序 1オクターブ内の音程の(4/3)に対する(3/2)の「比」である(9/8)という数字(数値)に着目して、1オクターブ内に(=1と2のあいだに)①5音、②7音、③12音〈それぞれ最後の2を含めて6音、8音、13音)を設定したことがあった。
→No.2860・「ドレミ7音・1オクターブ12音の作り方」(2025/04/15)。
最初の1、(4/3)、(3/2)、2の3音(4音)の音階をかりにAと称するとすると、上の①、②、③はそれぞれ、B、C、Dということになる(これらが上のNo.2680で用いた符号だった)。
もう一度書くと、つぎのとおり。
B—1、(9/8)、(4/3)、(3/2)、(27/16)、2。
C—1、(9/8)、(4/3)、(81/64)、(3/2)、(27/16)、(243/128)、2。
D—1、(256/243)、(9/8)、(32/27)、(81/64)、(4/3)、(1024/729)、(3/2)、(128/81)、(27/16)、(16/9)、(243/128)、2。
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一 上のことを記したあとで、つぎの書物の一部を読んだ。
伊藤浩介・脳と音楽—基礎から身につく「大人の教養」(世界文化社、2024年10月)。
有用なことを書いてくれている。
第一に、周波数比が、例えば1/8、1/4、1/2、1、2、4、8、…と変わっても、2の自乗数比の関係にあるので「同じ音に聴こえる」。これを、どの程度一般化しているのか知らないが、上掲の伊藤著は「オクターブ等価性」と称している。この言葉で表現できるのであれば、面倒な説明が省ける。
第二に、音階の「螺旋モデル」の説明がある。「音楽的ピッチの螺旋モデルと螺旋階段モデル」とも表現されている。
すでに秋月瑛二は知っていることだが、分かりやすい。
但し、「らせん階段」を用いても、<上向型>のほかに<下降型>もあることに、言及されていない。どちらを使うかによって、「ピタゴラス・コンマ」の数値は異なる(+と-の違いすらある)。
なお、ChatGPT と「議論」してみたが、ChatGPT は、ピタゴラス音律に関連して「螺旋」も<上向>型と<下降>型も知っていて、理解していた。
第三に、上に記したCの段階で、他にも異なる「数値」を発見できることを秋月は知っているが、その一つ(最も単純で分かりやすいと思った)上のCにはきちんとした名前があるようで、伊藤著によると、この7音階(8音階)(=ピアノでは白腱でのみ弾かれる音階。但し、十二平均律では数値が異なる)は、「アイオニアン」と呼ばれる。他に、ドリアン、フリジアン等もあって、秋月は理解できる。
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二 伊藤著は、一般に<ピタゴラス音律>による場合の7音(8音)設定方法に言及しつつ、 <独自の>説明方法も試みている。
だが、この説明は、出発点自体に、じつは問題がある。
これは伊藤も、自覚しているようで、あとで「小さなごまかしがありました」と明言している。したがって、伊藤の「新しい」説明の仕方も、完全なものではない。
伊藤は、(4/3)に対する(3/2)の「比」である(9/8)に着目していつ。
この点は私と同じで、共感する。
しかし、上の(9/8)を「全音」と称するのはまだよいが、つぎの前提に立つのが、「小さなごまかし」だ。
すなわち、1と(4/3)のあいだに全音二つと半音一つがあり、(3/2)と2のあいだにも全音二つと半音一つがある、という前提だ。
そして、「半音」+「半音」=「全音」と理解したままだと、きれいな(伊藤が図示する)円環にはならない。伊藤も、ごまかし=「矛盾」から「ピタゴラスのコンマ」が生まれる、と自ら書いている(約1.0135のようだ。この数字は通例の計算方法によるのと同じではない)。
伊藤のさしあたり<独自の>説明に従って計算すると、伊藤も理解しているだろうように、(9/8)の2.5乗は(4/3)にならず、(9/8)の6乗はちょうど2にはならないわけだ。
こんなことに気づかせてくれて、その意味では有用で興味深い書物だ。
なお、秋月瑛二による上記のC(やD)の音階では、「コンマ」は生じない。
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→No.2860・「ドレミ7音・1オクターブ12音の作り方」(2025/04/15)。
最初の1、(4/3)、(3/2)、2の3音(4音)の音階をかりにAと称するとすると、上の①、②、③はそれぞれ、B、C、Dということになる(これらが上のNo.2680で用いた符号だった)。
もう一度書くと、つぎのとおり。
B—1、(9/8)、(4/3)、(3/2)、(27/16)、2。
C—1、(9/8)、(4/3)、(81/64)、(3/2)、(27/16)、(243/128)、2。
D—1、(256/243)、(9/8)、(32/27)、(81/64)、(4/3)、(1024/729)、(3/2)、(128/81)、(27/16)、(16/9)、(243/128)、2。
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一 上のことを記したあとで、つぎの書物の一部を読んだ。
伊藤浩介・脳と音楽—基礎から身につく「大人の教養」(世界文化社、2024年10月)。
有用なことを書いてくれている。
第一に、周波数比が、例えば1/8、1/4、1/2、1、2、4、8、…と変わっても、2の自乗数比の関係にあるので「同じ音に聴こえる」。これを、どの程度一般化しているのか知らないが、上掲の伊藤著は「オクターブ等価性」と称している。この言葉で表現できるのであれば、面倒な説明が省ける。
第二に、音階の「螺旋モデル」の説明がある。「音楽的ピッチの螺旋モデルと螺旋階段モデル」とも表現されている。
すでに秋月瑛二は知っていることだが、分かりやすい。
但し、「らせん階段」を用いても、<上向型>のほかに<下降型>もあることに、言及されていない。どちらを使うかによって、「ピタゴラス・コンマ」の数値は異なる(+と-の違いすらある)。
なお、ChatGPT と「議論」してみたが、ChatGPT は、ピタゴラス音律に関連して「螺旋」も<上向>型と<下降>型も知っていて、理解していた。
第三に、上に記したCの段階で、他にも異なる「数値」を発見できることを秋月は知っているが、その一つ(最も単純で分かりやすいと思った)上のCにはきちんとした名前があるようで、伊藤著によると、この7音階(8音階)(=ピアノでは白腱でのみ弾かれる音階。但し、十二平均律では数値が異なる)は、「アイオニアン」と呼ばれる。他に、ドリアン、フリジアン等もあって、秋月は理解できる。
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二 伊藤著は、一般に<ピタゴラス音律>による場合の7音(8音)設定方法に言及しつつ、 <独自の>説明方法も試みている。
だが、この説明は、出発点自体に、じつは問題がある。
これは伊藤も、自覚しているようで、あとで「小さなごまかしがありました」と明言している。したがって、伊藤の「新しい」説明の仕方も、完全なものではない。
伊藤は、(4/3)に対する(3/2)の「比」である(9/8)に着目していつ。
この点は私と同じで、共感する。
しかし、上の(9/8)を「全音」と称するのはまだよいが、つぎの前提に立つのが、「小さなごまかし」だ。
すなわち、1と(4/3)のあいだに全音二つと半音一つがあり、(3/2)と2のあいだにも全音二つと半音一つがある、という前提だ。
そして、「半音」+「半音」=「全音」と理解したままだと、きれいな(伊藤が図示する)円環にはならない。伊藤も、ごまかし=「矛盾」から「ピタゴラスのコンマ」が生まれる、と自ら書いている(約1.0135のようだ。この数字は通例の計算方法によるのと同じではない)。
伊藤のさしあたり<独自の>説明に従って計算すると、伊藤も理解しているだろうように、(9/8)の2.5乗は(4/3)にならず、(9/8)の6乗はちょうど2にはならないわけだ。
こんなことに気づかせてくれて、その意味では有用で興味深い書物だ。
なお、秋月瑛二による上記のC(やD)の音階では、「コンマ」は生じない。
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