秋月瑛二の「自由」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

学歴

2306/松岡正剛·佐藤優ら・宗教と資本主義·国家(2018)。

 <宗教>という概念はむつかしい。
 西尾幹二らに倣って曖昧にさせたまま始めると、これについて、少なくとも次の二つは言えると思われる。
 第一。かつては、「哲学」や「学問」そのものだった、またはこれらの一部だった。
 神道でも仏教でもないと(明治以降に?)される陰陽思想・陰陽五行思想(説)というのも「宗教」であり「哲学」・「学問」だったようだ。
 時間・日々ををどのように区切るかをヒト・人間はずっと昔から考えてきたようで、その中に年・月のあとに「週」がある。
 これを7日とするのは古代からあったようなのは不思議だが(例外的にフランス革命暦では10日、ソ連暦では5日だったようだ)、これを今の日本のように、日・月・火・水・木・金・土の各曜日に分けるのは、正確には各曜日にこういう名称を付けるのは何故なのか。
 「日」曜と「月」曜は英語・ドイツ語でも同じだが〔これも不思議だ)、残る5つは、太陽・月・地球を除く可視的な惑星の数によるともされる。火星・水星・木星・金星・土星。
 だが、そもそも各惑星をこう呼称するのはどうしてなのか。日・月以外については欧米と同じではきつとないだろう(確認しない)。
 素人的発想なのだが、<陰陽五行説(・思想)>と関係がある。
 「陰陽師」・安倍晴明を祭神とする晴明神社〔京都市)の鳥居の額には<五芒星>と全く(かほとんど)同じ<晴明紋>が堂々と?掲げられている。
 欧米でもあるという五芒星紋と晴明紋(とされるもの)が同じだというのも不思議だ。先端が五つとなる星形で中央に逆正五角形が残る。
 この五つは、<陰陽五行説>のいう五つの要素だろう。強い〔後者を弱める)順に、水→火→金→木→土→水→…、弱い(後者を強めて発生させる)順に、木→火→土→金→水→木→…。
 しかし、またそもそもだが、何故、この五つ、つまり、「火」、「水」・「木」・「金」・「土」なのか。火(炎)・水・樹木・金属・土(土地・土壌)なのか。
 素人的発想だが、昔の中国大陸や(いまでいう)日本の人々は、<世界>またはヒト・人間を中心とする(これを主体として除外する)<自然界>・<外界>は、これら5要素で構成されている、と理解・認識したのだ、と思われる。世界・自然界・外界は(人間以外に)、火・水・木・金・土でできている、構成されている。これら五つに、分類される。
 これは、むろんその当否は別として、立派な世界観・自然観だ。「学問」であり、「科学」(だった)だろう。
 第二。ヒト・人間の「生と死」を問題にすること。
 ヒト・人間は生まれてやがて死ぬことを大昔から人々は当然に知っていて、<どこから来て、どこへ行くのか>と、生きていくのに忙殺されることはあっても、ときには思い浮かべただろう。「死生観」だ。
 生前・死後に関心が及ぶと、当然に、いまをどう生きるかという<生き方>を考える人も出て来たに違いない。
 この点では「仏教」は明らかに<宗教>だが、はて日本の「神道」において人間の「生と死」とは何か。どのように説かれているか、が気になってくる。
 だが、そもそも神道には明確な「教義」がないとされるのだとすると、神道における「生き方」以外を詮索しても無意味かも知れず、立ち入らない。
 以上のようなことをふと考えたのも、以下の書物から受けた刺激によるかもしれない。直接の内容的な関係はない。
 —— 
 松岡正剛·佐藤優ら・宗教と資本主義·国家(角川書店、2018)。
 5名による共著だが、シンポか研究会の記録のようで、「開会の辞」を松岡正剛が述べ、出版に際しての「おわりに」を佐藤優が書いているので、二人の名だけを挙げた。
 全体にわたって「宗教」が関係している。その中で、佐藤優が面白い(興味深い)ことを述べている。
 「宗教」の意味に立ち入らないが、途中で佐藤優は、「拝金教」(貨幣・信用にかかわってマルクスも出てくる)、「出世教」、「お受験教や学歴教」、「国家主義教」に触れている。p.37〜p.40。これらの<宗教>だ。
 佐藤優は「おわりに」では、つぎの三つに整理?している。p.195。
 ①「拝金教」、②「出世教」、③「受験教」。
 これらのうち、秋月が近年もっとも関心を持って来たのは、③「受験教」、あるいは途中に出てきていた「学歴教」だ。これは他者と無関係ではなく、大まかには、③→②→①という関連があるかもしれない(この部分は佐藤の説ではない)。
 なぜ関心をもつかというと、日本の現代または現在を覆っている「空気」、現在の日本の人々における<自己認識>(<他者認識・評価>)、あるいはA·ダマシオのいう「自伝的(歴史的)自己」、これと少し異なる意味での「アイデンティ」に、「受験」やその結果としての「学歴」は大きく関係している、と感じているからだ。
 見えない「空気」が、意識しつつも大っぴらにはあまりされることのないかもしれない、人々の「意識」がある。それは「学歴」であり、明治維新以降の「知識」教育、換言すると西欧(・欧米)「文明」の急速な吸収過程から始まって戦後も一貫して培養されてきた、と考えている。むろん<仮説>だ。
 その現在の「知識」教育、ひいては「学歴」意識(・<宗教>)は、本当は衰亡していかなければならないのではないか。戦後・現在の学校・教育制度や教育内容に関係する。これらにおける「知識」の扱い方を問題にしたいのであり、一般に「知識」・「知性」・「知」を排除するつもりはない。

2244/宇都宮健児と八幡和郎-2016年。

 2016年の東京都知事選に宇都宮健児はいったん立候補表明をしたが、鳥越俊太郎が民進党・日本共産党・社民党等に推される共同候補となって、宇都宮は立候補しなかった。
 選挙後に、宇都宮は鳥越を応援しなかった理由を明らかにした、という。
 4年前のいきさつや今回(2020年)の選挙のことに触れたいのではない。
 八幡和郎が4年前に<アゴラ>欄に登載した文章が印象に残っており(2016年8月2日付)、そこに垣間見える八幡和郎という人物の<意識・気分>に関心をもつので、以下を書く。また、八幡の文章のタイトルは「宇都宮氏の応援拒絶真相と女性議員の不甲斐なさ」で、私が関心をもつのは、主題全体でもない。
 さて、2016年の選挙(投票)後に宇都宮が明らかにした鳥越を応援しなかった理由は、「女性問題」にあったという。
 その中身や真否に立ち入らない。
 八幡和郎は、その理由をおそらくそのまま詳しく紹介している。ここでは引用しない。
 興味を惹くのは、八幡のつぎの文章だ。
 「まことに法律家として筋の通った論旨である。私も10年余りあとに同じ大学の同じ学部で学んだ者として、我々が学んだ法の精神はこういうものだったと気分が良かった。法学を学ぶと言うことは、法務知識を駆使し正義を無視して自己の利益を図る技術を獲得することではないと教えられたものだ。
 これを見て、この宇都宮氏にこそ知事になって欲しかったという声も高まっているくらいだが、いくら立派な人でもめざす政策が正しいか、経済的な裏付けがあるかなど別の問題だから飛躍は困るが、宇都宮氏のこの意見表明が、こんどの都知事選挙を締めくくる一服の清涼剤となったことは間違いない。」
 上の後段は、宇都宮が知事になって欲しかった、と書いているわけではない。
 しかし、前段に、八幡和郎の<意識・気分>が現れているだろう。
 いわく、「法律家として筋の通った論旨」だ、「私も10年余りあとに同じ大学の同じ学部で学んだ者として、我々が学んだ法の精神はこういうものだったと気分が良かった」、「法学を学ぶということは、」…うんぬん。
 果たして、この部分で、八幡和郎は何を言いたいのか。言いたいというよりも、基礎にある<意識・気分>は何か。
 それは、大雑把には、宇都宮健児は自分が卒業した大学・学部の「先輩」であり、その彼の今回の(2016年の)発言は「気分が良かった」、というものだ。
 宇都宮健児は2020年都知事選挙に立憲民主党・共産党・社民党等に推されて候補者になっている者で、2012年以前にも(いわば「野党」統一候補として)立候補したことがある。
 そのような<政治信条>を無視するわけではないが、しかし、八幡和郎は、宇都宮は自分の「先輩」で「法学」を学んだ者だ(日弁連会長経験者だから当たり前のことだ)、とわざわざ記したかったのだろう。
 些細なことに言及していると感じられるかもしれない。
 「知(知識)」習得の結果としての大学または「学歴」というもののうさん臭さに近年は関心がある。「知」それ自体では、何ものも保障しないし、判断できない。
 また、「自己帰属意識」ないし戦後日本人の<アイデンティティ>というものにも以前から強い関心がある。出身大学・「学部」等々は、いかほどの「自己意識」を形成しており、かつまたその<機能>はどう評価されるべきか。
 あくまで推測になるが、八幡和郎は、場合によっては、自分以外の者の出身大学を他の何らかの要素よりも優先して考慮・配慮するのだろう。そうでないと、上のような文章を書かない。
 また、ここでは立ち入らないが、八幡和郎の「自己意識」を形成していると見られるのは<経済産業省官僚出身者>(かつフランス・ENA留学組)ということだろうと推察される。しかし、これはあくまで<過去>に関するものなので、現在と論理的には直接の関係はない(はずだ。この点、弁護士資格という国家「資格」は永続するのと異なる)。
 国家公務員(かつての)上級職試験合格者という「資格」があるのではない。あっても、数年間だけのはずだ。(特定の?)大学入学試験合格も卒業も、それだけでは、それ自体では、何の意味もないはずだ。何らかの「知識」の学習・修得が証されたとしても、それだけでは、つまりその「知識」を保持するだけでは、利用しなければ、人間社会・現実の社会にって、何の「役にも立たない」。その辺りが、きわめて曖昧になり、かつ異様な方向へと転じている<雰囲気>がある。これは戦後日本がたどり着いた現在の一つの特徴だろう。だが、何らかの「秩序づけ」と「安定」に役立っているかもしれない。しかし、何となくの緩やかな秩序化は、種々の意味と段階でのく既得権者>をも生み、必要な変化と変革を遅らせるだろう。
 余計ながら、何か勘違いをしているのではないか、なぜそんなに大胆かつ傲慢なことを単純に書けるのか、と感じる文筆家業者は多い。八幡和郎だけでは、もちろんない。
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