周知のとおり、NHKは、自己を被告とする、原告多数の訴訟について、製作番組(プロジェクトJAPAN)の内容にかかわるからだろう、いっさい報道していない。NHKの製作番組の中には「左翼=容共」性の強いものがあることは間違いないことだ。

 12月12日(日)の午後7時からのニュースの一部も<異様>だった。

 米軍(海軍)の軍楽隊が宮古島で演奏会を挙行したとの報道だったが、NHK(の担当記者・ニュース責任者)は何と、<宮古島で演奏会・米軍の狙いは>との横一列の見出しを掲げた(「狙い」は漢字を使っていた)。

 これには驚いた。「狙い」などと表現するのは、NHKは(少なくとも原稿執筆記者と見出し作成者かつこのニュース番組製作責任者は)米海軍音楽隊のこの行動を好ましくない又は気にくわないものと感じていることを、間違いなく示しているだろう。

 同じ意味の言葉に、他に「意図」も「目的」もある。これらですら、あえて<米軍の目的は>との見出しを打つことは「目的」を警戒するかのごときニュアンスを伴うのだが、これらよりもキツい響きをもつ「狙い」という語を、NHKはあえて使った。

 歓迎しているか、または少なくとも公正・中立さを意識しているならば、「米軍の狙いは」などという見出しを掲げる筈がない。NHKの少なくとも一部は、完全に「左翼」に乗っ取られているのではないか。
 本文および映像にも異様さはあった。アナウンサーは「今回の演奏会について、一部の住民からは『軍事利用につながる』などとして強い反発の声も上がっており、12日も会場の周囲では抗議活動が行われていました」と語り、<宮古島空港の軍事利用を許すな>とか書いた垂れ幕か横断幕をもった数十人か十数人の(空港前の)抗議行動らしきものを数秒以上にわたって放映した。

 だが、常識的に見て、宮古島空港の管理者はどの機関かは知らないが、国・沖縄県・現地自治体のいずれかの(もしくはすべての)同意・了解を得た上で米軍音楽隊の訪問はなされているはずで、当然ながら、<了解>し<歓迎>していた人々もいたはずなのだ。

 しかるに、NHKは上のような「抗議」をする一部住民(「…職労」とか書いてあった)のみについて報道し、その他の住民や市・県当局の対応・反応についてはいっさい報道しなかった。異常だ。

 全体としての放送時間の短さは理由にならない。以上のような報道の仕方は一面的・一方的で(公正・中立ではなく)、放送法にも違反している。

 この報道がいう米軍の「狙い」は次のとおりだ(アナウンサーが読んだ)-「こうした活動の背景には、有事などの際に迅速に対処できるよう、港湾や空港の状況をあらかじめ把握するとともに、この地域との関係を築いておくというねらいもあるものとみられています」。

 ここでなぜ「ねらい」という語が使われるのか。このような、「有事などの際に迅速に対処できるよう、港湾や空港の状況をあらかじめ把握するとともに、この地域との関係を築いておく」ということは、日本国と多数の日本国民が警戒しておくべき<意図>なのか。<狙い>とあえて形容すべきものなのか。

 NHKの中には紛れもなく<狂った>記者たちがいるようだ。日曜は平日とは別の者が担当しているかどうかなどという仔細は知らない。<米軍>といえば、あるいは<軍隊>といえば(音楽隊であれ)警戒視・危険視しなければならないと単細胞的に考えている(思い込んでいる)<狂人>がいるようだ(但し、中国や北朝鮮の「軍」の行動だと別異に判断する可能性もある。そうだとするとますますもって狂っている)。

 加えて、なぜ、わずか数十人(または十数人かもしれない)の「抗議」行動をあえて映像化して放映したのだろうか。市・県当局の担当者や他の住民の映像はまったくなかった。

 NHK(渋谷)の近くでも、最近に数回は、数千人規模のデモ行進が行われたはずだ。大阪でも行われたらしい(いずれも尖閣諸島問題が契機)。これらの数度にわたる、宮古島ではない大都市部の、かつはるかに大規模な集会・デモの様子を、NHKはすべてについて数秒でも放映したのか??

 こうなると、12日・日曜日の担当者・関係者だけの問題ではなく、NHKという団体全体の問題になるだろう。数千人の規模の集会・デモの無視・軽視と12日の宮古島の「抗議」行動の様子の放映とは、明らかに均衡・公平を失している。少なくとも平等・公正な取扱いがなされていないことは明々白々だ。これでよく、契約締結義務を定める放送法を根拠にして、受信料を徴収し、かつ受信料支払い請求の訴訟を起こすことができるものだ。
 12/12の午後7時台NHKニュースの責任者は、何らかの形で、以上のような感想・疑問・意見に対して答えよ。