〇8/15の朝番組について、同日のこの欄で、テレビ朝日の坪井直樹らしきキャスターの発言を批判的に取りあげたが、正しくは朝日放送の浦川泰幸の「おはよう朝日です」内での発言だった。坪井直樹氏にはお詫び申し上げる。ほとんど見たことのない番組だったので(朝日系は原則として観ない)、キャスターの氏名になじみがなかった。異例だが、8/15の書き込みの名前をこのあとで「浦川泰幸」に改める。
 しかし、もちろん、発言内容に関する批判的コメントを改めるつもりはない。

 浦川泰幸、1971年5月生まれ、立命館大学経済学部卒。出身大学・学部と先日の発言とに直接の関係はないだろうが、立命館大学とは「リベラルな」末川博のもとで戦後、容日本共産党の「左翼」教授たちを集めてきた大学。1970年前後の学生「紛争」時代、すべての学生自治会の主導権・執行部を「全共闘」系ではなく、日本共産党・民青同盟系学生が握っていたことでも知られる。少なくともかつては、同大学経済学部は日本共産党系マルクス主義経済学者でほとんどを占めていたものと推測される。

 現在でも上記のような雰囲気は残っているはずなので、浦川泰幸は「何となく」その影響を受けた可能性がある。そうでなくとも、朝日放送に入社以来、おそらくは毎朝・毎夕に朝日新聞を読んで、「朝日」的感覚と「朝日」的歴史認識を身につけたのだろう。そうでないと、原稿を読むでもない、先だって記したような発言を早口で一気に喋ることができるはずがないと思われる。

 〇やや古いが、今年5/03付朝日新聞朝刊に「女性は戦争への道を許さず、憲法9条を守ります」と大書した、一面全体を使った「意見広告」が掲載されている。
 この意見広告の呼びかけ人は、雨宮処凜、澤地久枝、湯川れい子、田中優子(法政大学教授)ら。
 目を惹いたのは、「第一次賛同人」として氏名が小さく書かれている102人の中に、「吉永小百合(俳優)」とあることだ。
 岩波書店の護憲派のブックレット類に文章を寄せている吉永小百合だから「左翼」的だろうと思っていたが、この意見広告の「事務局団体」の列挙を観ていると、呼びかけ人や賛同者は日本共産党系または日本共産党とは対立していない、(立命館大学教員と同様に?)<容日本共産党>の女性たちであることが分かる。
 事務局団体のうち「自由法曹団女性部」、「新日本婦人の会」が日本共産党系(幹部は党員だろう)であることは知っていた。その他を少し調べてみると、「全国労働組合総連合(女性部)」とは民主党系のいわゆる<連合>とは異なる日本共産党系の<全労連>のこと、「日本婦人団体連合会」とは新日本婦人の会などが加入しているやはり日本共産党系とみられる全国的連合団体。その他は省略するが、「左翼」の中には非または反・日本共産党系の者たちも存在するところ、この意見広告は日本共産党系の女性たちのものであり、その中に吉永小百合も明記されている。俳優または女優と注記があるのは10名もいないにもかかわらずだ。

 将来に現憲法9条2項の改正が現実的な政治的・国民的争点になるとき、「国民的女優」・吉永小百合は積極的にか利用されてか、改憲反対(護憲)の主張者として、ある程度の影響力を持ってしまう可能性がある。「国民的女優」ぶりはJR東日本の宣伝キャラクターとして活躍し?、ある程度大きな同区域の駅の構内には吉永小百合の顔のポスターが目に付くことでも示されている。
 いざとなれば「国民的映画監督」・山田洋次も、同様の役割を果たす可能性がある。NHKは<山田洋次監督が選んだ…日本映画>とやらを連続放映していたが、わざわざ「山田洋次監督が選んだ」と題するところに、NHKらしさがあるとも言える。
 改憲派、憲法九条2項改正派は、吉永小百合や山田洋次等に対抗できる「国民的」俳優・映画監督を自分たちの仲間に含めているのかどうか、気になる。
 日本共産党系発言者としての吉永小百合の活動を封じる必要がある。