秋月瑛二の「自由」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

国家賠償

2318/E. Forsthoff・ドイツ行政法I·総論(1973)—目次・試訳①。

 Ernst Forsthoff, Lehrbuch des Verwaltungsrechts,Erster Band, Allgemeiner Teil, 10., neubearbeitete Auflage(C.H.Beck, München, 1973)。
 上のドイツ語著、エルンスト·フォルストホフ・行政法教科書第一巻・総論、第10版・改訂版(1973年)の、目次部分だけの試訳。丸数字は試訳者において挿入。
 **
 目次
 略語一覧
 第一部/行政法の本質的性格と歴史。
 --------
  第一章・行政—特性と画定。
   第一節—①定義の問題、②行政と法、③形成するものとしての行政、④司法との区別、⑤憲法と行政法、⑥法律制定〔立法〕との関係、⑦憲法上の補助作用、⑧外交〔外務行政〕。
   第二節—①行政に対する法治国家的拘束、②その諸段階、③行政行為の自己確定性〔公定力〕、④行政の一体性、⑤行政と統治、⑥統治作用の概念。
 --------
  第二章・近年の行政の歴史の画期。
   第一節—①主題の限定、②行政と近代国家、③嚮導的行政の構造、④身分制議会による授権、⑤ラント法上の主権性、⑥財産秩序への拡張、⑦自然法による行政の正当化、⑧土地所有権の優先(dominium eminens)、⑨職業官僚制度、⑩その市民法的特徴、⑪規律する法源の欠如、⑫合議制的官庁の編成、⑬官房司法(Kammerjustiz)、⑭司法と行政の分離の開始、⑮国庫概念)。
   第二節—①専門部署と国家省庁の発生、②それらの構造、③合議制原則の制限、④諸官庁の編成、⑤司法の独立化)。
   第三節—①法律による行政の原理、②意義と意味、③自由の保障と権利の理性化、④個人的権利の前国家性はないこと、⑤財産秩序の構成、⑥行政に対するラント法上の影響。
   第四節—①世紀半ば以降の変遷、②給付主体としての行政、③行政諸団体の社会的構造の変化、④行政と政党制度、⑤官吏法。
 --------
  第三章・行政法学の歴史。
   ①18世紀の警察国家でのその欠陥、②市民的法治国家の生成、③Von Mohl の意義、④国家と社会の二元論、⑤Lorenz von Stein、⑥行政学、⑦その利用と限界、⑧法的概念への体系的志向、⑨最初の文献、⑩Otto Mayer、⑪その体系、⑫法的諸制度、⑬実証主義の基盤に接近し難いこと、⑭特別権力関係、⑮総論部分、⑯Laband による批判、⑰行政法的実務の学問的意味。
 --------
  第四章・近代行政の構造について。
   第一節—①市民的法治国家と財産秩序、②第一次大戦に伴う変化、③ワイマール憲法、④社会秩序の侵害の形成、⑤体系的関係の欠如。
   第二節—①かかる侵害の原則的意味、②形成的行政、③それの法との関係、③実証主義に到達し難いこと、④自然法からの逸脱、⑤法原則、⑥形成的行政の二つの形式、⑦「商品経済活動」、⑧その行政性、⑨権利保護の特殊性。
   第三節—①行政と技術、②行政における専門家。
   追記—三権分立内部での行政の重み。
 --------
  第五章・行政の自由と拘束。
   第一節—①行政と法規(Rechtssatz)、②裁量概念の問題、③不確定法概念、④裁量と法の解釈、⑤価値概念、⑥裁量概念の定義、⑦行政法規範の特殊性、⑧行政法的実務。
   第二節—①差違化の必要性、②官庁の行為義務の前提に関する決定、③経験上の価値概念の変遷、④社会観の影響。
   第三節—①裁量活動の事後審査、②裁量による自己拘束、③随意と恣意、④裁量の瑕疵の類型、⑤自由な形成領域における法的瑕疵。
   第四節—①覊束された行政、②行政の融通性。
 --------
  第六章・司法と行政。
   第一節—①司法と行政の関係一般・両部門の自立性、②これらの機能の関係、③職務支援(Amtshilfe)、④増大する職務支援、⑤国家行為の相互承認、⑥構成要件的機能、⑦確定する機能、⑧曖昧な瑕疵ある行為についての拘束力のなさ。
   第二節—①法的争訟の許容性、②裁判所構成法第13条、③州議会への授権、④欧州共同体民事訴訟法第4条、⑤欧州共同体裁判所構成法第4条、⑥行政訴訟法第179条、⑦国庫理論の影響、⑧その克服、⑨公法と私法の区別、⑩従属と協働、⑪ライヒ裁判所の判決、⑫行政裁判所の権限、⑬公権力に対する請願訴訟の排除、⑭混合した法関係、⑮一体の判決の原則、⑯手続の停止、⑰前審による決定。
   第三節—①権能の維持・権能争議、②行政権能、③判例における差違。
 --------
 **
 以降の部の表題等は、つぎのとおり。
 第二部/行政法規とその適用。
 第三部/行政作用の理論。
 第四部/国家賠償制度。
 第五部/給付主体としての行政。
 第六部/官庁と行政組織の法。
 第七部/地方自治行政の法。
 付記。
 人名索引・事項索引。

0127/土橋悦子-船橋市立西図書館「焚書」事件。

 迂闊にも昨年になって知ったのだが、船橋市職員(司書)で当時は市立西図書館に勤務していた土橋悦子という女性職員が、(冊数が多い順に)西部邁、渡部昇一、福田和也、西尾幹二、長谷川慶太郎、小室直樹、谷沢永一、岡崎久彦、日下公人、坂本多加雄、井沢元彦、藤岡信勝、高橋史朗、福田恒存、一団体(所謂「つくる会」)の、同図書館所蔵の著書計107冊を除籍・廃棄した( リストから外して捨てた)。
 うち個人8名等が慰藉料請求訴訟を提起したが、第一審・控訴審ともに請求棄却だった。但し、例えば1審判決は土橋は「原告…に対して否定的評価を抱いていた」、「他の職員に対して原告らの著書を書棚から抜いてくるよう指示して手元に集めた…」、「本件除籍等は、原告つくる会らを嫌悪していた被告A(土橋)が単独で行った」と認定し、市との関係では土橋の行為は「違法」と明言 していた。
 最高裁は2005年7月14日の判決で、「公立図書館の図書館職員が閲覧に供されている図書を著作者の思想や信条を理由とするなど不公正な取扱いによって廃棄することは、当該著作者が著作物によってその思想、意見等を公衆に伝達する利益を不当に損なう」、「公立図書館において、その著作物が閲覧に供されている著作者が有する上記利益は、法的保護に値する人格的利益である」として国家賠償法上も違法となるとし損害賠償請求が認容されるべきものとして破棄差戻した。
 これを受けて東京高裁は2005年11月24日に原告一人3000円+法定利息という少額ながら市への請求を認容した。
 土橋悦子は公務員である。が、人の「思想」・「主張」によって不利に「差別」的に取扱った。「嫌いな」主張者に市の施設(水道や公園等)の利用を拒み、極論すれば市立病院で意図的に不利に扱って死なせることに等しい。
 この人のしたことは、公務員に対する根本規範(職務の公正・中立性)を侵害することの明白な極めて重大で「深刻」な非違行為だ。船橋市長は懲戒減給処分しか土橋にしていないようだが、甘過ぎ、私は懲戒免職処分に値すると思う。
 被害者が「一定」の方向の人々らしいから言うのではない。逆の方向?の人々でも問題の本質は同じ。 右か左かの問題ではない。不正義か正義か、悪か善か、「歪んで」いるか「真っ当」かの問題だ。
 ところで、私は、日本共産党の党員は、彼(彼女)が真面目な党員であればあるほど、明確に日本共産党と反対の立場に立って日本共産党を論難している者が自分の傍らで(他に誰も見ていない場所で)脳梗塞でも心臓麻痺でもいいが何かの原因で死に至りそうになったとき、あえて(救急車を呼ぶ等の)助命措置をとらないのではないか、と想像している。「党の敵」に対しては、日本共産党の微笑に隠された冷酷さ・残忍さが露わになるのではなかろうか。
 日本共産党ではなく、ソ連共産党、中国共産党、朝鮮労働党なら、上のようなことはむしろ当然のことで、現実にあったことだろう(毛沢東が周恩来が癌に罹っているのを知っても一切治療させなかったという話を最近何かで読んだ)。
 マルクス・レーニン主義によれば、「労働者階級」の中にも存在しうる左右の日和見主義者、共産党内部にも存在しうるそのときどきの権力者に対する抵抗者・少数派は「人民の敵」として <抹殺>されてよかった。そうでないと「労働者階級」の権力(プロレタリアート独裁)、その中核の「党」を築き、守ることはできないからだ。
 <人民の敵は(その思想のゆえに)殺してもよい>という考え方は、容易に、<人民の敵が著した本は(その思想内容のゆえに)廃棄してもよい>との考え方に直結する。後者は、生命を抹殺するよりは遙かに寛大な措置だ。
 社会主義国ではなかったからだろう、その信念に基づいて<人民の敵が著した本は(その内容のゆえに)廃棄してもよい>との考え方を実行に移したのが、船橋市役所職員(当時市立西図書館勤務)の土橋悦子だった。
 この人は「何となく左翼」ではなく、日本共産党か又はその他の「左翼」的組織の構成員だろうと推測される。そうでないと、公務員の立場よりも自らの「思想」を優先して、図書館内の気にくわない者(「人民の敵」)の書物を廃棄するという行為にまでは至らない、と思うのだ。

ギャラリー
  • 2679/神仏混淆の残存—岡山県真庭市・木山寺。
  • 2679/神仏混淆の残存—岡山県真庭市・木山寺。
  • 2679/神仏混淆の残存—岡山県真庭市・木山寺。
  • 2679/神仏混淆の残存—岡山県真庭市・木山寺。
  • 2679/神仏混淆の残存—岡山県真庭市・木山寺。
  • 2679/神仏混淆の残存—岡山県真庭市・木山寺。
  • 2679/神仏混淆の残存—岡山県真庭市・木山寺。
  • 2679/神仏混淆の残存—岡山県真庭市・木山寺。
  • 2679/神仏混淆の残存—岡山県真庭市・木山寺。
  • 2679/神仏混淆の残存—岡山県真庭市・木山寺。
  • 2564/O.ファイジズ・NEP/新経済政策④。
  • 2546/A.アプルボーム著(2017)-ウクライナのHolodomor③。
  • 2488/R・パイプスの自伝(2003年)④。
  • 2422/F.フュレ、うそ・熱情・幻想(英訳2014)④。
  • 2400/L·コワコフスキ・Modernity—第一章④。
  • 2385/L・コワコフスキ「退屈について」(1999)②。
  • 2354/音・音楽・音響⑤—ロシアの歌「つる(Zhuravli)」。
  • 2333/Orlando Figes·人民の悲劇(1996)・第16章第1節③。
  • 2333/Orlando Figes·人民の悲劇(1996)・第16章第1節③。
  • 2320/レフとスヴェトラーナ27—第7章③。
  • 2317/J. Brahms, Hungarian Dances,No.4。
  • 2317/J. Brahms, Hungarian Dances,No.4。
  • 2309/Itzhak Perlman plays ‘A Jewish Mother’.
  • 2309/Itzhak Perlman plays ‘A Jewish Mother’.
  • 2305/レフとスヴェトラーナ24—第6章④。
  • 2305/レフとスヴェトラーナ24—第6章④。
  • 2302/加地伸行・妄言録−月刊WiLL2016年6月号(再掲)。
  • 2293/レフとスヴェトラーナ18—第5章①。
  • 2293/レフとスヴェトラーナ18—第5章①。
  • 2286/辻井伸行・EXILE ATSUSHI 「それでも、生きてゆく」。
  • 2286/辻井伸行・EXILE ATSUSHI 「それでも、生きてゆく」。
  • 2283/レフとスヴェトラーナ・序言(Orlando Figes 著)。
  • 2283/レフとスヴェトラーナ・序言(Orlando Figes 著)。
  • 2277/「わたし」とは何か(10)。
  • 2230/L・コワコフスキ著第一巻第6章②・第2節①。
  • 2222/L・Engelstein, Russia in Flames(2018)第6部第2章第1節。
  • 2222/L・Engelstein, Russia in Flames(2018)第6部第2章第1節。
  • 2203/レフとスヴェトラーナ12-第3章④。
  • 2203/レフとスヴェトラーナ12-第3章④。
  • 2179/R・パイプス・ロシア革命第12章第1節。
  • 2152/新谷尚紀・神様に秘められた日本史の謎(2015)と櫻井よしこ。
  • 2152/新谷尚紀・神様に秘められた日本史の謎(2015)と櫻井よしこ。
  • 2151/日本会議・「右翼」と日本・天皇の歴史15①。
  • 2151/日本会議・「右翼」と日本・天皇の歴史15①。
  • 2151/日本会議・「右翼」と日本・天皇の歴史15①。
  • 2151/日本会議・「右翼」と日本・天皇の歴史15①。
  • 2136/京都の神社-所功・京都の三大祭(1996)。
  • 2136/京都の神社-所功・京都の三大祭(1996)。
  • 2118/宝篋印塔・浅井氏三代の墓。
  • 2118/宝篋印塔・浅井氏三代の墓。
  • 2118/宝篋印塔・浅井氏三代の墓。
  • 2118/宝篋印塔・浅井氏三代の墓。
  • 2102/日本会議・「右翼」と日本・天皇の歴史11①。
  • 2102/日本会議・「右翼」と日本・天皇の歴史11①。
  • 2102/日本会議・「右翼」と日本・天皇の歴史11①。
  • 2102/日本会議・「右翼」と日本・天皇の歴史11①。
  • 2101/日本会議・「右翼」と日本・天皇の歴史10。
  • 2101/日本会議・「右翼」と日本・天皇の歴史10。
  • 2098/日本会議・「右翼」と日本・天皇の歴史08。
  • 2098/日本会議・「右翼」と日本・天皇の歴史08。
アーカイブ
記事検索
カテゴリー