週刊新潮の、現在発売中(先週発売)ではない、先々週発売の12/20号。思いつくままにメモ。
 一 後藤田正純・衆議院議員(自民党)というと、<今の憲法のどこが悪い>とほざいた(発言した)という報道記事の記憶がある。自民党議員だからといって、<保守主義>の人ばかりではなく、党是も理解していない、<戦後民主主義の子>、政権与党というだけで、たまたま自民党に所属した者もいるのだ。
 この人が日本共産党系集会に参加して、それとは「知りませんでした」らしいが、共産党・小池某、社民党・福島某等とともに挨拶をして「参加者に大ウケ…」だったらしい。p.52-53。これを読んで、上のことを思い出した。
 二 養老孟司・養老訓という新潮社の本の広告が1頁ぶんある(p.81)。この本の見出しの一つに、「仕方がないで片付けよう」とある。
 たしかに、「仕方がないで片付け」られれば、<養老>でき、<健康長寿>(p.117参照)を享受できるかも。だが、この世の中、「仕方がないで片付け」られないことがいっぱいある。厄介なことに。
 行きずり殺人の被害者の遺族、鉄道事故の死亡者の遺族、薬害の被害者自身又は死亡者の遺族等々。「仕方がない」では、きっと済ませられないだろう。
 国家・社会の<歴史>だって、「仕方がないで片付け」られれば、現実をつねに肯定的に理解せざるをえず、過去のことをアレコレ言えなくなる。それでいいとも思えない。もはや過ぎ去った事態を変更できなくとも、何らかの教訓を得るために、今後の方向性の指針を得るためにも、ふりかえって議論してみる価値がある(少なくとも、その価値がある場合がある)。
 養老孟司がどんなことを本の中で書いているのか知らないけれど、「仕方がないで片付けよう」、という言葉は、けっこう刺激的、思考誘発的だ。
 三 日本在住の中国人・李某が映画『靖国』というのを作ったが、この映画、「反日メッセージ」が「露骨なまでに強烈」らしい。しかるに、この映画製作に対して、文科省所管の日本芸術振興会(独立行政法人)から2006年度助成金として750万円が出ているらしい。p.147。
 同振興会は「専門委員会で、助成対象作品として採択され、完成確認でも疑義があったわけではない」等と釈明、又は<開き直り>とのこと。同頁による。
 所謂<審議会の先生方>(専門委員会)にかなりの程度は責任を預けて、振興会職員自身は<逃げて>いる感がする。
 本当に上のような類の映画だったのだとしたら、「助成対象作品として採択」した「専門委員会」のメンバー・委員は誰々だったのかを、きちんと明らかにすべきだし、明らかにしてほしい。
 週刊新潮編集部は、この点をさらに<追っかける>つもりはないか?