秋月瑛二の「自由」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

窪島誠一郎

2560/左翼人士—参院選前に共産党に期待する53名。

 2022年6月7日(火)の「しんぶん赤旗電子版」。
 「共産党躍進に期待します」というメッセージを「各界著名53氏」が寄せている。
 もちろんこの中にれっきとした党員はいるだろう。
 証明はできないが、浜矩子、甲斐道太郎はそうではないか。
 近年の常連の内田樹は、いつかその主張を書物等で読んで、分析してみたい。
 それにしても、例えば1970年代、1980年代と比べて、共産党支持・推薦の「各界著名」人は<小粒>になったものだ
 松本清張、水上勉もかつてはいた(下に出てくる窪島誠一郎は実子)。有馬頼義の名もあったような気がする。
 国民的映画監督の山田洋次の名が、いつの間にか消えている。
 もっと前は、芦川いづみという女優の名があったかもしれない。
 演劇界の大物、滝沢修や杉村春子の名もあった。
 下に出てくる「日蓮宗本立寺」や「真言宗泉蔵院」というのは何処にあるのか知らないが、かつては京都・清水寺の老「貫主」の名もあった。
 選挙前のこうした報道や選挙用冊子・ビラで日本共産党「応援団」の氏名をたどっていくと、この政党の「栄枯盛衰」もある程度分かるかもしれない。
 ついでながら、白井聡が名を出しているのは、どういう「趣味」だろう。レーニン主義者、反・反共主義者だから不思議ではないが、名を出せるほどの人物なのか。
 ——
 嵐圭史(俳優)、安斎育郎(立命館大学名誉教授)、池田香代子(翻訳家)、池辺晋一郎(作曲家)、石川文洋(報道写真家)、井上麻矢(こまつ座 代表取締役)、いまむらいづみ(女優)、鵜澤秀行(俳優)、内田樹(神戸女学院大学名誉教授)、宇都宮健児(弁護士、日本弁護士連合会元会長)、浦添嘉徳(日本勤労者山岳連盟会長)、遠藤教温(日蓮宗本立寺住職)、大野晃(スポーツジャーナリスト)、大原穣子(方言指導)、岡崎晃(日本キリスト教団牧師)、岡野八代(同志社大学教員)、小川典子(ピアニスト)、奥田靖二(淺川金刀比羅神社宮司)、尾畑文正(真宗大谷派僧侶)、甲斐道太郎(大阪市立大学名誉教授)、北村公秀(真言宗泉蔵院住職)、清末愛砂(室蘭工業大学教授)、窪島誠一郎(作家)、古謝美佐子(沖縄民謡歌手)、小林秀一(プロボクシング元日本チャンピオン)、小松泰信(岡山大学名誉教授)、沢田昭二(名古屋大学名誉教授)、ジェームス三木(脚本家)、島田雅彦(作家)、白井聡(政治学者)、鈴木宣弘(東京大学教授)、鈴木瑞穂(俳優)、高口里純(漫画家)、竹澤團七(文楽三味線奏者)、立川談四楼(落語家)、立川談之助(落語家、立川流真打)、土橋亨(映画監督)、中原道夫(詩人、日本ペンクラブ会員)、西川信廣(演出家)、浜矩子(同志社大学教授)、二見伸明(元公明党副委員長)、堀尾輝久(東京大学名誉教授)、本田由紀(東京大学教授)、本間愼(元フェリス女学院大学長、東京農工大学名誉教授)、前田哲男(ジャーナリスト)、増田善信(気象学者)、松井朝子(パントマイミスト)、松野迅(ヴァイオリニスト)、松元ヒロ(コメディアン)、松本由理子(ちひろ美術館・東京元副館長)、山崎龍明(浄土真宗本願寺派僧侶)、山中恒(作家)、山家悠紀夫(暮らしと経済研究室主宰)。
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0231/文藝春秋の元編集者は「ウソ」を書いてはいないか。

 延吉実・司馬遼太郎とその時代/戦中篇同・-戦後篇(青弓社、2002、2003)という本がある。著者は戦後篇の奥付によると本名・藤田佳信、1950年生れ、早稲田大学社会科学部卒、藍野学院短期大学助教授、専攻・英米文学・比較文学。
 上のうち戦後篇p.27、p.138-9、p.202-226には、司馬遼太郎の「私事」が書かれている。最大の驚きは、司馬にはみどり夫人の前に婚姻関係にあった女性がいて、実子(男性)もいる、という事実の指摘だ。
 再読してみると、月刊誌・噂の真相1998年6月号で「…司馬遼太郎が歴史から抹殺した私生活の過去」とのタイトルで「暴露」されたというから(p.138)、<知る人ぞ知る>話なのかもしれない。だが、私は知らなかったし、司馬遼太郎全集も含めて、公式の?司馬の履歴には一切書かれていない。
 真相探索というミステリー的興味をそそらないわけではないが、一方で何故こんなに詮索するのかという気分も湧いてきて、読んで楽しいものではない。だが、延吉著に依ってもう少し細かく書くと、司馬の「年譜」には1959年1月に「…みどりと結婚」とあるが、1948年5月に産経新聞社(京都支局)に入社後、1949年(26歳になる年)に某女性(個人名の記載があるが省略)と結婚し左京区某地(同)に借家住まいし、男子(個人名は書かれていない)をもうけた後1952年に守口市に転居し、離婚した(p.204。司馬は大阪からずっと通勤だったとして京都居住の事実を語ったことはないという)。なお、その頃(1952年)大阪本社に転勤、1959年(36歳の年)に再婚、ということになる。
 延吉実の指摘をふまえて、短篇「白い歓喜天」も読んでみた。司馬遼太郎全集には登載されていないが、司馬遼太郎短篇全集第二巻(文藝春秋、2005)p.141以下に収載されている。なお、「白い歓喜天」を含む同名の短編集は1958年(司馬35歳の年)刊行だが、この小説は1948-49年頃(司馬25-26歳)の執筆らしい。
 そしてなるほど、この作品はたぶん、結婚経験がないと書けないものではないか、と私は感じた。結婚経験がなければ、「七年間も続いたあの退屈な結婚生活」とか「妻と自分の不幸が身のうちを腐らせてゆくように思えた」などの文を含む小説はなかったように私にも思える。但し、「白い歓喜天」が司馬の結婚生活そのままであったのではないことは勿論だろう。あくまで「小説」・「創作」なのだから。
 水上勉(1919-2004)は貧苦のために別れた最初の妻との間に子どもがいたことも隠してはいなかった。その子どもとのちに、最初は実子とは気づかないまま、つまり成人した窪島誠一郎とのちに出逢うという実話は、水上勉の人生そのものの如く感動的なものだった。だからといって司馬遼太郎を貶めるつもりは全くなく、彼は「私事」を知られたくなかった、それを厳格に終生貫いた(いや貫こうとした)のであり、そうした考え方を非難することは勿論できない。ましてや、司馬遼太郎の多数の小説の価値に影響があるわけでは全くない。
 ところで、前回言及した半藤一利・清張さんと司馬さん(文春文庫、2005)には、司馬の上のような「私事」には全く触れていない。元文藝春秋社編集者の和田宏・司馬遼太郎という人(文春新書、2004.10)も半藤著と同じく延吉著(2003.09)より後に刊行されているが、同じく論及はない。むしろ後者の和田の本が「はじめに」でこう書いているのが目を惹いた。
 「編集者に守秘義務があるとしたら、その作家にとってマイナスになるイメージを提示することだろう。それは男女関係であったり…さまざまであろうが、…私は司馬さんについてそのようなことはなにも知らない。というよりそんな噂も聞かない。…陰で声をひそめて話さなければならないことなど、少なくとも私は持たない」(p.5)。
 これを読んでやや奇異な感に打たれた。出版業界に生きた人が、半藤もそうだが、上に言及の雑誌・噂の真相の記事やすでに発刊されていた(タイトルに「司馬遼太郎」をずばり含む)延吉実の著書の存在を本当に全く知らなかったのだろうか
 かりにだが、雑誌「噂の真相」や「青弓社」の出版物程度なら多くの一般読者をゴマカせると考えていたとすれば、「大手」の文藝春秋社関係者の傲慢だとも思える。
 上に「かりにだが」と書いたが、おそらく、半藤や和田は<噂>があること、その<噂>は真実らしいことに気づいていたのではなかろうか(だが、たぶん、司馬本人の前で話題にしたりはしなかったのだろう)。だとすると、上の和田宏の文章は「ウソ」だと思われる。上のような話題の文章をわざわざ書いたために、「ウソ」をつかざるを得なくなったのだ。司馬遼太郎個人のことよりも、むしろこちらの方がはるかに気になる。
 社会的には些細なことかもしれないが、文藝春秋という出版社は好みであるにもかかわらず、元編集者の和田宏は信用できない。別の意味で信頼できない面が同じく同社の元編集者の半藤一利にあることは、前回に述べた。

ギャラリー
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