秋月瑛二の「自由」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

香山リカ

1253/月刊WiLL10月号と週刊現代9/06号ー朝日虚報と青木理ら。

 月刊Will10月号は背表紙「朝日『従軍慰安婦』大誤報」、表表紙に大きく「朝日新聞の『従軍慰安婦』は史上最悪の大誤報だった!/総力大特集120ページ」と朝日問題に大集中。もっとも、朝日がしたのは大きな「誤報」にすぎないのか?、日本国家と先輩同胞を貶めたいがゆえの意図的な(真実性が多少はあれば真実だと確信しての)<虚報>、<捏造>ではないのか、という問題は残る。
 ともあれ、朝日慰安婦検証報道に対する姿勢によって諸雑誌等のメディアの<性格>もかなり明らかになりそうだ。NHKは、この朝日新聞の一部訂正記事を放送したのだっただろうか。2000年に「女性戦犯法廷」での天皇有罪判決というパフォーマンスを一番組にしたのは長井某というNHKの「左翼」ディレクターだったが。
 週刊現代9/06号は「『慰安婦報道』で韓国を増長させた朝日新聞の罪と罰」と題して特集。例のごとく表紙からする印象に比べれば短いが、「識者30名」のアンケート結果は面白い。面白い、というのは、「識者」の中での<左翼>の存在が明確になっているからだ。
 アンケートは①朝日の検証記事は「納得のいく内容」だったか、②朝日「誤報」は「日韓関係悪化の一因」か、③朝日は「誤報の説明責任を果たした」か、の三つで、それぞれについて、いいえ、はい、どちらでもないの回答が用意されているようだ。そして、「識者30名」の選抜の仕方が適切かどうかという問題はさておくとして、30名中21名が、それぞれについて「いいえ、はい、いいえ」と回答している。この回答がふつうの、まともな感覚の持ち主の反応の仕方だと思うが、9名の回答はそうではない。上のいいえではなくはい、及びいいえではなくはいをいずれも-2、どちらでもないを-1としてマイナスを計算すると、次の結果になる。
 ①前田哲男-6、①岡留安則-6、①北原みのり-6、④青木理-5、⑤香山リカ-4、⑥斉藤貴男-2、⑥江川紹子-2、⑥小倉紀蔵-2、⑨服部孝章-1。前田哲男は近年、集団的自衛権や沖縄等、近年に軍事に強いらしき「左翼」としてよく名前を見る。マイナスは少ないが、江川紹子は少なくとももともとは親日本共産党の新聞記者だった。
 これらは明確な「左翼」だろうが、この順位では1位ではない青木理は、週刊誌本文によると、朝日新聞による検証記事の掲載は「歴史修正主義の風潮がかつてなく蔓延」して「反日」的動きに対するバッシングが強くなった状況に「耐え切れず」に「追い込まれた」もので、「日本社会が大きく変質していることを象徴的に示す」「事件」だ、と述べている。簡単には、<右派からの攻撃に耐えきれなかった、という右派増長という時代・社会の反映だ>と考えているようだ。これを読んで、青木理の頭の中の<倒錯>ぶりに(あらためて?)感心せざるをえない。
 かりに朝日新聞の報道が客観的事実を内容とするものだったとすれば、あるいはそのことに自信があれば、<右派からの攻撃に耐えきれない>というほどにナイーヴな神経を朝日新聞(の記者たち)がもっているはずはないだろう。こういうふうに青木理という<倒錯>者は朝日新聞を擁護するのだ。転嫁・曲解・相殺・無視という論法(湯浅博「潔さに欠け、往生際が悪すぎる」、月刊Will10月号p.64以下)による「検証」の仕方にみられる朝日新聞の神経のずぶとさ、厚顔無恥ぶりは何ら変わっておらず、朝日新聞が理由なく<右派からの攻撃に耐えきれず>屈服するはずがない。
 -1にすぎないが、服部孝章も、朝日報道が日韓関係悪化の一因になったことは認めつつ、朝日新聞よりも、「加害責任を明示しない安倍政権サポーターや商業主義に傾いてムードを煽るマスコミ」の方が責任は重い、とコメントしている(週刊現代p.45)。これまた、「商業主義に傾いてムードを煽る」<保守・右派>マスコミに責任を転嫁している(又は朝日よりも重い責任があるとする)ようで、不思議な議論だ。立教大学にはなかなか立派な「教授」がいる。
 今後の、9月上旬あたりまでに刊行される雑誌類の朝日新聞<慰安婦検証記事>への対応にさらに注目したい。すでに多くは明らかになっているのだが、「左翼」論者があぶりだされ、雑誌編集者の「左翼」度=親朝日新聞度が試されるだろう。

1052/自民党の自殺-大阪の自民党のバカ(アホ)。

 大阪府知事選につき、10/25時点で、自民党の大阪府連は橋下徹の「維新の会」の候補に対立する候補を民主党等とともに擁立する方向らしい。
 また、同日、大阪市議会自民党会派は、民主党とともに現職平松某を推薦することを決定したらしい。
 これらは、大阪の自民党の自殺であり、この地域における自民党勢力は、今後消滅していくように思われる。このことが、日本全国に悪い影響を与えることを怖れる。
 当たり前の事だが、選挙に当選するのが一人の場合、投票者は「よりましな」候補に投票するだろうし、政党等の政治団体は、自らが候補者を擁立しない場合には、候補予定者(その意向である者も含む)の中で「よりましな」者を推薦すべきだろう。
 選択肢が現時点で明確になっているのは大阪市長候補で、橋下徹と民主党推薦の平松某、そして日本共産党推薦の某らだ。
 これらの中で、自民党の大阪市議会議員団は、民主党とともに、平松某を推薦する。
 バカなことだ。おそらく、国政・次期総選挙や日本全体のことを考慮することなく、次期の市議会選挙で自らの市議会議員生命を維持することを優先したのだろう。日本の将来よりも自分の生活という「我欲」が勝ったのだろう。
 詳細は記憶していないが、橋下徹は前回の知事選挙で自民党の推薦を受け、民主党推薦の対立候補に勝ち、知事になった。もともと橋下には自民党の党員籍はなかっただろうが、民主党よりも<保守>派であることは明らかだった。「維新の会」をのちに設立したが、自民党からの転入?者が多かったように、本来の主義・主張あるいは思想基盤からすると、自民党から見て、民主党よりも「維新の会」の方が近いはずだ。
 一方、平松某という民間テレビ局社長室長(元ニュースキャスター)は民主党の推薦を受けて、自民党らが推薦する候補に勝ち、市長になった。
 今回も、民主党や労組(・連合)の支持を受けて平松某は立候補する。支持団体の中には当然に、民主党系の日教組も含まれている。
 かかる構図の中で自らの候補を擁立しない自民党が選択すべきなのは橋下徹であることは、明白だと思われた。
 民主党は現在の政権与党であり、すでに数々の失態・失政を明らかにしている。社会主義者・マルキスト国会議員も一部には(かつ有力者として)含んでおり、朝鮮総連等とも(自民党・「維新の会」と比べれば)親しい。
 しかるに大阪市の自民党は(そして大阪府の自民党も)そのような民主党、基本的に「左翼・反日」団体と手を組むことを選んだ。狂っている、としか思えない。日教組の大阪支部にあたる組織等々の労働団体とともに、日教組の「親分」・輿石東を幹事長とする政党と一緒に、橋下徹に対抗しようとしているのだ。バカ(アホ)としか思えない。
 なるほど橋下徹の欠陥を指摘しようと思えばできるだろうし、「大阪都」構想なるものの適否については議論の余地は十分にある。もともと大都市制度問題は戦後当初からあり、その改革には地方自治法の改正が必要である以上、大阪府または大阪市あるいはそれらの長や議会の判断で自由に決められる問題ではまったくない。したがって、誰が市長、知事になっても、ただちに現行制度の維持・改編が決まるわけではなく、橋下徹と「維新の会」候補が市長・知事になったところで、「大阪都」が実現するわけではないし、それに大きく近づくわけでは全くない。つまるところ、制度の将来を決定するのは国会(国会議員)の法律制定・改正作業なのであり、橋本グループが勝ては大阪市がなくなるとか、大阪市がなくなることへと大きく接近するなどというのは、一種の幻想またはデマにすぎない。
 この大阪の選挙は全国的な関心を(私も含めて)集めている。
 「左翼」はこぞって、橋下徹(・「維新の会」)の当選を阻止しようとしている。

 「ハシズム」という「ファシズム」を連想させる造語によって、橋下・「維新の会」を攻撃している。
 民主党のブレイン・支持者である山口二郎(北海道大学教授)と香山リカも大阪へ行って、橋下批判の集会で講演?をしたようだ。これからも日本の「左翼」は集中的な橋本攻撃を―かつての安倍晋三政権攻撃のように―するものと思われる。
 そのような橋下攻撃を大阪市・大阪府の自民党は民主党と一緒になってするというのだ。バカ(アホ)としか言いようがない。
 山口二郎・香山リカに続いて、「ハシズムを斬る」ための集会に参加したのが、「表現者」グループまたは西部邁グループの、中島岳志寺脇研らしい。中島岳志は週刊金曜日という「左翼」週刊紙の選集委員の一人で、その「保守」派性をこの欄で疑問視し、<ヌエ>的性格を批判したこともあるのだが、大阪の選挙についても、または橋下徹の評価についても面白い主張をしているようだ(別に扱う)。
 自民党が民主党と一緒になって、橋下徹・「維新の会」と対抗する。馬鹿馬鹿しいことだ。自民党の本部・石原伸晃幹事長らは少しは異なる意向だったようだが、大阪の自民党は橋下に対する「個人的感情」や<自己の地方議会議員としての生活>を優先した。
 繰り返すが、自民党の自殺行為だ。「保守」派大阪府民・市民はますます?自民党から離反するだろう。

 かりに橋下らが勝利したとしても、民主党は自民党とともに痛手を受けるだけのこと。かりに橋下らに平松らが勝てば、その勝因は(とくに大阪市の場合)民主党・労組の力にあるとされ(もともとが民主党の候補なのだから)、自民党の利益にはほとんどならない。大阪の自民党のバカな(アホな)判断が、全国に大きな悪い影響が及ぶことを阻止しなければならない。

ギャラリー
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  • 2293/レフとスヴェトラーナ18—第5章①。
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