朝日新聞4/01社説のタイトルは、「恥を知る-日本の美徳はどこへ」。完璧にブラック・ジヨーク、悪い冗談だろう。朝日は「恥を知る」新聞社なのか? また、「日本の美徳」という語をこの新聞が使うこと自体笑いたいが、「日本の美徳」を率先して貶し、破壊してきたのは朝日新聞そのものではないか。バカも休み休み言い給え。
 ところで、内容自体もヒドいらしい。
 同社説は城山三郎氏の「大正から昭和初期を舞台に、新興商社鈴木商店の盛衰を描いた」「鼠(ねずみ)」という小説に言及し、「大番頭だった金子直吉」は、「近衛首相は、内閣参議に推した」のだが、「米買い占め」による「昭和二年のパニックを起こした元凶」だったとして「固辞しつづけた」とする。そして、「「恥」の大きさに潔く向き合」った金子直吉を高く評価し、それに比べて、松岡農林水産相は、安倍首相は、とつなげている。タイトルが「恥を知る」であるわけだ。
 ところが、himajinさんのブログ・エントリー(http://himazin.iza.ne.jp/blog/entry/143946/)に従ってWikipediaを確認すると、朝日新聞の「歴史」の箇所にたしかにこう書かれてある。
 朝日新聞は
大正デモクラシー期には憲政擁護運動の一角を担い桂太郎内閣を批判。寺内正毅内閣期には、同内閣だけでなく、鈴木商店を米の買い占めを行っている悪徳業者であると攻撃して米騒動を煽り、鈴木商店は焼き討ちにあった(白虹事件を参照)。しかしこの事件を再調査した城山三郎によれば、当時、鈴木商店が米を買い占めていた事実はなく、焼き討ちは大阪朝日新聞が事実無根の捏造報道を行ったことによる「風評被害」で、鈴木商店と対立していた三井と朝日の「共同謀議」という仮説を立てている」。
 つまり、朝日社説が援用した城山三郎氏の上の小説は、「
鈴木商店が米を買い占めていた事実」を否定し、「大阪朝日新聞が事実無根の捏造報道」をしたためにパニックが生じた、と城山氏は理解している、というわけだ。
 上の小説を確かめないと断定的なことは言えないが、上のWikiの解説が正しい又は適切だとすると、朝日4/01社説は、この小説をきちんと読まないで、ヤブ蛇なことを書いた、自ら墓穴を掘った、ということになる。
 朝日社説の最後にはこうある。-「日本を愛してやまないお二人には、ぜひとも「恥」の感覚を思い出していただきたい。」
 こう返したい。<日本を愛していない朝日新聞も、ぜひとも「恥」の感覚を思い出していただきたい>。これでは丁寧すぎる。<恥を知れ!>だ。