8/21のニュース9で大越健介は冒頭に「人間のすることではない」と言った。そののち家族(遺族)の映像の箇所では「人間の所業ではない」というテロップが下部に出た。「イスラム国」戦闘員によるアメリカ人殺害のニュースに関してだ。
 このように報道することを批判しないが、しかし、気になることがある。
 北朝鮮の有力者だった趙成沢は、「粛清」された。裁判などいう手続を経たに値しない、思想又は政策又は些細な都合による「処刑」として殺害されたのだが、複数の処刑者(軍人)による銃殺で、かつ身体のどの部分か分からなくなるほどの<肉体をバラバラにする>殺害だったとされる。
 この趙成沢「粛清」=殺害の仕方からは、「人間の所業ではない」という感覚が生じる。しかも、「イスラム国」とは異なり国連に加盟しているれっきとした一国家の首脳者=金正恩による、おばの配偶者の<殺害>だ。北朝鮮という国家および独裁者は、「人間のすることではない」ことをしているのではないか。
 大越健介は、あるいはNHKは、趙成沢「処刑」をどう報道したのか。冒頭のアメリカ人殺害が「人間のすることではない」とすれば、趙成沢「処刑」(の仕方)もまた「人間のすることではない」と感じるのが、まともな「人間」の感覚ではないのか。大越健介およびニュース9制作者に問いたい。貴方たちは、まともな「人間」の(公平な)感覚をもっているのか。
 北朝鮮に限らず、中国でも「人間の所業ではない」ことが行われていることは明らかだ。中国や北朝鮮に「優しい」のはいいかげんにしろ、と大越健介やNHKには言いたい。