秋月瑛二の「憂国」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

軍国主義

1020/国歌斉唱起立条例と日弁連会長・「左翼」宇都宮健児。

 産経新聞7/01付に、いわゆる大阪府国歌斉唱起立条例につき、賛成の百地章と反対の日弁連会長・宇都宮健児のそれぞれの発言が載っている。
 語ったことが正確に文字化されているとすれば、宇都宮健児は、「左翼」週刊紙・週刊金曜日の編集委員を務めていることからも明らかな、明瞭な<左翼>だし、論理・概念も厳密でないところがある。
 ①国歌の起立斉唱を「義務」とすることと「強制」することを同義に用いている部分がある。
 「強制」は行きすぎだ等のかたちで使われることがあるが、「左翼」の使う<強制>概念には注意が必要だ。すなわち、この条例問題に即していうと、条例によって「義務」とすることは、実力をもって起立させ、(口をこじ開けて?)歌わせることを意味するわけではないので、(もともと罰則もないのだが)「強制」概念には含まれないものと考えられる。より悪いまたはより厳しいイメージで対象を把握したうえで批判する(そして同調者を増やす)のは「左翼」活動家の常道だ。
 ②「戦前と同じ国旗国歌だから、軍国主義とか天皇制絶対主義といった社会のあり方と強く結びついている、と考える人もいるし、……」。
 ここでは、宇都宮が「天皇制絶対主義」という語(概念)を何気なく使っていることに注目したい。
 「天皇制絶対主義」とは、講座派マルクス主義(日本共産党ら)による戦前の日本の性格に関する基本認識・基本用語ではないか
 お里が知れる、というか、宇都宮はどういう歴史学を勉強してきたか、どういう歴史認識をもっているかを、はからずも示したものだろう。
 ③「起立・斉唱を強制するということは、その人の思想・良心の自由を侵害することになるから憲法違反ということだ」。
 何という単純な<理屈>だろう。すでに最高裁の三つの小法廷ともで起立・斉唱職務命令の合憲性を肯定する判決が出ており、もう少しは複雑で丁寧な論理を展開しているのだが、宇都宮はこれらの判決を知らないままでこの発言をしているのだろうか。
 といった批判的コメントをしたいが、問題なのは、かかる発言者が、日本弁護士連合会のトップにいる、という怖ろしい事実だ。
 戦前の日本を<天皇制絶対主義>と簡単に言ってのける人物が、弁護士業界のトップにいて、弁護士(会)を代表しているのだ。
 おそらくは長年にわたってそうだが、「弁護士」の世界(・組織)の中枢・最上級部分は「左翼」に握られ続けている。怖ろしいことだ。
 宇都宮は、誰にまたは誰の教科書で憲法を学習して司法試験に合格したのだろう。宮沢俊義だろうか、日本社会党のブレインでもあった小林直樹(かつて東京大学)だろうか。専門法曹、とりわけ弁護士は、特段の(司法試験以外の)勉強をしたり、一般的な本を読んでいないと、自然に少なくとも<何となく左翼>にはなっている。そして、宇都宮健児のごとく、日弁連の会長にまでなる人物も出てくるわけだ。再び書いておこう、怖ろしいことだ。
 ところで、月刊正論8月号(産経)の巻頭の新執筆者・宮崎哲弥は、思い切ったことを書いている。賛成・反対の議論のいずれにも物足りなさ・違和感を感じるとし、次のように言う。
 「いま問われ、論じられるべきは、ズバリ『愛国心を涵養するため、学校で国旗掲揚、国歌斉唱を生徒たちに強制してはならないか』ではないのか」(p.48)。
 日本の国旗国歌の沿革(それがもった歴史)を度外視して一般論としていえば、まさに正論だろう。また、沿革(それがもった歴史)がどうであれ、国会が法律で特定の国歌・国旗を決定している以上は、度外視しなくても、今日、少なくとも公立学校の「生徒たち」への「強制」(この語は厳格なまたはきちんとした「教育」・「指導」・「しつけ」等の別の表現にした方がよいが)がなされても何ら問題はないし、むしろすべきだ、という主張も成り立つ、と考えられる。

-0043/裁判官も戦後「民主主義」・「個人主義」教育を受けた。

 2006年9月21日の東京地裁判決で奇妙に思ったのは、以下。読売朝刊掲載の「要旨」による。
 1.「日の丸、君が代は明治時代以降、第二次世界大戦終了までの間、皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱として用いられたことがあることは…歴史的事実であ」る、
 2.法律上の国旗・国家となった現在でも「価値中立的なものと認められるに至っていない」、
 という2点を、掲揚・斉唱への反対者を保護すべきとする論拠にしていることだ。
 これらは裁判官のいわば「歴史認識」を示している。
 だが、前者については、イギリス、アメリカ、スペイン、フランス等々によるかつてのアジア・アフリカ「侵略」の際に各国の国旗等が用いられたが、これら諸国の公的行事でこうした歴史のゆえに国旗等を忌避する「自由」は認められているのだろうか。
 後者は国会制定法よりも現実を優先する発想だ。
 かかる判決を見るにつけ、裁判官にも「占領軍史観」とか「東京裁判史観」とか「日教組史観」とかいわれる原告たちと同じ「史観」が入り込んでいることに気づく。裁判官たちは、戦後日本の教育のある意味では最も優秀な生徒なのだ。法律(と現実との関係)を勉強ばかりしていれば、日本の戦争・戦後史・国歌・国旗に関する知識が教科書レベルのものにとどまり、常識的感覚からは奇妙な判決も出てしまう。私的生活の範囲内なら別として、公立学校の公的行事に教育公務員の「思想・良心の自由」を認めれば場合によっては掲揚・斉唱の際に教師全員が起立しないことがあってもよいことになるが、それで生徒たちへの公教育責任を果たしたことになるのか、生徒たちに悪影響を与えないと言い切れるのか。
 みの判決は、はしなくも日本の規律と秩序の崩壊傾向、タガのはずれ進行を示す判決になった。むろん、別異に解する判決もある。
 読売は社説で判決に反対、秦郁彦・保阪正康の反対意見、マルクス主義歴史学者・大江志乃夫の賛成意見を掲載。
 産経は「これでは公教育が成り立たない」等と社説で反対。
 朝日は賛成、毎日は「解説」も併せて読むと賛成。この問題でも<国論>は分裂している。
 公立学校の入学式等での国家斉唱の際座り込んだままの入学生がいた場合に「注意」もできないのか。教員の中に起立しない者がいたとして「注意」もできないのか。義務づけと指導では拘束力の有無という差違はあるが、「内心の自由」への介入という点では同じで、「注意」すら本判決だと違憲になりうる。
 何と日本は「自由」で「個人」が尊重された国なのだろう。

ギャラリー
  • 2013/L・コワコフスキ著第三巻第10章第3節①。
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  • 1920/L・コワコフスキ著第三巻第四章第5節。
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  • 1916/S・フィツパトリク・ロシア革命(2017)⑳完。
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  • 1906/NYタイムズ2009.07.20の訃報-L・コワコフスキ。
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  • 1901/Leszek Kolakowski-初代クルーゲ賞受賞者。
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  • 1900/Leszek Kolakowski の写真。
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  • 1811/リチャード・パイプス逝去。
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  • 1809/S・フィツパトリク・ロシア革命(2017)⑧。
  • 1777/スターリン・初期から権力へ-L・コワコフスキ著3巻1章3節。
  • 1767/三全体主義の共通性⑥-R・パイプス別著5章5節。
  • 1734/独裁とトロツキー②-L・コワコフスキ著18章7節。
  • 1723/2017年秋-兵庫県西脇市/大島みち子の故郷。
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