読売新聞10月27日付に、特定商取引法により「サンライズコーポレイション」に対し特定浄水器販売業務の6月間停止命令等が発せられた旨の小さい記事があった。
 各自治体の消費者保護条例による停止命令・改善命令等はきわめて珍しいと思うが、10/03には教材販売の「グローバルアソシエイツジャパン」に4月間業務停止命令が出されているなど、この法律はかなり活用されているようだ。
 この法律や消費者保護条例の適用はないはずだが、不動産(マンションも)取引や契約履行に関して、大手企業の名によるものであっても、いかがわしい又は誠実でないものは多々あるようだ。
 知人の例だが、伊藤忠・同不動産販売+新井組の某マンションでは宣伝・公表された(かつ正式の工事図面にも記載されていた)一住戸のベランダ幅90cmが60cmしかなく、1年以内に上階から下階住戸への水漏れが発生し、約3年後には隣住戸との間の隔壁コンクリートの一部が崩壊し(夜中にガサッとの音が聞こえたらしい)、隣住戸を直接に覗ける状態が数カ所で発生した、という。
 別の知人によれば、丸紅・同不動産販売+広成建設の某マンションでは洗面所の奥行が25cm短く(正式の工事図面にも違反していた)、宣伝・公表された専有面積よりも狭くなっていた(専有面積に含まれないPSスペースが広くなっていた)。クレームをつけると500,000円払うから我慢してくれ旨を言われ、性格も内訳も不明な金の受領を拒み、正式の工事図面に即しかつ(登記手続をする直前だったので)登記予定内容になるよう工事変更を求めると、結局は最下階から最上階まで当該箇所の工事をやり直した、という。
 こうした例は、伊藤忠・丸紅関係だけではないだろう。建設・不動産販売業界に不信をもつゆえんだ。
 より一般的に言えば、現物を全く見ず、確認できない時期で、すなわち案内パンフが(閲覧できる設計図面は事務所に一つ)あるだけの時期で売買契約をしてしまう、という(たぶん少なくとも大都市圏に通常の)「青田売り」というらしき取引慣行にも問題がある。
 眺望・騒音等を実際に体験でき工事の確かさも確認できる、すなわちほぼ建設が完了した段階で販売を開始すべきでないか。パンフや設計図による想像と入居後の実感が同じとは全く限らない。大手某マンション販売会社は原則として後者の方式を採っているらしいが、良心的だ。
 契約内容を正確に履行していない上の例は論外だが、「自由な市場」にも公正さと規律が必要、と超一般論を述べておく。