秋月瑛二の「自由」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

自民党新憲法草案

0137/自民党新憲法草案は同党の「最終」案である筈がない。

 安倍晋三首相はカイロでの記者会見で、自民党の新憲法草案について、二次案を作る考えはあるか等の記者(所属は不知)の質問に答えて、<我々はもうすでに案を持っており、それを示すのであり、二次案などは考えていない>との返答をした。生で見ていた際の私の記憶による。正確には、「自民党の新憲法草案を基本に与党、全党で国民的な議論をしていきたい。第2次案の作成はまったく考えていない」と述べたようだ。
 そのときも感じたのは、参院選に向けてはたしかに現在の案しかなくそれを自民党案として示し「国民的な議論」の対象にしてもらうしかないが、最終的な発議や国民投票は早くても4-5年先なので、それまでに<より良い>第二次案、第三次案を考えていけばいいのではないか、現在のものを最終案の如く理解する(その旨自民党総裁たる安倍首相が言明する)必要はないのではないか、ということだった。
 たしかに現在の草案でも党内で相当の複雑な過程を経たもので、それなりの重みが十分にあるのだろう。だが、別の国会議員グループ(民主党議員を含む)はより<保守色>な前文を含む改正要綱を作って5/03に発表した。個人的には、私にだって述べておきたい意見がある。また、2/3以上の賛成を得るためには、この改正要綱とは異なる方向で、または別の点で、現在よりも<譲歩>する政治的判断が必要となることも考えられよう。
 可能ならば、民間憲法臨調の5/03の会合で櫻井よしこや遠藤浩一拓大教授らが話題にしたようだが、「改正の名に値する改正が肝心だ」し、安倍自民党の「保守らしさ」のある改正がむろん望ましい。しかし、国会各院の2/3以上の議員の賛成を獲得できないことには改正発議もできないのだ。
 まだ政治情勢や、各院の議席配分がどうなるかは明瞭ではない。表向きの言い方はともかくとしても、現在の自民党草案がさらに<改正>されるべきなのは当たり前のことと思えるのだが。

0132/日本語条文の日本人大学教員による読み方の(政治的)「悪例」。

 第8章 地方自治
 第91条の2(地方自治の本旨)
 ① 地方自治は、住民の参画を基本とし、住民に身近な行政を自主的、自立的かつ総合的に実施することを旨として行う。
 ② 住民は、その属する地方自治体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し、その負担を公正に分任する義務を負う。
 第91条の3(地方自治体の種類等)
 ① 地方自治体は、基礎地方自治体及びこれを包括し、補完する広域地方自治体とする。
 ② 地方自治体の組織及び運営に関する基本的事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律で定める。
 第92条(国及び地方自治体の相互の協力)
 国及び地方自治体は、地方自治の本旨に基づき、適切な役割分担を踏まえて、相互に協力しなければならない。
 第93条(地方自治体の機関及び直接選挙)
 ① 地方自治体には、法律の定めるところにより、条例その他重要事項を議決する機関として、議会を設置する。
 ② 地方自治体の長、議会の議員及び法律の定めるその他の公務員は、当該地方自治体の住民が、直接選挙する。
 第94条(地方自治体の権能)
 地方自治体は、その事務を処理する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。
 第94条の2(地方自治体の財務及び国の財政措置)
 ① 地方自治体の経費は、その分担する役割及び責任に応じ、条例の定めるところにより課する地方税のほか、当該地方自治体が自主的に使途を定めることができる財産をもってその財源に充てることを基本とする。
 ② 国は、地方自治の本旨及び前項の趣旨に基づき、地方自治体の行うべき役務の提供が確保されるよう、法律の定めるところにより、必要な財政上の措置を講ずる。
 ③ 第83条第2項の規定は、地方自治について準用する。

 長く引用したが、これは自民党新憲法草案の<地方自治>に関する章(第八章は現行と同じ、95条は削除。枝番号付きの条項は新設)だ。これらに関するコメント・感想を述べたいのではない。
 この案を見て、市販の本の中で次のように語
っている大学教員がいるのだ。
 「草案の『地方自治』に関する条文から読み取れるのは『教育の財政責任はすべて地方自治体にある』ということ。…地域による教育格差が広がることは否めません」。
 上の草案条項のどこから、かかることが「読み取れる」のだろうか。「教育」経費につき第94条の2①(第一項)のみを見て、②(第二項)「国は、…法律の定めるところにより、必要な財政上の措置を講ずる」等の他の条項は全く見ていないことは明らかだ。
 悪意を持って見れば、ふつうの?花も毒と棘を持っているように「歪んで」見えてしまう好例だ。日本語文の悪しき(全体を見ない)読み方の典型なので、学校の国語の時間や文章読解の時間に(あるいは大学・教育学部の「国語」に関する科目の時間に)「悪い実例」として利用すればいいのではないだろうか。
 上のように「読み取れる」としたのは、前回言及の、新潟大学・世取山洋介別冊宝島1421の日本国憲法特集p.106にちゃんと載っている。
 ついでにこの本(ムック)のさらに若干のものを見てみたのだが、後藤武士「日本一人権を制限されている人」(p.100-)は、天皇陛下にはほとんどの人権が認められていないことを気の毒がっており、じつは天皇制度を無くしたらどうかと示唆していると「読める」<気味の悪い>一文。憲法学者のようである日笠完治による「Q&A入門・日本国憲法」は、10年前でもありそうな、護憲派による陳腐な憲法の説明だった。

ギャラリー
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  • 2085/平川祐弘・新潮45/2017年8月号②。
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  • 1920/L・コワコフスキ著第三巻第四章第5節。
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