産経の7/24と7/25の1面は<何たる選挙戦1・2>、大きな見出しは「誰を利する「国家」なき迷走」(北朝鮮が安倍退陣希望を明瞭に等)、「醜聞・年金だけの争点は恥だ」ときた。
 そのとおりだと思うが、産経が朝日新聞と同数程度の読者を擁していればなぁと、歯がゆい想いが強い。
 一方、読売は社説ではきちんとした主張をしているとは思うが、一般紙面では決して親安倍・親自民党ではない。少なくとも安倍首相に対して<温かい>とは思えない。朝日新聞の減紙のあとを狙って、この新聞は<左にウィングを伸ばして>いるのかとも勘ぐってしまう。
 諸予測・諸情報の中には楽しい又は興味深いものとそれらの逆のものとが当然にある。
 産経の選挙結果予測(7/23)によると、日本共産党は現有(非改選を含む)9で7~9、社会民主党は現有6で5~6。両党合わせて現有15で予測は12~15。要するに、両党ともに増加はなく、減少の可能性あり、ということだ。
 両党国会議員は確実に憲法九条二項の改正に反対するので、なかなか楽しい予測だ。共産党は消滅へとさらに一歩近づいてもらいたい。
 政治・政党の対立軸は、最も基本的なのが共産主義対自由主義だ。アジアで冷戦が終わっておらず、北朝鮮や中国が近隣にあるかぎり、まず第一には、この対立軸で選択をしなければならない。日本共産党はもちろんだが、同党支持者・同調者のほか、共産主義(>日本共産党)と闘う姿勢が弱い政党や人びともまた警戒し、場合によっては<敵視>する必要がある
 上の点さえしっかりしておけば、民主党議席の増大もさほど怖れる必要はないともいえる。民主党は、外交・防衛、憲法問題について統一した政策を打ち出せないで、代表・小沢一郎が「憲法改正は喫緊の課題とは認識していない」などと言って曖昧にしている<選挙互助組合>政党で、外交・防衛、憲法問題が対立軸として明瞭に設定された場合、不可避的に分裂する政党だ。松原仁・西村真悟(元)と岡崎トミ子・平岡秀夫が同じ党員だという(西村は元)信じ難い政党だ。憲法改正等に関して分裂、一方の自民党への合流又は連立、はかなり現実的な予測だろう。
 だが、民主党の中にも、そして今回の候補者の中にも、日本共産党・社会民主党と同様に九条絶対護持の者がいる。はたして、参院でも改憲派が2/3を超えて発議に賛成できるかどうかは、そうした者たちの数によることになる。
 前後するが、共産党につき、朝日新聞によると大阪選挙区で共産党は自民党と最後の三番目の議席をめぐって「接戦」を演じている。産経によると共産党は4位で「追って」いる。どちらが正しいだろうか。複数立てている訳でもない自民党がここでも負ければ、全国的な趨勢も最悪かもしれない。
 一方、東京選挙区でも朝日新聞によると共産党は最後の議席をめぐって、自民党(新人)や無所属(川田某)と「接戦」。産経によると、定員5で自・民・公が優位で残る2議席を民・自(新人)・無(川田某)の3人が争う(ということは共産党は圏外)。どちらが正しいだろうか。ここは6年前は共産党が1を獲得したので、今回当選しないと、自動的に現有からマイナス1となる。定員が5もある大都市選挙区で共産党1の当選が少なくとも確実視されていないとは、かつてを知っている者としては隔世の感がある。共産党は減少、消滅へと確実に歩んでいるのだ。
 昨夕の朝日新聞系のテレビ放送局のニュースをたまたま観ていたら、与党過半数割れの場合の安倍首相の進退を話題にしていて、自民党支持者(どの範囲か、どの程度の人数かは忘れた)のアンケート結果を図示し、「自民党支持者でも30数%の人が退陣すべきとしています」とのみコメントした。だが、その図には53%の者が「退陣する必要はない」との意見であることも示されていた。こちらの方はコメントしないで、<退陣すべき>という声のみ紹介したわけだ。
 選挙結果がまだ確定していないのに、まるで結果が出たあとのような、この<前のめりの>報道姿勢は一体何だろう。読んでいないが、きっと、朝日新聞は<退陣>に焦点をあてた同様の報道・紙面づくりをしているのだろう。
 昨夕のテレビニュースを観て、なるほど、世論調査をしてそれを<客観的に報道する>という実質的<倒閣運動>があるな、と感じた。<全体で何%が、自民党支持者でも何%が安倍首相は退陣すべきだと考えています>と報道しまくって(「何」の数字が低いと使えないだろうが)、<辞めろ>イメージ・雰囲気を醸成していくわけだ。
 さっそくすでに加藤紘一のような自民党内異分子が、<潔く投げ出すものだ>などとコメントしているようだ。この人は自分を何様と思っているのだろう。朝日新聞だけは持ち上げてくれるので、その<虚像>のために自分の客観的姿を誤解しているのではないか。
 まだ、山崎拓の方がマシそうで、彼は<憲法改正で大連立>との将来予測を述べたらしい。安倍首相の進退よりも、じつはそのような将来の国家のあり方・憲法のあり方の方が重要な問題だ。むろん、安倍退陣は将来の国家・憲法のあり方に大きな(消極的)影響を与えるからこそ、退陣すべきではない、と私は考えているのだが。以上、気軽な雑文。