たぶん3/01だったが、高市早苗編・小沢民主党は信用できるか(PHP研究所、2008.03)の中西輝政の論稿二つのみをとりあえず読んだ(p.94-116、p.150-173)。いずれも月刊雑誌・ヴォイス(PHP)に既発表のものだが、この雑誌は買っていない。
小沢一郎はそもそも信用していないので(民主党もそうだ)新鮮味にはやや欠けるが、面白く読める。
参院選後の日本の大きな三つの対立点を中西が示しており、かなり参考になる(p.165以下)。
第一は、「改革」の是非。但し、これではじつは曖昧かつ誤解誘発的で、中西輝政によると正確には、「行き過ぎた改革を修正しつつ改革の第二段階に進むのか、それとも改革そのものを後退させるのか」。
第二は、改憲か護憲か。
第三は、親アメリカか親(東)アジアか。
これは相当に分かりやすい。第一点も正確な表現かつ妥当な分け方ではないか。中西は、「行き過ぎた改革」には反対しつつ、「改革の第二段階に進む」ことを主張していると読める。<小泉改革>とか一部自民党議員のいう「改革、改革」の意味はよく分からなかったが、(上にいったん書いたような)<「改革」の是非>という問題設定では無意味なわけだ。
それにしても、あるべき「改革」の具体的内容に関する議論はむつかしい。単純な、<基本的思想>いかんの問題で決せられる問題ではないからだ。手元に置かずに書くが、関西空港会社への外資規制について、産経新聞の「正論」欄で屋山太郎(評論家)は反対論を稲田朋美(弁護士・自民党議員)は賛成論を主張していた。はてはて。
上の第二点に関連してふと思い出して書けば、立花隆は月刊現代(講談社)誌上でまだ冗長な「私の護憲論」とやらを連載している。自ら別の(半年前の)文章で九条発案者が誰であったかは些細な問題だと書いておきながら、最近はこの点にこだわって、幣原喜重郎説を支持する主張をしている(立ち読みによる)。立花隆くらいになると、いかに冗長でも、いかなるテーマ展開でも許されるのだろう。講談社・現代編集部にも少し呆れている。
上の第二、第三に関連して、後藤田正純に言及がある。この人の名を<日本国憲法のどこが悪いんだ>とか発言した自民党議員としてのみ記憶していたが、中西によると、「典型的な護憲リベラルの立場」の人物で、参院選後に「『構造改革の即刻中止、護憲、親中国』という反安倍路線を明確に打ち出している」(p.167)。
この人のような自民党内勢力が「政界再編の端緒となる可能性」があるかは分からないが、後藤田正純から稲田朋美まで(?)、自民党も<幅広い>ものだ。
もっとも、岡崎トミ子や(山梨県教組委員長だった)輿石東から(?)松原仁まで、民主党の方がもっと<幅広い>のは確かだろう。
さて、福田康夫内閣は、上の三点につき、いかなる基本姿勢なのか。国会対策に忙しくて、考える余裕がない、ということはないだろう。
小沢一郎はそもそも信用していないので(民主党もそうだ)新鮮味にはやや欠けるが、面白く読める。
参院選後の日本の大きな三つの対立点を中西が示しており、かなり参考になる(p.165以下)。
第一は、「改革」の是非。但し、これではじつは曖昧かつ誤解誘発的で、中西輝政によると正確には、「行き過ぎた改革を修正しつつ改革の第二段階に進むのか、それとも改革そのものを後退させるのか」。
第二は、改憲か護憲か。
第三は、親アメリカか親(東)アジアか。
これは相当に分かりやすい。第一点も正確な表現かつ妥当な分け方ではないか。中西は、「行き過ぎた改革」には反対しつつ、「改革の第二段階に進む」ことを主張していると読める。<小泉改革>とか一部自民党議員のいう「改革、改革」の意味はよく分からなかったが、(上にいったん書いたような)<「改革」の是非>という問題設定では無意味なわけだ。
それにしても、あるべき「改革」の具体的内容に関する議論はむつかしい。単純な、<基本的思想>いかんの問題で決せられる問題ではないからだ。手元に置かずに書くが、関西空港会社への外資規制について、産経新聞の「正論」欄で屋山太郎(評論家)は反対論を稲田朋美(弁護士・自民党議員)は賛成論を主張していた。はてはて。
上の第二点に関連してふと思い出して書けば、立花隆は月刊現代(講談社)誌上でまだ冗長な「私の護憲論」とやらを連載している。自ら別の(半年前の)文章で九条発案者が誰であったかは些細な問題だと書いておきながら、最近はこの点にこだわって、幣原喜重郎説を支持する主張をしている(立ち読みによる)。立花隆くらいになると、いかに冗長でも、いかなるテーマ展開でも許されるのだろう。講談社・現代編集部にも少し呆れている。
上の第二、第三に関連して、後藤田正純に言及がある。この人の名を<日本国憲法のどこが悪いんだ>とか発言した自民党議員としてのみ記憶していたが、中西によると、「典型的な護憲リベラルの立場」の人物で、参院選後に「『構造改革の即刻中止、護憲、親中国』という反安倍路線を明確に打ち出している」(p.167)。
この人のような自民党内勢力が「政界再編の端緒となる可能性」があるかは分からないが、後藤田正純から稲田朋美まで(?)、自民党も<幅広い>ものだ。
もっとも、岡崎トミ子や(山梨県教組委員長だった)輿石東から(?)松原仁まで、民主党の方がもっと<幅広い>のは確かだろう。
さて、福田康夫内閣は、上の三点につき、いかなる基本姿勢なのか。国会対策に忙しくて、考える余裕がない、ということはないだろう。