朝日新聞を批判する書物はすでに多いが、高山正之・日本人が勇気と自信を持つ本―朝日新聞の報道を正せば明るくなる(テーミス、2007.04)がさらに加わった。高山が月刊テーミスとの雑誌に連載したものを加筆・再編集したものらしい。
33項目あるので、少なくとも33の朝日新聞の記事(社説を含む)を取り上げている。竹島、韓国、北朝鮮、文革、南京事件、現代中国、土井たか子等々と幅は広いが、過日、日露戦争等に関する原田敬一の岩波新書に言及したこともあり、日露戦争に触れた朝日の社説に関する部分をまず読んでみた。
読んだ記憶はないし、Web上にも(たぶん)ないが、2003年1/17の朝日社説のタイトルは「日露戦争って何だった」らしい。そして、朝日の日露戦争のとらえ方は次だという。すなわち、「近代日本を朝鮮の植民地支配、さらに中国省略に向かわせた転換点」(「」内は朝日社説の一部の直接引用と考えられる)。
また、日本は侵略国家だとしたうえで北朝鮮の核問題に話題を飛躍させ、北朝鮮を非難することなく、「その歴史をたどれば南北分断と朝鮮戦争に、さらに日本人による植民地支配、そして日露戦争へ行き着く」と書いたらしい。
朝日新聞のかかる「歴史認識」を近年は読んだことがなく、推測していただけだったが、こうまで明確に「社説」で書いていたとは知らなかった。
朝日によれば、日露戦争(の勝利)は朝鮮「植民地支配」・中国「侵略」への「転換点」で、それは、朝鮮半島の「南北分断と朝鮮戦争」、北朝鮮の核保有へとつながる、のだ。
原田敬一の岩波新書(2007)は日露戦争から1945年の敗戦までを不可避的な一直線の歴史として捉えていたようだが、朝日によると、「南北分断と朝鮮戦争」や北朝鮮の核保有もまた日露戦争から「たどり」着いたものなのだ。
呆れて、莫迦らしくて、開いた口が塞がらない。
「日露戦争へ行き着く」で終わらせずに、日露戦争(の勝利)へと至るまでの、明治政府の「富国強兵」政策、さらに少なくとも明治維新自体まで一直線に遡らせたらどうか。
1905年日露戦争勝利が1945年敗戦につながるという見方自体がすでに単純すぎて誤っている。朝鮮半島の「南北分断」と朝鮮戦争や北朝鮮の核保有までも日本に「原因」があるとは、一体どこから出てくる見解で、他にいったい誰が主張しているのか。とにかく日本の過去を「悪く」理解したいという歴史観(「自虐」史観)もここに極まれり、という感じだ。
昨28日に四国・松山市に「坂の上の雲ミュージアム」とやらが開館したらしいのだが、司馬遼太郎が「坂の上の雲」で描いた日露戦争は、上のような朝日新聞の捉え方とは全く異なっている。
そのような司馬遼太郎氏を「商売」=金稼ぎのために利用して、週刊・司馬遼太郎なる雑誌その他の司馬遼太郎氏関係出版物を発行することを、朝日新聞社は即刻止めるべきだ。
33項目あるので、少なくとも33の朝日新聞の記事(社説を含む)を取り上げている。竹島、韓国、北朝鮮、文革、南京事件、現代中国、土井たか子等々と幅は広いが、過日、日露戦争等に関する原田敬一の岩波新書に言及したこともあり、日露戦争に触れた朝日の社説に関する部分をまず読んでみた。
読んだ記憶はないし、Web上にも(たぶん)ないが、2003年1/17の朝日社説のタイトルは「日露戦争って何だった」らしい。そして、朝日の日露戦争のとらえ方は次だという。すなわち、「近代日本を朝鮮の植民地支配、さらに中国省略に向かわせた転換点」(「」内は朝日社説の一部の直接引用と考えられる)。
また、日本は侵略国家だとしたうえで北朝鮮の核問題に話題を飛躍させ、北朝鮮を非難することなく、「その歴史をたどれば南北分断と朝鮮戦争に、さらに日本人による植民地支配、そして日露戦争へ行き着く」と書いたらしい。
朝日新聞のかかる「歴史認識」を近年は読んだことがなく、推測していただけだったが、こうまで明確に「社説」で書いていたとは知らなかった。
朝日によれば、日露戦争(の勝利)は朝鮮「植民地支配」・中国「侵略」への「転換点」で、それは、朝鮮半島の「南北分断と朝鮮戦争」、北朝鮮の核保有へとつながる、のだ。
原田敬一の岩波新書(2007)は日露戦争から1945年の敗戦までを不可避的な一直線の歴史として捉えていたようだが、朝日によると、「南北分断と朝鮮戦争」や北朝鮮の核保有もまた日露戦争から「たどり」着いたものなのだ。
呆れて、莫迦らしくて、開いた口が塞がらない。
「日露戦争へ行き着く」で終わらせずに、日露戦争(の勝利)へと至るまでの、明治政府の「富国強兵」政策、さらに少なくとも明治維新自体まで一直線に遡らせたらどうか。
1905年日露戦争勝利が1945年敗戦につながるという見方自体がすでに単純すぎて誤っている。朝鮮半島の「南北分断」と朝鮮戦争や北朝鮮の核保有までも日本に「原因」があるとは、一体どこから出てくる見解で、他にいったい誰が主張しているのか。とにかく日本の過去を「悪く」理解したいという歴史観(「自虐」史観)もここに極まれり、という感じだ。
昨28日に四国・松山市に「坂の上の雲ミュージアム」とやらが開館したらしいのだが、司馬遼太郎が「坂の上の雲」で描いた日露戦争は、上のような朝日新聞の捉え方とは全く異なっている。
そのような司馬遼太郎氏を「商売」=金稼ぎのために利用して、週刊・司馬遼太郎なる雑誌その他の司馬遼太郎氏関係出版物を発行することを、朝日新聞社は即刻止めるべきだ。