秋月瑛二の「自由」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

菅原道真

2229/史料・資料-神社本庁憲章(一部)。

 神社本庁憲章(一部)。
 一部の太字化は、掲載者。
 ***
 神社本庁憲章/昭和55年5月21日 評議員会議決
 第1条 神社本庁は、伝統を重んじ、祭祀の振興と道義の昂揚を図り、以て大御代の彌栄を祈念し、併せて四海万邦の平安に寄与する。
 第2条 神社本庁は、神宮を本宗と仰ぎ、奉賛の誠を捧げる。
2 <略>
 第3条 神社本庁は、敬神尊皇の教学を興し、その実践綱領を掲げて、神職の養成、研修、及び氏子・崇敬者の教化育成に当る。
 第4条 神社本庁は、総裁を推戴する。
 2 総裁は、神社本庁の名誉を象徴し、表彰を行ふ。
 第5条 神社本庁に統理以下の役員、その他の機関を置く。
 2 統理は、神社本庁を総理し、これを代表する。
 3 <略>
 第6条 祭祀は、報本反始の誠を捧げ、古来の伝統と、別に定める制規に従って厳修する。
 第7条 神社本庁は、幣帛促進の伝統を重んじ、神社に本庁幣を献ずる。
 第8条 神社は、神祇を奉斎し、祭祀を行ひ、祭神の神徳を広め、以て皇運の隆盛と氏子・崇敬者等の繁栄を祈念することを本義とする。
 2 霊代の神聖は、厳に護持しなければならない。
 3以下<略>
 第11条 神職は、ひたすら神明に奉仕し、祭祀を厳修し、常に神威の発揚に努め、氏子・崇敬者の教化育成に当ることを使命とする。
 2以下<略>
 <以下、略>
 出所-神社本庁総合研究所監修・戦後の神社・神道-歴史と課題-(神社新報社、2012年2月)
 ***
 さしあたりの感想・コメント。
 第一。「大御代の彌栄を祈念」(1条)、「敬神尊皇」(3条)。「皇運の隆盛」(8条1項)。つまり、<天皇・皇室>を崇敬・尊重する、ということが明記されている。やや失礼かもしれないが、神社本庁系神社=「神道」・「天皇」教なのだ。8条1項によると氏子・崇敬者よりも「皇運」は優先するごときだ。
 第二。「神社本庁は、神宮を本宗と仰ぎ」。厳密な意味を問題にする余地はあろうが、「神宮」=<伊勢神宮>(そして内宮の祭神は<天照大御神>)が「本宗」と明記されている。
 歴史的・由緒的にはアマテラスではなくスサノヲ・大国主命系の神を主祭神とする神社も多く、かつまた稲荷神社系、八幡系(応神天皇・神功皇后)、天神・天満系(菅原道真)もあり、日吉・日枝系(日吉大社、日枝神社等)もあるが、神社本庁を「包括法人」としているかぎりは、「本宗」は、伊勢神宮=アマテラス系だ、とされている。したがって、「天皇・皇室」との縁が遠いと思われる神社も、神社本庁系あるいは「神社神道」であるかぎりは、<世界で最古の王朝・日本の皇室>などというノボリを立てたり、看板を立てたり、冊子を頒布していることになる(神社本庁から配布されたのだろう)。
 

0577/憲法学者・樋口陽一のデマ5-神道は多神の「自然信仰」。

 憲法研究者の多くは、日本国憲法上の政教分離原則に関して、津地鎮祭訴訟最高裁判決が示した<目的効果基準>を説明し、その後の諸判決が事案の差違に応じてどのようにこの一般論を厳格にあるいは緩やかに適用しているかを分析したりするのに忙しいようだが、そもそも政教分離関係訴訟で問題になることの多い-それ自体から訴訟の提起の「政治」性も感じるのだが-<神道>なるものについて、いかほどの知見を有しているのだろうか。
 樋口陽一・個人と国家―今なぜ立憲主義か(集英社新書、2000)には、神道に関する次のような叙述がある(p.147)。
 ①明治政府は天皇・皇室を「社会の基軸」にしたかったが、「後ろ楯になる権威」がなかった。「そこでつくられたのが、国家神道」だ。
 ②「神道といっても、日本の従来の神道というのは多神教で、山の神様があったり、川の神様があったり、お稲荷さんがあったり、つまり自然信仰でしょう」。
 ③神道は「そのままでは皇室を支えるイデオロギーになりそうもない」。それで、「従来の自然信仰の神道」を「国家神道として再編成」した。
 神道に関する知識の多さ・深さについて自慢できるほどのものは全く持っていないが、その私でも、とくに上の②には驚愕した。
 神道=「自然信仰」だって?? このことが上の③の前提になっている。
 たしかに「自然」物を祭神とする神社もある(代表例、奈良県の大神神社)。また、基礎的には<太陽>こそが神道の究極の崇敬・祭祀の対象だったと思えなくもないし(素人談義なので許されたい)、その他の自然(・自然現象)に<神>を感じてきたことも事実だろう。それが日本人の<心性>だ。
 だが、絶対に神道=「自然信仰」と=で結ぶことはできないことは、常識的なことで、日本国民のほとんどが知っていることではないか。
 第一に、神道は皇室の祖先をも皇祖神として<神>と見なしている。記紀の<神代>との言葉ですでに示されているかも知れない。代表的には、現在の天皇・皇室の皇祖とされる天照大御神こそが<信仰>等の対象であり、<八幡さん>で知られる応神天皇も、神功皇后も、現在の天皇・皇室の祖先であり、かつかなり多くの神社の祭神とされている(樋口陽一は、知っている神社の祭神を調べて見ればよいだろう)。
 第二に、現在の天皇・皇室の祖先とされているかは明瞭ではないが、記紀に出てくる多数の<神>を祭神とする神社も少なくない。なお、各神社の祭神は、通常は複数だ。
 第三に、皇室関係者以外の<傑出した>人物が祭神とされ、<信仰>等の対象になっている場合がある。
 天満宮(天神さん)は菅原道真を祀る(怨霊信仰と結びついているとも言われる)。日光東照宮は徳川家康を神として祀る(「東照」という語は「天照」を意識しているとも言われる)。豊臣秀吉を祀る豊国神社もある。
 念のためにいうが、以上は、すでに江戸時代以前に存在したことで、「国家神道」化以降のことではない。
 神道における又は日本語としての「神(カミ)」とは<何か優れたものを持つもの>又は<何か特別なことをすることができるもの>とも理解されているらしい(本居宣長の説だっただろうか。何で読んだかの記憶は不明瞭だが、井沢元彦も何かに書いていた)。
 というわけで、さしあたり<神社神道>に限っても、樋口陽一の、神道は、山も川も神様とする多神教の「自然信仰」だ、という理解は明らかに誤っており、完全な<デマ>だ
 神道の理解がこの程度だと、かつての国家神道についても、現在まで続く天皇制度の由来・歴史についても、<宮中祭祀>(神道による)についても、不十分な、かつ誤った知識を持っている可能性が高い。この程度の前提的知識しかなくて、よくも憲法上の政教分離原則について滔々と?語れるものだ。この点に限られないが、ちょっとした知識・知見で大胆なことを断言する樋口陽一の「心臓」には驚くことが多い。
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