秋月瑛二の「自由」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

行政手続法

2211/塩野宏・行政法Ⅰ・行政法総論(有斐閣,第6版2015)。

 塩野宏・行政法Ⅰ・行政法総論(有斐閣、初版1991・6版2015)。
 この中に、「行政スタイル」についての、つぎのような叙述がある。
 第6版、p.390以下。第二部・行政上の一般的制度/第5章・「行政情報管理」の中の第3節・「補論」。
 ***
 ・ここで「行政スタイル」とは「行政が私人との関係において行政を遂行する実際上のあり方」といい得る。
 各国にそれぞれの「行政上の法制度」があるように、それぞれの「行政スタイル」がある。
 「法制度」と「行政スタイル」が照応していない、というのも「一つのあり方」だ。
 日本の「行政スタイル」の態様を「厳密に規定する」のは困難だが、「ごく大まかには」、「次のような特徴を備えている」と言えるだろう。
 ・「①」。まず、「行政指導の活用」だ。全行政過程で用いられている。
 「申請-処分の場合」は「申請に至る前段階で」行政指導がなされ(「事前指導」)、これに従った「申請書」だけを「受理」することが「よく行われる」。その間に「返戻」が反復されることもある。
 私人の「違法行為」について行政が「監督上の権限」もつ場合でも、直ちに発動することなく「勧告、警告等のよりマイルドな手法」が用いられる。
 「法律上の監督権限や規制権限がないとき」も、「適切な行政指導」がむしろ要請されることもある。
 ・「②」。日本では「相手方との一定のコンセンサスの下に行政がなされていく」。行政指導は形式上は一方的行為だが、「実務上には」「相手方との交渉の余地を残していることが多い」。交渉結果は「契約ないし申合わせ」ではなく「行政指導という形でまとめられる」。
 ・「③」。かりに不本意でも「一応、相手方の納得」があると、紛争が裁判所に持ち込まれ」ない。日本の「行政訴訟の数は欧米諸国に比較すると極めて小さい」。
 日本の裁判そのものに関係するが、日本の「行政のあり方にもよるものと解される」。
 これに対応して、行政は「訴訟の提起を予想せずになされる」。「行政部内における文書管理が必ずしも十分に整理されていない」こともこれと関係があるだろう。
 ・「④」。このような「行政スタイル」のもとでは、「行政過程は、…、とりわけ局外にある者にとっては不透明である」。「基準」が公表されることもあるが、当事者間でも「文書」によらず、従って「記録として残されていないことも多い」。
 ・「インフォーマルな形式」の行政はどの国にもあって、「複雑な現代の行政需要」に対応するには「必要なこと」だ。しかし、日本では、「インフォーマルな行政活動の比重が極めて大きい」。また、相手方私人・私企業も、「かかる方式になじんできた」。
 ・日本の「行政スタイル」を「一概に前近代的であるとか、パターナリズムの現れであると批判することはできない」。
 「現代行政に必要な柔軟性、機敏性もみられる」。しかし、これに頼りすぎると、相手方だけでなく「国民一般の信頼を失い、紛争をこじらせる」だろう。「行政スタイルも変化していかなければならない」。
 ・行政手続法制、情報公開法制、行政機関個人情報保護法制はそれぞれ、憲法上の根拠・法体系上の位置づけ・具体的機能が異なる。
 「しかし、これらは、…日本の行政スタイルに対して、それぞれの仕方において、変革を迫るものであることに注意しなければならない」。
 ***
 秋月瑛二にはとくに珍しくもない指摘であり、文章だ。しかし、さしあたりはつぎの点で興味深いものがある。
 第一。行政を含む日本「社会」のとくに欧米と比べての遅れ、前近代性は、戦後早くの川島武宜の研究?にも見られるように、しばしば指摘されてきた。ある程度は、明治維新=「近代」革命ではなく、半封建的絶対王制の確立といった、「講座派」ないし日本共産党的歴史観が反映されていたのかもしれない。
 しかし、そのような認識・理解の仕方は<法社会学>は別論として、「法解釈学」を中心とする大方の法学分野では共有する必要はなく、そういう次元での議論に関与しなくとも、大方の法学者たちは「仕事」を継続することができた(もっとも、潜在意識または基礎的感覚として、「進歩的」・「民主的」法学者には重要な意味と機能をもったかも知れない)。
 だが、上の塩野宏の叙述は、行政法学という「法解釈学」を中心とする法学分野の教科書・概説書であるにもかかわらず、「行政スタイル」という観点から、上の論点に立ち入っている。
 もちろん、行政法学のみならず他の「法解釈学」を中心とする大方の法学分野の教科書・概説書を全て見ているわけではないが、行政法学分野に限ったとしてすら、このような指摘または叙述自体が数少ない、あるいは稀少なものだろう。
 第二。単純に前近代的として批判しているのでも、「日本的」として是認しているのでもないことは上のとおりで、柔軟な思考がここでも垣間見える。
 しかしむしろ、「日本的」だとして称賛するのではなく、「変革」が必要である旨が強調されているとも読めることが-行政手続法や情報公開法と関連させてはいるが-、注目に値するだろう。
 第三。「わが国の行政スタイル」について、どのような観点または規準でもって、議論し考察すればよいのか。これはもちろん、法学分野の問題に限らないし、その中の行政法学に固有の問題でもない。
 「わが国」・「日本」という特定は、事の性質上(国民国家の成立ないし「日本」という一国家の存在を前提にすれば)当然だろう。
 上の塩野宏の叙述に出てくるのは、まずは「(行政に関する)法制度」とは必ずしも同一ではない、という当然だが至極重要で適切な前提だ(「インフォーマル」うんぬんも基本的にはこれにかかわる)。他に、「欧米諸国」との対比、「前近代」・「パターナリズム」とは一概には言えないこと、「(複雑な)現代」といった、基本的なタームや論述がある。
 また、「コンセンサス」・「納得」とか、「たとえ不本意なものではあっても」とか、「マイルドな手法」とかの語も出てくる。余計ながら、「こころ」・「意思」は、一部<文学>畑の無知な学者たちが想定している以上にはるかに、社会系学問分野では重要なのだ。
 私には特段の困難なく理解できる(意味・趣旨を判別できる)内容だが、これらを用いた叙述以上にどこまで詳細に書けるかというと、著者にもまた覚束ないところがおそらくあるだろう。
 行政指導についても、多数の判決例が別の箇所で言及されている。最高裁判決を含むそのような諸判決にも触れることなくして、上の主題を全て語ることは不可能だ。
 ***
 戦前からあったわけではないし、戦後すぐに定式化されたわけでもないが、1970年代には法学あるいは行政法学上は「行政指導」は一定の学術上の概念としても用いられてきたと見られる(のちに制定法律上の概念・言葉にもなる)。当然に、議論があり、判決例の蓄積もある。
 そのようなこと自体が広く国民一般、マスメディア従事者等にはほとんど知られていないこともまた、「日本的」かもしれない。
 法的拘束力の有無、一方的か「申請」が必要か、といった関心・観点すら乏しい、少なくとも不十分だ、というのが実態かもしれない。
 行政指導にも法律に根拠があるものとないものもある。法律上の(明文の)根拠がない場合、行政指導を行うことができるのは、憲法上の「行政権」に由来するのか、それとも大臣を含む個々の官署の行政組織法制上列挙されている「所掌事務」にもとづいているのか。
 法律上の(明文の)根拠がなくとも、行政指導に従わない私人(・民間企業)の名前を「公表」することができるのか。その「公表」は<制裁>(「不利益処分」?)か、それとも一般公共ないし国民・住民一般のための<情報提供>か。
 指導・要請と「指示」はどう違うのか。
 ……。……。
 

2183/松下祥子関係文書②-2019年1月23日。

 松下祥子関係文書②-2019年1月23日。
 〔一部、この欄用に曖昧化している。全体はA4用紙2枚で印刷され、空行がある。〕
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 第×部会に関する報告と若干の問題提起〔口頭報告のレジュメ〕
               2019年1月23日 第×部会々長
 はじめに
 12/14第×部会不開催/12/05次長宛て明記の理由は、*1)と*2)。
 *1)で十分として口頭発言して11/22退席。他にも「不信」の理由はあった。

 一 事務局作成の「答申案」のでき具合。
  ①答申案中の審理員意見書の「要旨」*1)-ほぼ丸写しで「要旨」でない。
  法務課長01/10「11/22に『要旨』であると主張したこと、その後すぐに訂正し…御連絡しなかったこと、またそれらのことで**部会長に大変御不快な思いをさせいしまったことに対しまして心よりお詫び申し上げます」。cf. 12/28
  ②関係規定-無確認・不正確あり。
  ③答申案中の本案判断の「理由」-独自性なし。
  cf.法務課長11/22回答文書「僭越ですが、少しでも負担を軽くと…」
  <実際には、審理員意見書+α程度では、むしろ邪魔>
  二答申ともに**が<ゼロから>書き改めている。

 二 部会審理と事務局の役割(・行動)。
   11/09文書の提示の経緯
 昨年01/25-30に(法務課長回答1/10)ネットから印刷し一人しか所持せず。
 但し、「存在」だけは法務課長はずっと既知。
 11/09に部会に初めて「提示」(このときも一人だけ所持)。-3月、10月には?
  cf.法務課長11/22発言「部会への提示等は、自主的判断に任せていた」。
  どこかに「ウソ」がある。*2) ・審査庁との関係
  T主査11/20頃(なぜ出所等の連絡ない?→)「いま審査庁に問い合わせ中でして」。
   一般論
  審理中の、事務局からの(事前了解なしの)資料提出の可否。
  cf. 総務次長01/11発言「そもそもあり得ないこと。それ自体が問題」。?

 三 諮問書(資料含む)のでき具合。
  ①関係規定の提示の仕方・正確さ、②審理員意見書の判断理由、等々。
  ①につき法務課長11/09-「丁寧さを欠く」ことを承認。
  同11/22「決裁済みで変更できない」。
  事務局が関係規定(整理表)を改めて作成できないのか? *3)

 四 部会長の部会(・会)との関係・区別。
  ①原則として部会長の意思は部会の意思ではない。
  ②部会長は部会委員の意思を拘束せず。配布されている答申案文書の処置も。
 法務課長11/22「部会長からの指示がないから(しなかったの)です!」。*4)
  同01/10三事件に関する事務局答申案は「事務局から回収させていただきます」。

 五 その他-○○○の行政不服審査体制。
 ①処分庁弁明書までの期間。8カ月?
  ②審理員意見書までの期間。弁明書-反論の反復、年度末の帳尻合わせ?
  ③諮問までの期間。
 ①原処分庁担当者の資質、
  ②審理員担当者の資質-指名の仕方、
  ③上の二者の<非分離>?、同じ局・課の中の課長補佐どおしが①と②。
 -とくに審理員担当者の行政不服審査法・行政手続法等の無知。
   (○○○行政不服審査会の事務局体制?)
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2176/松下祥子関係文書①-2019年03月20日。

 松下祥子関係資料①。

 退 任 届 /2019年(平成31年)3月20日
 記
 以下に記載の理由により、任期途中ですが、2019年(平成31年)3月19日をもって、***行政不服審査会委員を退任する旨を、真摯かつ明確に意思表示いたします。
 事後処理等を、どうぞよろしくおとりはからい下さい。
 第一。松下祥子・総務部法務課長の、例えば昨年11月以降に「ウソ」を含む文書回答を行った等々の、審査会(同部会を含む)の事務運営にかかる、「人間的感情」を持っていることをも疑問視させるひどさ・拙劣さ。
 第二。阿児和成・総務部次長の、例えば本年1月に見られた、「かたちだけ」詫びつつ部下と「組織」を守ろうとし、当委員の主張や当委員が知って理解している「事情」を可能ながり訊こうともしない姿勢。
 第三。近藤富美子・***総務部法務課課長補佐の、基礎的な「法」的素養と「法」的文書作成能力の欠如。
 第四。***福祉部子ども室家庭支援課(貸付・手当グループ)職員(課長を含む)に見られる、行政不服審査法および行政手続法に関する基礎的「法」的知識・素養の欠如。
 以上。
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