10月22日の衆院補選民主党は負けたが、二選挙区ともに投票者に対する得票率は昨年9月の総選挙時よりも上げており(神奈川32.7→40.3%、大阪39.7→41.7%。自民党はいずれもやや下げている)、その点では善戦で「どぶ板選挙」の効果はあったのかもしれない。
 新聞でほとんど触れられていないが、共産党は神奈川で11642票、大阪で19537票減らし、得票率も神奈川8.0→4.9%、大阪9.7→8.0%と明らかに減少させた。
 補選では党の余力を二選挙区に回せるはずなのにこの数字だ。来年7月頃の北朝鮮情勢等がどうなっているか分からないが、この党は参院選挙も経て緩やかに消滅方向に向かうのではないか(と期待している)。
 福田和也という人の本は読んだことはないし、週刊誌のコラムもとくに印象に残ったものはなかった。しかし福田は、文藝春秋11月号p.160~163でいい指摘をしている。
 福田はまず、朝日新聞の9/27記事が安倍内閣の陣容で「小沢民主党に対抗できるだけの迫力」を出せるかと疑問視したのを、民主党又は小沢への「贔屓の引き倒し」だとする。そして、小沢民主党を過大に見せようとすることに「メディアの貧困が救いようなく露呈している」と切り捨てる。
 次いで小沢や民主党の批判に移り、「昔なつかしい…何でも反対の野党ぶりを、演じている」、それは「参院選の勝利、政権奪取」のためなら「短期的には国益を犠牲にしてもかまわない、という小沢的マキャベリズム」、安倍内閣を「論功行賞内閣」というなら、民主党のネクスト内閣は「典型的な派閥均衡型」だ等々。
 そして、私も所持だけはしている小沢の13年前の書物に福田は触れて、「13年が過ぎて、みずからの理念が大方実現してしまい、時代に追い抜かれてしまったことを率直に認めるべだろう」等と締め括る。
 まことに鋭く、かつ同感だ。
 安倍自民党にとっては、民主党が小沢を戴いたまま今のような政府対応をしてくれている間に来年の参院選を迎えることは、他の新鮮な?党首の下で対北朝鮮政策についても「国益」の観点から政府に協力しもする民主党と対決するよりは楽なのではないか。
 民主党は小さな分裂も経て、将来的には大分裂するのでないか。その際、東アジア政策や「大きな政府」維持論等の共通性から、河野洋平、加藤紘一らと民主党の旧自民党勢力は、合同したらどうか。自民党が衆院で480のうち殆ど300議席を占めているのは、やや多すぎると感じなくもない。
 また、民主党内の旧社会党勢力は社民党に移るのがよい。人間関係の問題を全く知らないまま書いているのだが。