等あれば改善していくことが大事だと思いますので、現時点では、人事課の調査を待つことだと考えています。」
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2823/斎藤元彦兵庫県知事・2024年4月10日記者会見の内容(一部)。

 斎藤元彦兵庫県知事・2024年4月10日記者会見の内容(一部)。
 出所/兵庫県庁ホームページ「知事記者会見(2024年4月10日(水曜日))」。
 太字化は掲載者(秋月)。「西播磨県民局長」=<告発文書>(2024/03/12)の作成・発信者。
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 記者「前西播磨県民局長の問題でお伺いします。
 前県民局長が県の内部調査の調査方法が余りに非常識、不適切で、真相究明を期待できないというご主張があり、それを受けて、別途、公益通報されたということです。
 前県民局長のご意見に対する受け止めと、公益通報に対してどう答えられるのかお聞かせください。
 知事「当該文書の内容等は、改めて人事当局が弁護士と相談しながら、事実関係の調査を行っている状況です。
 私としては、調査をしている状況を受け止めているということです。
 公益通報に関しては、一応内容等について、私がお答えするということはできないので、公益通報が来ていることは報道等では拝見していますが、内容について私は承知していない状況です。
 もし、公益通報が届いているのであれば、基準に従って調査等がなされていくものだと認識しています。」
 記者「県の内部調査では、先ほど申し上げたように、『非常識、不適切』と問題視する発言を前県民局長がされています。
 県の内部調査ですので、知事のご意向も一定働くのではないか疑念が残ってしまうと思いますが、改めて、第三者委員会を設置するなどのお考えはありますか。」
 知事「現時点では、懲戒処分に該当する可能性があるということですので、人事当局が弁護士と相談しながら適正に調査をして対応していくことになります。
 一方で、公益通報があれば、基準に沿って適正に公益通報委員会を開いていくことが現時点での方針だと考えています。」
 記者「外部有識者を入れた公益通報委員会にその意見を求めることで、一定の客観性が担保できるのではないかというお考えでしょうか。」
 知事「公益通報があるのであれば、必要に応じて公益通報委員会が関与をしていくことになりますので、それに沿って対応していくことになると考えています。」 
 記者「公益通報委員会のメンバーに副知事も入っています。
 基本は、外部の有識者ですが、一部内部の方も入られていますが、今回の件については、副知事は除斥されることになるのでしょうか。」 
 知事「詳細は、財務部が説明します。
 基本的に該当する者は除くことになると聞いています。」 
 記者「公益通報文書問題ですが、人事当局が行っている調査と公益通報の調査は全く別物として、調査を行っていくということでしょうか。」 
 知事「人事当局の調査は、懲戒処分に該当する可能性があるので、内容を弁護士と相談しながら事実関係の調査を行っている状況です。
 もし、公益通報があれば、財務部が調査等を行っていくので、別の物になります。」 
 記者「被害届を検討されていると、3月27日の会見でも発言がありましたが、現在はどのような状況でしょうか。」
 知事「現在、懲戒処分の該当性を人事当局が中心になって、事実関係の調査を行っているので、そこを踏まえてどう対応するかになると思います。」 
 記者「処分をしてからの対応になるということですか。」
 知事「事実関係の調査結果が、どのような内容であるか、事案の内容によって、その後の対応がどうなるかということになると思います。
 今の段階では調査中ですので、調査が終わった後の対応はどうするかは、今の段階では未定です。」
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2818/斎藤元彦兵庫県知事・2024年4月2日記者会見の内容(一部)。

 斎藤元彦兵庫県知事・2024年4月2日記者会見の内容(一部)。
 出所/兵庫県庁ホームページ「知事記者会見(2024年4月2日(火曜日))」。
 太字化・下線は掲載者(秋月)。「西播磨県民局長」=<告発文書>(2024/03/12)の作成・発信者。
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 記者「西播磨県民局長が解任された問題の関係でお尋ねします。
  昨日、前県民局長から、文書の内容は、事実無根とは認めておらず、内部告発という趣旨、事実関係を早急に調査すべきだという反論がありました
  その点についてご見解をお願いします。」
 知事「その文書は、報道等で承知していますが、内容そのものを承知していません。
  本件の対応は、今後、しっかり調査していくことが大事だと思います。まずは県の関係している弁護士の意見なども聞きながら、これから文書の内容等について、しっかり調査を進めていきたいと考えています。」
 記者「前回の記者会見では、調査中という段階でしたが、知事から内容は事実無根である、誹謗中傷に当たるというお話があったと思います。
  前回、逆に言えば、なぜ調査中であるのに、そこまで言い切られたのでしょうか。」
  知事「いわゆる文書を見た時に、やはり明らかに事実と異なる内容が多々含まれていることを私自身も感じましたし、それについて、私は公人ですが、一般職の職員に対するプライバシーの課題、虚偽の内容による県自身に対する信用失墜の可能性も高いと考えたので、そこは一定説明したところです。
  なぜかと言うと、西播磨県民局長(幹部職員)の人事異動を行ったので、その時に言える範囲で説明することが必要だと思ったので説明しました。
  今後は、先ほど申し上げたとおり、内容について、本人からの聴取も含めて、しっかり弁護士とも相談しながら、精査を進めていくことになります。」
 記者「県の弁護士の意見も聞いて内容を精査するお話がありました。
  今回の件は、知事に関する内容も含まれている文書だったと思います。
  その意味では、調査の客観性を担保するため、例えば、弁護士なりを入れた第三者委員会のようなものに調査をお願いするなど、一定の客観性の担保が必要ではないかと思います。その辺はどうお考えでしょうか。」
 
 知事「まずは、懲戒処分に該当する事案ですので、人事当局がきちんと懲戒事案に関しては調査をしていくことが大事だと思っています。
  その中で、一定の客観性を担保する意味で、弁護士を入れて調査していくことが大事だと考えています。」 
 記者「あくまで調査の主導をするのは人事当局であって、外部の第三者委員会のようなものを特別に設置して調べるなどの考えはないということですか。」 
 知事「今の時点では、このような懲戒処分は、人事当局が最終的にはすることになるので、人事当局で内部調査をしっかりやっていく。
  ただ、一定の客観性を担保する意味で、弁護士の意見を聞きながら、アドバイスを受けながらやっていくことになります。」 
 記者「元西播磨県民局長の問題ですが、昨日の文書では、本人は、ふさわしくない行為をしたことについては認めていないと記載があり、あくまでも内部告発だということでした。
 窓口は異なると思いますが、公益内部通報制度などであれば調査が必要だと思いますが、知事としてはこの文書の取り扱いをどのように考えていますか。」 
 知事「現時点で確認したところ、当該文書は、兵庫県の公益内部通報制度では受理はしていませんので、公益通報には該当しないと考えています。
  文書を作成し、一定流布がされている、かつ、内容も虚偽や信用失墜の内容が含まれているので、まずは、先ほど申し上げましたが、人事上の対応をした段階で、私から言える範囲と分かる範囲の説明をしましたが、改めて、文書内容の調査精査について、弁護士に相談しながら進めていきたいと考えています。」 
 記者「最初の文書の中で複数の項目を挙げて指摘していたと思います。
  職員に関わる部分や誹謗中傷だと受け取られる部分にはなかなか触れづらいと思いますが、知事ご自身にかけられている疑惑もあったかと思います。
  知事ご自身でもこれが虚偽であると判断している部分もありますか。」 
 知事「ありますが、現段階では個別で説明するよりも、全体を通じて弁護士の協力を得ながら精査をして、懲戒処分を行う段階で、改めて話せる範囲で説明をすることが大事だと思っています。」 
 記者「文書には、言動や人事的な取り扱いを指摘している部分と、違法性を指摘している部分もあると思います。弁護士に依頼するのは、懲戒処分に該当するもの全てですか。
  それとも、公益内部通報制度では違法性があると思われたものに関しては、公務員には通報する義務があると思いますが、違法性に該当するかもしれない部分について、弁護士に調査を依頼することになると考えているのですか。」 
 知事「調査方法は今後精査していかなければいけませんが、文書の内容には正しくない情報が多々含まれていると私は認識しています。
  客観的に裏付けをしていくことから始めたいと思っています。その過程で、文書の内容に関して、名誉毀損や違法性などがどのように出てくるのかも、調査になると思います。」 
 記者「弁護士の調査をもって被害届や違法性があるのかどうかを判断される予定ですか。」 
 知事「まずは人事管理上の懲戒処分の案件になるので、内部調査をして、当該職員の懲戒処分をどうするのかを精査していくことになると思います。
  その先どうするかは、今後の検討になると考えています。」 
 記者「就任から2年半が経ちますが、斎藤県政はボトムアップ型の県政を掲げていたと思いますが、現職の幹部から今回のような批判の文書が出てくることに対して、知事はどのように受け止めていますか。」 
 知事「残念です。若者・Z世代応援パッケージ含めて、今後、新たな一歩を踏み出して、一丸となって進めていこうとした矢先ですので、残念です。
  ご本人がどのような意図と経緯、方法で、今回の文書を作ったのかは、本人への聴取だけではなく、客観的な資料含めて、人事課が調査をしています。
  なぜ今回の行動をしようと思ったのか、どのように行ったのか、内容はどうだったのかが明らかになってくると思うので、その過程で判明してくると思います。
  どちらにしても、県庁一丸となって、今後も仕事を進めていくことが大事だと思っています。」 
 記者「元西播磨県民局長に関連して、前回の会見で先ほどの話と重複しますが、事実無根や嘘八百など、結構厳しい言葉で告発を糾弾されていました。
  少なくともご自身に関わる告発に関して明らかに事実と異なる点について、この場で明言していただけませんか。」 
 知事「文書にはたくさんのことが記載されており、全体の精査をしているので、調査をしていくことが大事だと思っています。
  調査が終わった段階で、私に関することで、事実ではない部分などを説明できる範囲で説明する方が良いと考えています。」 
 記者「少なくとも調査の主導が人事課であると、知事についての事実確認が難しいのではないかと思いますが、その点はいかがですか。」 
 知事「公務中にどのような対応をしたかは、私に関することでも調査はできると思います。
  全体の調査をする中で、一つ一つ精査をしていく方が良いと思います。」 
 記者「先ほど文書見られた話と見ていない話が混在していたと思いますが、告発文書は確認されましたか。」 
 知事「当該文書は見ました。見ていないと言ったのは、昨日出された文書ですので、混在はしていません。」 
 記者「知事がパワーハラスメントしたという文言も告発文書にはあったかと思いますが、その点に関して、事実関係や心当たりはありますか。」 
 知事「その点も含めて、内容を調査・精査してから説明する方が良いと思っています。一つを答えると、次も次もとなるので、全体を精査した上で、伝えた方が良いと考えています。」 
 記者「人事の調査が終わった段階で、知事の疑惑に関しても、明確に説明を果たしていただけるということですか。」 
 知事「私も当事者ですので、人事当局で、弁護士を入れて、ある程度の客観性を含めて調査をしていきます。
  その上で、私は公人ですが、一般職の方はプライバシーもあるので、全体の中で説明できる範囲でしっかりと説明していくことになると思っています。」 
 記者「懲戒処分が行われた段階で知事自身が疑惑に対しても説明される理解でよろしいですか。」 
 知事「可能性としてはあると思いますが、懲戒処分の際には、人事当局で、弁護士を入れて調査していき、結果を説明することが原則だと思います。」
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2812/斎藤兵庫県知事・2025年2月5日定例記者会見の一部。

 斎藤元彦兵庫県知事/2025年2月5日(水)定例記者会見の一部。
 MBS NEWS(YouTube)による。文責・太字化は聴き取り、引用をした掲載者。後日により正確化することがありうる。
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 ①39分05秒あたり以降。
 質問者「フリーの記者の松本と言います。
 さっき読売新聞さんが訊いていた二馬力選挙のことなんですけれども、これは知事戦の期間中に私が直接斎藤さんに伺ったときに、本人が認識していないことを言われた記憶があります。
 しかし、陣営の関係の複数の方とか応援されている方からは当然認識していて、しかし連絡はもちろんとっていないんだけれども、悪い影響は出ていないようなのでそのままにしているんです、みたいな話を複数聞いています。
 で、先ほど以来指摘があるように、首相だけでなく総務大臣だったり、兵庫県選管も、公選法に違反する疑いがあるという認識を示しています。
 そもそもこれまでずっと、自分の選挙に専念してきたのでそのことは認識していないし、それを何か言う立場にない、ということを仰言っているのですけれども、周りの方々は皆認識していて、ご自身だけエアポケットのように認識していないというのはどう考えても無理がありますし、選挙後になってこれだけ問題視されている中で、何も仰言られないというのは、かなり無責任だというふうに思うのですが。
 あらためて、二馬力選挙というものについての認識をお聞かせ願えないでしょうか。」
 斎藤知事「これまで申し上げてきたとおりです。…」
 質問者「なぜその…」
 斉藤知事「私としては、選挙というものは、今回の兵庫県知事選挙は候補者ですから、候補者として…」
 質問者「候補者…、当事者だからこそ…。」
 斎藤知識人「私は当事者、候補者として戦わせていただきました。私はあの、繰り返し言ってますけれども、立花さん自身も知らなかったですし、直接会ったこともなかったです。もちろん、あのー、討論会の場でご挨拶させていただいたことはありましたけれども、私自身は自分自身ができる選挙、自分自身がやれることを精一杯やってきたということですから、そういったことはない、というふうに申し上げてきましたので、同じ考え方です。」
 質問者「選挙中はそれでよかったとしても、選挙後です。首相のご答弁もそうですし、選管の反応も総務大臣も全部、選挙後です。選挙後にこれだけ社会問題になっている、その社会問題の当事者である知事としての立場で、何も、自分は一候補者だったというのでは話が通らないと思うのですが。」
 知事「それは、今ご指摘いただいているご質問者の考えだと思います。私としては、先ほど来申し上げているとおり、自分としては自分が当事者、候補者である選挙戦を精一杯自分自身として、斎藤元彦としてやらしていただいた、ということです。
 質問者「それで、社会的な理解が得られる、とお考えですか?」
 知事「それはあのー、私自身はそのように思っていますが、そのように考えているというのは、今の斎藤元彦としての考えです。」
 質問者「わかりました」。
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 ②55分25秒あたり以降。
 質問者「フリーの菅野です。今日質問するつもりはなかったのですが、一時間の約束も守られそうにないので、5分間だけ質問させてもらいます。
 先ほど…、時事通信さんからの指摘もありましたように、同じ答えしかできないから皆さんの質問が荒れるんです。空虚な記者会見になる責任の帰するところは、知事です。我々ではありません。…
 先ほど、松本さんの質問、および朝日新聞さんの質問、共同通信さんの質問で、二馬力選挙の話が出ました。それは当然だと思います。昨日の衆議院の予算委員会で二馬力選挙のことが議論されましたので。
 そのときに、記者の側からは二馬力選挙という言葉しか出ていないのですが、松本さんの質問に対して、知事はやおら、立花さんの名前を出されたんです。昨日の国会の議論でも、立花さんの名前は出てなかったと思います。
 ということは、知事、立花さんが二馬力選挙をしていることをご存知だったのですか。」
 斎藤知事「ちょっと、よく分からないです。
 質問者「いや、すごく単純な質問じゃないですか。誰も立花さんと言っていないにもかかわらず、二馬力選挙という主語であなたに質問しているにもかかわらず、あなたの返答には立花さんという名前があった、ということです。
 ということは、あなたは、二馬力選挙の当事者は立花さんだったということをご存知だったということですか、と問うているのです。」
 斎藤知事「私は先ほど来申し上げましたとおり、候補者として、—いろいろな候補者がおられたと思います—もちろん討論会とかもやらせてもらってますし、どういった候補者がおられるかということは分かっています。そんな中で、私としては、自分ができる選挙戦をしっかりやらせていただいたということだけですので、そういった認識はありません。」
 質問者「いや、司会者の方ね、僕が言ってるのはこういうことです。
 知事に問わずに司会者の目を見て訊きますが、僕の問いは、共同通信さんも朝日新聞さんも松本さんも、二馬力選挙という主語で語っているのです。にもかかわらず、知事からのご返答が、やたら立花さんだった。
 ということは、二馬力選挙の片方の当事者は立花さんだという認識があるんですか、という問いなんです。
 これ、記者会見を短く答えようと思うならば、イエスかノーかで答えられる質問なんです。
 もう一度問いますが、立花さんが二馬力選挙の当事者であったというご認識があった、というご認識で間違いないですか。」
 斎藤知事「私は、自分ができる選挙を、自分が一人でしっかり、候補者としてやらせていただいた、ということが答えです。」
 質問者「その言い訳は、僕の質問が、立花さんの二馬力選挙で助けられたと思っていますか、というときには成立する言い訳です。
 昨日国会で議論された二馬力選挙、松本さんの言葉を借りれば、いま社会問題になっている二馬力選挙のうちの一馬力は立花さんだった、という認識があるのですか、という問いです。」
 斎藤知事「いや、私は、だから、さっきから申し上げているように…」
 質問者「主語はあなたではないんです。」
 斎藤知事「私自身が、自分ができる選挙戦を…」
 質問者「それは存じあげています。僕が問うているのは—あと2分ほどあります—、僕が問うているのは、立花さんが二馬力選挙のうちの一馬力だったという認識があるのですか、という問いです。」
 斎藤知事「あのー、特定のことについて答える義務はありません。
 私は、先ほど来申し上げているとおり、あのー前回の兵庫県知事選挙というものは、自分ができること、自分が候補者としてやることをやってきた、ということです。
 私以外の方がどうだったか、ということについては、コメントする立場にない、ということです。」
 質問者「先ほどの時事通信の方の質問、憶えておられます?」
 斎藤知事「あの、質問に答えるということを、お互いにしっかりやりましょう、という…」
 質問者「はい。その舌の根も乾かないあいだに、僕の質問に対する回答は、先ほどの時事通信さんへの回答と平仄すると思います?」
 斎藤知事「えーと、私自身は、自分が質問に答えるということをしっかり答えさせていただいているつもりです。」
 質問者「では、先ほどの、特定の質問に答える義務はない、とはどういうことですか?」
 斎藤知事「あの、私自身は選挙戦で、繰り返しになりますが、一候補者として、他の候補の方がたくさんおられたということは存じあげているけれども、他の方がどうだったかについて、答える立場にはないし、自分自身は候補者として選挙戦を懸命に戦っただけです。」
 質問者「最後に一問だけ。
 その兵庫県知事選挙に出馬された当事者として、あなたは、国会や兵庫県選管やさまざまな機関が警鐘を鳴らしている二馬力選挙について、考えたり、コメントを述べたりする立場にはない、というふうに思ってらっしゃるんですか?」
 斎藤知事「選挙戦のあり方というのは、制度について、国や国会が、法改正などでしっかり対応していく必要があれば、法改正などで対応することだと思いますです。その議論の推移をしっかり見守る、…」
 質問者「いや、僕の問いとは全く答えがズレているんです。兵庫県知事選挙に立候補した者として、国会で議論までされている二馬力選挙という問題について、あなたは、考える必要がない、と考えてらっしゃるんですか、と問うているんです。
 斎藤知事「私自身は、選挙に立候補した者として、コメントすることは差し控えたい、ということです。
 質問者「コメントを求めているのではないのです。考えるべきか、考えるべきではないのか、どちらですか、と問うているのです。
 斎藤知事「選挙制度については、国において議論されるべきものだと思います。」
 質問者「なるほど、あなたは、考える立場にない、ということですね。…ありがとうございました。」
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2806/斎藤元彦兵庫県知事・2024年3月27日記者会見の内容(一部)—兵庫県関係資料②。

 斎藤元彦兵庫県知事・2024年3月27日記者会見の内容(一部)—兵庫県関係資料②。
 出所/兵庫県庁ホームページ「知事記者会見(2024年3月27日(水曜日))。
 番号と太字化・下線付化は掲載者(秋月)。「西播磨県民局長」=<告発文書>(2024/03/12)の作成・発信者。
 ——
 
 記者「今日、発表のあった人事異動の関係でお伺いします。
 退職されるはずだった西播磨県民局長が役職定年で残るという、4日前の異例の人事でしたが、知事として、4日前での変更になった経緯を、話せる範囲でお聞かせください。」
 知事「当該者につきましては、県民局長としてふさわしくない行為をしたということ、そして本人もそのことを認めているということで、本日付で、県民局長の職を解きました。
 内容は、先ほど人事課から説明したとおりです。」 
 記者「詳細は、まだ話せないのですか」。 
 知事「本人も認めていますが、事実無根の内容が多々含まれている内容の文章を、職務中に、職場のPCを使って作成した可能性がある、ということです。
 それで今回の対応をしました。
 この当該内容の文書には、事実無根の内容が多々含まれていることなので、職員等の信用失墜、名誉毀損など、法的な課題がすごくあると考えています。
 現在、被害届や告訴なども含めて、法的手続きの検討を進めているところです。
 注意してもらいたいのは、当該文書をSNSなどを通じて、公然に流布するということが、法的な措置の対象になるということなので、ぜひ、その辺りは注意してもらいたいと考えています。
 以上を含めて、現在、人事当局を中心に調査を行っているので、ある程度、例えば処分内容が判明してきたら、改めて説明をすることになると思います。」
 ————
 
 記者「県民局長の人事の関係でお伺いします。
 個人名を挙げるのは難しいかもしれませんが、誰の名誉を棄損した認識でいるのでしょか。」
 知事「文書の内容は、文章自体が外部に出ることにより、人の名誉を傷つけることになるので、具体的に誰かとは言えないので、ご理解いただきたいと思いますが、職員個人等々になります。
 記者「複数の方ですか」。
 知事「そうだと認識しています」。
 記者「県民局長は、懲戒処分する方向で進めている理解でよろしいですか」。 
 知事「処分に関しては、今後の調査結果次第ですが、本人も作成と一定の流布を認めているので、懲戒処分を行うことになると考えています」。 
 記者「県民局長のみではなく、他に関連する人がいるという説明も先ほどのレクでありましたが、この方にはどのような関与がありますか。現状話せる範囲でお伺いできますか」。 
 知事「今後の調査になると思います。不確かなことは言えないと思いますが、1人でやったことなのか、複数の人が関与したことなのかを含めて、今後の調査になると思います」。
 ————
 
 記者「退職を取り消した職員に関してですが、組織の中で誹謗中傷するケースや手紙が出回ることは、希にあるかと思います。
 今回、退職4日前に退職を取り消したのは、知事として看過できないと判断したのですか。」 
 知事「副知事とも相談しながら対応しました。
 職務中に、職場のPCを使用して、事実無根の内容が多数含まれ、かつ、職員の氏名等も例示しながら、ありもしないことを縷々並べた内容を作ったことを本人も認めているので、名誉毀損や信用失墜、県へ業務上も含めて大きなダメージを及ぼしています。
 やはり、綱紀粛正しないといけませんので、看過できないと思い、退職を一旦保留し、今後、しっかり調査をしなければいけないと思いますが、然るべき対応をしていくことが、県庁の組織をしっかり立て直す意味でも大事だと思っています。
 若者・Z世代や予算、組織、人事も含めてこれから前を向いてやっていこうという矢先に今回のような絶対許されないような行為をした職員が出てきたことは、大変残念だと思いますので、今一度、県庁全体が綱紀粛正する必要があると思います。
 公務員ですので、選挙で選ばれた首長の下で、全員が一体として仕事をしていくことが大事なので、それに不満があるからといって、しかも業務時間中に、嘘八百含めて、文書を作って流す行為は公務員としては失格です
 同様の行為は今後もあってはならないですし、今回の事案の調査結果を踏まえながら、再度、公務員として誠実に仕事をしていくことを、全員で共有していきたいと思っています。
 ————
  
 記者「本日発表の人事異動に関して、流布されたとされる文書には、知事に関する記述が含まれているという趣旨でよいでしょうか」。 
 知事「私もありました」。
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2357/V·シャラモフ・コルィマ·ストーリー(2018)—序文⑤。

 Varlam Shalamov, Kolyma Stories, translated by Donald Rayfield(The New York Review of Books, 2018)の、(ロシア語から英語への)翻訳者・Donald Rayfieldよる序文の試訳のつづき。
 ——
 第3節。
 (1)ようやく2013年、かなり完全なシャラモフの作品集がロシアで(7巻本で)出版された。
 彼は外国ではドイツで最もよく知られていて、6冊のうち4冊が翻訳されており、近刊の書物として出版された。
 コルィマ・ストーリィの一部分の信頼できる英訳書は1980年に、John Glad の翻訳で<コルィマ物語(Tales)>として出版された。
 1994年に、のちの書物からのその他の物語の一部が、<コルィマ物語>に追加された。
 現在の総巻とその姉妹篇は、英語で読めるシャラモフの作品の量の、二倍以上になるだろう。
 不幸なことだが、英語によるシャラモフの伝記や彼の作品の研究書は、まだない。
 ドイツ語を読める人々は、Winfried F. Scholler の<生きるか書くか—語り手・Warlam Schalamov>を利用できるだろう。//
 (2)一方で、シャラモフを翻訳するのはむつかしくない。
 彼は、一切の文体による効果を避けている。ほとんどの物語は故意に「粗っぽく」書かれ、同じ形容詞を繰り返すのを恐れておらず、隠喩も最小限にとどめている。
 しかしながら、ある面では翻訳者を苦しめるに違いない。これが、悪漢たち、つまり政治的受刑者をもっと地獄に追い込んだ、親譲りで職業的な泥棒や殺人者たちの言葉遣い、<fenia>または<blatnoi yazyk>の言葉遣いだ。 
 <fenia>は、オデッサ・イディッシュ、多様なスラヴ語由来の、トルコ語起源すらもつ方言だ。そして、たぶんこの200年の間に定着してきた。
 しかしながら、英語での犯罪者用語は、数年ごとかつ全ての都市で変わっている。
 ただ18世紀のロンドンでは安定した犯罪者用語があったが、今日にそれを理解できるのは数人の専門家だけだ。
 このような理由で、この英語版では、シャラモフが登場させる犯罪者たちは、僅かばかりのよく知られた俗語とともに、誰とも似たように語る。
 興味深いことだが、シャラモフは、コルィマにいた間はわずか一つの散文しか書いていない。化学実験室の責任者だった収監技術者のPodosinov のための、犯罪者用語に関する600語の辞書だ(近刊の「Galina Pavlovna Zybalova」の物語を見よ)。 
 Podosinov は通過するトラックに轢かれて死に、この辞書の原稿は失われた。—ロシアで犯罪者俗語の辞書類が増加しているにもかかわらず、このことが犯罪者用語の解釈を容易にしなかった。//
 (3)妻のAnna がこの訳書の初版を読んでくれて、間違いや不適切表現、遺漏から救ってくれたことに大いに感謝している。
 その仕事は、彼女の父親のDmitri Vitkovsky がシャラモフのように収容所で人生の半分を過ごしたことを考えると、彼女にはとくに困難だった。
 Susan Barba の如才がなくて綿密な編集についても感謝したい。また、ロシア国立人文資料館のNatalia Efimova に対しても、公刊されている文章に誤植があると(間違って)疑ったときにシャラモフの草稿を点検してくれたことに、感謝する。//
 (4)「私が収容所で見て理解したこと」の最後の項目での主張にもかかわらず、シャラモフは、自分の素材を完全に分かっていた。そして、誰もが理解することができるように、書いた。
  —Donald Rayfield
 **
 序文、終わり。シャラモフの本文(の英語訳)を試訳する予定はない。

2229/史料・資料-神社本庁憲章(一部)。

 神社本庁憲章(一部)。
 一部の太字化は、掲載者。
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 神社本庁憲章/昭和55年5月21日 評議員会議決
 第1条 神社本庁は、伝統を重んじ、祭祀の振興と道義の昂揚を図り、以て大御代の彌栄を祈念し、併せて四海万邦の平安に寄与する。
 第2条 神社本庁は、神宮を本宗と仰ぎ、奉賛の誠を捧げる。
2 <略>
 第3条 神社本庁は、敬神尊皇の教学を興し、その実践綱領を掲げて、神職の養成、研修、及び氏子・崇敬者の教化育成に当る。
 第4条 神社本庁は、総裁を推戴する。
 2 総裁は、神社本庁の名誉を象徴し、表彰を行ふ。
 第5条 神社本庁に統理以下の役員、その他の機関を置く。
 2 統理は、神社本庁を総理し、これを代表する。
 3 <略>
 第6条 祭祀は、報本反始の誠を捧げ、古来の伝統と、別に定める制規に従って厳修する。
 第7条 神社本庁は、幣帛促進の伝統を重んじ、神社に本庁幣を献ずる。
 第8条 神社は、神祇を奉斎し、祭祀を行ひ、祭神の神徳を広め、以て皇運の隆盛と氏子・崇敬者等の繁栄を祈念することを本義とする。
 2 霊代の神聖は、厳に護持しなければならない。
 3以下<略>
 第11条 神職は、ひたすら神明に奉仕し、祭祀を厳修し、常に神威の発揚に努め、氏子・崇敬者の教化育成に当ることを使命とする。
 2以下<略>
 <以下、略>
 出所-神社本庁総合研究所監修・戦後の神社・神道-歴史と課題-(神社新報社、2012年2月)
 ***
 さしあたりの感想・コメント。
 第一。「大御代の彌栄を祈念」(1条)、「敬神尊皇」(3条)。「皇運の隆盛」(8条1項)。つまり、<天皇・皇室>を崇敬・尊重する、ということが明記されている。やや失礼かもしれないが、神社本庁系神社=「神道」・「天皇」教なのだ。8条1項によると氏子・崇敬者よりも「皇運」は優先するごときだ。
 第二。「神社本庁は、神宮を本宗と仰ぎ」。厳密な意味を問題にする余地はあろうが、「神宮」=<伊勢神宮>(そして内宮の祭神は<天照大御神>)が「本宗」と明記されている。
 歴史的・由緒的にはアマテラスではなくスサノヲ・大国主命系の神を主祭神とする神社も多く、かつまた稲荷神社系、八幡系(応神天皇・神功皇后)、天神・天満系(菅原道真)もあり、日吉・日枝系(日吉大社、日枝神社等)もあるが、神社本庁を「包括法人」としているかぎりは、「本宗」は、伊勢神宮=アマテラス系だ、とされている。したがって、「天皇・皇室」との縁が遠いと思われる神社も、神社本庁系あるいは「神社神道」であるかぎりは、<世界で最古の王朝・日本の皇室>などというノボリを立てたり、看板を立てたり、冊子を頒布していることになる(神社本庁から配布されたのだろう)。
 

2227/日本の<防衛・国防>法制-諸文献。

 2015年にいわゆる平和安全法制が成立し、2016年に施行された。この「法」案は正確には関係諸法律の「(一部)改正」部分をまとめて一本にした法案で、その中には旧法律の名称自体を変更(改正)するものもあった。独自に<…にかかる平和安全法>とかがあるのではない。
 この頃、日本の防衛・平和安全法制をきちんと勉強しておこうと思って(いわば<有事法制>の積み重ねの内容だ)、いくつか文献を買い求めた。
 ほとんど利用することなく、今日まで来てしまった。一覧表でも書いて、遺しておこう。
 最初の00杉村著は、以前から所持していたもの。
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1958年
 00-杉村敏正・防衛法/法律学全集12(有斐閣、1958.05)。
1974年
 01-吉岡吉典・有事立法とガイドライン(新日本出版社、1979.04)。=共産党系。
1997年
 02-田村重信・日米安保と極東有事(南窓社、1997.03)。
 03-安田寛監修・平和・安全法制と法/補綴版(内外出版、1997.04)。
2001年
 04-西修=浜谷英博=高井晋ほか・日本の安全保障法制(内外出版、2001.04)。
2002年
 05-小針司・防衛法概観-文民統制と立憲主義(信山社2002.05)。
 06-水島朝穂編(+馬奈木厳太郎執筆)・知らないと危ない「有事法制」(現代人文社、2002.05)。
 07-田村重信・急げ!有事法制/日本の平和と人権を守る武力攻撃事態対処法案(朝雲新聞社、2002.09)。
2003年
 08-森本敏=浜谷英博・有事法制-私たちの安全はだれが守るのか(PHP新書、2003.01)。
 09-水島朝穂編・世界の「有事法制」を診る(法律文化社、2003.05)。**
 10-常識/日本の安全保障(文春新書、2003.11)。
2004年
 11-田村重信=杉之尾宜生・教科書・日本の安全保障(芙蓉書房出版、2004.03)。
2005年
 12-森本敏=浜谷英博・有事法制-早わかり国民保護法(PHP新書、2005.08)。
2007年
 13-丸茂雄一・概説/防衛法制-その政策的課題(内外出版、2007.08)。
 14-防衛知識普及会編・テロ特措法(内外出版、2007.10)。
2008年
 15-防衛知識普及会・防衛省改革(内外出版、2008.11)。
2009年
 16-丸茂雄一・概説/基地行政法-基地行政のデュー・プロセス(内外出版、2009.06)。
2010年
 17-眞邉正行編・防衛法令根拠辞典/全改訂版(内外出版、2010.06)
2012年
 18-田村重信=高橋憲一=島田和久・日本の防衛法制・第2版(内外出版、2012.05)。
 19-田村重信編・日本の防衛政策(内外出版、2012.06)。
2013年
 20-西修・有事法制の解説(内外出版、2013.07)。
 21-防衛省・平成25年版/日本の防衛・防衛白書(2013.07)。
2014年
 22-田村重信・安倍政権と安保法制(内外出版、2014.07)。
2015年
 23-西修監修・詳解有事法制/増補版(内外出版、2015.07)。
 24-日米安保法令集(内外出版、2015.08)。
 25-読売新聞政治部編・安全保障関連法-変わる安保体制(信山社、2015.09)。
 26-田村重信・平和安全法制の真実ー冷戦後の安全保障・外交政策-(内外出版、2015.10)。
 27-鈴木和之・日本の安全保障法制入門(内外出版、2015.12)。
2016年
 28-緊急事態関係法令集・2016(内外出版、2016.03)。
 29-軍事研究・2016年07月号(Japan Military Review、2016.06)。
 30-田村重信=丹羽文生・政治と危機管理(内外出版、2016.09)。
 ***
 +++ここから記載の4文献は、2020年5/26に追記。+++
 ①水島朝穂・この国は「国連の戦争」に参加するのか-新ガイドライン・周辺事態法批判(高文研、1999.03)。
 ②憲法再生フォーラム編・有事法制批判(岩波新書、2003.02)。
 ③森本敏=石破茂=西修・国防軍とは何か(幻冬舎ルネサンス新書、2013.06)。
 ④戦争をさせない1000人委員会編・すぐにわかる/戦争法・安保法制ってなに?(七ツ森書館、2015.07)。
 +++
 若干のコメントを付記する。
 第一。杉村敏正・防衛法(有斐閣、1958.05)は、公法(・行政法)研究者によるもので、1958年刊行のものとして、歴史資料としても貴重だろう。
 杉村敏正、1918年9月~2011年9月。京都大学名誉教授。
 杉村敏正先生追悼文集・杉村敏正先生の人と学問(有斐閣、2014)参照。
 つぎのような章構成になっている。体系としてはオーソドクスだ。
 第1章/序説、第2章/防衛組織法、第3章/防衛公務員法、第4章/防衛作用法。
 序説では、「自衛隊」・「防衛庁設置法」に至るまでの経緯・変遷もまとめられている。
 歴史あるいは当時の学界の雰囲気を想起させるのは、つぎの文章だろう。
 「尤も、私個人としては、防衛庁設置法、…、自衛隊法などは日本国憲法に違反するものと判断しているが、国会の制定した法律であるので、一応、適憲性の推定の下に、防衛法令を体系的に説明した」(p.1)。
 第二。防衛・軍事は大学の法学部・経済学部等でまとまって教育されることはおそらくほとんどなく、<防衛・国防・軍事法>に関する学界(少なくとも大学所属研究者によるもの)も存在しない。
 そして当然のごとく、この分野は司法試験や国家公務員試験の対象にならない。むろん、憲法(学)の中で憲法9条に当然のごとく論及されるだろうが、憲法履修が必須であるはずの教員免許取得試験も含めて、憲法9条の具体的解釈はむろんのこと「現行自衛隊法制」の内容を前提とする設問などは戦後ずっとない、と言われている(試験に出ないとされるもう一つは、1条以下の<天皇>条項だ)。
 従って、法曹・公務員・私立を含む学校教員は、<防衛・国防・軍事>に関する素養がほとんどないままに、それぞれの職に就いている。むろんその後で、自力で知識を得たものはいるだろう。
 それはむろん、自衛隊=違憲論が強い(強かった)ことが理由の重要な一つで、したがって自衛隊=「自衛」のための実力部隊の組織・活動等について知って論じようとする姿勢自体を希薄なものにしてきた。現実には「ある」が、「見たくない」もの・「見てはならない」ものにしてきた。
 上の文献列挙でも明らかだが、一部「左翼」ないし「左派リベラル」の者を除き、学者・研究者による<防衛・国防・軍事>法研究は全く乏しい、と言い得る。
 その中では、子細には知らないが、小針司(1949~)による研究の継続は貴重ではないかと感じられる。
 第三。必要とあらば、上記のものを参照することはできる。一見ないし概読しても、とり立てて難解というものではない。但し、法制だから<積み重ね(改正・追記等)>をきちんと理解しなければならない。

2204/松下祥子関係文書⑤ー2019年1月10日。

 松下祥子関係文書⑤-2019年1月10日。
 前注/職務上作成され行政運営のために供されたもので、「公文書」または「行政文書」に該当する。一部曖昧化している。
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 日ごろよりお世話になりありがとうございます。平成31年1月4日付け++および+++でご送付いただきました文書回答要請文書につきまして、下記のとおり回答いたします。
 平成31年1月10日
  ** 松下祥子
  記
 第一
 (1)現在審理中の29-++号事件、29-**号事件、29-..号事件について、事務局が作成して**部会の各委員にすでに配布させていただいている答申書案・たたき台につきましては、**の審議、答申書作成に悪影響を与えるとの御指摘がございましたので、事務局から回収させていただきます。

 (2)29-++号事件、29-**号事件、29-..号事件につきましては、事務局としては、審理員意見書の「理由」部分がほぼそのまま採用できると考え、ほぼそのまま書き写したうえで、「要旨」となることを意図して作成いたしました。従いまして、審理員意見書の理由部分を「要旨」とする表現に間違いないと昨年11月の時点では考え、11月22日の夕方、「これは要旨です」と発言いたしました。
 しかし、**ご指摘の通り、事務局作成答申書案・たたき台の「審理員意見書の要旨」と審理員意見書の「理由」部分を対比させますと、ほぼ丸写しであることは事実でございますので、**「要旨とはいえない」とのご指摘はごもっともであると理解するに至りました。
 その後、御連絡をさせていただくタイミングが12月18日になってしまった(私の上司であるA次長とお会いいただくことが最善と考えておりました)ため、1か月を要した次第です。
 私が11月22日に「要旨である」と主張したこと、その後すぐに訂正し**ご連絡しなかったこと、またそれらのことで**に大変御不快な思いをさせてしまったことに対しましてまことに心よりお詫び申し上げます。

 第二
 (1)
 ①担当者が検査方法を審査庁に尋ねたのは事実です。「『あ』と聞こえてきたら文字の書いてあるものを指差すような検査らしい」という説明でした。
 ②平成30年1月24日です。(諮問書が審査庁から事務局に持ち込まれた日)

 (2)
 ①担当者がインターネットで検索して探し当て、印刷したものを所持していたのは事実です。
 ②平成30年1月25日から1月30日の間です。
 ③担当者は、本検査がどのようなものであるかのイメージをつかむことが目的でしたので、資料の作成時期については考慮しませんでした。
 ④審査庁職員から、インターネットに資料が載っている等の示唆・教示等はいっさいありませんでした。

 (3)
 ①11月9日の部会より前に資料の存在を「見て、知っていた」のは事実です。
 ②最初に説明を受けたのは、平成30年1月31日、**開催(平成30年2月5日)前の打ち合わせ時です。
 ③最初に説明を受けた日と、初めて「見て、知った」日は同じです。
 ④最初に説明を受けた日と、初めて「見て、知った」日は平成30年1月31日であり、資料はその後担当者だけが所有していました。

 (4)
 ①11月9日の「部会前の打合わせ」に参加していたのは、私以外に、*、近藤課長補佐、T総括主査です。
 ②私以外に、*、近藤課長補佐、T総括主査の4名です。知った時期は、近藤課長補佐は平成30年1月25日から1月30日の間、私は平成30年1月31日、*およびT総括主査は平成30年4月です。
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2197/松下祥子関係文書④-2018年11月27日。


 松下祥子関係文書④。
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 論点2/2018年11月9日**部会にかかる「当該文書」の入手方法等々に関する松下課長の説明は誠実で正直なものか。*-きわめて不思議な点がある。
 前注/2018年11月27日に事務局を通じて他委員に送信された<連絡等>文書の一部。「」はそのままの引用。
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 「本年11月9日(金)」の「部会の審議中に近藤課長補佐によって配布された、正確には我々のテーブル上に置かれた文書(以下、当該文書)について、11月22日(木)の夕方、***行政不服審査会事務局(法務課長)・松下祥子氏から、つぎのように理解することができる説明を受けました」。「当該文書には下部に『9』という数字が頁番号としてスタンプされて(そしてコピーされて)」いましたが、「『5』という数字が下部にある文書(以下にいう「表紙」)が私に手交され、私は現在保持しております」。「1」~「4」および「10」以降の内容は不明。
 ①当該文書は「平成15年(2003年)1月10日付の厚労省担当部長から都道府県主管部長等あての「身体障害者障害程度等級の解説(身体障害認定基準)について」と題する文書を含む一連の文書のうちの一部・一枚」である。この表題等の記載された文書(以下、「表紙」)の下部におそらく頁番号として「5」のスタンプ押しがある。
 ②「『表紙』には左上に<写>という丸囲みのスタンプ印が、右上に「肝機能障害の評価に関する検討会(第1回)/平成20年10月27日/資料4③」という記載のスタンプの押印かワープロ作成の罫線表の印刷がなされている。」
 ③「当該文書は、平成30年になって案件<29-44>が**部会に諮問されて以降に、近藤課長補佐がネット上で見つけて、印刷したものである(「表紙」も同時にであったかどうかについては、質問もせず、積極的な説明もなし)。」
 ④「松下課長は近藤課長補佐印刷にかかる当該文書の存在をいつかの時点以降に『見て』知っており、第二部会の審理に『参考になる』と感じていたが、同課長自身は11月9日(金)の部会中に所持してはおらず、(おそらく11月22日の)『二、三日前』に所持する(自らのファイルに写しを挿入する)にいたった。」
 ⑤「当該文書が11月9日(金)の部会中にテーブルに置かれたのは、部会委員に文書として提示・配布する」のではなく「『見せる』ためだったので、委員三人分の三枚は用意しなかった。」
 ⑥当該文書が部会中にテーブルに置かれたのは松下課長の指示によるものではないが、同「課長はそのような行動をすることを職員の自発的な判断に委ねていたので、当日も許容したし、現在も許容している」。
 ⑦「松下課長は、当該文書の作成者・作成年・出典等が不明確で部会としての正規の証拠文書・参考資料として扱うことに問題があるということを、11月12日(月)午前には***行政不服審査会事務局職員が読める状態になっていた部会長・**からのメールによって気づいた。」
 (注<略>
 ⑧「『表紙』の***への手交により当該文書と併せて正規の証拠文書として欲しい旨の意向」は「少なくとも明示的には」なかった。また、この「表紙」が部会審理中に「見せられ」なかったのかの理由等は質問せず、「積極的な説明はなかった。」
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 後注(上記文書に付された文書(一部は割愛))。
 以上の①~⑧はすべて「つぎのように理解することができる説明」として記したもの。
 1.⑦は松下課長の注意不足または職責に照らしての能力不足を示唆する。
 2.これらが全て「本当の」ことだとすると、松下課長は、部会審理の「参考」になる文書を一枚だけ委員たちに「見せて」、それで審理・結論の方向に影響を与えてよい、のちにきちんと出所等を確認して報告しかつ全委員に当該文書を送付する手続きは必要がない、と少なくとも11月12日までは考えていたことになる。これも、注意不足または職責に照らしての能力不足を示唆する。
 3.上のうち③~⑥、とりわけ③・④は奇妙な又は不思議な説明であって、にわかには信用できない。
 なぜなら、第一に2015年の国の会議での、かつ(写)等のスタンプつき文書を「表紙」とする文書がネット上に公開されていたとは相当に信憑性を欠く(11月22日時点でネット上に掲載されているとの報告もなかった)。
 第二に、松下課長等が当該文書の存在を「見て」知っていたが、写し等を11月9日に手元に所持していなかったとするのも、きわめて不思議である。
 つまり、どこかに「ウソ」がある。なぜ、そのような虚偽の説明をしたのか。

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 以上。

2190/松下祥子関係文書③-2018年05月。

 松下祥子関係文書③。
 2018年12月作成・送付文書に添付された文書による/原文は2018年05月。
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 前注1/第一と第二の違いは以下。
 第二文書は、近藤富美子が作成し松下祥子が了承して「公式に」提出されたもの。
 ①原文書では1(1)・(2)、2・(1)・(2)、3であるの対して、第二文書では、(1)ア・イ、(2)ア・イ、である。
 ②原文書の3の二行が、第二文書では割愛されている。
 ③それぞれの冒頭近くが、つぎのように異なる。
 ・原文書/
 …とされ、施行令第1条第3項で「障害の状態は、別表第三に定めるとおりとする。」と規定されている。
 「認定基準」の「第2節/聴覚の障害」では、2級は「両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの」または「身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」とされ、…。
 ・第二文書/
 …とされ、特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行令(昭和50年政令第207号。以下「施行令」という。)第1条第3項で『障害の状態は、別表第三に定めるとおりとする。』と規定されている。
 「施行令別表第3における障害の認定について」(昭和50年9月5日付け児発第576号厚生省児童家庭局長通知。以下「認定要領」という。)の別添1「特別児童扶養手当障害程度認定基準」(以下「認定基準」という。)の「第2節/聴覚の障害」では、2級は「両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの」または「身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」とされ、…。
 前注2/松下祥子の2018年11月22日の「発言」。
 (要旨とは言えない、そのまま丸写しでないか、との指摘に対して、つぎだけ)
 ①「『そのまま丸写しならば要旨とは言えない』と先日は言っただけです」。
 ②(第二文書は)「少し詳しくなっているところもあります」。

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 論点1/以下の第二は以下の第一の「要旨」と言えるか(「要旨」と理解できるか)。**松下課長-言える。*-言えない。

 第一 審理員意見書(第4・理由)
 1 本件に係る法令等の規定について
 (1)手当においては、まず法第2条第1項で「障害児」の定義があり、同条第5項で「各級の障害の状態は、政令で定める」とされ、施行令第1条第3項で「障害の状態は、別表第三に定めるとおりとする。」と規定されている。
 (2)「認定基準」の「第2節/聴覚の障害」では、2級は「両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの」または「身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」とされ、後者について、具体的には、「両耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が30%以下のもの」とされており、別添2では診断書の様式も定められている。
 2 本件処分が、法令等が求める要件に該当するかについて
 (1)審査請求人が有期再認定請求の際に処分庁に提出した診断書において、⑩障害の状態(1)聴覚の障害で聴力レベルは「右 103.8dB 左 80dB」と記載され、最良語音明瞭度については記載がない。本件診断書の内容を2級の認定基準である「両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの」または「身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」と照らし合わせると、本件児童は⑩障害の状態(1)聴覚の障害において「左 80dB」とあることから、2級の認定基準の前者には該当しない。
 また、2級の認定基準の後者について、具体的には「両耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が30%以下のもの」とされており、本件診断書において、両耳の平均純音聴力レベル値は80デシベル以上であるが、最良語音明瞭度については記載がない。最良語音明瞭度については、処分庁の提出書類である、「<別紙1>診断書判定について」によると、「本件児童の年齢(3歳)では成長に差があり、検査ができていないとしても不思議ではないことから、本検査欄に記載がないことは診断書の不備とは言えないと解している。」とあることから、本件診断書の記載内容をもって判断すると、2級の認定基準に該当しているとは言えない。
 (2)審査請求人は審査請求書において、本件児童及び審査請求人の生活状態等について述べ、「左耳は88dbでたった2dbの事なのです。」との記載があるが、本件診断書においては「左 80db」であり、本件児童の障害の状態は2級の認定基準を満たしておらず、本件診断書をもって判定医の審査判定に基づいた本件児童の障害の状態が施行令別表第3に定める障害等級の2級に該当しないとして行った本件処分は、違法又は不当なものであるということはできない。
 3 上記以外の違法性または不当性について
  他に本件処分に違法又は不当な点は認められない。
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 第二/事務局作成答申案で審理員意見書の理由の「要旨」とされているもの。
 (1)本件に係る法令等の規定について
 ア 特別児童扶養手当(以下「手当」という。)においては、まず法第2条第1項で「障害児」の定義があり、同条第5項で「各級の障害の状態は、政令で定める」とされ、特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行令(昭和50年政令第207号。以下「施行令」という。)第1条第3項で「障害の状態は、別表第三に定めるとおりとする。」と規定されている。
 イ 「施行令別表第3における障害の認定について」(昭和50年9月5日付け児発第576号厚生省児童家庭局長通知。以下「認定要領」という。)の別添1「特別児童扶養手当障害程度認定基準」(以下「認定基準」という。)の「第2節/聴覚の障害」では、2級は「両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの」または「身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」とされ、後者について、具体的には、「両耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が30%以下のもの」とされており、別添2では診断書の様式も定められている。
 (2)本件処分が、法令等が求める要件に該当するかについて
 ア 審査請求人が有期再認定請求の際に処分庁に提出した平成28年12月21日付け診断書(以下「本件診断書」という。)において、⑩障害の状態(1)聴覚の障害で聴力レベルは「右 103.8dB 左 80dB」と記載され、最良語音明瞭度については記載がない。本件診断書の内容を2級の認定基準である「両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの」(以下「前者」という。)または「身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの」(以下「後者」という。)と照らし合わせると、本件児童は⑩障害の状態(1)聴覚の障害において「左 80dB」とあることから、2級の認定基準の前者には該当しない。
 また、2級の認定基準の後者について、具体的には「両耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が30%以下のもの」と規定されており、本件診断書において、両耳の平均純音聴力レベル値は80デシベル以上であるが、最良語音明瞭度については記載がない。最良語音明瞭度については、処分庁の提出書類である、「<別紙1>診断書判定について」によると、「本件児童の年齢(3歳)では成長に差があり、検査ができていないとしても不思議ではないことから、本検査欄に記載がないことは診断書の不備とは言えないと解している。」とあることから、本件診断書の記載内容をもって判断すると、2級の認定基準に該当しているとは言えない。
 イ  審査請求人は審査請求書において、本件児童及び審査請求人の生活状態等について述べ、「左耳は88dbでたった2dbの事なのです。」との記載があるが、本件診断書においては「左 80db」であり、本件児童の障害の状態は2級の認定基準を満たしておらず、本件診断書をもって判定医の審査判定に基づいた本件児童の障害の状態が施行令別表第3に定める障害等級の2級に該当しないとして行った本件処分は、違法又は不当なものであるということはできない。
 他に本件処分に違法又は不当な点は認められない。
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 以上。

2183/松下祥子関係文書②-2019年1月23日。

 松下祥子関係文書②-2019年1月23日。
 〔一部、この欄用に曖昧化している。全体はA4用紙2枚で印刷され、空行がある。〕
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 第×部会に関する報告と若干の問題提起〔口頭報告のレジュメ〕
               2019年1月23日 第×部会々長
 はじめに
 12/14第×部会不開催/12/05次長宛て明記の理由は、*1)と*2)。
 *1)で十分として口頭発言して11/22退席。他にも「不信」の理由はあった。

 一 事務局作成の「答申案」のでき具合。
  ①答申案中の審理員意見書の「要旨」*1)-ほぼ丸写しで「要旨」でない。
  法務課長01/10「11/22に『要旨』であると主張したこと、その後すぐに訂正し…御連絡しなかったこと、またそれらのことで**部会長に大変御不快な思いをさせいしまったことに対しまして心よりお詫び申し上げます」。cf. 12/28
  ②関係規定-無確認・不正確あり。
  ③答申案中の本案判断の「理由」-独自性なし。
  cf.法務課長11/22回答文書「僭越ですが、少しでも負担を軽くと…」
  <実際には、審理員意見書+α程度では、むしろ邪魔>
  二答申ともに**が<ゼロから>書き改めている。

 二 部会審理と事務局の役割(・行動)。
   11/09文書の提示の経緯
 昨年01/25-30に(法務課長回答1/10)ネットから印刷し一人しか所持せず。
 但し、「存在」だけは法務課長はずっと既知。
 11/09に部会に初めて「提示」(このときも一人だけ所持)。-3月、10月には?
  cf.法務課長11/22発言「部会への提示等は、自主的判断に任せていた」。
  どこかに「ウソ」がある。*2) ・審査庁との関係
  T主査11/20頃(なぜ出所等の連絡ない?→)「いま審査庁に問い合わせ中でして」。
   一般論
  審理中の、事務局からの(事前了解なしの)資料提出の可否。
  cf. 総務次長01/11発言「そもそもあり得ないこと。それ自体が問題」。?

 三 諮問書(資料含む)のでき具合。
  ①関係規定の提示の仕方・正確さ、②審理員意見書の判断理由、等々。
  ①につき法務課長11/09-「丁寧さを欠く」ことを承認。
  同11/22「決裁済みで変更できない」。
  事務局が関係規定(整理表)を改めて作成できないのか? *3)

 四 部会長の部会(・会)との関係・区別。
  ①原則として部会長の意思は部会の意思ではない。
  ②部会長は部会委員の意思を拘束せず。配布されている答申案文書の処置も。
 法務課長11/22「部会長からの指示がないから(しなかったの)です!」。*4)
  同01/10三事件に関する事務局答申案は「事務局から回収させていただきます」。

 五 その他-○○○の行政不服審査体制。
 ①処分庁弁明書までの期間。8カ月?
  ②審理員意見書までの期間。弁明書-反論の反復、年度末の帳尻合わせ?
  ③諮問までの期間。
 ①原処分庁担当者の資質、
  ②審理員担当者の資質-指名の仕方、
  ③上の二者の<非分離>?、同じ局・課の中の課長補佐どおしが①と②。
 -とくに審理員担当者の行政不服審査法・行政手続法等の無知。
   (○○○行政不服審査会の事務局体制?)
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2176/松下祥子関係文書①-2019年03月20日。

 松下祥子関係資料①。

 退 任 届 /2019年(平成31年)3月20日
 記
 以下に記載の理由により、任期途中ですが、2019年(平成31年)3月19日をもって、***行政不服審査会委員を退任する旨を、真摯かつ明確に意思表示いたします。
 事後処理等を、どうぞよろしくおとりはからい下さい。
 第一。松下祥子・総務部法務課長の、例えば昨年11月以降に「ウソ」を含む文書回答を行った等々の、審査会(同部会を含む)の事務運営にかかる、「人間的感情」を持っていることをも疑問視させるひどさ・拙劣さ。
 第二。阿児和成・総務部次長の、例えば本年1月に見られた、「かたちだけ」詫びつつ部下と「組織」を守ろうとし、当委員の主張や当委員が知って理解している「事情」を可能ながり訊こうともしない姿勢。
 第三。近藤富美子・***総務部法務課課長補佐の、基礎的な「法」的素養と「法」的文書作成能力の欠如。
 第四。***福祉部子ども室家庭支援課(貸付・手当グループ)職員(課長を含む)に見られる、行政不服審査法および行政手続法に関する基礎的「法」的知識・素養の欠如。
 以上。
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2062/松下祥子・阿児和成・近藤富美子③。

 前回№2043/2019年09月16日付に「要旨」という語は法律用語ではないと記述したが、法令で用いられている概念ではない、という趣旨であるとすると、誤りだ。
 行政不服審査法50条第1項は、こう定める。
 「裁決は、次に掲げる事項を記載し、審査庁が記名押印した裁決書によりしなければならない。
 一 主文
 二 事案の概要
 三 審理関係人の主張の要旨
 四 理由(<中略>を含む。)」
 他にも、何らかの文書について、その「要旨」の記載や公表を求める法令上の条項がある。
 しかし、「この法律(や政令等)において、要旨とは…をいう」などといった定義規定はおそらく間違いなく存在しないので、前回に記したように、「要旨」の語意は、「結局は、健全な適切な<社会的感覚>または<社会的常識>で判断するしかない」。
 そして、常識的な日本語の用法からして、例えば元の文書・文章よりも<長く>なっている文書・文章は、前者の「要旨」だとは言えないだろう,と書いたのだった。
 上に引用の条項によると、「裁決」なるものには「審理関係人の主張の要旨」を記載しなければならない。
 これはいわば必要的記載事項だから、これを欠く、または「要旨」ではない文章を記載している「裁決」は、瑕疵あるものになるだろう。
 但し、行政不服審査(行政不服申立)制度やそこでの「裁決」の意味・位置づけ等にはここでは立ち入らない。行政事件訴訟法3条2項によると、同法上の「取消訴訟」には「処分」についてのそれと「裁決」についてのそれがあるようなのだが。
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 G・トノーニら/花本知子訳・意識はいつ生まれるのか-脳の謎に挑む統合情報理論(亜紀書房、2015)、p.78に、つぎのような文章がある。
 「脳に損傷を受けた患者に意志に基づく身動きが見られるならば、確かに意識があるといえる」。しかし、「身動きがまったく見られない場合でも、意識がある可能性がないとはいえない」。
 相当に幼稚な叙述になるが、上の文章は、単純にはつぎのことを意味することが容易に分かる。
 Aであれば、Bといえる。しかし、Aでなければ、Bでない、ということにはならない。
 そして、ここでG・トノーニらが問題にしているのは「意識」があると言えるか否か、であることも明らかだろう。彼らは、「意識」の有無に関心があるのだ。
 ーーーー
 幼稚な叙述を続けるが、「要旨」という語を使って、つぎの文章があると想定してみよう。
 ①A文章と<まったく(ほとんど)同じ>だから、B文章はAの<「要旨」とは言えない>。
 このような主張・指摘に対して、某行政担当者で法規・文書関係の責任者(知事または市長の「専決」権をもつ者)は、つぎのように反論・釈明または主張をしたらしい。
 ②<まったく(ほとんど)同じ>ではなく、<少し異なっているし、少し詳しくなっている部分もある。>
 分量的には、B文章の方がA文章よりも<少し長い>か<ほとんど同じ>であることを、この話題は前提にしている。
 しかし、上の②を述べることによって、この人物は、<BはAの「要旨」とは言えない、ということにはならない>、という趣旨を述べたつもりだったらしい。G・トノーニらの場合に問題は「意識」の存否であつたのと同様に、この場合の問題は<BはAの「要旨」と言えるか>だったのだから、厳密にはまたは論理的には同一ではないとしても、上の②を述べることは、まるで<BはAの「要旨」だと言える>というに等しいだろう。
 幼稚で、馬鹿らしい話だ。
 この人物は、<BはAの「要旨」とは言えない、ということにはならない>と明言しただけで、その後自らは何もせず、何の反応もしなかったらしい。
 そして、この人物が、上にいうB文章はA文章の「要旨」であるとは言えない、ということを公式に?肯定したのは、一ヶ月半のち、つまり約6週間後だった、とされている。
 ここまでをまとめると、<まったく(ほとんど)同じ>だからB文章はA文章の「要旨」ではない、というのが主旨である主張・指摘に対して、この人物は、B文章はA文章と<まったく(ほとんど)同じ>ではなく<少し異なっているし、少し詳しくなつていいる部分もある>といったん明確に回答した。そののち、ひょっとすれば両者の文書をきちんと比較して読んでみたのか、一ヶ月半、約6週間後になってようやく?、上にいうB文章はA文章の「要旨」であるとは言えない、と認めた、というのだ。
 いったいなぜ、こんなことが生じるのだろうか。
 じつに興味深い。人間というものの意識・発言・行動について、考えさせられる。
 人間個人(自然人)といっても様々だ。組織・団体に帰属している場合、そしてその帰属によって<食って生きている>場合、自分の身を守るために、あるいは自分の身の安全を図るために、その組織・団体との関係で、あるいはその組織・団体のために、その人間個人はどう振る舞うのか。
 (つづく)

2024/読売=朝日+毎日、減紙率1位毎日・2位産経。

 新聞全国紙の発行部数についてのいわゆる「ABC部数」が発表されているようだ。
 2019年3月現在。対前年同月部数比とその割合。1000部未満を四捨五入。
 いわゆる「押し紙」を含むので、配達される実数ではない。丸数字とコメントは私のもの。
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 読売新聞   ①811万5000部、⑤-38万9000部、②- 4.8%
 朝日新聞   ②560万4000部、③-37万7000部、③- 6.7%
 毎日新聞   ③245万2000部、④-38万4000部、⑤-15.6%
 日本経済新聞 ④234万7000部、①-10万2000部 ①- 4.4%
 産経新聞   ⑤139万2000部、②-12万6000部 ④- 9.0%
    計(全体) 1991万部   -137万8000部  -6.9%
 **
 コメント①-朝日+毎日=805万6000で、読売811万5000にほぼ等しい。
 コメント②-上の812万や806万と比べて、産経新聞の139万2000は、17%で、5~6分の1にすぎない。
 コメント③-減少率一位は毎日で1年で-16%、二位は産経で1年で-9%。

1906/NYタイムズ2009.07.20の訃報-L・コワコフスキ。

 Leszek Kolakowski (1927.10-)は存命だと今年で92歳になるが、彼もヒト・人間なので永遠には生存できず、2009年の誕生月前に81歳で亡くなっている。
 以下は、L・コワコフスキの逝去を伝えるNew York Times の記事。
 とくに目新しく感じるところは多くない。私の印象に残ったのは、以下だ。
 ①sudden, short illness の後の死だったとされていること。それ以外の子細は公表されていない。
 ②訃報に接して、ポーランド国会が「黙祷」の時間をもったこと。
 ③エッセイ集にL・コワコフスキの英語訳者として名が出てくるAgnieszka Kolakowska は実の娘だと分かったこと(年齢等不詳。後で追記、1960年生まれ )。
 ④一番最後に紹介されているL・コワコフスキの文章は、彼らしく思えること。
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 レシェク・コワコフスキ、ポーランド人哲学者、81歳で逝去。
 New York Times 2009年7月20日。
 記者/Nicholas Kulish。
 ワルシャワ--レシェク・コワコフスキ、マルクス主義を拒否して国外滞在中に母国の連帯運動を活発になるのを助力したポーランド人哲学者が、金曜日に、イギリス、オクスフォードで逝去した。81歳だった。//
 彼の家族は彼の死をポーランドの新聞 Gazeta Wyborza に発表し、彼はオクスフォードの病院で「突然の、短い病気のあとで」死去したと語った。
 それ以上の詳細は、伝えられていない。//
 ワルシャワでは、国会が、彼の栄誉のために、彼のポーランドの自由に対する貢献のために、黙祷をした。//
 長いかつ広範囲の経歴のあいだに、コワコフスキ氏は冷戦というイデオロギー的および軍事的武装競争が極みにあるときに、自分が若いときに支持した共産主義体制の知的な土台を詳細に分析した。
 彼はその影響力が学問の領域をはるかに超える研究者であり、その書いたものは陽気で風刺的で、しかしほとんどは理解しやすい学者だった。//
 ポーランド反対派の指導者の一人である、1985年にGdansk 獄房から執筆したAdam Michnikは、コワコフスキ氏を「現代ポーランド文化の重要な創造者の一人」だと述べた。//
 彼の最も影響力ある著作である、1970年代に出版された三巻本の"マルクス主義の主要潮流-その発生、成長および解体"は、「我々の世紀の最大の幻想」とその哲学を称する、歴史書であり、批判書だった。
 彼は、スターリニズムはマルクス主義からの逸脱ではなく、むしろその自然の帰結だと主張した。//
 きわめて真剣な文章に加えて、彼は戯曲や寓話および魔王が多数の有名な神話上および歴史上の人物と討論する"悪魔との会話"という本も書いた。//
 コワコフスキ氏は、50年以上にわたる経歴の中で30冊以上の書物を出版した。
 彼は、ポーランドの最高の栄誉である白鷲勲位(the Order of the White Eagle)を受け、天才にその資格があると広く知られているMacArthur Foundation 助成金を受けた。//
 2003年には、ノーベル賞がない分野に与えられる、人文社会科学の生涯の偉業に対する、連邦国会図書館の100万ドルのW. Kluge 賞の初代の受賞者になった。
 図書館長のJames H. Billington はこの賞の発表に際して、コワコフスキ氏の学問のみならず、「彼自身の時代での大きな政治的事件への明白な重要性」にも注目を向け、「彼の声はポーランドの運命にとってきわめて重要であり、全体としてのヨーロッパに影響力をもった」、と付け加えた。//
 レシェク・コワコフスキは1927年10月23日にワルシャワの南方のRadom 市で生まれた。その世代のほとんどのポーランド人と同様に、コワコフスキ氏は幼少時に困難な体験をした。
 第二次大戦中のドイツ占領間、コワコフスキと彼の家族は異なる町や村へと移り住むことを強制された。//
 ドイツはポーランドの学校を閉鎖したために、若きレシェクは独学をし、設立されていた地下の学校制度の試験を受けなければならなかった。
 戦争の後、彼は哲学を最初はLodz 大学で学び、のちにWarsaw 大学で博士の学位を得た。
 彼はその大学で教職の地位を得て、哲学史部門の長へと昇った。
 人生のはじめは、彼はナツィズムによる自分の国の破壊に対する反応として共産主義を受け入れ、赤軍をドイツによる数年間の抑圧後の解放者だとして歓迎した。
 しかし、有望な青年マルクス主義知識人への報奨として意図されたモスクワ旅行は、逆に、転換点となった。「スターリン体制が引き起こした巨大な物質的および精神的な荒廃」と彼が叙述したものを、しっかりと見たのだった。//
 2004年のNYタイムズとのあるインタビューで、コワコフスキ氏は、「このイデオロギーは、人々の思考(thinking)を型に入れて作るものだと考えられていた。しかし、ある時点で、きわめて弱くて馬鹿々々しいものになり、結果として、誰も、被支配者も支配者も、信じないようになった」と語った。//
 1956年のPoznan での労働者騒擾のあとで、コワコフスキ氏の著述は検閲と激しく衝突し始めた。
 彼のスターリニズム批判 "社会主義とは何か?" はとくに、公刊禁止となった。
 コワコフスキ氏は、ポーランド統一労働者党から1966年に除名され、Warsaw 大学での地位を1968年に失った。
 彼は、その年に、外国へと移住した。//
 コワコフスキ氏はポーランドを離れたあと、Montreal のMcGill 大学、California 大学Berkley校、Yale およびChicago 大学の社会思想委員会を含む、最高級の研究施設で教育した。しかし、彼の本拠となったのは、Oxford だった。//
 コワコフスキ氏は、妻のTamara と一人娘のAgnieszka を残して先立った。//
 1982年の著名な講義でコワコフスキ氏は、哲学の文化的役割について、こう語った。
 「精神のもつ知的欲求のエネルギーを決して眠らせないこと、明白で決定的だと見えるものを疑問視するのを決してやめないこと、常識がもつもっともらしい純粋な根拠につねに反抗してみること」、そして「科学の正統とされる範囲を超えて存在してはいるが、それでもなお他にも、我々が知るように、人間の生存にとっては致命的に重要な諸問題がある、ということを決して忘れないこと」。
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 以上。
 下は全てRadom 市に存在するのものだと思われる。ネット上から。
 
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1904/NYタイムズ2004.02.14の記事-L・コワコフスキ。

 Leszek Kolakowski の第一回Kluge 賞受賞はアメリカのメディアの関心を惹いたようで、翌2004年の2月14日付The New York Times は、Oxford まで記者を派遣して(又はロンドン在住の記者によって)一部は明瞭にL・コワコフスキからのインタビューから成る記事を掲載している。
 上記期日のThe New York Times(Online)から試訳する。記者はSarah Lyall。
 L・コワコフスキの評価は彼の書物自体の内容によって行うべきことは明らかだ。
 しかし、その<人物>にも関心は向かうのはやむをえず、とくにL・コワコフスキの場合は、例えばつぎのような疑問が生じ、知りたくなる。
 ①ポーランド出国の詳細な経緯。
 ②例えば、強制的国外追放という制裁が「法的に」は想定し難いとすると(シベリア流刑とは異なる)、どのようにして国外に移ったのか。家族はいたのか。家族はいたとすれば、彼らも一緒だったのか、等々。
 ③L・コワコフスキの「連帯」運動への影響というのは、より詳細にはいかなる態様、内容のものだったのか。
 これらのうち、上の②の一部は、以下の記事によって判明する。
 その他の①について、相当に参考になる情報・知識をネット上で得たが、以下では明瞭ではない。
 さらに、上の③は私にはまだほとんど分からない。なお、ポーランド青年たちを「目覚ました」とされる1971年の小論<希望と絶望について>は、ネット上にフランス語→英語版が掲載されていたが、読んでいない。
 なお、以下で言及されている1960年代の"社会主義とは何か"は、長い論文ではなく標語の羅列のようなもので、のちの彼のエッセイ集にそのまま収載されている。
 また、手元で確認できていないが、日本では加藤哲郎が、何かの本でこの「社会主義とは何か?」に気づいてそのまま紹介、掲載していた。その元の本自体も不明なので、別の機会にこの欄に記す。
 加藤哲郎がその後ひき続いて、このポーランドの「レシェク・コワコフスキ」に対する関心を維持しなかったのは、間違いないように思える。
 その他のコメントは避ける。この記事の内容も、興味深いものがある。
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 The New York Times/2004年2月14日付。
 哲学者が変化をもたらすとき。

 記者・Sarah Lyall。
 連邦議会図書館が76歳のポーランド人哲学者のレシェク・コワコフスキに初めて語りかけたのは、100万ドルの新しい人文社会科学賞の候補に指名された、と伝えるためだった。
 のちに彼自身がその賞を受けたと伝えられたとき、彼はこのときのことを思い出した。//
 コワコフスキ博士は驚いたのだとすれば、ほとんどのアメリカ人はたぶん当惑しただろう。彼の名前は合衆国では十分に知られていなかったのだから。
 しかし、図書館長の James H. Billington 博士は、三ヶ月前の発表の際に、なぜこの哲学者が人文学および社会科学での生涯にわたる業績に対する初代のJohn W. Kluge 賞に選抜されたかを知りたい人々のために、つぎのように説明した。
 「これほどの広さで洞察しその時代の大きな政治的事件に重要な影響を与えた、奥深く熟考する思索家を、他にはほとんど誰も見出すことができない。」//
 ポーランドで生まれ、1960年代に、増大していた反正統派信条を理由として大学での地位と共産党から追放された。
 国外でのコワコフスキ博士は、1980年代のポーランド連帯運動の重要人物になった。
 三巻にわたるマルクス主義の分析作業、"マルクス主義の主要潮流" (1978年)は、その主題にかかる決定的著作だと考えられている。
 しかし、彼は明快で魅力あふれたエッセイ著述者でもあり、その書物や著作はSpinoza、Kant、モダニズム、権威と自由意志および日常生活での哲学の意味といった主題にかかわっている。//
 このような素晴らしい諸業績があるにもかかわらず、コワコフスキ博士は穏やかな人物のままであり、個人的な質問から逸らせた。
 「あなたは、私の人生について知らなくてもよいです」。
 彼は、数年前までAll Souls College の主任研究員だったOxford の北郊にある自宅の居間で、コーヒーをすすりながら、そう言った。//
 同じように、最近の受賞の報せにどう反応したかにも触れたくはないようだった。
 いや、そうだ。お金はどうしますか?
 彼はカップに目を落とし、悪戯っぽい笑いを浮かべて、言った。
 「金を使うことに、大きな問題は全くないです」。//
 コワコフスキ博士-その名は、LESH-ehk ko-wah-KUHV-skee と発音される-の人生は、二度、引き裂かれた。先ず、ナツィズムによって、次いで、共産主義によって。
 知識人の子息だった彼は、ドイツによる侵略のあと、家族とともに何度も中央ポーランドの町や村へと転居させられ、学校に通うことは禁じられた。彼は語った。
 「ドイツ人はポーランド人のための学校を閉鎖しました」。
 「ドイツ人のための豚飼いであるポーランド人を読み書きができないようにしておくというのは、素晴らしい考えでした」。//
 にもかかわらず、彼は多数の本をこっそりと読んで勉強し、戦後には、ワルシャワ大学から哲学で博士の学位を得た。
 最初は、ナツィズムの解毒剤として、そしてうむをいわさぬユートピア理想として、教条的マルクス主義を受け入れた。彼は、こう説明した。
 「私はポーランド文化にある一定の伝統-右翼、聖職主義、反ユダヤ-をひどく嫌いました。そして、戦争中に左翼の環境(milieu)の中に入りました」。
 「ドイツのもとでの恐怖の5年間のあと、われわれは、赤軍を解放者として歓迎しました」。//
 彼が語るには、そのあと、彼が信じて誓約したものはそう主張していたものではない、ということに気づくことができた。
 1950年に、有望な青年マルクス主義知識人のための企画の一環として三ヶ月の間モスクワに行って初めて、彼はイデオロギー的に目覚め、マルクス主義の豊かなイデオロギー上の修辞は薄っぺらで皮肉に満ちた現実と食い違っていることを発見した。//
 「文化的頽廃-ソヴィエトの科学とイデオロギーの指導的著名人の知的生活の貧しさ、芸術等々の貧しさ-が、分かった」、と彼は語った。//
 ポーランドに戻って、彼はワルシャワ大学での経歴を登り、最後には哲学史部門の講座長になった。一方では、マルクス主義を辛辣に攻撃した。また、しばしば風刺的に著述したことによって、彼はますます既成組織集団(establishment)には相容れないものになった。
 彼は人間主義的社会主義または社会主義的人間中心主義を擁護して議論することを始め、改革を支持して運動する知識人たちでが起こしていた「ポーランドの十月」運動を背後で支える指導的思考家になった。//
 コワコフスキ博士の影響力あるスターリン批判、"社会主義とは何か"は、多数ある著述の中でもとくに、政府によって発表が禁止された。しかし、幻滅していたその他の知識人たちの間には広く流通した。
 1966年に党から除名され、その二年後に、大学での仕事を奪われた。
 そして、精神病理学者の妻、妻との間の一人の娘とともに国を去り、Montreal のMcGill 大学の客員教授職を得た。彼は、つぎのように語った。
 「ポーランドにいなくなるのは2年だろうと想定していた。しかし、20年に延びた」。//
 1970年代および1980年代にポーランドで反対運動が力強くなり始めたとき、コワコフスキ氏の著作はポーランドの運動に対して中枢的な(pivotal)影響力をもち、とくに1981年に発布された戒厳令のあとでは、国外での運動を活気づける効果をもった。
 しかし、自分は著作物や政治的動きが影響力をもった多数の知識人の一人にすぎない、自分のしたことは「わずかな奉仕」だ、と言って、彼は自分の役割を軽く扱った。//
 あるときに、彼は英語で口挿んだ。-「私は一つの言葉しか持たない-ポーランド語だ。多数の言語で話すふりをしている(pretend)けれども」。
 (英語以外に、フランス語、ドイツ語およびロシア語だ。)//
 共産主義体制の解体について、コワコフスキ博士はこう語った。
 「このイデオロギーは、人々の思考(thinking)を型に入れて作るものだと考えられていた。しかし、ある時点で、きわめて弱くて馬鹿々々しいものになり、結果として、誰も、被支配者も支配者も、信じないようになった」。//
 コワコフスキ博士は、共産主義の崩壊とともに、Spinoza を含む初期の関心へと立ち戻った。
 彼は、哲学の歴史や宗教の歴史、倫理および形而上学に関する書物を執筆した。
 彼の著作は16世紀と17世紀のヨーロッパのキリスト教運動の歴史的検証から、風刺劇の脚本や寓話的童話にまで及んでおり、その寓話では彼はとくに、旧訳聖書から現代の弁証法的理性までの物語を主題にした。
 "悪魔との対話"(1972年)という初期の書物では、狡猾な魔王(Satan)は神話や歴史上の人物たちと討論する-Orpheus, Héloïse、Luther、St. Peter the Apostle、St. Bernard -。さらには「形而上学的新聞社大会」への参加者とも。
 最新の著作である"スピノザに関する二考と哲学者たちに関するその他のエッセイ"は、まもなく店頭に並ぶはずだ。//
 批評家のGeorge Gomori は、コワコフスキ博士について、こう書いた。
 「これが十分に、彼のメッセージの要点であるかもしれない。すなわち、真実と権威の双方を、貴方は愛することはできない
 ドグマに囚われず、貴方自身がもつ前提を頻繁に再思考して、貴方は選択しなければならない。
 コワコフスキは、大人のための哲学者だ」。
 その書いたものは実際上は難解であることがある多数の今日の哲学者たちとは対照的に、コワコフスキ博士は、学界に属していない者ですら平易に理解することができるように書く。//
 連邦議会図書館のScholarly programs の長であるProsser Gifford 博士は、コワコフスキ博士にKluge 賞を授賞することに最終的には決した選考過程を統括した。彼は、こう言った。
 「学界の仲間たちを、こき下ろしたくはない。
 しかし、ある範囲の側面での近年の人文社会科学は、きわめて奥義的(arcane)になっていて、専門家的隠語(jargon)でいっぱいだ。」
 「我々は、基礎的な諸問題を対象にして研究している。そしてそれらは、学界人ではなくそうした作業に職業的に関与していない人々にも理解可能なものであるべきだ。
 コワコフスキ博士は、それをしている」。//
 コワコフスキ博士はまた、答え難い質問にも尋ねる価値があると認める、無邪気とも言える率直さでも目立っている。
 例えば、"形而上学的恐怖(Metaphysical Horror)'' (1988年)で彼は、「ありえない疑問」に対する人々の恐怖を戯れ的に描き、ある意味では彼の生涯の作業を、この書物の最初の一行にまとめている。
 「似而非専門家(charlatan)だという感情を決して抱いたことのない今日の哲学者たちは、薄っぺらな心性しかもたないので、その著作はたぶん読むに値しない」。
 上のような見方について質問されて、彼は笑った。そして、ときどきは彼も似而非専門家のように感じるけれども、としつつ、こう語った。
 自分の似而非専門家的思考は、「似而非専門家ですら、有用な役割を果たすことができるという感情」でもって均衡が保たれている、と。
 コワコフスキ博士によると、根本的な諸問題を検討することは、それぞれの時点ではいかに無益で虚しいことのように見えるとしても、経験にとって根本的なことだ
 彼は語った。「形而上学上の、認識論上の、倫理上の諸問題を発するのは、人間の精神(mental)の抑え難い欲求だ。
 それについて思考するのが幸福だ、というのではない。そうした諸問題そのものが、抜け出すことが困難だからだ。」
 付け加える。「決定的に明確な回答はない。
 しかし、そうした諸問題に接近することによって、望む目標地点に到達しなかったとしても、正しい(right)途の上を進んでいるという感情を得ることができる」。
 彼は語った。「にもかかわらず、そうした場所(position)は、劇的で面白いものではない
 戦慄にみちたものでもない。
 人は、そうした場所で生きることができる。」
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 以上。

1901/Leszek Kolakowski-初代クルーゲ賞受賞者。

 Leszek Kolakowski は、アメリカの連邦議会図書館によるクルーゲ賞の第一回の受賞者だった。
 と言っても私は全く知らなかったのだが、このクルーゲ賞は、人文社会科学のうちでノーベル賞の対象になっていない分野(というと経済、文学(、平和)以外)の傑出した研究者に与えるべく設定されたもののようで、2003年が第一回。日本の人文社会科学の研究者は、はたして候補者にでもなったことがあるのかどうか。
 クルーゲ(John W. Kluge)というのは個人名で、以下によると、財政支援者のようだ。
 先走って書くと、L・コワコフスキが受賞したからといって<反共産主義>の鮮明な性格の賞ではないようで、のちにはドイツのJ・ハーバマス(Jürgen Habermas)も受賞している。
 以下に試訳を紹介しておくのは、レシェク・コワコフスキ(Leszek Kolakowski)への授賞と選考過程を伝える、同図書館報(Bulletin)。
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 アメリカ合衆国・連邦議会図書館報(Bulletin)2003年12月。
 /執筆者-Gail Finberg 〔館員で編集スタッフとみられる〕。
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 A/授賞式の模様。
 レシェク・コワコフスキ、76歳、学者、哲学者、歴史家および才幹溢れる著述者で、その諸著作が母国ポーランド内部での反全体主義の若者の運動を教示し喚起させた人物が、人文社会科学での生涯にわたる業績に対して、第一回のJohn W. Kluge 賞を授与された。//
 100万ドルの賞金が、人文および社会科学-ノーベル賞の対象でない分野-での生涯の業績に対して、連邦議会図書館によって与えられる。
 この分野は、哲学、歴史、政治学、人類学、社会学、宗教学、言語学および芸術・文学評論を含む。//
 <つぎの3段落省略-*要旨-図書館長は、この賞はアメリカで、ワシントンで、Kluge センターの本拠であるこの図書館で授与するのがふさわしい、と語った。>
 図書館長Billington は受賞者を紹介して、語った。
 「レシェク・コワコフスキは…人間の思想についての歴史家、…非常に広い範囲でのエッセイ著述者です。
 自由がポーランドに始まっていたとき、ようやくこの人物の名前を発することがその国で可能になったそのときに、国民たちは彼を『ヨーロッパ文化の理論家』だと称しました」。//
 受賞者は30以上の書物および、多様な方式と四つの言語-先ずはポーランド語、ついでフランス語、英語およびドイツ語-での400以上の「あらゆる種類の対象に関する」論文の執筆者だと、館長は述べた。
 受賞者の主要な研究対象は哲学の歴史および宗教哲学だった、とも。//
 「彼はソヴィエト体制の内部から、その体制の奥にあるイデオロギーの知的頽廃、自由と多様性に対する寛容、および卓絶への絶えざる追求の必要性を明らかにしてきました」、と館長は述べた。
 「この人物は、ほとんど全てのことに関して執筆し、つねに、人間の条件にとって根本的に重要な諸問題に焦点を当てました」。//
 館長は、「彼は、二〇世紀後半の最も重要な事件-ソヴィエト体制の内部崩壊と平和的で非暴力的な終焉-の背後にいた、最も重要な一人の思索者(single thinker)でした」、と続けた。
 「ポーランドの連帯運動は、彼を頼って見つめていました。
 彼は、絶望に対して希望を注入し、恐怖を希望に取り替える、甚大な影響力をもちました。
 希望に関する彼の偉大な1971年の小論は、ポーランドの若者たちの運動の決定的な開始点であり、それが<連帯>へと流れ込んでいきました。」//
 「彼はヒューマニストで、哲学者で、文化批評者で、知性の歴史家であり、大きな諸問題を知的誠実さと深さでもって探求しました。その知的な誠実さと深さこそが、我々がKluge 賞でもって栄誉を与え、この国の最古の連邦文化施設にあるKluge センターに歓迎しようとしてきたものです」、と館長は語った。//
 選考過程に簡単に論及して館長は、こう語った。世界じゅうからの候補指名者たちは、人文学またはその近接した関連分野での業績が同学者たち(peers)によって優れていると承認され、別の分野や公的世界の人々に対して訴えかけるもののある傑出した学者を推薦するように、求められた、と。
 館長は、賞の支援者であるKluge は選抜に関与しておらず、とりわけ最初の受賞者が誰なのかを知らないように求められた、と述べた。//
 コワコフスキは館長Billington およびKluge 賞の初代の選抜に責任ある全ての人々に対して謝辞を述べ、Kluge に暖かく挨拶した。
 「彼は『kluge(賢明な)』人です」と、彼は言った。//
 <つぎの4段落省略>
 コワコフスキは公式の挨拶を水曜の夜に行った。そのときに彼はKluge賞を受けたが、その儀式はCoolidge Auditorium で行われ、著名人の中ではとくに、ノーベル賞の母国であるスウェーデンの皇太子Victoria 〔女性〕が同席した。// 
 B/選考過程。
 レシェク・コワコフスキをKluge賞に選抜するまでの過程は、二年前から始まった。世界じゅうの2000人を超える人々による候補者指名の要請とともに。すなわち、大学や優れた研究所の学長または理事長、人文学および社会科学の英れた仕事を評価する地位にいる広くかつ多様な著名研究者の人たちへの要請によって。
 この候補者指名その他は、別の多数の研究者たちによって、確認(review)されていた。
 図書館の専門家職員たちは、被指名者に関する経歴や資料を提供した。そして、2002年9月に、図書館の研究者会議(Council of Scholars)は、その確認(review)を行った。
 特定の分野、科目、文化および言語に精通した外部の検討者たち(reviewers)は相談を受け、過程全体に関する評価書を書いた。//
 選考過程の最終段階は、賞候補者14名から成る被選抜者たちを評価するための、特別の外部的審査員団を招集した2003年9月の会合だった。
 多様な高度の学術的選考手続に習熟している5名の傑出した研究者が、最終的な審査員団を構成した。
 これらの人々は、つぎのとおり。// 
 David Alexander。Pomona College in California の名誉学長、the Phi Beta Kappa Fellows の副所長、かつてthe Rhodes Trust のアメリカ事務局長、Oxford からの博士学位は宗教と哲学。//
 Timothy Breen。Northwestern University の米国史の教授、Yale での博士学位取得ののち、Princeton, N. J. のthe Institute for Advanced Study およびthe National Humanities Center in Durham, N.C.で勤務してきた。//
 Bruce Cole。The National Endowment for the Humanities (NEH) の現在の議長。Indiana University in Bloomington で芸術と比較文化の優れた教授だった。博士学位は、Bryn Mawr College in Pennsylvania から。//
 Gertrude Himmelfarb。The Graduate School of the City University of New York の歴史の名誉教授で、17-18世紀の精神史および文化史の研究者、the British Academy and the Royal Historical Society の主任研究員。//
 そして、Amartya Sen。英国のTrinity College, Cambridge University の修士で、2004年にHarvard 大学の経済および哲学の教授になるだろう。ノーベル経済学賞の受賞者の一人。インド・カルカッタのPresidency College とCambridge で教育を受けた。//
これら5名の審査員団による討議と推薦は、館長に最終的な選抜を答申するうえでの決定的な要因(key factor )だった。
 第13代図書館長Billington は、かつてPrinceton University の歴史の教授で、the Fulbright 〔フルブライト〕Program を指揮する委員会の議長、かつthe Woodrow Wilson International Center for Scholars の理事長。//
 この図書館のScholarly Programs at the Library の長であるProsser Gifford は、Kluge賞の選考過程全体を統括した。
 彼は、三大学を、人文社会科学の三つの異なる分野で卒業し、かつてfaculty at Amherst College の学部長かつthe Wilson Center の副所長だった。//
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 以下は、連邦図書館サイト上のL・コワコフスキらと、同時期に訪れたホワイト・ハウスでの写真(これはWhite House が発表)。いずれも「公」的なものだ。2003年時点でのブッシュ大統領との写真は、ブッシュらを嫌悪する人たちがL・コワコフスキを「その仲間」だとして利用していることがある。
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1900/Leszek Kolakowski の写真。

 レシェク・コワコフスキ(Leszek Kolakowski)がどういう風貌の人物かは、「(レシェク・)コワコフスキ」の検索で容易に判るので、意識してこの欄に掲載したことはなかった。
 例外はあって、一つは、リチャード・パイプス(Richard Pipes)の自伝的な書物の中にある、R・パイプスとL・コワコフスキが並んでしかも二人とも(I・バーリン等とは違って)顔を見せている写真だ。この二人が同時に写っているのは、私には貴重だった。これについては版権者からのクレームはないようだ。再掲。
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 もう一つは、L・コワコフスキ著のドイツ語版・第一巻のカバー裏袖にある写真(1978年刊だから50歳くらいの年)で、ネット上にない、珍しい、かつ理知的雰囲気の強い、よい写真だった。
 しかし、これはたぶん一ヵ月後くらいに画面から消失した。まさに版権者の「事前同意なく」載せたので、ドイツの出版社または写真版権者からクレームがあったのだろうと推測し、あえて再挑戦等はしていない(この写真はネット上ではその後も見たことがない)。可能性としては、当方のたんなる操作ミスも考えられるのだが。
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 以下の4枚は、L・コワコフスキの出身市であるラドム(Radom)市のウェブサイトと見られるものの中にある9枚のProf. Kolakowski の写真の中の4枚だ。したがって、版権上の問題は実質的にはない、と思われる。「(レシェク・)コワコフスキ」検索では、たぶん出てこない。
 順に、①時期が私には不明。
 ②1949-50年頃、22-23歳頃の写真。隣に立つのは、少なくとものちの配偶者で(つまりこのときに結婚していたかは不明で)医学博士の、個人名・Tamara 氏(で間違いない)。
 ポーランド、Lodz 大学で。
 かつてこの欄に経歴紹介でこのLodz 大学を「ロズ」大学と書き記したのは誤りで、l, o, dz の三つ全てが、原ポーランド語では英米語に対応していないようだ。正確には、「ウッチ」または「ウージ」。現在、人口ではワルシャワに次ぐポーランド第二の都市。
 ③・④1989年、62歳の頃、ポーランド・ワルシャワ大学での写真。③は、何か演説か講演か、あるいは多数者に対する挨拶かをしている。この1989年には、ポーランドに入国できたものと思われる。
 ***
 レシェク・コワコフスキ(1927〜2009)。
 Leszek-Kolakowski01-(2)1960 Leszek-Kolakowski02-(2)1949-50
 Leszek-Kolakowski-03-radom (2)1989warsawuni Leszek-Kolakowski-04-radom (2)1989warsawuni


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1898/Wikipedia によるL・コワコフスキ③。

 Wikipedia 英米語版での 'Main Currents of Marxism' の項の試訳のつづき。
 2018年12月22日-23日の記載内容なので、今後の変更・追加等はありうるだろう。
 前回に記さなかったが、この本の総頁数は、つぎのように書かれている。
 英語版第一巻-434頁、同第二巻-542頁、同第三巻-548頁。秋月の単純計算で、総計1524頁になる。
 英語版全巻合冊書-1284頁
 さて、以下の書評類は興味深い。何とも直訳ふうだが、英語そのままよりはまだ理解しやすいのではないか。
 書評者等の国籍・居住地、掲載紙誌の発行元の所在地等は分からない。多くは、イギリスかアメリカなのだろう。
 こうした書評上での議論があるのは、なかなか愉快で、コワコフスキ著の内容の一端も教えてくれる。
 それにしても、わが日本では、コワコフスキの名も全くかほとんど知られず、この著の存在自体についても同様だろう。2017年の最大の驚きは、この著の邦訳書が40年も経っても存在しないことだった。
 マルクス主義・共産主義に関する<情報>に限ってもよいが、わが日本の「知的」環境は、果たしていかなるものなのか。
 なお、praise=讃える、credit=高く評価する、describe=叙述する、accuse=追及する、consider=考える、等にほぼ機械的に統一した(つもりだ)。criticize はむろん=批判する。これら以外に、論じる、主張する、等と訳した言葉がある。
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 3/反応(reception)。
 1.主流(main stream)メディア。
 (1) <マルクス主義の主要潮流>はLibray Journal で、二つの肯定的論評を受けた。
 一つは最初の英語版を書評した Robert C. O'Brien からのもので、二つはこの著作の2005年合冊版を書評した Francisca Goldsmith からのものだった。
 この著作はまた、The New Republic で政治科学者 Michael Harrington によって書評され、The New York Review of Books では歴史家の Tony Judt によって書評された。
 (2) O'Brien は、この著作を「マルクス主義教理の発展に関する包括的で詳細な概観」で、「注目すべき(remarkable)著作だ」と叙述した。
 彼はコワコフスキを、「マルクスの思想が<資本>に到達するまでの発展の基本的な継続性」を提示したと讃え、Lukács、Bloch、Marcuse、フランクフルト学派および毛沢東に関する章が特別の価値があると考えた。
 Goldsmith は、コワコフスキには「明瞭性」と「包括性」はもちろんとして「完全性と明晰性」があると讃えた。
 哲学者のJohn Gray は、<マルクス主義の主要潮流>を「権威がある(magisterial)」と呼んで讃えた。//
 2.学界雑誌。
 (1)<マルクス主義の主要潮流>は、Economica で経済学者のMark Blaug から、The American Historical Review で歴史研究者の Martin Jay から、The American Scholarで哲学者のSidney Hook から、the Journal of Economic Issues で John E. Elliott から肯定的な書評を受けた。
 入り混じった書評を、社会学者のCraig CalhounからSocial Forces で、David Joravsky からTheory & Society で、Franklin Hugh Adler からThe Antioch Review で、否定的な書評を社会学者の Barry Hindess からThe Sociological Reviewで、社会学者 Ralph Miliband からPolitical Studies で受けた。
 この本の書評はほかに、William P. Collins が The Journal of Politics に、Ken Plummeが Sociology に、哲学者のMarx W. Wartofsky がPraxis International に、それぞれ書いている。
 (2) 経済学者Mark Blaug は、この本を「輝かしい(brilliant)」かつ社会科学にとって重要なものだと考えた。
 マルクス主義の強さと弱さを概括したことを高く評価し、歴史的唯物論、エンゲルスの自然弁証法、Kautsky、Plekhanov、レーニン主義、Trotsky、トロツキー主義、Lukács、Marcuse およびAlthusser に関する論述を讃えた。 
 しかし、哲学者としての背景からしてマルクス主義を主に哲学的および政治的な観点から扱っており、それによってマルクス主義のうちの中核的な経済理論をコワコフスキは曲解している、と考えた。
 彼はまた、Paul Sweezy によるThe Theory of Capitalist Development (1942)での Ladislaus von Bortkiewicz の著作の再生のようなマルクス主義経済学の重要な要素を、コワコフスキは無視していると批判した。
 彼はまた、「1920年代のソヴィエトでの経済政策論争」を含めて、コワコフスキがより注意を払うことができただろういくつかの他の主題がある、と考えた、
 彼はコワコフスキの文献処理を優れている(excellent)と判断したけれども、 哲学者H. B. Acton のThe Illusion of the Epoch や哲学者 Karl Popper のThe Open Society and Its Enemies が外されていることに驚いた。
 彼は、コワコフスキの著述の質を、その翻訳とともに、讃えた。
 (3) 歴史研究者Martin Jay は、この本を「きわめて価値がある(extraordinarily valuable)」、「力強く書かれている」、「統合的学問と批判的分析の、畏怖すべき(awesome)達成物〔業績〕」、「専門的学問の記念碑」だと叙述する。
 彼は、コワコフスキによる「弁証法の起源」の説明、マルクス主義理論の哲学的側面の論述を、相対的に独自性はないとするけれども、讃える。
 彼はまた、マルクス主義の経済的基礎の論述や労働価値理論に対する批判を高く評価する。
 彼は、歴史的唯物論が原因となる力を「究極的には」経済に求めることの誤謬をコワコフスキが暴露したことを高く評価する。
 しかし、Lukács、Korsch、Gramsci、フランクフルト学派、GoldmannおよびBloch の扱い方を批判し、「痛烈で非寛容的で」、公平さに欠けるとする。こうした問題のあることをコワコフスキは知っていると認めるけれども。
 彼はまた、コワコフスキの著作はときに事実に関する誤りや不明瞭な解釈を含んでいるとする一方で、この本の長さを考慮すれば驚くべきほどに数少ない、と書いた。
 (4) 哲学者Sidney Hook は、この本は「マルクス主義批判の新しい時代」を開き、「マルクスとマルクス主義伝統にある思想家たちに関する最も包括的な論述」を提示した、と書いた。
 彼は、ポーランドのマルクス主義者、Gramsci、Lukács、フランクフルト学派、Bernstein、歴史的唯物論、マルクス主義へのHess の影響、「マルクスの社会的理想」での個人性の承認、「資本」の第一巻と第三巻の間の矛盾を解消しようとする試みの失敗, マルクスの「搾取」概念、およびJaurès やLafargue に関するコワコフスキの論述を讃える。
 彼は、トロツキーの考え方は本質的諸点でスターリンのそれと違いはない、スターリニズムはレーニン主義諸原理によって正当化され得る、ということについてコワコフスキに同意する。
 しかし、ある範囲のマルクス主義者の扱い方、 社会学者の Lewis Samuel Feuer の「研究がアメリカのマルクスに関するユートピア社会主義の植民地に与えた影響」を無視していること、を批判した。
 彼は、マルクスとエンゲルスの間、マルクスとレーニンの間、に関するコワコフスキの論述に納得しておらず、マルクスの Lukács による読み方を讃えていることを批判した。
 彼は、マルクスは一貫して「Feuerbach の人間という種の性質に関する見解」を支持していたとのコワコフスキの見方を拒否し、思想家としてのマルクスの発展に関するコワコフスキの見方を疑問視し、マルクスの歴史的唯物論は技術的決定論の形態にまで達したとのコワコフスキの見方を、知識(knowledge)に関するマルクスの理論の解釈とともに、拒否した。
 (5) Elliott は、この本は「包括的」で、マルクス主義を真摯に研究する全ての学生の必須文献だと叙述する。
 彼は、<資本>のようなマルクスの後半の著作は1843年以降の初期の著作と一貫しており、同じ諸原理を継続させ仕上げている、とするコワコフスキの議論に納得した。
 彼は、マルクスは倫理的または規範的な観点を決して採用しなかったという見方、マルクスの「実践」観念や「理論と実践の編み込み」に関する説明、マルクスの資本主義批判は「貧困によってではなく非人間化によって」始まるとの説明のゆえに、「制度的伝統」にある経済学者にとって第一巻は価値があると考えた。
 彼は、第二巻を<tour de force>だとし、三巻のうちで何らかの意味で最良のものだと考えた。
 彼は、第二インターナショナルの間の多様なマルクス主義諸派がいかに相互に、そしてマルクスと、異なっていたか、に関するコワコフスキの論述を推奨した。
 彼はまた、レーニンとソヴィエト・マルクス主義に関するコワコフスキの論述は教示的(informative)だとする一方で、ソヴィエト体制に対するコワコフスキの立場を知ったうえで読む必要があるとも付け加えた。
 彼は、コワコフスキはマルクス主義を批判するよりも叙述するのに長けていると考え、マルクスの価値理論に対する Böhm von Bawerk による批判に依拠しすぎていると批判した。
 しかし彼は、コワコフスキの著作はこれらの欠点を埋め合わす以上の長所をもつ、と結論づけた。
 (6) 社会学者Calhoun は、この本はコワコフスキのマルクス主義放棄を理由の一部として左翼著述者たちからの批判を引き出した、しかし、マルクス主義に関する「手引き書」として左翼に対してすら影響を与えた、と書いた。
 彼は、コワコフスキがマルクス主義への共感を欠いていることを批判した。また、哲学者または逸脱したマルクス主義者と考え得る場合にかぎってのみマルクス主義の著述者に焦点を当て、マルクス主義の経済学者、歴史家および社会科学者たちに十分な注意を払っていない、と主張した。
 彼は、この本は明晰に書かれているが、「不適切な参考書」だと考えた。
 彼は、第一巻はマルクスに関するよい(good)論述だが、「洞察が少なすぎて、もっと読みやすい様式で書かれなかった」と述べた。
 彼はまた、第二巻のロシア・マルクス主義に関する論述はしばしば不公平で、かつ長すぎる、とした。
 また、スターリニズムはレーニンの仕事(works)の論理的な帰結だとのコワコフスキの議論に彼は納得しておらず、ソヴィエト同盟がもった他諸国のマルクス主義に対する影響に関するコワコフスキの論じ方は不適切(inadequate)だ、とも考えた。
 彼は、全てではないが、コワコフスキのフランクフルト学派批判にある程度は同意した。
 <マルクス主義の主要潮流>は一つの知的な企てとしてマルクス主義の感覚〔sense=意義・意味〕を十分に与えるものではない、と彼は結論づけた。
 (7) Joravsky は、この本はコワコフスキが以前にポーランド共産党員だった間に行った共産主義に関する議論を継続したものだと見た。
 マルクス主義の歴史的な推移に関するコワコフスキの否定的な描写は、<マルクス主義の主要潮流>がもつ「事実の豊富さと複雑さ」と奇妙に矛盾している、と彼は書いた。
 彼は、マルクス主義者たちの間の論争から超然としていると自らを提示し、一方でなお Lukács のマルクス解釈を支持するのは一貫していない、とコワコフスキを批判した。また、マルクスを全体主義者だと非難するのは不公正だ、とも。
 彼は<マルクス主義の主要潮流>の多くを冴えない(dull)ものだとし、哲学史上ののマルクスの位置に関するコワコフスキの説明は偏向している(tendentious)、と考えた。
 彼は、社会科学に投げかけたマルクスの諸問題を無視し、諸信条の社会的文脈を考察したごとき常識人としてのみマルクスを評価しているとして、コワコフスキを批判した。また、マルクス主義の運動や体制に関係があった著述者のみを扱っている、とも。
 彼は、オーストリア・マルクス主義、ポーランドのマルクス主義と Habermas に関する論述にはより好ましい評価を与えたが、全体としての共産主義運動の取り扱い方には不満で、コワコフスキはロシアに偏見を持っており、他の諸国を無視している、と追及した。
 (8) Adler は、この本を先行例のない、「きわめて卓絶した(unsurpassed)」マルクス主義の批判的研究だと叙述する。
 コワコフスキの個人的な歴史がマルクス主義に対するその立場の大部分を説明すると彼は結論づけたが、<マルクス主義の主要潮流>は一般的には知的に誠実だ(honest)、とした。
 しかし、彼は、コワコフスキの東欧マルクス主義批判は強いものだとしつつ、その強さが西欧マルクス主義と新左翼に関する侮蔑的な扱いをすっかり失望させるものにしている、と考えた。
 新左翼に対するコワコフスキの見方は1960年代のthe Berkeley の反体制文化との接触によって形成されたのかもしれない、としつつ、彼は、新左翼を生んだ民主主義社会の価値への信頼の危機を何が招いたのかをコワコフスキは理解しようとしていない、と述べた。
 彼は、Gramsci と Lukács に関する論述を讃えた。しかし、「東側マルクス主義批判へとそれを一面的に適用しており、彼らの主導権や物象化に関する批判は先進資本主義諸国の特有の条件に決して適用できるものではない」、と書いた。また、フランクフルト学派とMarcuse の扱いは苛酷すぎ、不公平だ、とも。
 彼はまた、この本の合冊版は大きくて重くて、扱いにくく身体的にも使いにくい、とも記した。
 (9) 社会学者Hindess は、この本はマルクス主義、レーニンおよびボルシェヴィキに対して「重々しく論争的(polemic)」だ、と叙述した。
 彼は、コワコフスキは公平さに欠けていると考え、マルクス思想は<ドイツ・イデオロギー>の頃までに基本的特質が設定された哲学的人類学だというコワコフスキの見方に代わる選択肢のあることを考慮していない、と批判した。また、「政治分析の道具概念としては無価値」の「全体主義という観念」に依拠している、とも。
 彼は、コワコフスキはマルクス主義を哲学と見ているために、「政治的計算の手段としてのマルクス主義の用い方、あるいは具体的分析を試みる多数のマルクス主義者に設定されている政治的および経済的な実体的な諸問題」への注意が不十分だ、と主張した。
 彼はまた、Kautsky のようなマルクス主義著述者、レーニンの諸政策、スターリニズムの進展に関して誤解を与える論述をしている、と追及した。
 彼は、コワコフスキによるマルクス主義の説明は「グロテスクで侮辱的な滑稽画」であり、現代世界に対するマルクス主義の影響力を説明していない、と叙述した。
 (10) 社会学者Miliband は、コワコフスキはマルクス主義の包括的な概述を提供した、と書いた。
 しかし、マルクス主義に関するコワコフスキの論述の多くを讃えつつも、そのマルクス主義に対する敵意が強すぎて、「手引き書」としての著作だという叙述にしては、精細すぎると考えた。
 彼はまた、マルクス主義とその歴史への接近方法は「根本的に見当違い(misconceived)」だと主張した。
 彼は、マルクス主義とレーニン主義やスターリニズムとの関係についてのコワコフスキの見方は間違っている(mistaken)、マルクスの初期の著作と後期のそれとの間の重要な違いを無視している、コワコフスキは第一次的には「経済と社会の理論家」だというよりも「変わらない哲学的幻想家」だとマルクスを誤って描いている、と主張した。
 マルクス主義は全ての人間の願望が実現され、全ての諸価値が調整される、完璧な共同体たる社会」を目指した、とのコワコフスキの見方は、「馬鹿げた誇張しすぎ」(absurdly overdrawn)だ、と彼は述べた。また、コワコフスキの別の著述のいくつかとの一貫性がない、とも。
 彼はまた、コワコフスキの結論を支える十分な論拠が提示されていない、と主張した。
 彼は、コワコフスキはマルクスを誤って表現しており、マルクス主義の魅力を説明することができていない、と追及した。また、歴史的唯物論に関する論述を非難し、 Luxemburg に対する「誹謗中傷〔人格攻撃〕」だとコワコフスキを追及した。
 彼は、改革派社会主義とレーニン主義はマルクス主義者にとってのただ二つの選択肢だった、とのコワコフスキの見方を拒否した。
 彼は結論的に、<マルクス主義の主要潮流>は著者の能力とその主題のゆえに無価値(unworthy)だ、と述べた。
 コワコフスキはMiliband の見方に対して返答し、<マルクス主義の主要潮流>で表現した自分の見解を再確認するとともに、Miliband は自分の見解を誤って表現していると追及した。
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 以上。つぎの、<3/反応の3.書物での評価>は割愛する。

1897/Wikipedia によるL・コワコフスキ②。

 'Leszek Kolakowski' は英米語版のWikipedia も勿論あるが(日本語版はひどい)、その著、'Main Currents of Marxism' という書物自体も、英米語版Wikipedia は項目の一つにしている。
 以下は、その試訳。2018年12月21日現在。なお、この欄で合冊版の発行年を、所持している版の発行年2008年としたことがあり、最近では書物の最初部分に依拠して最も若い年の2004年としているが、以下では2005年だと記されている。( )は改行後を示すもので、数字も含めて、原文にはない。
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 (1) <マルクス主義の主要潮流-その起源、成長および解体>(〔ポーランド語・略〕は、政治哲学者レシェク・コワコフスキによる、マルクス主義に関する著作。
 英語版での三つの諸巻は、第一巻・創成者たち、第二巻・黄金時代、第三巻・崩壊。
 1976年にパリでポーランド語によって最初に出版され、英語翻訳版は1978年に出た。
 2005年に、<マルクス主義の主要潮流>は一巻の書物として再発行され、コワコフスキによる新しい緒言と新しいエピローグがそれに付いていた。  
 この著作はコワコフスキによると、マルクス主義に関する「手引き書」という意図だった。
 彼は、かつて正統派マルクス主義者だったが、最終的にはマルクス主義を拒絶した。
 そのマルクス主義に対する批判的な立場にもかかわらず、コワコフスキはカール・マルクスに関するLukács György〔ルカチ・ジョルジュ〕の解釈を支持した。
 (2) この著作は、マルクス主義に関するその論述の包括性とその叙述の質を褒め称える、多数の肯定的な論評を受けた。
 歴史的唯物論、ルカチ、ポーランド・マルクス主義、レオン・トロツキー、ハーバート・マルクーゼおよびフランクフルト学派に関するその論述が、とくに抜きん出ているとされた。
 別の論評者たちはフランクフルト学派に関する彼の扱いにもっと批判的だ。また、カール・カウツキー、ウラジミル・レーニンおよびアントニオ・グラムシに関する取り扱いについて、彼らの評価は、分かれている。 
 コワコフスキは、特定の著者たちまたは諸事件、彼のマルクス主義に対する敵意、ルカチの解釈への依存、に関する論述を省略していると批判された。また、現代世界に対するマルクス主義の訴えまたは影響を説明していない、他のマルクス主義著作者を無視してマルクス主義哲学者に焦点を当てることでマルクス主義の印象を誤らせる、とも。//
 1/背景と出版の歴史。
 コワコフスキによると、<マルクス主義の主要潮流>は、1968年と1976年の間にポーランド語で執筆された。その頃、この著作を共産主義が支配するポーランドで出版するのは不可能だった。
 ポーランド語版はフランスでthe Institute Littérailie よって1976年と1978年に出版され、そのときに、ポーランドの諸地下出版社によって複写された。一方、P. S. Falla が翻訳した英語版は、1978年に、Oxford University Press によって出版された。
 ドイツ語、オランダ語、イタリア語、セルビア=クロアチア語およびスペイン語の各翻訳書版が、そのあとに続いて出版された。
 別のポーランド語版は、1988年にイギリスで、Publishing House Aneks によって出版された。
 この著作は、2000年にポーランドで初めて、合法的に出版された。
 コワコフスキは、最初の二巻だけがフランス語版となって出版されていると書き、その理由を、「第三巻は、フランス左翼たちの間の憤懣が激しかったので出版社がリスクを冒すのを怖れた」、と推測している。
 <マルクス主義の主要潮流>の全一巻合冊版は、コワコフスキによる新しい緒言と新しいエピローグ付きで、2005年に出版された。
 2/要約。
 (1) コワコフスキは、マルクス主義の起源、哲学上の根源、黄金時代および崩壊〔瓦解〕を論述する。
 彼は、マルクス主義は「二〇世紀の最大の幻想(fantasy=おとぎ話)」、「虚偽と搾取と抑圧の怪物的体系」のための建設物となる完璧な社会という夢想、だと叙述する。
 彼は、共産主義イデオロギーのうちのレーニン主義やスターリン主義はマルクス主義を歪曲したものでも堕落させたものでもなく、マルクス主義のありうる諸解釈の一つだ、と主張する。
マルクス主義を拒絶しているにもかかわらず、彼のマルクスの解釈はルカチから影響を受けている。
 第一巻は、マルクス主義の知的背景を論述し、Plotinus、Johannes Scotus Eriugena、Meister Eckhart、Nicholas of Cusa、Jakob Böhme、Angelus Silesius、Jean-Jacques Rousseau、David Hume、Immanuel Kant、Johann Gottlieb Fichte、Ludwig Feuerbach、Georg Wilhelm Friedrich Hegel および Moses Hess を検証した。カール・マルクスとフリートリヒ・エンゲルスの諸著作の分析があるのは、勿論のことだ。
 ヘーゲルは全体主義の弁解者だということを彼は承認しなかったけれども、ヘーゲルに関して彼は、「ヘーゲルの教理の適用が実際に意味したのは、国家機構と個人とが対立する全ての場合に勝利するのは前者だ、ということだ」と書いた。
 (2) 第二巻は、第二インターナショナルおよびPaul Lafargue、Eduard Bernstein、Karl Kautsky、Georgi Plekhanov、Jean Jaurès、Jan Wacław Machajski、Vladimir Lenin、Rosa Luxemburg やRudolf Hilferding といった人々に関する論述を内容とする。
 これは、経済学者の Eugen Böhm von Bawerk との価値理論に関するヒルファーディングの議論を再述している。
 また、オーストリア・マルクス主義に関しても論述する。
 第三巻は、Leon Trotsky、Antonio Gramsci、Lukács、Joseph Stalin、Karl Korsch、Lucien Goldmann、Herbert Marcuse、Jürgen Habermas および Ernst Bloch といった人々を扱う。フランクフルト学派と批判理論については勿論のことだ。
 コワコフスキは、ルカチの<歴史と階級意識>(1923年)やブロッホの<希望の原理>(1954年)を批判的に叙述する。
 また、Jean-Paul Sartre についても論述する。
 コワコフスキは、サルトルの<弁証法的理性批判>(1960年)を批判する。
 彼は、弁証法的唯物論は、第一にマルクス主義に特有の内容を有しない自明のこと、第二に哲学上のドグマ(dogmas)、第三にたわ言(nonsense)、そして第四に、これらのいずれかであり得る、どう解釈するかに依存する言明 、で成り立つと論じて、弁証法的唯物論を批判する。
 (3) 2005年版で追加した緒言で、コワコフスキは、ヨーロッパでの共産主義の解体の理由の一つはイデオロギーとしてのマルクス主義の崩壊にある、と叙述した。
 彼は、ヨーロッパ共産主義が終焉したにもかかわらず研究対象としてのマルクス主義の価値を再確認し、全く確実ではないにせよ、将来でのマルクス主義と共産主義の再生はなおもあり得る、と述べた。
 彼が追加したエピローグでは、マルクス主義に関するこの著作は「この対象になお関心をもつ数少なくなっている人々にはたぶん有益だろう」と最後に記した。
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 3以降へとつづく。

1797/「前衛」上の日本共産党員⑮-2018年03月号。

 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。
 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2018年03月号による。
 ----
 本 秀紀/名古屋大学教授-安倍改憲の特質。
 山口智美/モンタナ州立大准教授-政権・「右翼」の「歴史戦」孤立と改憲。
 丹波史紀/立命館大学准教授-福島県双葉避難住民。
 鳥畑与一/鳥取大学教授-成長戦略と地域銀行。
 建部正義/中央大学名誉教授-ビットコインの「実像と虚像」。
 久保田和志/弁護士-埼玉九条俳句訴訟。
 神川喜夫/教育ジャーナリスト-大学入試改革迷走と高校教育改革。
 村田 武/九州大学・愛媛大学名誉教授-日本農業の構造改革。
 ----
 以上。別の号につづく。

1786/「前衛」上の日本共産党員⑭-2018年05月号。

 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。
 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2018年05月号による。
 ----
 山内敏弘/一橋大学名誉教授-安倍九条改憲。
 西谷 修/立教大学特任教授-安倍改憲。
 丹羽 徹/龍谷大学教授-教育無償化論。
 田中 隆/弁護士-安倍改憲と改正手続法。
 鈴木達治郎/長崎大学核兵器廃絶研究センター長-核。
 桜田照雄 /阪南大学教授-カジノ実施法案。
 斉藤敏之/農民連副会長-卸売市場法。
 大日方純夫/早稲田大学教授-明治150年と自由民権。
 中村晋輔/弁護士-米兵殺人国家賠償。
 佐貫 浩/法政大学名誉教授-教育政策と新自由主義。
 ----
 以上。別の号につづく。

1783/「前衛」上の日本共産党員⑬-2017年10月号。

 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。
 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2017年10月号による。
----
 小林 武 /沖縄大学客員教授-辺野古・法治主義・憲法。
 徳田博人/琉球大学教授-辺野古・法治主義・憲法。
 中野晃一/上智大学教授-安倍政権。
 渡辺 治 /一橋大学名誉教授-安倍政治。*またもや登場。
 岩見良太郎/埼玉大学名誉教授-アベノミクス。
 中山 徹 /奈良女子大学教授-アベノミクス下の大型開発。
 山田博文/群馬大学名誉教授-アベノミクス・シムズ理論。
 牧野富夫/日本大学名誉教授-安倍政権・働き方改革。
 立石雅昭/新潟大学名誉教授-柏崎刈羽原発再稼働。
 長澤成次/千葉大学名誉教授-地方自治体の社会教育行政。
 格地悦子/相模原市民-公民館活動。
 宮永弥四郎/教育研究者-貧困。
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 *以下、別の号につづく。 

1768/「前衛」上の日本共産党員⑫-2013年10月号。

 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。少なくともこの時点では。
 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2013年10月号による。
 党員であることが当然の国会議員等の議員、党役員・専従職員(赤旗記者等)等は省いている。
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 尾藤廣喜/弁護士・生活保護問題対策全国会議代表幹事。
 立石雅昭/新潟大学名誉教授-原発再稼働新基準。
 児美川孝一郎/法政大学教授-若者の就職活動。
 大内裕和/中京大学教授-奨学金問題。
 吉田好一/国際人権活動日本委員会代表委員-日本の人権。
 ----
 *以下、別の号につづく。

1728/邦訳書がない方が多い-総500頁以上の欧米文献。

 T・ジャットはL・コワコフスキ『マルクス主義の主要潮流』について、「コワコフスキのテーゼは1200ページにわたって示されているが、率直であり曖昧なところはない」とも書いている。
 トニー・ジャット・河野真太郎ほか訳・失われた二〇世紀/上(NTT出版、2011)p.182〔担当訳者・伊澤高志〕。
 この記述によって総頁数にあらためて関心をもった。T・ジャットが論及する三巻合冊本の「New Epilogue」の最後の頁数は1214、その後の索引・Index まで含めると、1283という数字が印刷されている。これらの頁数には本文(本来の「序文」を含む)の前にある目次や諸新聞等書評欄の「賛辞」文の一部の紹介等は含まれていないので、それらを含むと、確実に1300頁を超える、文字通りの「大著」だ。
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 ロシア革命・レーニン・ソ連等々に関係する外国語文献(といっても「洋書」で欧米のもの)を一昨年秋あたりから収集していて、入手するたびに発行年の順に所持本のリストを作っていた。いずれ、全てをこの欄に発表して残しておくつもりだった。しかし、昨年前半のいつ頃からだったかその習慣を失ったので、今から全てを公表するのは、ほとんど不可能だ。
 そこで、所持している洋書(といっても数冊の仏語ものを除くと英米語と独語のみ)のうち総頁数が500頁以上のもののみのリストを、やや手間を要したが、作ってみた。
 頁数は本の大きさ・判型や文字の細かさ等々によって変わるので、総頁数によって単純に範囲の「長さ」を比較することはできないが、実質的には…とか考え出すと一律な基準は出てこない。従って、もっと小型の本で活字も大きければ500頁を確実に超えているだろうと推測できても、除外するしかない。
 また、このような形式的基準によると450-499頁のものもある。490頁台のものもあって「惜しい」が、例外を認めると下限が少しずつ変わってくるので、容赦なく機械的に区切るしかない。
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 以下にリスト化し、総頁数も記す。長ければ「質」も高いという論理関係はもちろんないが、所持しているものの中では、レシェク・コワコフスキの上記の本が、群を抜いて一番総頁数が大きい。次は Alan Bullock のものだろうか(1089頁。但し、これは中判でコワコフスキのものは大判 )。
 また、邦訳書(日本語訳書)がある場合はそれも記す。その場合の頁数も。但し、邦訳書のほとんどは「索引」(や「後注」)の頁は通し数字を使っていない。その部分を数える手間は省いて、通し頁数の記載のある最終頁の数字を見て記している。
 邦訳書がないものの方が多いことは、以下でも明らかだ。この点には別にさらに言及する必要があるが、欧米文献(とくに英米語のもの)が広く読まれていると考えられる<欧米>と日本では、ロシア革命・レーニン等についても、「知的環境」あるいは「情報環境」自体がかなり異なっている、ということを意識しておく必要があるだろう。
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 *発行年(原則として、初出・初版による)の順。同年の場合は、著者(の姓)のアルファベット順。タイトル名等の直後に総頁数を記し、そのあとに秋月によるタイトルの「仮訳」を示している。所持するものに限る(+印を除く)。
 いちいちコメントはしないが、最初に出てくる Bertram D. Wolfe(バートラム・ウルフ、ベルトラム・ヴォルフ)は、アメリカ共産党創設者の一人、いずれかの時期まで同党員、共産主義活動家でのち離脱、共産主義・ソ連等の研究者となった。 
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・1948年
 Bertram D. Wolfe, Three Who made a Revolution -A Biographical History, Lenin, Trotsky and Stalin (1964, Cooper Paperback, 1984, 2001).計659頁。〔革命を作った三人・伝記-レーニン、トロツキーとスターリン〕
 =菅原崇光訳・レーニン トロツキー スターリン/20世紀の大政治家1(紀伊國屋書店、1969年)。計685頁/索引含めて計716頁。
・1951年 Hannah Arendt, The Origins of Totalitarianism.計527頁。〔全体主義の起源〕
 =Hannah Arendt, Element und Urspruenge totaler Herrscaft (独、Taschenbuch, 1.Aufl. 1986, 18.Aufl. 2015). 計1015頁。〔全体的支配の要素と根源〕
 =大島通義・大島かおり訳・第2巻/帝国主義(みすず書房, 新装版1981)。
 =大久保和郎・大島かおり訳・第3巻/全体主義(みすず書房, 新装版1981)。
・1960年
 Leonard Schapiro, The Communist Party of the Soviet Union. 計631頁。〔ソ連共産党〕
・1963年
 Ernste Nolte, Der Faschismus in seiner Epoche (Piper, 1966. Tsaschenbuch, 1984. 6. Aufl. 2008). 計633頁。〔ファシズムとその時代〕
・1965年
 Adam B. Ulam, The Bolsheviks -The Intellectual and Political History of the Triumph of Communism in Russia (Harvard, paperback, 1998). 計598頁。〔ボルシェヴィキ-ロシアにおける共産主義の勝利の知的および政治的な歴史〕
・1972年
 Branko Lazitch = Milorad M. Drachkovitch, Lenin and the Commintern -Volume 1 (Hoover Institute Press). 計683頁。〔レーニンとコミンテルン/第一巻〕
・1973年
 Stephen F. Cohen, Bukharin and the Bolshevik Revolution - A Political Biography, 1888-1938. 計560頁。ブハーリンとボルシェビキ革命ー政治的伝記・1888-1938年。
=塩川伸明訳・ブハーリンとボリシェヴィキ革命ー政治的伝記:1888-1936(未来社、1979。第二刷,1988)。計505頁。
・1976年
 Leszek Kolakowski, Main Currents of Marxism (Paris, 1976. London, 1978. USA- Norton, 2008 ). 計1283頁。
 -Leszek Kolakowski, Main Currents of Marxism, Volume II - The Golden Age (Oxford, 1978. Paperback, 1981, 1988). 計542頁。
 -Leszek Kolakowski, Main Currents of Marxism, Volume III - The Breakdown (Oxford, 1978). 計548頁。
 =Leszek Kolakowski, Main Currents of Marxism, Volume III - The Breakdown (Oxford, 1981). 計548頁。
<The Breakdown (Oxford, 1987). 計548頁。
・1981年
 Bertram Wolfe, A Life in Two Centuries (Stein and Day /USA). 計728頁。〔二世紀にわたる人生〕
・1982年
 Michel Heller & Aleksandr Nekrich, Utopia in Power -A History of the USSR from 1917 to the Present (Paris, 1982. Hutchinson, 1986). 計877頁。〔権力にあるユートピア-ソヴィエト連邦の1917年から現在の歴史〕
・1984年
 Harvey Klehr, The Heyday of American Communism - The Depression Decade. 計511頁。〔アメリカ共産主義の全盛時-不況期の10年〕
・1985年
 Ernst Nolte, Deutschland und der Kalte Krieg (Piper, 2. Aufl., Klett-Cotta, 1985). 計748頁。〔ドイツと冷戦〕
・1988年
 François Furet, Revolutionary France 1770-1880 (英訳- Blackwell, 1992). 計630頁。〔革命的フランス-1770年~1880年〕
・1990年
 Richard Pipes, The Russian Revolution. 計944頁。〔ロシア革命〕
 =Richard Pipes, The Russian Revolution 1899-1919 (paperback,1997). 計944頁。
・1991年
 Christopher Andrew = Oleg Golodievski, KGB -The Insde Story. 計776頁。〔KGB-その内幕〕
 =福島正光訳・KGBの内幕/上・下(文藝春秋、1993)-上巻計524頁・下巻計398頁。
 Alan Bullock, Hitler and Stalin - Parallel Lives. 計1089頁。〔ヒトラーとスターリン-生涯の対比〕
 =鈴木主税訳・対比列伝/ヒトラーとスターリン-第1~第3巻(草思社、2003)-第1巻計573頁、第2巻計575頁、第3巻計554頁。
・1993年
 David Remnick, Lenins' Tomb : The Last Days of the Soviet Empire. 計588頁。〔レーニンの墓-ソヴィエト帝国の最後の日々〕
 =三浦元博訳・レーニンの墓-ソ連帝国最期の日々(白水社、2011).
 Heinrich August Winkler, Weimar 1918-1933 - Die Geschichte der ersten deutschen Demokratie (Beck) . 計709頁。ワイマール1918-1933ー最初のドイツ民主制の歴史。
・1994年
 Erick Hobsbawm, The Age of Extremes -A History of the World, 1914-1991 (Vintage, 1996).計627頁。〔極端な時代-1914-1991年の世界の歴史〕
 =河合秀和訳・20世紀の歴史-極端な時代/上・下(三省堂, 1996).-上巻計454頁、下巻計426頁)。
 Richard Pipes, Russia under the Bolshevik Regime. 計587頁。〔ボルシェヴィキ体制下でのロシア〕
 Dmitri Volkogonow, Lenin - Life and Legady (Paperback 1995). 計529頁。〔レーニン-生涯と遺産〕
 =Dmitri Volkogonow, Lenin - Utopie und Terror (独語、Berug, 2017). 計521頁。〔レーニン-ユートピアとテロル〕
・1995年
 François Furet, Le Passe d'une illsion (Paris).+
 =Das Ende der Illusion -Der Kommunismus im 20. Jahrhundert (1996).計724頁。〔幻想の終わり-20世紀の共産主義〕
 =The Passing of an Illusion -The Idea of Communism in the Twentieth Century (Chicago, 1999).計596頁。〔幻想の終わり-20世紀の共産主義思想〕
 =楠瀬正浩訳・幻想の過去-20世紀の全体主義 (バジリコ, 2007.09). 計721頁。
 Martin Malia, Soviet Tragedy - A History of Socialism in Russia 1917-1991. 計592頁。ソヴィエトの悲劇ーロシアにおける社会主義の歴史・1917年-1991年。
 =白須英子訳・ソヴィエトの悲劇ーロシアにおける社会主義の歴史 1917-1991/上・下(草思社、1997)。上巻計450頁・下巻計395頁。
 Stanley G. Payne, A History of Fascism 1914-1945(Wisconsin Uni.). 計613頁。〔ファシズムの歴史-1914年~1945年〕
 Andrzej Walick, Marxism and the Leap to the Kingdom of Freedom -The Rise and Fall of the Communist Utopia. 計641頁。〔マルクス主義と自由の王国への跳躍ー共産主義ユートピアの成立と崩壊〕
・1996年
 Orland Figes, A People's tragedy - The Russian Revolution 1891-1924(Penguin, 1998).計923頁。民衆の悲劇ーロシア革命1891-1924年。
 =Orland Figes, -(100th Anniversary Edition, 2017. New Introduction 付き). 計923頁。
 Donald Sassoon, One Hundred Years of Socialism -The West European Left in the Twentieth Century (paperback, 2014). 計965頁。社会主義の百年ー20世紀の西欧左翼。
・1997年
 Sam Tannenhaus, Wittaker Chambers - A Biography. 計638頁。ウィテカー・チェインバーズー伝記。
・1998年
 Helene Carrere d'Encausse, Lenin.<仏語>計527頁。〔レーニン〕
 =Helene Carrere d'Encausse, Lenin (New York, London, 2001).計371頁。〔レーニン〕
 =石崎晴己・東松秀雄訳・レーニンとは何だったか(藤原書店, 2006).計686頁。
 Dmitri Volkogonov, Autopsy for an Empire - The Seven Leaders who built the Soveit Regime. 計572頁。〔帝国についての批判的分析-ソヴィエト体制を造った七人の指導者たち〕
 Dmitri Volkogonov, The Rise and Fall of the Soviet Empire (Harper paerback, 1999).計572頁。ソビエト帝国の成立と崩壊。
 *参考:生田真司訳・七人の首領-レーニンからゴルバチョフまで/上・下(朝日新聞社、1997。原ロシア語、1995)
・1999年
 Martin Malia, Russia under Western Eye - From the Bronze Horseman to the Lenin Mausoleum. 計514頁。〔西欧から見るロシア-青銅馬上像の男からレーニンの霊廟まで〕
・2000年
 Arno J. Mayer, The Furies - Violence and Terror in the French ans Russian Revolutions. 計716頁。〔激情-フランス革命とロシア革命における暴力とテロル〕
・2002年
 Gerd Koenen, Das Rote Jahrzent -Unsere Kleine Deutche Kulturrevolution 1967-1977 (独,5.aufl., 2011).計554頁。〔赤い十年-我々の小さなドイツ文化革命 1967-1977年〕
・2003年
 Anne Applebaum, Gulag -A History (Penguin).計610頁。〔グラク〔強制収容所〕-歴史〕
 =川上洸訳・グラーグ-ソ連強制収容所の歴史(白水社、2006)。計651頁。
・2005年
 Tony Judt, Postwar -A History of Europe since 1945. 計933頁。〔戦後-1945年以降のヨーロッパ史〕
・2007年
 M. Stanton Evans, Blacklisted by History - The Untold History of Senator Joe McCarthy and His Fight against America's Enemies. 計663頁。〔歴史による告発-ジョウ・マッカーシー上院議員の語られざる歴史と彼のアメリカの敵たちとの闘い〕
 Orlando Figes, The Whisperers - Private Life in Stalin's Russia. 計740頁〔囁く者たち-スターリン・ロシアの私的生活〕
 =染谷徹訳・囁きと密告/上・下(白水社、2011)-上巻・計506頁、下巻・計540頁(ともに索引等は別)。
 Robert Service, Comrades - Communism: A World History. 計571頁。〔同志たち-共産主義・一つの世界史〕
・2008年
 Robert Gellately, Lenin, Stalin and Hitler -Age of Social Catastrophe.計696頁。〔レーニン、スターリンとヒトラー-社会的惨害の時代〕
・2009年
 Archie Brown, The Rise and Fall of Communism.計720頁。〔共産主義の勃興と崩壊〕
 =Aufstieg und Fall des Kommunismus (Ullstein独, 2009 ).計938頁。
 =下斗米伸夫監訳・共産主義の興亡(中央公論新社, 2012).計797頁。
 Michael Geyer and Sheila Patrick (ed.), Beyond Totalitarianism - Stalinism and Nazism Compared (Cambridge). 計536頁。〔全体主義を超えて-スターリニズムとナチズムの比較〕
 John Earl Hayns, Harvey Klehr and Alexander Vassiliev, Spies -The Rise and Fall of the KGB in America (Yale). 計650頁。〔スパイたち-アメリカにおけるKGBの成立と崩壊〕
 David Priestland, The Red Flag -A History of Communism (Penguin, 2010). 計676頁。〔赤旗-共産主義の歴史〕
 =David Priestland, Welt-Geschchte des Kommunismus -Von der Franzaesischen Revolution bis Heute <独語訳>.〔共産主義の世界史-フランス革命から今日まで〕
・2010年
 Timothy Snyder, Bloodlands -Europa zwischen Hitler und Stalin (Vintage, and独語版, 2011). 計523頁。〔血塗られた国々-ヒトラーとスターリンの間のヨーロッパ〕
 =布施由紀子訳・ブラッドランド-ヒトラーとスターリン・大虐殺の真実(筑摩書房、2015)/上・下。-上巻計346頁、下巻計297頁(+4頁+95頁)。
・2011年
 Herbert Hoover, Freedom Betrayed - Herbert Hoover's Secret History of the Second World War and Its Aftermath. 計957頁。〔裏切られた自由ーハーバート・フーバーの第二次大戦とその余波に関する秘密の歴史〕
 =渡辺惣樹訳・裏切られた自由-フーバー大統領が語る第二次大戦の隠された歴史とその後遺症/上・下(草思社、2017)-上巻702頁・下巻591頁。
・2015年
 Thomas Krausz, Reconstructing Lenin - An Intellectual Biography. 計552頁。〔レーニンを再構成する-知的伝記〕
 Herfried Muenkler, Der Grosse Krieg -Die Welt 1914-1918. 計923頁。〔大戦-1914-1918年の世界〕
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 1981年の項に、B.Wolfe の一冊を追記した(邦訳書はない)。/2018.03.27

1696/「前衛」上の日本共産党員⑪-2013年7・8月号。

 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。
 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2013年7月号による。
 小沢隆一/東京慈恵医科大教授・憲法学者-またも。
 中山 徹/奈良女子大学教授-公共事業予算。
 田中靖宏/ジャパン・プレス・サービス社長-ベネズエラ。
 佐藤次徳/マツダ訴訟原告団事務局長。
 高根孝昭/マツダ共闘会議事務局長。
 --- 
 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2013年8月号による。
 伊佐真次/東村高江ヘリパッドいらない住民の会。
 高橋美枝子/羽村平和委員会-横田基地。
 工藤昌宏/東京工科大学教授-アベノミクス。
 芝田英昭/立教大学コミュニティ福祉学部教授-TPPと医療。
 寺内大介/弁護士・ミナマタ弁護団全国連絡会事務局長-水俣訴訟。
 ---
 *以下、別の号へとつづく。

1687/「前衛」上の日本共産党員⑩-2013年6月号。

 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。
 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2013年6月号による。
 ---
 寺尾正之/全国保険医団体連合会事務局-社会保障制度改革。
 林 泰則/民医連常駐理事-社会保障制度改革。
 布施祐仁/ジャーナリスト-原発労働現場。
 脇田 滋/龍谷大学教授(労働法学)-労働規制緩和。
 萬井隆令/龍谷大学名誉教授(労働法学)-解雇規制。
 吉田敏浩/ジャーナリスト-安保・米軍基地。
 **付記-不破哲三・スターリン秘史/大テロル(下)が30頁分ある。
 ---
 別の号へとつづく。

1666/「前衛」上の日本共産党員⑨-2013年5月号。

 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。
 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2013年5月号による。
 ---
 森 英樹/名古屋大学名誉教授-安倍内閣の改憲路線。+何度も。
 藤田孝典/ほっとプラス代表理事-生活保護・改憲反対。
 末浪靖司/ジャーナリスト-アメリカが求める九条改憲。
 小森美登里/「ジェントルハート」理事-いじめ問題。
 福井雅英/北海道教育大学教職大学院教授-同上。
 宮城みのり/民青同盟千葉県委員会副委員長-同上。
 藤岡裕子/尼崎医療生協病院副事務長-生活保護。
 丸浜 昭/歴史教育者協議会事務局長-歴史教育。
 **付記-不破哲三・スターリン秘史/大テロル(上)が41頁分ある。
 ---
 別の号へとつづく。

1640/「前衛」による日本共産党員⑧-2013年4月号。

 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2013年4月号。
 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。
 ---
 渡辺治/一橋大学名誉教授-安倍政権・改憲・新自由主義。+何度も出てくる。
 大瀧雅之/東京大学社会科学研究所教授-アベノミクス・経済政策。
 佐貫浩/法政大学教授-教育改革。
 笠原十九司/都留文科大学名誉教授-東アジアの歴史認識。
 武田清春/通信産業労働組合書記長-NTT。
 永島民男/全国私教連中央執行委員長-私立高校・間接雇用講師問題。
 ---
 別の号へとつづく。

1627/「前衛」による日本共産党員⑥-2017年4月号。

 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2017年4月号。
 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。
 「青木理さん(ジャーナリスト)に聞く」という共謀罪に関するインタビュー記事があるのが注目される。
 青木 理/ジャーナリスト-共謀罪。
 入谷貴夫/宮崎大学教授-日本経済。
 中原准一/酪農学園大学名誉教授-北海道の経済。
 山田 朗/明治大学教授-歴史認識・真珠湾攻撃。
 吉田 裕/一橋大学教授-歴史認識。
 吉田千亜/フリーライター-自主避難者。
 鳫 咲子/跡見学園女子大学准教授-子どもの貧困。。
 「青木理さん(ジャーナリスト)に聞く」という扱いをふつうのジャーナリストが受けるはずはない。こんな扱いを受けるのは日本共産党の党員以外には、想定し難い。
 共謀罪や共謀罪法案について語ることのできる党員学者等は多いはずで、「評論家」を肩書きとする者でも何人かはいるだろうにもかかわらず。
 おそらく青木理は日本共産党が主張したいことを過不足なく語り、余計なことは語っていないのだろう。長年の「ジャーナリスト」生活を経て、このあたりで党所属の、党籍をもつ党員活動家であることを実質的に「公」にしてもよいとの判断に至ったと思われる。
 ---
 別の号へとつづく。

 

1621/「前衛」による日本共産党員④-2014年2月号。

 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2014年2月号。
 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。少なくとも、上の時期には。
 小沢隆一/憲法学・慈恵医大-政治改革。
 上脇博之/憲法学・神戸学院大学-政治改革。
 渡辺治/一橋大学名誉教授-安保・改憲。
 田中章史/日本原水協常任理事-核兵器禁止。
 髙野邦夫/不戦兵士市民の会-特攻隊。
 石川康宏/神戸女学院大学教授-古典教室・不破哲三らと。
 以下は、党主催「汚水問題シンポジウム 」パネリスト。
 北澤宏一/東京都市大学長・福島原発事故独立検証委員会委員長。
 舩橋晴俊/法政大学社会学部教授。
 本島勲/元電力中央研究所主任研究員。
 廣瀬勝己/元気象研究所地球化学研究部長。
 大島堅一/立命館大学国際関係学部教授。
 ---
 別の号につづく。

1614/「前衛」による日本共産党員③-2013年1月号。

 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2013年1月号。
 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。少なくとも、上の時期には。
 植松健一/立命館大学准教授-集団的自衛権。
 芝田佳宜/弁護士-選挙制度。
 和田 武/日本環境学会会長-再生可能エネルギー。 
 平田仁子/気候ネットワーク東京事務所長-原発。
 吉田 裕/一橋大学教授-日本史・歴史認識。
 宮城道良/不戦兵士市民の会東海支部事務局長-戦争体験。
 小池由美子/埼玉県立高校教諭-高校教育。
 河邑重光/(肩書きなし-歴史)*別途党員だと判明。 
 ---
 別の号につづく。

1603/「前衛」による日本共産党員②-2016年11月号。

 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2016年11月号。
 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。
 渡辺治(一橋大学名誉教授)は既掲。
 まず、特集/憲法九条の70年と戦争法。
 小沢隆一(東京慈恵医大教授)。
 木下智史(関西大学教授)。
 小松浩(立命館大学教授)
 植松健一(立命館大学教授)。
 その他。鈴木宣弘(東京大学教授)-TPP。
 昆 弘見(ジャーナリスト)-「働き方改革」。。 
 橋山禮治郎(元日本開発銀行調査部長)-リニア新幹線。
 坂井 優(弁護士)-水俣病訴訟。
 高岡 滋(医師・協立クリニック院長)-水俣病。
 高橋正己(埼玉県民医連事務局長)-生活保護。
 田中章治(全日本視聴覚障害者協議会代表理事)-駅の安全。
 ---
 別の号へと、つづく。

1586/日本共産党員-「前衛」中央委員会理論政治誌から①。

 この欄でいつぞや、「前衛」に「東京大学名誉教授」との肩書きで書いていた宮地正人は日本共産党の党員であることに間違いないと、その文章内容にも触れつつ指摘したことがある。
 常識的に見て、あるいは合理的に推測して、日本共産党の「中央委員会理論政治誌」に文章を執筆できるのは、あるいは執筆を依頼されるのは(インタビューへの回答を含む)、ほよどの極めての例外を除いて、日本共産党に籍がある、共産党員だろう。
 そうでないと、つまり日本共産党の基本方針はもちろん、同党の公表している個別政策と矛盾する文章をかいて原稿を送ってくるような無邪気な?者に、編集部は文章を執筆させるはずがない。そんなことをすれば、校正前後を問わず<事前検閲>が大変になるし、公刊後の<事後検閲>で発見されれば、それは中央委員会自身の責任になってしまう。そして、最大の譴責を受ける者は<前衛>の編集長になるだろう。
 日本共産党という党は文書を残す習慣の多い党で(これはロシア共産党の例に倣っているのかもしれない)、昨年以来、<日本共産党中央委員会総会決議集>類はおよそ1980年代ま半ば頃まではたどって、古書で入手できた。
 1990年代の1994年の党大会前後までの、「ソ連」に関する発言・議論などは、相当に<面白い>。
 最近は同種のものを公刊しているようには思えなくて(たんに古書市場に出ないだけか?)、様子が分からなくて困る。
 月刊<前衛>も入手できるものは購入し、いま検出できないが、ある年度以降の月刊<前衛>は全て収集した。
 その目的は、政策・主張内容にもありはする。<前衛>上の不破哲三論考が自民党・安倍内閣の淵源に<保守団体・日本会議>を持ってきて安倍を<ネオ・ファシスト>とじつに粗雑な論理でレッテルを貼ったあと(これはこの欄で紹介した)、ほぼ1年後に出版されてきたのが、今や多数ある<日本会議批判本>だ。
 余計なことを書きすぎた。
 その目的は、いったい誰が、日本共産党の党員なのか、を確定することにもある。
 党国会議員等の各級議員、党の幹部・中間幹部であり「党…」と肩書きのつく<党官僚たち>、これらは党員であるのは明白なので、<前衛>上にその名があっても、とくにこの欄に記載していく意味はない。
 注目されるべきは、「大学(名誉)教授」類などだ。
 森英樹・名古屋大学名誉教授、渡辺治・一橋大学名誉教授、はもういいだろう。
 他にも、<前衛>と関係なく、その<党員性>を間違いなく推測できる者はいるが、さしあたり別とする。
 さて、月刊前衛2017年1月号。頁順に進む。
 西川勝夫/滋賀医科大学名誉教授。-戦争中の「医学犯罪」。
 多羅尾光徳/東京農工大学准教授。-現在の大学等の「軍事」研究。
 桜田照雄/阪南大学教授。-カジノ反対。
 丹羽徹/龍谷大学教授。-部落差別解消推進法。
 渡辺治/一橋大学名誉教授。不破哲三の書物に関する対談。
 以上の6名について確実、または確定。
 さらに推理が必要な人物がいる。「全国革新懇」なるものが2016年10/22に「市民と野党の共闘の発展をめざす懇談会」を開いた。6人の報告をp.121以下が掲載する。
 志位和夫(党幹部会委員長)以外の5人はいったい何者か。
 日本共産党と「共闘」するのに反対しない<市民又は大衆団体>の代表等なので、<容共・左翼>てせあることは間違いない。
 しかし、<市民又は大衆団体>の代表や幹部の中に党員を配置するのは、日本共産党の常套手段なので、別団体の関係者だからといって党員ではない、との結論にはならない。
 <共産党を支持します>というたんなる「支持者」扱いの著名文化人・大学教授等の中にれっきとした日本共産党の党員がいた(いる)ことは、はっきりしている。
 したがって、88-99%の確率で党員だと思われる。100%の可能性があり、それを知っている日本共産党内部者は、「88-99%」で、喜ぶか、笑うかするかもしれない。外部の第三者には、それこそ<党員名簿>でも見ないと、100%の断言は-良識があるので-できない。
 牧野富雄/全国革新懇代表世話人・日本大学名誉教授
 石川康宏/神戸女学院大学教授・全国革新懇代表世話人。
 小田川義和/総がかり行動実行委共同代表・全労連議長・全国革新懇代表世話人。
 中野晃一/安保法制廃止等市民連合呼びかけ人・上智大学教授
 西郷南海子/安保関連法反対ママの会発起人。
 つぎの、作家・水上勉の実子には迷う。
 窪島誠一郎/「無言館」館主。
 父の水上勉は不破哲三との交流もあり、党員だったと疑わせる。そうでなくとも、ときどきは多額の寄付を、日本共産党に対してしていたものと推察される。かつての「支持します」メンバー。
 窪島誠一郎が書いているのは父親ともからませての不破哲三の著書の感想文なので、かりに党員ではなくとも、編集部が執筆依頼することはありそうにも見える。日本共産党批判やそれに逸脱する文章になるはずはない、と。
 だが、他にも「感想文」執筆資格者はいるだろうに、なぜ窪島誠一郎が?、という疑問は残る。70-90%くらいに、少し下げておこう。
 なお、秋月瑛二は水上勉の小説を相当数読んだし、その実子と離れることを素材とするものも読んだ。水上・窪島の劇的な親子判明・対面に関する二人の文章も読んだ。じつに不思議な<人生>がある。ここではこれ以上、感想を書かない。
 以上のほかに、美術・演劇・音楽の各評論家による、各分野での紹介・論評文がある。しかし、三人とも全て、<ペンネーム>だろうと思われる。
 朽木一・水村武・小村公次
 それぞれの分野でかなり著名で(そして党員か親共産党の者だが)、かつ月刊前衛に氏名を出したくない人物なのだろう。これまた、推測だ(もしかして実名ならば、美術・演劇・音楽の各分野に秋月が詳しくないのが原因で、その人は党員だろう)。

1366/資料・史料-安倍晋三首相/戦後70年談話<英訳公文>。

 原文(日本語文)は、この欄の2016.06.15付にある。以下の出所-官邸HP。
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Statement by Prime Minister Shinzo Abe
 Friday, August 14, 2015


 Cabinet Decision
 On the 70th anniversary of the end of the war, we must calmly reflect upon the road to war, the path we have taken since it ended, and the era of the 20th century. We must learn from the lessons of history the wisdom for our future.
 More than one hundred years ago, vast colonies possessed mainly by the Western powers stretched out across the world. With their overwhelming supremacy in technology, waves of colonial rule surged toward Asia in the 19th century. There is no doubt that the resultant sense of crisis drove Japan forward to achieve modernization. Japan built a constitutional government earlier than any other nation in Asia. The country preserved its independence throughout. The Japan-Russia War gave encouragement to many people under colonial rule from Asia to Africa.
 After World War I, which embroiled the world, the movement for self-determination gained momentum and put brakes on colonization that had been underway. It was a horrible war that claimed as many as ten million lives. With a strong desire for peace stirred in them, people founded the League of Nations and brought forth the General Treaty for Renunciation of War. There emerged in the international community a new tide of outlawing war itself.
 At the beginning, Japan, too, kept steps with other nations. However, with the Great Depression setting in and the Western countries launching economic blocs by involving colonial economies, Japan's economy suffered a major blow. In such circumstances, Japan's sense of isolation deepened and it attempted to overcome its diplomatic and economic deadlock through the use of force. Its domestic political system could not serve as a brake to stop such attempts. In this way, Japan lost sight of the overall trends in the world.
 With the Manchurian Incident, followed by the withdrawal from the League of Nations, Japan gradually transformed itself into a challenger to the new international order that the international community sought to establish after tremendous sacrifices. Japan took the wrong course and advanced along the road to war.
 
And, seventy years ago, Japan was defeated.

 On the 70th anniversary of the end of the war, I bow my head deeply before the souls of all those who perished both at home and abroad. I express my feelings of profound grief and my eternal, sincere condolences.
 More than three million of our compatriots lost their lives during the war: on the battlefields worrying about the future of their homeland and wishing for the happiness of their families; in remote foreign countries after the war, in extreme cold or heat, suffering from starvation and disease. The atomic bombings of Hiroshima and Nagasaki, the air raids on Tokyo and other cities, and the ground battles in Okinawa, among others, took a heavy toll among ordinary citizens without mercy.
 Also in countries that fought against Japan, countless lives were lost among young people with promising futures. In China, Southeast Asia, the Pacific islands and elsewhere that became the battlefields, numerous innocent citizens suffered and fell victim to battles as well as hardships such as severe deprivation of food. We must never forget that there were women behind the battlefields whose honour and dignity were severely injured.
 Upon the innocent people did our country inflict immeasurable damage and suffering. History is harsh. What is done cannot be undone. Each and every one of them had his or her life, dream, and beloved family. When I squarely contemplate this obvious fact, even now, I find myself speechless and my heart is rent with the utmost grief.
 The peace we enjoy today exists only upon such precious sacrifices. And therein lies the origin of postwar Japan.
 We must never again repeat the devastation of war.
 Incident, aggression, war -- we shall never again resort to any form of the threat or use of force as a means of settling international disputes.We shall abandon colonial rule forever and respect the right of self-determination of all peoples throughout the world.
 With deep repentance for the war, Japan made that pledge. Upon it, we have created a free and democratic country, abided by the rule of law, and consistently upheld that pledge never to wage a war again. While taking silent pride in the path we have walked as a peace-loving nation for as long as seventy years, we remain determined never to deviate from this steadfast course.
 Japan has repeatedly expressed the feelings of deep remorse and heartfelt apology for its actions during the war. In order to manifest such feelings through concrete actions, we have engraved in our hearts the histories of suffering of the people in Asia as our neighbours: those in Southeast Asian countries such as Indonesia and the Philippines, and Taiwan, the Republic of Korea and China, among others; and we have consistently devoted ourselves to the peace and prosperity of the region since the end of the war.
 Such position articulated by the previous cabinets will remain unshakable into the future.
 However, no matter what kind of efforts we may make, the sorrows of those who lost their family members and the painful memories of those who underwent immense sufferings by the destruction of war will never be healed.
  Thus, we must take to heart the following.
 The fact that more than six million Japanese repatriates managed to come home safely after the war from various parts of the Asia-Pacific and became the driving force behind Japan’s postwar reconstruction; the fact that nearly three thousand Japanese children left behind in China were able to grow up there and set foot on the soil of their homeland again; and the fact that former POWs of the United States, the United Kingdom, the Netherlands, Australia and other nations have visited Japan for many years to continue praying for the souls of the war dead on both sides.
 How much emotional struggle must have existed and what great efforts must have been necessary for the Chinese people who underwent all the sufferings of the war and for the former POWs who experienced unbearable sufferings caused by the Japanese military in order for them to be so tolerant nevertheless?
 That is what we must turn our thoughts to reflect upon.
 Thanks to such manifestation of tolerance, Japan was able to return to the international community in the postwar era. Taking this opportunity of the 70th anniversary of the end of the war, Japan would like to express its heartfelt gratitude to all the nations and all the people who made every effort for reconciliation.
  In Japan, the postwar generations now exceed eighty per cent of its population. We must not let our children, grandchildren, and even further generations to come, who have nothing to do with that war, be predestined to apologize. Still, even so, we Japanese, across generations, must squarely face the history of the past. We have the responsibility to inherit the past, in all humbleness, and pass it on to the future.
 Our parents’ and grandparents’ generations were able to survive in a devastated land in sheer poverty after the war. The future they brought about is the one our current generation inherited and the one we will hand down to the next generation. Together with the tireless efforts of our predecessors, this has only been possible through the goodwill and assistance extended to us that transcended hatred by a truly large number of countries, such as the United States, Australia, and European nations, which Japan had fiercely fought against as enemies.
 We must pass this down from generation to generation into the future. We have the great responsibility to take the lessons of history deeply into our hearts, to carve out a better future, and to make all possible efforts for the peace and prosperity of Asia and the world.
 We will engrave in our hearts the past, when Japan attempted to break its deadlock with force. Upon this reflection, Japan will continue to firmly uphold the principle that any disputes must be settled peacefully and diplomatically based on the respect for the rule of law and not through the use of force, and to reach out to other countries in the world to do the same. As the only country to have ever suffered the devastation of atomic bombings during war, Japan will fulfil its responsibility in the international community, aiming at the non-proliferation and ultimate abolition of nuclear weapons.
 We will engrave in our hearts the past, when the dignity and honour of many women were severely injured during wars in the 20th century. Upon this reflection, Japan wishes to be a country always at the side of such women’s injured hearts. Japan will lead the world in making the 21st century an era in which women’s human rights are not infringed upon.
 We will engrave in our hearts the past, when forming economic blocs made the seeds of conflict thrive. Upon this reflection, Japan will continue to develop a free, fair and open international economic system that will not be influenced by the arbitrary intentions of any nation. We will strengthen assistance for developing countries, and lead the world toward further prosperity. Prosperity is the very foundation for peace. Japan will make even greater efforts to fight against poverty, which also serves as a hotbed of violence, and to provide opportunities for medical services, education, and self-reliance to all the people in the world.
 We will engrave in our hearts the past, when Japan ended up becoming a challenger to the international order. Upon this reflection, Japan will firmly uphold basic values such as freedom, democracy, and human rights as unyielding values and, by working hand in hand with countries that share such values, hoist the flag of “Proactive Contribution to Peace,” and contribute to the peace and prosperity of the world more than ever before.
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1359/資料・史料ー2015.12.28「慰安婦問題」日韓合意。

 日韓「慰安婦問題」外相合意 2015年12月28日
  <出所、(日本)外務省HP>
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 12月28日午後2時から3時20分頃まで,岸田文雄外務大臣は,尹炳世(ユン・ビョンセ)韓国外交部長官と日韓外相会談を行い,直後の共同記者発表において,慰安婦問題について以下のとおり 発表した。
 1
 (1)岸田外務大臣による発表は,以下のとおり。
 日韓間の慰安婦問題については,これまで,両国局長協議等において,集中的に協議を行ってきた。その結果に基づき,日本政府として,以下を申し述べる。
  ア 慰安婦問題は,当時の軍の関与の下に,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり,かかる観点から,日本政府は責任を痛感している。
 安倍内閣総理大臣は,日本国の内閣総理大臣として改めて,慰安婦として数多の苦痛を経験され,心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し,心からおわびと反省の気持ちを表明する。
  イ 日本政府は,これまでも本問題に真摯に取り組んできたところ,その経験に立って,今般,日本政府の予算により,全ての元慰安婦の方々の心の傷を癒やす措置を講じる。具体的には,韓国政府が,元慰安婦の方々の支援を目的とした財団を設立し,これに日本政府の予算で資金を一括で拠出し,日韓両政府が協力し,全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復,心の傷の癒やしのための事業を行うこととする。
  ウ 日本政府は上記を表明するとともに,上記(イ)の措置を着実に実施するとの前提で,今回の発表により,この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する。
 あわせて,日本政府は,韓国政府と共に,今後,国連等国際社会において,本問題について互いに非難・批判することは控える。
 (2)尹外交部長官による発表は,以下のとおり。
 韓日間の日本軍慰安婦被害者問題については,これまで,両国局長協議等において,集中的に協議を行ってきた。その結果に基づき,韓国政府として,以下を申し述べる。
  ア 韓国政府は,日本政府の表明と今回の発表に至るまでの取組を評価し,日本政府が上記1.(1)(イ)で表明した措置が着実に実施されるとの前提で,今回の発表により,日本政府と共に,この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する。韓国政府は,日本政府の実施する措置に協力する。
  イ 韓国政府は,日本政府が在韓国日本大使館前の少女像に対し,公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知し,韓国政府としても,可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じて,適切に解決されるよう努力する。
ウ 韓国政府は,今般日本政府の表明した措置が着実に実施されるとの前提で,日本政府と共に,今後,国連等国際社会において,本問題について互いに非難・批判することは控える。
 2 なお,岸田大臣より,前述の予算措置の規模について,概ね10億円程度と表明した。
 3 また,双方は,安保協力を始めとする日韓協力やその他の日韓間の懸案等についても短時間意見交換を行った。
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 秋月注記-以下の①~③の、公式の英語訳文はつぎのとおり。<出所、(日本)外務省HP>
 ①「慰安婦問題は,当時の軍の関与の下に,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題」
 =the issue of comfort women, with an involvement of the Japanese military authorities at that time(, was --)
 ②「日本政府は責任を痛感している」
 =the Government of Japan is painfully aware of responsibilities
 ③「安倍内閣総理大臣は,日本国の内閣総理大臣として改めて、…、心からおわびと反省の気持ちを表明する」
 =as Prime Minister of Japan, Prime Minister Abe expresses anew his most sincere apologies and remorse
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