秋月瑛二の「自由」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

GAFAM

2276/池田信夫ブログ022。

 池田信夫ブログマガジン2021年1月18日号は興味深い内容を含んでいるので、当否についての議論はしないで、またその能力もないので、可能なかぎり、そのまま引用しておく。同号の<21世紀は『新しい中世末期』>から。言及されている著書ではなく、池田自身の見解・文章だと見られる。
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 1・冷戦終了とともに「新しい中世」に回帰したとの説があるが、「今はむしろ中世末期にヨーロッパの封建社会が崩壊した時代」に似ている。
 ・「中世にはヨーロッパが精神的にはキリスト教で統合され」た。一方、「政治的には領邦が分立していた」。その頃まで「日本とヨーロッパは(キリスト教を除いて)よく似ていた」。
 ・「しかし、12世紀ごろから」、領邦を超える商取引・貿易が盛んになり、「領主の支配」を逃れて「ヨーロッパ全域」を商圏とする商人が増えた。この商人たちは「個人の契約による株式会社を組織し、株式でリスクを分散して全ヨーロッパ的に活動した」。
 ・一方、「領邦はローカルな統治機構を維持」し、「カトリック教会による精神的支配を維持」しようとした。
 ・これに対し、プロテスタントは、教会を超える『聖書による救済』を主張し、全ヨーロッパ的な普遍主義を掲げた」。その(プロテスタントの?)「組織が株式会社のモデル」になり、個人が「地域を超えてヨーロッパを移動」し始めた。
 ・かかる動きと、「伝統的な地域支配を維持しようとした領主とカトリック教会が戦ったのが、宗教戦争」だった。
 ・「いま起こっている主権国家を超えるGAFAMなどのグローバル化」は、「中世末期に起こった領邦を超える商人の活動とパラレルな現象」だ。
 ・それが「宗教戦争のような内乱」を招くとは考え難いが、「アメリカの現状を見ているとその可能性はゼロではないようだ」。
 2・「GAFAMに国家の司法権は及ばない」。「ドイツ政府のような言論統制は無意味」だ。
 ・「国家に課税権」があっても、「GAFAMのように実体のない企業は『世界最適立地』によって納税額を最小化できる」。「実効税率」はAmazonで12.7%、Googleで15.8%、Appleで17.1パーセントと推定されている。
 ・中世末期と似ている。「個人に対して領主は課税しようとし、カトリック教会は個人を支配しようとし」た。しかし、200年以上の「宗教戦争でヨーロッパは分断され」た。かつまた、「個人が所属する共同体を失って法の支配のもとに置かれる近代国家が成立した」。
 ・日本は「中世の領邦が成立している状況を固定して江戸時代の平和を守り、ヨーロッパに300年ぐらい遅れをとった」。
 ・「明治以降」に、「キリスト教の模造品である天皇制でその遅れを取り戻した」。そして、「内戦がなかった分、共同体から自立した個人の形成が遅れた」。
 ・こういう「ローカルな共同体に依存するシステムは、グローバル化に適応できない」。「労働者を企業に閉じ込める日本型企業コミュニティの優位性」がなくなり、「クラウド・コンピューティングで契約ベースのビジネスが増える」。こういう状況は、「こうした変化を加速するだろう」。
 ・生成のときから、「契約ベースの社会」は「快適」でなかった。「人々を不断の競争にさらし、貧富の格差を広げ、伝統的な社会を破壊する」。これを「神の秩序に反する」と攻撃したのが「カトリック教会のイデオロギー」だったが、これは「今日『市場原理主義』を攻撃して、貧しい人々に施しを与えようとする人々」に似ている。
 ・だが、「経済圏がグローバルに広がるときは、両者の効率の圧倒的な差によって、このシステム間移行は避けられない」。
 ・それはかつて100年以上の「宗教戦争を引き起こした」くらいの「大きな変化」だ。そして、「国家がグローバル資本主義をコントロールしようとする動き」は今後強まるだろう。GoogleやFacebookに対する「独禁当局の訴訟は、その第一歩にすぎない」。
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 以上。「国家」、「共同体」、「個人」。「領邦」制、「江戸」・「明治」、「天皇」制、キリスト教、「カトリック」、「プロテスタント」、「宗教戦争」・「内乱」、「日本型企業コミュニティ」、「契約ベースの社会」、「市場原理主義」、「グローバル資本主義」、等々。

2275/池田信夫ブログ021—NEC・PC9801無印から。

 池田信夫のブログで最近よく、<デジタル資本主義>とか<資本主義の非物質化>等々の言葉が出てくる。
 これにも関係して、同ブログマガジン2021年1月18日号では、「システム間移行」という言葉を池田は使っている。
 この語は、現在は大きな「システム」の移行期にある、ということを前提にしているだろう。中世末期・欧州封建社会の崩壊期から「近代」(資本主義)への移行期にむしろ似ている、と(たぶん)言っているのだが。
 上の当否はともあれ、現在・現代はどういう時代で、これからどう「変化」していくのだろうか。日本はどうなるのだろうか。むろん、日本のことを考えて論じるためには、「世界」と切り離すことができない。
 日本の一部<ナショナリスト>の思惑とは全く無関係に、日本はとっくにグローバリズムの中に組み込まれていて、たんに<日本ファースト>と念仏の如く唱えても無意味だ。この表現は「念仏」を大切にする宗教者・宗教界にはたいへんな失礼・非礼になってしまったけれども。
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 このあたりのことを書く予備作業のようなものとして、以下を書く。
 「科学技術の発展」とよく言ったものだが、私のような古い世代の人間の一部からすると、最もそれを感じるのは、(1970年代末までこの言葉自体がなかった筈だが)「バソコン」をめぐる環境・状況の変化だ。
 秋月瑛二は、1982年末(または1983年初頭)に同年10月新発売のNEC・日本電気製PC-9801(無印)を購入した。価額・仕様等の仔細は省く。
 その後数台のPC98機を利用したが、特筆すべきは、たぶん80年代の半ば〜後半には<V10>という日本(NEC)製のOSが使われていた、ということだろう。
 当時、①NEC98、②MS-DOS、③Apple(マッキントッシュ)の三陣営が競っていたが、①のNEC98シリーズが個人(法人も?)市場の半分強のシェアを占めていた。パソコン関係雑誌も三種類あった(その中にSoftbank社発行のものもあったような気がする)。
 そのNEC98陣営もMS-DOS(Microsoft社)に屈し、さらに90年代になると、Windows陣営に加わる。私もまた、Windows3.0を利用した一人だった。日本独自のOSなんてものは、なくなった。それでも、アプリ・ソフト界では徳島市に本社のあるJustsystem社がいま以上に元気で、インストール済ワープロ・ソフトをMicrosoft・ワードか「一太郎」を選択することができた(私はじつに昨年中途まで、後者を使っていた)。
 Sony社も独自パソコンを生産・販売しており、私も二代ほど続けたことがあったのだが、今やパソコン(ハード)を切り離し、Vaioという別会社に移したPCも、何と数種類のノート型として売られているだけだ。
 2000年代、2010年代と変化は激しい。かつては存在しなかった言葉の「スマホ」も一般的になった。Android とかいうのが出てきた。ソフトとか称していたアプリはかつてはCDとして買って本体に入れていたものだが、今やほとんど「無線」を通じてになった。
 Wi-Fiなるものが出現して以降、さすがの秋月も?、なかなか付いていけない。
 昨年は、Google-Chromeというブラウザが WindowsでもMac でも使える(しかもなかなか便利らしい)ことを知って驚いた。
 かつて、WindowsとMac(Apple)の間の<互換性>を問題にしていた頃とは隔世の感だ。しかも、PCとしてのMac ではMac-OS の他に、Windowsも走らせることができる、という(但し、現在の新しいCPU のM1のもとでどうかはよく知らない)。
 スマホやタブレットの分野では(少なくとも現在の日本では)Apple社のものが市場第一位のようで、日本社製は肩を並べられないようだ。スマホの場合のOSはiOS、タブレットの場合のOSはiPad-OSと言って、PCとしてのMac(最新のOSはBigSurという)とある程度の共通性があるらしい。
 さらに、①CPU、②OS、③Browser の違いは何となく理解できるのだが(かつては今よりまだ単純だったが)、①についてMac(Apple)は昨秋にIntel 離れをして、自社製CPU=M1に変えた。<インテル入ってる>ではなくなった。ますます、古い世代の人間には訳が分からない。
 と、いろいろ書いていてはキリがない。要するに、現在の日本でも重要・不可欠のツールになっているPCを含むIT分野で(言及していないことかがはるかに多いが)、アメリカの世界的企業(GAFAとか)の席巻は著しい。
 池田信夫はGAFAM という語も使っているが、古く(それでも80年代だろう)からあるMicrosoftに敬意を表すと、MAGFA(マグファ)という方が、ひびきが良いような気が(個人的には)する。
 さて、ソ連解体前でのソ連・ロシアのIT技術はどうだったのか、とか、現在の中国の(世界的シェアは大きいらしい)IT 業界・産業にはどのような「新しさ」があるのか、などと想起していると、アメリカ(や日本を含む世界)でのOS 、Browser等の占有をめぐっては、「国家」とは無関係に<自由に>(開発と)競争が行われてきたことに気づく(但し、国家のもつ軍事技術の発展形という側面もあるようだ)。
 自由な競争の成果、ということなのだが、その結果としてのGAFAM(MAGFA)の諸国民の生活への浸透とその「支配」の程度は、「国家」よりも場合によっては上回り、かつ「国家」をも脅かしているのだろう。
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 疲れたので、この程度にする。「プラットフォーム」という語の意味も含めてよく理解していないこともあるので、さらにいろいろと読んで、思考してみることにする。
 以上、Word も(Atokも)、Google日本語入力も使わないで、書いた。
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