秋月瑛二の「憂国」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

二宮周平

1456/左翼人士-民科法律部会役員名簿・第24期(2014年11月~2017年10月)等。

民主主義科学者協会法律部会(民科)役員名簿・第24期(2014年11月~2017年10月)等。
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 理事長/吉村良一(立命館大学)。
 副理事長/小沢隆一(東京慈恵医科大学)、胡澤能生(早稲田大学)、近藤充代(日本福祉大学)。
 全国事務局事務局長/三成賢次(大阪大学)。
 理事(53名、50音順)/愛敬浩二(名古屋大学)、飯孝行(専修大学)、今村与一(横浜市立大学)、大島和夫(京都府立大学)、岡田章宏(神戸大学)、岡田正則(早稲田大学)、緒方桂子(広島大学)、小沢隆一(東京慈恵会医科大学)、川崎英明(関西学院大学)、神戸秀彦(関西学院大学)、葛野尋之(一橋大学)、胡澤能生(早稲田大学)、小松浩(立命館大学)、近藤充代(日本福祉大学)、榊原秀訓(南山大学)、佐藤岩夫(東京大学)、清水雅彦(日本体育大学)、下山憲治(名古屋大学)、白取祐二(北海道大学)、白藤博行(専修大学)、高村ゆかり(名古屋大学)、只野雅人(一橋大学)、立石直子(岐阜大学)、田中教雄(九州大学)、玉樹智文(島根大学)、塚田哲之(神戸学院大学)、徳田博人(琉球大学)、富田哲(福島大学)、豊崎七絵(九州大学)、豊島明子(南山大学)、長岡徹(関西学院大学)、中富公一(岡山大学)、名古道功(金沢大学)、新倉修(青山学院大学)、長谷河亜希子(弘前大学)、人見剛(立教大学)、淵野貴生(立命館大学)、本多滝夫(龍谷大学)、松岡久和(京都大学)、松宮孝明(立命館大学)、松本克美(立命館大学)、三成賢次(大阪大学)、三成美保(奈良女子大学)、村田尚紀(関西大学)、本秀紀(名古屋大学)、森山文昭(愛知大学)、矢野昌浩(龍谷大学)、山下竜一(北海道大学)、山本晃正(鹿児島国際大学)、吉田克己(早稲田大学)、吉村良一(立命館大学)、和田真一(立命館大学)、和田肇(名古屋大学)。
 監事(3名) 市橋克哉(名古屋大学)、桐山孝信(大阪市立大学)、若尾典子(佛教大学)。
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  「学会活動の記録」により会員とみられる者(上掲の役員を除く)。
 浅倉むつ子(早稲田大学)、石崎誠也(新潟大学)、板倉美奈子(静岡大学)、伊藤恭彦(名古屋市立大学)、稲葉一博(名古屋大学)、浦田一郎(明治大学)、大田直史(龍谷大学)、岡田順子(神戸大学)、小川富之(近畿大学)、河合正雄(弘前大学)、川畑博昭(愛知県立大学)、木下秀雄(大阪市立大学)、久米一世(早稲田大学)、小林武(沖縄大学)、小森田秋夫(神奈川大学)、佐藤史人(名古屋大学)、篠田優(北星学園大学)、首藤重幸(早稲田大学)、進藤兵(都留文科大学)、鈴木静(愛媛大学)、武井寛(甲南大学)、東郷佳朗(神奈川大学)、中坂恵美子(広島大学)、新屋達之(大宮法科大学院大学)、二宮周平(立命館大学)、丹羽徹(大阪経済法科大学)、根本到(大阪市立大学)、濱畑芳和(立正大学)、広渡清吾(専修大学)、福田健治(早稲田大学)、藤内和公(岡山大学)、前田萌(立命館大学)、正木祐史(静岡大学)、松浦陽子(東北学院大学)、松倉治代(大阪市立大学)、三浦大介(神奈川大学)、見上崇洋(立命館大学)、三島聡(大阪市立大学)、山形英郎(名古屋大学)、山田泰弘(立命館大学)、吉田省三(長崎大学)。
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 出所-同会機関誌『法の科学』の末尾(日本評論社刊)。

1232/立命館大学法学部・法務研究科の「有志」58名!が氏名を出して特定秘密保護法に反対。

 特定秘密保護法に反対する「刑事法」学者の声明の中に9名の現役教員の氏名を出していた立命館大学は、「憲法・メディア法」学者による反対声明でも8名の所属教員の名を連ねていた。
 その立命館大学法学部・法務研究科(後者はいわゆるロ-スクルだろう)は、上記法律(案)についての「有志」の反対「意見」を発表しているようだ(ウェブ上による)。反対「意見」者にはむろん既に紹介した「刑事法」・、「憲法・メディア法」学者のうち法学部・法務研究科所属の者が含まれている。その他、編集長が代わった月刊正論12月号で本間一誠がNHKの婚外子格差違憲判決の報道の仕方を批判する中でその見解に批判的に言及している二宮周平の名もある。
 数え間違いがなければ氏名の明記のある総数は名誉教授を除いて何と54名になる。はたしてこの人たち全員は、学者らしく?<自分の頭で>、<自由に>思考して以下の「反対意見」の文章に賛同したのだろうか。一つの大学の法学部・ロ-スクルの(政治学を除く)<法学>関係教員だけで54名もが名前を出しているのは、恐るべき<奇観>としか言いようがない。この法学部・法務研究科では、実質的には<左翼ファシズムの支配>が確立してしまっているのではなかろうか。
 これまでに紹介した反対声明類と同工異曲の意見内容もあることもあり、いちおうのコメントは別の機会に行う。以下、紹介とリストのみ。
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 特定秘密保護法に反対する立命館大学法学部・法務研究科教員有志の意見
 2013年11月26日、「特定秘密の保護に関する法律案」(以下、特定秘密保護法案)は、衆議院本会議で採決されました。この法案は、全国の弁護士会が反対表明を挙げていることからもわかるように、法的な観点から多くの問題点を抱えています。メディア関係者の反対はもちろん、市民の間にも法の濫用を不安視する声が広がっています。25日の福島での地方公聴会では、原発や原発事故に係る正確な情報が市民に提供されてこなかった教訓も踏まえ、意見陳述者全員が反対しました。26日午前の特別委員会でも、みんなの党・日本維新の会との非公式協議に基づく修正案を、わずか2時間の審議で採決を強行するなど、熟議を尽くしているとはいえません。
 立命館大学法学部・法務研究科に所属する私たちは、こうした拙速な審議を批判するとともに、教育者・研究者の見地から、また「自由と清新」を建学の精神とし「平和と民主主義」を教学理念に掲げる立命館大学の構成員の立場から、特定秘密保護法案の問題性を指摘し、これに反対の立場を表明します。
 1 公務員やジャーナリストを育てる教育者として特定秘密保護法に反対します。/現在審議されている特定秘密保護法は、主権者である国民の「知る権利」や表現の自由を著しく制約し、とくに直接の処罰対象となる可能性が高い公務員や報道に関わる者に深刻な負担を強いるものです。私たちの所属する立命館大学は、「豊かな個性を花開かせ、正義と倫理をもった地球市民として活躍できる人間の育成に努める」ことを憲章で宣言しています。この憲章の理念を反映しながら、法学部においても、これまで多くの国家公務員、警察官、ジャーナリストを輩出してきました。現在も多くの学生が、官公庁や報道機関への就職を目指して勉学に励んでいます。民間企業や研究機関でも、国の「特定秘密」の取扱い者となる業種・分野もあります。彼・彼女らが進路として選択した職場が、「正義と倫理」をもって働ける場であってほしいという願いからも、私たちは、特定秘密保護法に反対します。
(1)公務員や特定秘密取扱い者の行動を、勤務中から私生活に至るまで、萎縮させます。/特定秘密保護法が制定されると、防衛・外交・特定有害活動の防止・テロリズム防止という4分野の情報のうち特に秘匿が必要なものを行政機関の長が「特定秘密」として指定され、その漏えいに対しては懲役10年以下の厳罰が科せられます。いわゆる「違法秘密」(政府の行為が憲法や法令に反しているにもかかわらず、これを秘匿している事実)についても、これを公務員や秘密取扱い者が「正義と倫理」に忠実たらんとして内部告発をした場合、厳罰を覚悟しなければなりません。/特定秘密保護法案は、特定秘密を取り扱う者に対する適性評価制度を導入しようとしています。評価の対象には、公務員だけではなく、業務委託を受けた民間業者や従業員も含まれ、評価項目は、評価対象者の家族関係や犯罪歴、病歴、経済的状態など、極めて広範な点に及びます。「特定有害活動」や「テロリズムとの関係」に関する調査というかたちで、思想・信条に関わる調査も可能です。/  調査は、必要に応じて家族・親族や友人にも及ぶため、評価対象者のみならず家族や友人のプライバシーも評価実施機関が把握するところとなります。その結果、評価対象者は交友関係すら制限されることになり、私生活も含めた行動の自由が縛られることになります。また、「不適正」と評価された場合には、職場における選別や差別の対象となる可能性もあり、また、職場の相互不信を助長しかねません。
 (2)報道・取材の自由を萎縮させ、国民の知る権利を妨げます。/報道機関は、国政に関わる多種多様な情報・資料を提供することで、主権者である国民の「知る権利」に奉仕します。それゆえ、報道機関の取材・報道の自由を最大限に保障することが、社会全体の利益にとって不可欠です。ところが、特定秘密保護法は、公務員や特定秘密取扱い者の漏えいだけではなく、漏えいや取得についての共謀・教唆・せん動にも罰則を科し、過失や未遂も処罰しようとしています。これにより報道・取材の自由が大きく制約されることは明らかです。公務員からの取材活動が困難になるだけではなく、報道機関自身が萎縮し、自主規制の動きもみられることでしょう。/こうした批判をかわすために、法案は適用に際しての「報道の自由又は取材の自由に十分に配慮」する旨を明記しました(22条)が、このような訓示規定は恣意的な運用の歯止めにはなりません。たしかに、「出版又は報道に従事する者」の取材には、公益目的性と方法の正当性を要件に違法性を阻却しうる枠組みになっています(同2項)。しかし、秘密漏えいの教唆やせん動で逮捕・起訴された者が、後の裁判で正当業務の証明に成功して無罪が認められたとしても、逮捕やそれに伴う家宅捜査や押収が、自由な取材を萎縮させます。国会審議の中で、政府は、報道機関の正当な取材に対し捜査を及ぼすことはないという見解も示してはいますが、法案中に、それを担保する規定はみられません。また、法の運用をチェックする第三者機関の設置も、法の附則において「検討」を約束するのみで、具体的な枠組みはなんら示されていません。/また、特定秘密保護法は、市民間の自由なコミュニケーションも萎縮させます。現代のIT社会においては、報道機関のみが「メディア」ではありません。一個人や小規模な市民団体が、HPやブログを立ち上げ、あるいは、Facebookやtwitterを通じて、市民の間の情報発信・情報共有のアクターとなっています。立命館大学の学生・教職員や卒業生の多くも、こうした自由なコミュニケーションに一市民として参画しているはずです。しかし、こうした活動すら、場合によっては、特定秘密の漏えい教唆・せん動とみなされかねません。
 2 「学問の自由」を保障された研究者として特定秘密保護法に反対します。/特定秘密保護法は、「特定秘密」の取扱業務者だけではなく、業務知得者の漏えいも処罰対象にしています。近年の日本の大学や研究機関では、「安全保障」という名目で、直接的な軍事的研究も行われています。そうでなくとも、科学技術研究の多くの分野は、軍事的汎用性を持っています。したがって、「防衛」を対象とする特定秘密保護法の下では、国公立であると私立であると問わず、大学で国や軍事産業の委託を受けて軍事研究や汎用技術の研究などを行う場合には、研究者は適性評価の対象となり、秘密保全義務が課されます。そして、研究者間の情報共有と学術検証を目的とするものであっても、特定秘密の公表は、漏えい罪として、処罰の対象となるのです。その結果、大学や研究機関における自由闊達な研究が大きく阻害されることになるでしょう。/また、秘密指定の期間は5年を超えないとされていますが、最大60年までの延長は可能で、さらに半永久的な情報秘匿も可能な例外項目も設けられています。このような政治的に重要な事実の秘匿は、外交・安全保障を対象とする政治学や歴史学の研究の遂行に著しい支障を来します。官僚機構や警察組織などを研究対象とする場合、公務員からのインタビューや情報収集は、大きく阻害されることでしょう。政治家や官僚からの証言に基づくオーラル・ヒストリーの構築といった研究手法も、数十年前の出来事を対処とする場合ですら、困難になります。こうした事態は、「学問の自由」(憲法23条)にとって致命的です。
 3 「自由と清新」「平和と民主主義」を掲げる立命館大学の構成員として特定秘密保護法に反対します。/立命館大学の建学の精神は「自由と清新」です。さらに、大学としてアジア太平洋戦争に協力した痛恨の反省から、戦後は「平和と民主主義」を教学理念に掲げて、全学をあげて「平和」「民主主義」「人権」に重点を置いた教学と大学運営を展開してきました。特定秘密保護法は、このような本学の建学の精神および教学理念からも、全く賛成できないものです。
 (1)特定秘密保護法は、憲法の平和主義に反します。
 特定秘密保護法は、国家安全保障会議設置と不可分一体で進められ、一般的な秘密の保全というよりは、軍事的な防諜法の側面が強いものになっています。これは、戦争の放棄と戦力の不保持を定め、平和的生存権を保障した日本国憲法の平和主義とは、相反する方向といえるでしょう。
 とりわけ、今回の特定秘密保護法は、それが米軍との一体化による日本の軍事力の全世界的展開を前提としている点で、歴代政府が採ってきた専守防衛の立場をも逸脱する要素を含んでおり、また東アジアの国際的緊張を高めるものです。2012年4月に公表された自由民主党の日本国憲法改正草案は、「国防軍」の創設とともに、機密保持法制の整備を明記しました。同年7月に公表された「国家安全保障基本法案」では、集団的自衛権行使容認とともに、秘密保護法制定が示されていました。秘密保護法の制定は、こうした軍事大国化の流れの中で、かねてから制定が熱望されていたものなのです。そして、その背後には、GSOMIA(軍事情報包括保護協定)締結にも示されるように、日米の情報共有の進展を踏まえた秘密保護強化の要請がある点は、周知のとおりです。
 (2) 特定秘密保護法は、民主主義・国民主権に反します。/「知る権利」の制約が、主権者としての国民の活動を制約するものであることは、1で述べたとおりです。/特定秘密保護法が制定されることになれば、国会議員の調査活動や議院の国政調査権なども制限を受ける可能性があります。国政調査の過程で国会議員が特定秘密に接する場合、委員会や調査会は秘密会とされ、出席した議員にも秘密保全義務が課せられて、漏えい等の処罰対象となるからです。国会を通じた国民の国政監視は、現在以上に形骸化することになるでしょう。/そもそも、特定秘密保護法案の立法作業自体が、秘密かつ非民主的です。法案の方向性を決定づけた有識者会議は、議事録も作成せず、会議資料や討議内容は現在も秘密扱いとなっています。内閣官房情報調査室による立案作業は、与党の国会議員にも法案の内容を知らされない秘密裏のうちに行われました。法案へのパブリック・コメントの実施も、わずか2週間に限定され、国民の意見を十分に聴取する姿勢が見られませんでした。それにもかかわらず寄せられた約9万件のコメントのうち8割近くが反対の意見であったにもかかわらず、こうした意見が反映された様子が見られません。/以上のように、特定秘密保護法は、「自由と清新」という言葉で表現される自由闊達な市民社会を押しつぶし、「平和と民主主義」を歪めるものです。またそれは、「教育・研究機関として世界と日本の平和的・民主的・持続的発展に貢献する」という立命館憲章第5条の精神とも合致しないものです。一部野党との非公式協議の中でなされた部分的修正も、上で述べた特定秘密保護法の問題点を本質的に改善するものではありません。私たちは、特定秘密保護法の制定に強く反対します。
 2013年11月26日

 呼びかけ人(50音順) 市川正人 植松健一 倉田玲 倉田原志 小松浩 多田一路 
 賛同人(2013年12月2日現在:50音順) 浅田和茂 安達光治 荒川重勝* 井垣敏生 生田勝義 生熊長幸 石原浩澄  出田健一 上田寛 大久保史郎 小田幸児 加波眞一 嘉門優、小堀眞裕 斎藤浩 坂田隆介 佐藤渉 島津幸子 須藤陽子 徐勝 高橋直人 田中恒好 遠山千佳 中谷義和* 中谷崇 中島茂樹 浪花健三 二宮周平 野口雅弘 藤原猛爾 渕野貴生 本田稔 堀雅晴 松尾剛 松宮孝明 松本克美 宮井雅明 宮脇正晴 望月爾 森下弘 森久智江 山田希 山名隆男 湯山智之 吉岡公美子 吉田美喜夫 吉田容子 吉村良一 渡辺千原 和田真一 他2名(*は名誉教授)/ 以上、呼びかけ人を含む58名
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1207/最高裁の婚外子相続「差別」違憲判決をめぐって。

 〇最高裁大法廷平成25年9月4日判決の特徴は、婚外子(非嫡出子)に対する民法上の相続「差別」を憲法違反とした理由が明確ではないことだ。
 全文を大まかに読んで見ても、そこに書かれているのは、一文だけをとり出すと、「前記イ及びウのような世界的な状況の推移の中で,我が国における嫡出子と嫡出でない子の区別に関わる法制等も変化してきた」、ということにすぎない。この問題をめぐる環境の変化に言及しているだけで、直接になぜ「平等原則」違反になるのかは述べていないのではないか。述べているらしき部分はのちに言及する。
 上の前者の世界的状況とは、国連の自由権規約委員会が「包括的に嫡出でない子に関する差別的規定の削除を勧告」したこと、加えて児童の権利委員会も日本の民法改正を促す勧告や当該規定の存在を「懸念する旨の見解」を改めて出したことをいう。

 上の後者のわが国の法制等の変化とは、「住民基本台帳事務処理要領の一部改正」、「戸籍法施行規則の一部改正」等をいう。

 この判決は一方で、日本ではまだ「法律婚を尊重する意識が幅広く浸透している」こと、婚外子の割合は増えても2%台にすぎないことを指摘しつつも、これらは合憲・違憲という「法的問題の結論に直ちに結び付くものとはいえない」とわざわざ述べていることも、興味深い

 〇この判決の結論自体については、産経新聞社説も含めて反対の論評はないようだ。
 ここでも反対意見は書かないが、最高裁裁判官中に一つの反対意見もなく、14名全員一致だというのは、ある程度は気味が悪い。最高裁判決は「正しい」または「最も合理的」なのではなく、権威をもって世俗的に通用する、というにすぎないことは確認されておくべきだ。

 最高裁判決が触れていない論点を指摘しておこう。

 第一。同じ父親から生まれた子が母親または両親の婚姻形態の違いによってその父親の資産相続につき同等に扱われないのは、たしかに、子どもの立場からすると「不平等」・「不公平」ではある。
 しかし、母親のレベルから見ると、法律上の妻と事実上の妻とが同等に扱われる結果になることは、法律上の妻との婚姻関係が基本的には正常・円滑に継続しており、事実上の妻あるいは「愛人」・「二号さん」とは同居もしておらず、事実上の夫婦関係が一時的または断続的である場合には、法律上のまともな配偶者(とその子ども)を不当に差別することになりはしないだろうか。
 むろん男女関係はさまざまで、法律婚の方がまったく形骸化し、事実婚の方が愛情に溢れたものになっている場合もあるだろうので、上のように一概にはいえない。しかし、上のような場合もあるはずなので、今回の最高裁判決および近い将来の民法改正によって、不当な取り扱いを受けることとなる法律上の妻や婚内子(嫡出子)もあるのではないかと思われる。しかるに、最高裁が裁判官全員一致で今回のような一般的な判断をしてしまってよかったのだろうか。

 むろん民法の相続関係規定は強行法規ではないので、被相続人の遺言による意思の方が優先する。もともと国連の関係委員会等の「権威」を信頼していないことにもよるのだが、個々のケースに応じた弾力的運用がまずは関係者私人の間で必要かと思われる。

 第二。本最高裁判決は、「子にとっては自ら選択ないし修正する余地のない事柄を理由としてその子に不利益を及ぼすことは許されず,子を個人として尊重し,その権利を保障すべきであるという考えが確立されてきている」と格調高く?述べて、実質的な理由らしきものにしている。

 しかしかかる理由でもって子どもすべてを同一・同等に扱うべきだという結論を導くことはできない、と考えられる。この点は、産経9/12「正論」欄で長谷川三千子もつぎのように、簡単に触れている。

 「自ら選択の余地のない事情によって不利益をこうむっているのは嫡出子も同様なのです。その一方だけの不利益を解消したら他方はどうなるか、そのことが全く忘れ去られています。またそれ以前に、そもそも人間を『個人』としてとらえたとき、(自らの労働によるのではない)親の財産を相続するのが、はたして当然の権利と言えるのでしょうか? その原理的矛盾にも気付いていない。」

 前半の趣旨は必ずしもよく分からない。だが、親が誰であるかによって実際にはとても「平等」ではないのが人間というものの本質だ。例えば、資産が大きく相続税を払ってもかなりの相続財産を得られる子どもと、親には資産らしきものはなく相続できるプラス財産は何もない子どももいる。これは平等原則には違反しないのか。あるいは例えば、頭が賢く、運動能力も優れた子どもがいる一方で、いずれもそうではない子どもも実際には存在する。この現象に「親」の違いは全く無関係なのだろうか。

 「子にとっては自ら選択ないし修正する余地のない事柄を理由としてその子に不利益を及ぼすことは許され」ないなどと言うのは、偽善的な美辞麗句にすぎない、と断じることができる。「親」が異なれば「子」も異なるのだ。嫡出・非嫡出などよりも、こちらの方がより本質的な問題だろう。

 さらに、長谷川が上に後半で指摘していることは正しい。
 今回の最高裁判決を「個人」主義・「平等」主義大賛成の「左翼」法学者・評論家等は大いに支持するに違いない。しかし、上に少し触れたように、例えば親の資産の有無・多寡が相続を通じて子どもの経済生活に「格差」を生じさせるのは、「個人」主義・「平等」主義に反するのではないか。
 つまり、「左翼」論者が本当に「個人」主義・
「平等」主義を貫きたいのならば、<相続制度>自体に反対し、死者の財産はすべて国庫に算入する、つまり国家が没収すべし、と主張すべきだと考えられる。

 「子ども」は親とは全く別の「個人」であり、親の財産を相続することを認めるのは、子ども「個人」の努力や才覚とはまったく関係のない、たまたまの(非合理的な)「血」縁を肯定することに他ならない。「個人主義」者は、これに反対すべきではないのか。また、そのような相続を認めることが親の違いを理由とする相続財産の有無・多寡という「格差」=「平等原則」違反につながるのだとすれば、「平等」主義者はますますもって反対すべきではないのか。
 本最高裁判決を肯定的に評価しているらしき棚村政行(早稲田大学」、二宮周平(立命館大学)らは、上の論点についてもぜひ回答していただきたいものだ。

0971/中川八洋・民主党大不況―ハイパーインフレと大増税の到来(2010)を4割読む。

 中川八洋・近衛文麿の戦争責任―大東亜戦争のたった一つの真実(PHP、2010.08。原書1995)を先日に全読了。
 つづけて、中川八洋・民主党大不況―ハイパーインフレと大増税の到来(清流出版、2010)のp.146まで、序+全九章+附記のうち第四章まで、読了。タイトルからの印象のような、経済・財政政策のみに関する本ではない。
 第一章は「子ども手当」批判(家族(・母親)から切り離した国家による子育て→共産主義社会)、第二章は現代日本の民主政(衆愚政治)批判、第三章のタイトルは、「夫婦別姓、ラブ&ボディ、フェミニズム―『日本人絶滅』への三大スーパー高速道路」。
 その第三章の各節の表題は次のとおり。内容の概略は分かる。第二節以外には「款」もある。
 第一節・「ラブ&ボディ」―日教組が子供たちを”セックス・サイボーグ”に改造する隠語
 1.厚労省母子保健課の「大犯罪」
 2.「フーコー人類絶滅教」を頭に注入させられる日本の中学生
 第二節・「産んであげない」―国を脅迫する赤いフェミニストたち
 第三節・”レーニン教徒の狂信”「夫婦別姓」
 1.「ルソー→マルクス/エンゲルス→レーニン→”赤の巣窟”法務省民事局
 2.少年少女犯罪の急増、出生率のさらなる激減、民族文化の消滅―「夫婦別姓」後の、日本の荒涼と殺伐
 この第三章で中川八洋が批判している学者等の論者の個人名は以下のとおり(外国人、団体・組織を除く。注記を含む)。
 手塚治虫、福沢恵子、福島瑞穂、星野英一、鍛冶千鶴子、葉石かおり、井上治代、星野澄子、榊原富士子、二宮周平、吉岡睦子、我妻栄、中川善之助
 立ち入らないし、これ以上の紹介もしない。ただ、<少子化>(中川によると→日本人絶滅)の原因が<子育てしにくい社会>にあるのではない、ということだけは間違いなく、戦後日本の歪んだ男女「対等」主義(誤った<ジェンダー・フリー>とも関係)、将来世代への<責務>を放棄させる(とくに女性の)「個人」優先主義、自然的な「母性」を否定するフェミニズム等々にある、とだけコメントしておく。大筋、基本的なところでは中川は誤ってはいないだろう。

0456/八木秀次-天皇制度廃止への道筋をつける原武史・昭和天皇(岩波新書)。

 原武史・滝山コミューン1974(講談社、2007)には、二回触れたことがある。
 この本は日教組の影響下にあったと見られる「全国生活指導研究協議会」に属する教員による「学級集団づくり」に対して批判的なので、著者はどちらかというと<保守的>又は<反左翼>的だと思っていた。
 サピオ4/23号(小学館)の八木秀次「天皇『9時-5時勤務制』まで飛び出した宮中祭祀廃止論の大いなる誤り」(p.83-85)によると、この宮中祭祀廃止論の中心的主張者は明治学院大学教授・原武史らしい。なお、<宮中祭祀>自体が広く知られていないが、八木によると、宮中三殿といわれる「賢所」・「皇霊殿」・「神殿」で行われる祭儀のことで、「大きなものだけで年間30近くある」とのこと。
 「天皇は先祖を祀る『祭祀王』としての性格を持ち、それこそが天皇の本質的要素と言っても過言ではない」(p.83)。
 「祭祀王」という概念がどの程度一般化しているのか、適切なのか(=「王」という語を用いてよいのか)は疑問だが、八木の指摘する趣旨は、そのとおりだろうと私も考える(また、その祭祀とは<神道>によるものでないかと思うが立ち入らない)。そして「宮中祭祀廃止」論は<天皇制度>の否認論と殆ど同じことだろう、と思われる。
 八木によると、「原氏が抱く昭和天皇、いや、天皇制への嫌悪感」は原武史・昭和天皇(岩波新書、2008.01)の「全編からたちのぼってくる」という。その具体的例示も紹介されているが、ここでは侵略する。
 興味をそそられたのは、冒頭に示した本を書いたのと同じ著者が昭和天皇を批判し、天皇制度を「崩壊させる道筋をつける」(八木、p.85)議論を展開している(らしい)ということだ。と同時に、さすがに岩波書店の岩波新書だ、と思いも強い。究極的には<天皇制度を「崩壊させる」>ことは(それは日本が「日本」でなくなることを意味するのではないか)、この出版社の社是、出版活動の(政治的)大目的の一つだと理解しておいて誤りではないだろう。
 岩波新書といえば、中央公論3月号(中央公論新社)の<特集・新書大賞ベスト30>の中の座談会で、宮崎哲弥は、<岩波新書らしいもの>を出せと注文をつけ、西山太吉・沖縄密約につき「単行本でいい…。新書で出す必要性が感じられない」と述べつつ、「これぞ岩波新書」をあえて探せばとして藤田正勝・西田幾太郎丸山勇・カラー版ブッダの旅の二つを挙げ、「岩波らしい」ものとして豊下楢彦・集団的自衛権とは何か二宮周平・家族と法二つを挙げている(p.129-130。出版年月の調査は省略。いずれも未読)。
 宮崎哲弥のいう「これぞ岩波新書」とか「岩波らしい」ということの意味は必ずしも明瞭でないが、何となく雰囲気は理解できる。そして、「これぞ岩波新書」と「岩波らしい」は必ずしも同じ意味ではなく、原武史・昭和天皇は上の二つとともに「岩波らしい」の方に位置づけられる書物のような気がする。
 追記-4/09夜に佐伯啓思・日本の愛国心(NTT出版)を全読了>

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