一 適菜収は「反橋下徹」で目立つ風変わりな物書きで、橋下徹(・日本維新の会)と組んだ憲法改正には断固反対すると安倍晋三政権のときに書いていたし、同じく「反橋下徹」で、工学部教授でありながらH・アレントに依拠してと虚言を吐いて「ファシズム」に関する本を出版した、やはり風変わりな藤井聡(京都大学)と対談などもしていた。
その(私から見ての)奇矯さが強く印象に残っていたが、最近、適菜収は「ニーチェ研究者」だとか「ニーチェを専攻」だとかを自書等に自ら記していることを思い出した。または、それに気づいた。
但し、ニーチェに関する新書類を複数出しながら、学界・アカデミズム内で「ニーチェ研究者」と認知されているわけでは、間違いなくない。大学文学部卒とだけ経歴にあるので、せいぜい卒業論文の主題をニーチェにした程度で、大学院に進学してニーチェに関する研究論文を執筆したのでは全くないと推察される。取得していればすすんで明記するだろう、「文学博士」との記載もない。
一般的に学界・アカデミズムの優先・優越を前提としているのでは全くないが、上のことは、適菜収の理解や主張を少なくとも「うのみ」にしてはならないことの理由にはなるだろう。
下にも出ているが、私の知る限りでは、月刊雑誌(のしかも実質的巻頭)に初めて登場したのは、桑原聡・代表、川瀬弘至・編集部員時代の月刊正論(産経新聞社)2012年5月号だった。
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二 月刊正論や産経新聞の本紙自体に適菜収が登場したことを契機としてだろう、産経新聞社に対して、愛読者から、つぎのような助言または警告が発せられた。
それは「産経新聞愛読者倶楽部」というサイトに投稿されたもののようで、実際の執筆者の氏名等は不明だ。但し、無署名であることが内容の虚偽や不誠実性の根拠にただちになるわけではない。
適切だと感じる点も多く、また初めて知ることもあった。以下に出てくるベンジャミン・フルフォードという人物は、カナダ生まれだが日本の大学を卒業し、のちに日本に帰化した。外国人だから世界的な権威がある程度はあるのだろうと感じる人がいないとも限らないので、あえて記しておいた。
以下の三は、引用符を付けないが。投稿文のほぼ全文で(もともと本欄による一部省略あり〉、この欄にすでに2012年4月に掲載していたものの再掲だ。改行箇所を増やす等の変更だけは行なっている。
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三
産経新聞社発行の月刊『正論』5月号(3月31日発売)は『【徹底検証】大阪維新の会は本物か/理念なきB層政治家/橋下徹は『保守』ではない!』と題した論文をメーン記事として掲載しました。
筆者は適菜収という37歳の聞いたことのない哲学者です。この中で適菜は『B層』について『近代的理念を盲信する馬鹿』と定義して、橋下市長を『アナーキスト』『デマゴーグ』などと非難しています。
巻末の編集長コラム『操舵室から』でも桑原聡編集長が『編集長個人の見解だが、橋下氏はきわめて危険な政治家だと思う』と表明しています。//
雑誌を売るためにインパクトのある記事を載せているのなら仕方ないなと思っていたら、なんときのう(6日)の産経新聞1面左上(東京本社版)にも適菜収が登場して<【賢者に学ぶ】哲学者・適菜収/「B層」グルメに群がる人>というコラムを書いていました。B級グルメをもじって「B層グルメ」という言葉を紹介しています。
『≪B層≫とは、平成17年の郵政選挙の際、内閣府から依頼された広告会社が作った概念で『マスメディアに踊らされやすい知的弱者』を指す。彼らがこよなく愛し、行列をつくる店が≪B層グルメ≫だ』そうです。
締めくくりは『こうした社会では素人が暴走する。≪B層グルメ≫に行列をつくるような人々が『行列ができるタレント弁護士』を政界に送り込んだのもその一例ではないか』です。橋下叩きを書くために、延々と食い物と『B層』の話をしているだけの駄文です。//
われわれ保守派としては、橋下徹氏が今後どのような方向に進んでいくかはもちろん分かりません。
しかし、職員組合に牛耳られた役所、教職員組合に支配された教育現場を正常化する試みは橋下氏が登場しなければできませんでした。自民党は組合との癒着構造に加わってきたのです。私は少なくとも現段階では橋下氏を圧倒的に支持します。//
そもそも『B層』という言葉には非常に嫌な響きがあります。適菜がいみじくも『馬鹿』と書いているように、いろいろな連想をさせる言葉です。//
ちなみに適菜収はサイモン・ウィーゼンタール・センターから抗議を受けたこともあります。
読売新聞平成19年2月22日付夕刊「徳間書店新刊書の販売中止を要請/米人権団体『反ユダヤ的』/【ロサンゼルス=古沢由紀子】ユダヤ人人権団体の「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・米ロサンゼルス)は21日、徳間書店の新刊書『ユダヤ・キリスト教『世界支配』のカラクリ』について、『反ユダヤ主義をあおる内容だ』として、同書の販売を取りやめるよう要請したことを明らかにした。同書の広告を掲載した朝日新聞社に対しても、『広告掲載の経緯を調査してほしい』と求めたという。
同書は、米誌フォーブスの元アジア太平洋支局長ベンジャミン・フルフォード氏と、ニーチェ研究家の適菜収氏の共著で、今月発刊された。サイモン・ウィーゼンタール・センターは反ユダヤ的な著作物などの監視活動で知られている。
徳間書店は、『現段階では、コメントできない。申し入れの内容を確認したうえで、対応を検討することになるだろう』と話している。//
産経新聞平成19年2月23日付朝刊「米人権団体『反ユダヤ的陰謀論あおる』本出版、徳間に抗議/【サンフランシスコ=松尾理也】米ユダヤ系人権団体のサイモン・ウィーゼンタール・センター(ロサンゼルス)は21日、日本で発売中の書籍『ニーチェは見抜いていた—ユダヤ・キリスト教『世界支配』のカラクリ』(徳間書店)について、『反ユダヤ的な陰謀論の新しい流行を示すもの』と批判する声明を発表した。同センターは同時に、同書の広告を掲載した朝日新聞社に対しても、掲載の理由を調査するよう求めている。
問題となった書籍は、米誌フォーブスの元アジア太平洋支局長、ベンジャミン・フルフォード氏と、ニーチェ研究家、適菜収氏の共著。2月の新刊で、朝日新聞はこの本の広告を18日付朝刊に掲載した。
同センターは、同書の中に『米軍は実はイスラエル軍だ』『ユダヤ系マフィアは反ユダヤ主義がタブーとなっている現実を利用してマスコミを操縦している』などとする内容の記載があり、米国人とイスラエル人が共同で世界を支配しているという陰謀論をあおっているとしている。」//
産経新聞1面左上のコラム(東京本社版)は約30人の『有識者』が日替わりで執筆しています。適菜収がここに登場したのは初めてです。
つまり適菜は執筆メンバーになったわけですが、いったい誰が登用したのでしょうか。
産経新聞は適菜を今後も使うかどうか、よく身体検査したほうがいいでしょう。
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以上。
その(私から見ての)奇矯さが強く印象に残っていたが、最近、適菜収は「ニーチェ研究者」だとか「ニーチェを専攻」だとかを自書等に自ら記していることを思い出した。または、それに気づいた。
但し、ニーチェに関する新書類を複数出しながら、学界・アカデミズム内で「ニーチェ研究者」と認知されているわけでは、間違いなくない。大学文学部卒とだけ経歴にあるので、せいぜい卒業論文の主題をニーチェにした程度で、大学院に進学してニーチェに関する研究論文を執筆したのでは全くないと推察される。取得していればすすんで明記するだろう、「文学博士」との記載もない。
一般的に学界・アカデミズムの優先・優越を前提としているのでは全くないが、上のことは、適菜収の理解や主張を少なくとも「うのみ」にしてはならないことの理由にはなるだろう。
下にも出ているが、私の知る限りでは、月刊雑誌(のしかも実質的巻頭)に初めて登場したのは、桑原聡・代表、川瀬弘至・編集部員時代の月刊正論(産経新聞社)2012年5月号だった。
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二 月刊正論や産経新聞の本紙自体に適菜収が登場したことを契機としてだろう、産経新聞社に対して、愛読者から、つぎのような助言または警告が発せられた。
それは「産経新聞愛読者倶楽部」というサイトに投稿されたもののようで、実際の執筆者の氏名等は不明だ。但し、無署名であることが内容の虚偽や不誠実性の根拠にただちになるわけではない。
適切だと感じる点も多く、また初めて知ることもあった。以下に出てくるベンジャミン・フルフォードという人物は、カナダ生まれだが日本の大学を卒業し、のちに日本に帰化した。外国人だから世界的な権威がある程度はあるのだろうと感じる人がいないとも限らないので、あえて記しておいた。
以下の三は、引用符を付けないが。投稿文のほぼ全文で(もともと本欄による一部省略あり〉、この欄にすでに2012年4月に掲載していたものの再掲だ。改行箇所を増やす等の変更だけは行なっている。
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三
産経新聞社発行の月刊『正論』5月号(3月31日発売)は『【徹底検証】大阪維新の会は本物か/理念なきB層政治家/橋下徹は『保守』ではない!』と題した論文をメーン記事として掲載しました。
筆者は適菜収という37歳の聞いたことのない哲学者です。この中で適菜は『B層』について『近代的理念を盲信する馬鹿』と定義して、橋下市長を『アナーキスト』『デマゴーグ』などと非難しています。
巻末の編集長コラム『操舵室から』でも桑原聡編集長が『編集長個人の見解だが、橋下氏はきわめて危険な政治家だと思う』と表明しています。//
雑誌を売るためにインパクトのある記事を載せているのなら仕方ないなと思っていたら、なんときのう(6日)の産経新聞1面左上(東京本社版)にも適菜収が登場して<【賢者に学ぶ】哲学者・適菜収/「B層」グルメに群がる人>というコラムを書いていました。B級グルメをもじって「B層グルメ」という言葉を紹介しています。
『≪B層≫とは、平成17年の郵政選挙の際、内閣府から依頼された広告会社が作った概念で『マスメディアに踊らされやすい知的弱者』を指す。彼らがこよなく愛し、行列をつくる店が≪B層グルメ≫だ』そうです。
締めくくりは『こうした社会では素人が暴走する。≪B層グルメ≫に行列をつくるような人々が『行列ができるタレント弁護士』を政界に送り込んだのもその一例ではないか』です。橋下叩きを書くために、延々と食い物と『B層』の話をしているだけの駄文です。//
われわれ保守派としては、橋下徹氏が今後どのような方向に進んでいくかはもちろん分かりません。
しかし、職員組合に牛耳られた役所、教職員組合に支配された教育現場を正常化する試みは橋下氏が登場しなければできませんでした。自民党は組合との癒着構造に加わってきたのです。私は少なくとも現段階では橋下氏を圧倒的に支持します。//
そもそも『B層』という言葉には非常に嫌な響きがあります。適菜がいみじくも『馬鹿』と書いているように、いろいろな連想をさせる言葉です。//
ちなみに適菜収はサイモン・ウィーゼンタール・センターから抗議を受けたこともあります。
読売新聞平成19年2月22日付夕刊「徳間書店新刊書の販売中止を要請/米人権団体『反ユダヤ的』/【ロサンゼルス=古沢由紀子】ユダヤ人人権団体の「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・米ロサンゼルス)は21日、徳間書店の新刊書『ユダヤ・キリスト教『世界支配』のカラクリ』について、『反ユダヤ主義をあおる内容だ』として、同書の販売を取りやめるよう要請したことを明らかにした。同書の広告を掲載した朝日新聞社に対しても、『広告掲載の経緯を調査してほしい』と求めたという。
同書は、米誌フォーブスの元アジア太平洋支局長ベンジャミン・フルフォード氏と、ニーチェ研究家の適菜収氏の共著で、今月発刊された。サイモン・ウィーゼンタール・センターは反ユダヤ的な著作物などの監視活動で知られている。
徳間書店は、『現段階では、コメントできない。申し入れの内容を確認したうえで、対応を検討することになるだろう』と話している。//
産経新聞平成19年2月23日付朝刊「米人権団体『反ユダヤ的陰謀論あおる』本出版、徳間に抗議/【サンフランシスコ=松尾理也】米ユダヤ系人権団体のサイモン・ウィーゼンタール・センター(ロサンゼルス)は21日、日本で発売中の書籍『ニーチェは見抜いていた—ユダヤ・キリスト教『世界支配』のカラクリ』(徳間書店)について、『反ユダヤ的な陰謀論の新しい流行を示すもの』と批判する声明を発表した。同センターは同時に、同書の広告を掲載した朝日新聞社に対しても、掲載の理由を調査するよう求めている。
問題となった書籍は、米誌フォーブスの元アジア太平洋支局長、ベンジャミン・フルフォード氏と、ニーチェ研究家、適菜収氏の共著。2月の新刊で、朝日新聞はこの本の広告を18日付朝刊に掲載した。
同センターは、同書の中に『米軍は実はイスラエル軍だ』『ユダヤ系マフィアは反ユダヤ主義がタブーとなっている現実を利用してマスコミを操縦している』などとする内容の記載があり、米国人とイスラエル人が共同で世界を支配しているという陰謀論をあおっているとしている。」//
産経新聞1面左上のコラム(東京本社版)は約30人の『有識者』が日替わりで執筆しています。適菜収がここに登場したのは初めてです。
つまり適菜は執筆メンバーになったわけですが、いったい誰が登用したのでしょうか。
産経新聞は適菜を今後も使うかどうか、よく身体検査したほうがいいでしょう。
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以上。