秋月瑛二の「自由」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

社会保険庁

0319/泥棒の巣-社会保険庁。

 社保庁職員による着服あるいは横領は、たまたま公務員としての不適格者が多かった、では済ませられない。また、「たまたま」でもないだろう。
 「犯罪者」のすべてが少なくともかつて、上部団体を自治労とする組合員だったとは言わないが、組合員もいたに違いなく、かつ組合の幹部がおそるべき実態をいっさい知らなかったとは考え難い。
 反(資本主義的)権力・反「保守」権力者たちにとっては、政治と行政が円滑に効率よく、国民のために機能してもらっては困る。年金制度が問題なく、あるいは問題ができるだけ少ないままで運営されては困る。自由主義・「保守」主義の政治・行政を混乱させ、麻痺させ、自由主義・「保守」主義では困るとの印象を国民大衆に与える必要があるのだ。そうした<社会主義>幻想の尻尾を残した反権力・反資本主義国家「主義」のためならば、総計数億円が国庫から消えたところで、何の痛痒も感じない。そうした確信犯的「犯罪者」や知らぬ振りをした組合幹部がいたはずだ。
 国家組織内に巣くう「白蟻」。当然にすみやかに駆除し、かつ刑罰という制裁を課す必要がある。金額が微少だとかの理由で告発もされずまだ公務員の身分を持っている者がいるだろうと思うが、将来の日本年金機構に採用されてはならないのは当然のことだ。  --------  メモ-サピオ8/22・9/05合併号の共産党特集を読んだ。

0253/日本年金機構は独立行政法人か「特殊法人」か。

 昨夜というより今朝の「朝まで生テレビ」を見ていたら、社会保険庁解体後の日本年金機構の性格について、与党系議員は非公務員型の独立行政法人だといい、野党議員(とくに民主党)は厚生労働大臣は<特殊法人>だと答弁した、と対立していた。
 この議論はあまり生産的でない。6/26に私は非公務員型の「独立行政法人だろう」と既に書いたが、与党系議員(片山さつきら)の発言を聞いていると、これでたぶん間違いない(成立した法律全文を見れば容易に分かる筈だが容易に電子情報で発見できなかった)。
 この「独立行政法人」は独立行政法人通則法にもとづくもので概念と範囲が形式的に明瞭だが、一方の「特殊法人」となると、これは(総務省の所掌事務に関する定めに出てくるが)明確な法制上の概念ではない。独立行政法人という新しい特別の行政法人形態ができたために、これを除いて用いることもあるだろうが、独立行政法人も国・地方公共団体や純然たる民商法上の法人とは異なる「特殊な」法人であることに変わらない。
 従って、大臣答弁は含めていれば誤りとはいえない(含めていないものとして答弁したとすれば与党系議員の発言を前提とするかぎり誤りで、訂正が必要だ)。
 というわけで、それぞれの意味・範囲を明確にしないと「独立行政法人」か「特殊法人」かの議論は殆ど無意味だ。
 新聞の朝刊では「公法人」とのみ記している(たしか読売と産経はこうだった)。この「公法人」概念も曖昧又は広すぎる概念だ。純然たる民商法上の法人以外のものは全て入ってしまう可能性が高い。
 どちらにせよ、政治家もマスコミも、法制又は制度に関する基礎概念についての十分な理解のないまま発言し、記事を書いているきらいがあるのではないか。
 社会保険庁職員に関するかつての「地方事務官」制度について、きちんと説明していた新聞記事はあったのだろうか。
 さらにいえば、戦後2000年4月まで続いた「機関委任事務」制度について、新聞を含むマスコミの記者たちはいかほどの基礎知識をもっていたのだろうか。
 表面的な<政争>ばかりに目を奪われて、制度の実質的内容にかかわる記事が書かれないようだと、本当は与党(又は内閣)・野党どちらがよりよい法案を提出しているかを国民が判断することができない。
 むつかしいことを書いても一般国民に理解できないと考えているとすれば一般国民を馬鹿にしているし、自分たちの勉強不足の言い訳をしているにすぎないとも言えるだろう。
 珍しく見た今朝の番組(日テレ/読売)で、竹中平蔵が年金問題はじつは<労働問題>だと発言していた。
 社会保険庁の職員全員をいったん解雇し、新しく上記機構に採用する過程で、意識的・組織的にサボタージュやミスをしたような者は排除していく必要がある。今般成立した社会保険庁→年金機構法は、そのような意図を明瞭にもつ、安倍内閣らしい法律だ。

0247/社保庁職員の自爆戦術-屋山太郎の二つの文。

 屋山太郎産経新聞6/22「正論」欄「社保庁問題は国鉄問題にそっくり」月刊WiLL8月号「旧国鉄解体よりひどい社保庁労使国賊論」を読むと、いろいろと確認できるとともに、いろいろと想像したくなる。
 まず、6/13に社会保険庁職員は国家公務員だが都道府県知事の指揮監督をうける「地方事務官」でなくなった2000年4月以降も今年2007年4月までは自治労に所属していた旨を示唆したが、現在は「全国社会保険職員労働組合」(1万1千人)として自治労から離れたこと(他に日本共産党系「全厚生労働組合」に社会保険庁職員二千人がいること)が明記されている(後者のp.34)。いずれにせよ、今年4月までは国家公務員でありながら自治労傘下の組合(「自治労国費協議会」)員だったわけだ。
 屋山の前者によると、1973年に国労の富塚三夫書記長(のち日本社会党国会議員)はストをうつ覚悟について「国鉄が円滑に機能しないことは国の力を弱め、資本主義を崩壊させるのに役立つ」と述べたらしい。
 屋山が言うように、「社保庁自治労が同じ動機で仕事をサボっていたのは想像に難くない」。
 つまり、仕事をまともにしないことによって国家や政府に打撃を与えること、社会保険事務を「円滑に機能させないことによって国の力を弱め」ることくらいは、旧日本社会党系の労組幹部なら考えていて不思議ではないと思われる。
 しかも、仕事をたんに遅らせるだけではなく、間違って事務処理をした例やその結果が多数報道されているが、それらには、公務員もミスをすることがある、というだけでは絶対に済まない、<組織的>な動きがあったのではないか、と私は想像してしまう。
 社会保険庁の職員の仕事が完全に多数の個々の職員の責任に任されていたわけではなく、職制の詳細はよく知らないが、係長、課長等がいて、遅れや間違いがあることはある程度は職場内で公然の秘密になっていたのではなかろうか。そうした不正を糺さなかった中間「管理」職は、むしろ意識的に<見逃して>きたのではなかろうか。
 地方事務官時代は職務の指揮監督権は都道府県知事にあっても任免・懲戒権は厚生大臣又は各地方の局長にあったものと推測している。所謂キャリアとして本庁と地方を頻繁に往復している公務員は殆ど?(あまり?)知らないところで、<反国家=(当然に)反国民>の、サボタージュと意識的なミスの運動が「しずかに」行われていたのではなかろうか。怖ろしいことだが、そんな想像をしてしまう。
 社会主義神話・幻想がまだ残っていれば、あるいは残っていなくとも反国家・反政府・反資本主義の気分が残っている組合であれば、また、社会保険事務所では懲戒権を伴う上司・上級行政機関の適切な監視と督励が十分に働きにくかったとすれば(←地方事務官制度の問題点)、上のような「組織的」サボタージュとミスもありえたのではないか。
 屋山の上の後者はまた、次のようなことを書いている。
 三年前の参院選前に社会保険庁のポスターに江角マキコが起用されたが彼女が年金掛金を払っていないとの情報が出て、自民党政治家の未払いが問題になり、小泉首相自身も問題にされて「人生いろいろ」とか言い、民主党・菅直人が<未納三兄弟>と揶揄したが、のち菅自身の未納が明らかになって菅は代表を辞任した。そして、「民主党応援のために未納を暴いたのが自治労系菅を暴いたのが共産党系ではないかといわれた」(p.35)。
 最後の部分に確証はないようだが、いろいろな<情報>の流出が、三年前と同様に?(今後も参院選投票日まで)政治的意図をもってなされてきたし、なされるだろう、と見ておいてよいだろう。屋山によれば、「選挙や国会審議をにらんで事件が作為的に、政治的に起こされているとしかいいようがない」ということになる。
 社会保険庁を与党は「日本年金機構」という非公務員型の組織(独立行政法人の一つだろう)にして六分割し、いったん全員を免職したのちにその一部(又は多数?)の「良質の人材」を新たに採用しようとしている。
 屋山の後者は言う、「こういう組織の存亡に直面して社保庁職員が繰り出した手段が、自爆戦術ともいうべき五千万件の記録漏れを暴くという手段だったのではないか」、と(p.36)。
 本当にそうだったとすれば(可能性はむろんある)、表向きはいちおうどちらかといえば平穏な日本でも、<政治>が、<権謀術策>が渦巻いている。いや、改めて言うほどのものではないか…。
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