秋月瑛二の「自由」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

援助交際

0408/佐伯啓思・隠された思考、同・自由とは何か、を読み続ける。

 佐伯啓思・隠された思考-市場経済のメタフィジックス(筑摩)の第二章のⅡ・「<遊び>としての交換」(p.79~95)は、先週末に読んだ。市場での<交換>と「遊び」<「ゲーム」、歴史・人間の奥底にある<交換>=<相互(関係)性>等々。
 同・自由とは何か(講談社新書)の第六章はp.263まで読んで、全読了まであと20頁。「自由」の再定義を試み、かつそれが通常の用法と違うので「義」という語で呼びたくなる、と書いている辺りまで。
 詳しい紹介はしないが、この本は面白く(イラク問題、援助交際、子供殺し事件等々にも言及がある)、座右に置いておきたい。面白く読めるのは、この本の内容は、コミュニズムはもちろん朝日新聞が代表するような<リベラル左派>に対する批判、<個人の「自由」(の尊重・尊厳)>を最高価値とでも理解しているようにも見える日本の憲法学の大勢への批判、に実質的、客観的にはなっていると思えるからでもある。
 数多いる憲法学者の中で阪本昌成は思考が広くかつ深いと思うが、経済学畑出身の佐伯啓思の思索はさらに広く深いのではなかろうか。
 広く社会を対象とする学問も、「人間」そのものを適切に(現実的にかつ生き生きと)洞察しないと、言語遊び、観念遊戯、概念・論理の瑣末な分析や整理に終わってしまいかねない、という感慨が、佐伯啓思らの文章を読んで、生じている。 

0406/佐伯啓思・自由とは何か-「自己責任論」から「理由なき殺人」まで(講談社)の120頁を読む。

 佐伯啓思・自由とは何か「自己責任論」から「理由なき殺人」まで(講談社現代新書、2004.11)を偶々見つけて中を見ると、第1章・ディレンマに陥る「自由」と第2章・「なぜ人を殺してはならないのか」という問い(~p.100)は既に読んだ形跡があった。一部だけを読んでまた別の本に向かってしまうという傾向がたしかにある(それだけ読みたい本が多いからでもある)。
 区切りをつけておこうと、佐伯啓思・上掲書を第4章・援助交際と現代リベラリズム、第5章・リベラリズムの語られない前提、第3章・ケンブリッジ・サークルと現代の「自由」の順で昨夜一気に読んだ(p.101~p.222)。あと、第6章のみが残っている。
 面白い。<戦後民主主義の虚妄>を佐伯は衝いたようだが、たしかに<戦後民主主義>が前提とする個人的「自由」の脆うさ・生気のなさの不可避性が理解できる気がする。現代日本について感じる「骨格」のなさや「規範意識」の欠如についても。
 引用しながらの紹介は避ける。<戦後民主主義>を<右から>の攻撃から「保守」しようという<情緒>で凝り固まっている人々は、佐伯の「自由」(・リベラリズム)論に関心はもてず、あるいはそもそも理解できないのではないかと思われる。
ギャラリー
  • 2679/神仏混淆の残存—岡山県真庭市・木山寺。
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  • 2385/L・コワコフスキ「退屈について」(1999)②。
  • 2354/音・音楽・音響⑤—ロシアの歌「つる(Zhuravli)」。
  • 2333/Orlando Figes·人民の悲劇(1996)・第16章第1節③。
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  • 2320/レフとスヴェトラーナ27—第7章③。
  • 2317/J. Brahms, Hungarian Dances,No.4。
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  • 2309/Itzhak Perlman plays ‘A Jewish Mother’.
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  • 2305/レフとスヴェトラーナ24—第6章④。
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  • 2302/加地伸行・妄言録−月刊WiLL2016年6月号(再掲)。
  • 2293/レフとスヴェトラーナ18—第5章①。
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  • 2286/辻井伸行・EXILE ATSUSHI 「それでも、生きてゆく」。
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  • 2283/レフとスヴェトラーナ・序言(Orlando Figes 著)。
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  • 2230/L・コワコフスキ著第一巻第6章②・第2節①。
  • 2222/L・Engelstein, Russia in Flames(2018)第6部第2章第1節。
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  • 2203/レフとスヴェトラーナ12-第3章④。
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  • 2179/R・パイプス・ロシア革命第12章第1節。
  • 2152/新谷尚紀・神様に秘められた日本史の謎(2015)と櫻井よしこ。
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  • 2151/日本会議・「右翼」と日本・天皇の歴史15①。
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  • 2136/京都の神社-所功・京都の三大祭(1996)。
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  • 2118/宝篋印塔・浅井氏三代の墓。
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  • 2102/日本会議・「右翼」と日本・天皇の歴史11①。
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  • 2101/日本会議・「右翼」と日本・天皇の歴史10。
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  • 2098/日本会議・「右翼」と日本・天皇の歴史08。
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