兵庫県の(法務文書課が担当した)「三つめ」の第三者委員会は、2025年3月13日に、すでに提出していた「報告書」を法務文書課長とともに公表し、記者会見にも応じた。
 この委員会はずっと、立花隆志らへの県情報の「漏洩」過程を調査しているとされたが、今年3月31に公表された「委託契約」、「設置要綱」よって、週刊文春のいくつかの記事の「情報元」からの「外部提供」過程も対象とされていることが突然に一般に明らかになった
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 この委員会および兵庫県総務部法務文書課の対応に関する基本的な疑問は、つぎのとおり。
 第一に、問題設定の仕方、調査方法等につき、立花隆志・丸山穂高と文藝春秋・週刊文春を同列に扱っている。
 そもそも「委託」契約の締結時点で、週刊文春を含むことは明示されていたはずだが、弁護士たち(委員長・工藤涼二)は週刊文春の「情報元」・「取材源」にかかわる調査をすることについて、何ら疑問に感じなかったようだ。次に指摘する点とともに、「法的」感覚が少しずれているのではないか。
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 第二に、立花隆志・丸山穂高に提供された情報と週刊文春に提供された情報とは性格が相当に異なることを一切考慮していないようだ。
 各情報ごとには書かないが、大雑把に言って、前者は斎藤元彦にとって<有利>であり、後者は<不利>なものだ。
 情報流布のこうした「政治的」機能の差異を弁護士たち(委員長・工藤涼二)は無視するのが<法的専門家>だとむしろ自負しているのかもしれないが、次の点も含めて、「法的技術者」に堕しているのではないか。
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 第三に、上記の前者の情報は元県民局長の「私的情報」であり、後者の情報は、兵庫県政(・斎藤元彦)の動向にかかわる「公的」情報だ。
 かりに国民・県民が国政・県政についての「知る権利」をもつとすれば、むろん個別の検討が必要ではあるのだろうが、この「知る権利」に奉仕し得るのは後者であり、前者は基本的には「公共性」の乏しいプライヴァシー情報にとどまる
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 第四に、したがってまた、公務員の「秘密漏洩」罪成立との関係でも、上の前者(対立花・丸山)と後者(対週刊文春)とでは異なる考察が必要だと考えられるが、この委員会と法務文書課は、この重大な問題を看過している。
 すなわち、県保有情報=「秘密」ではない
 公務員法上保護されるべき「秘密」であるためには、実質的に「秘密」として保護されるべき価値のある情報でなければならない(「秘」とのスタンプだけで「秘密」になるのでもない)。
 「知る権利」との関係では、積極的に、あるいは受動的にでも、「公開」されるべき(マスコミによって報道されてよい)情報がある、と考えられる。
 この点を無視して、「外部への情報提供」が全て「秘密漏洩」にあたると理解しているとすれば、「法的無知」が甚だしい。
 法務文書課(ひいては知事の斎藤元彦)が主導したのかもしれないが、第三者委員会の弁護士たち(委員長・工藤涼二)は、<憲法>の人権論、「知る権利」や報道(・放送)の自由に感覚を及ぼさせて、法務文書課(・兵庫県自体)に警告的助言をするくらいのことは、「法的専門家」として、可能であったのではないか
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 この「三つめ」の委員会を構成したのと同じ弁護士たちが「二つめ」の委員会も担当したらしい。
 全て又はほとんどのマスメディアが気がついていないようだが、「二つめ」の委員会の調査対象の関係情報は、週刊文春2025年7月25日号p.21-p.23の記事であって、この「二つめ」はこのいくつかの部分の「情報元」を探索したものだ。
 ますます<気持ち悪く>なっている
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 なお、「三つめ」の第三者委員会「報告書」は、提供されネット上にあった情報と県保有情報が同一性を確認した、としている。
 念のために書いておくが、この「情報」中に、前回言及した、立花隆志の「二回めの選挙ポスター」の内容は含まれていない
 すなわち、立花某のいう「元県民局長は10年間で20人以上もの女性県職員と不適切な関係を結んで」いたことを示す情報、「おびただしい数の不倫写真」、増山文書のいう「不倫相手とのわいせつ画像」は、含まれていない。
 むしろ、これらは存在しなかったことが公式に確認された、と言ってよい。
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