秋月瑛二の「自由」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

世取山洋介

0134/「大学の教育学部は左翼の巣窟でもある」。日教組を指導した学者は誰か。

 大和撫吉・日狂組の教室(晋遊舎、2007.06)は簡単に読了。
 最後の八木秀次の論稿を読んで改めて感じたのは、教育行政にとっての村山富市社会党首班内閣誕生の犯罪的な役割だ(p.158あたり参照)。
 最後の頁に、八木はこう書く。「大学の教育学部は左翼の巣窟でもある」(p.160)。
 新潟大学教育人間科学部の世取山某は全くの例外ではないのだ。やれやれ。日本史学(+西洋史学)、政治学、社会学、法学の中のとくに憲法学、経済学の一部、の辺りが「左翼の巣窟」と思っていたが、「教育学」もそうだとは私には盲点?だった

 日教組問題全体についていえば、その運動方針・実際の活動内容等を批判していくことも大切だが、私は日教組(・全教)の教員活動家よりも、日本の教育にとって責任のより重い者たちがいる、と考えている。
 それは、戦後、日教組を「理論武装」させ、指導し、唆した、多くは大学に在籍したと思われる、教育学、歴史学、法学、経済学等々の専門をもつ、マルクス主義者たち、又は社会主義者たちだ。
 時代によって変わっている筈だが、大内兵衛などは戦後すぐに労働組合運動全体を「指導」したに違いない。
 現在でも、日教組系と全教系に分かれているかもしれないが、多くの大学教員又は「知識人」と称される者が教員の「反社会的」あるいは「歪んだ教育」運動を指導し、嗾しているのではないか。
 かつては教育問題に限らない講和問題・安保問題で、「平和問題談話会」に集った知識人・文化人たちが大きな役割を果たした。かつてのこの会等のメンバー名をきちんと特定して記録しておきたい、と思っている。
 現在についても(再述すれば、日教組系と全教系に分かれているかもしれないが)、個々の組合員又は指導部よりも実質的責任は大きいとも言える「学者」たちの氏名リストを何とか作れないものかと考えている。
 5/10発売の週刊新潮5/17号の高山正之のコラムのタイトルは「学者か」だ。慰安婦問題のデタラメ証言を「信じるのは学者だけだろう」で終わっているのだが、日本を悪くしてきているのは、かなりの部分、大学の「学者」様ではないか。肩書などに欺されてはいけない。

0132/日本語条文の日本人大学教員による読み方の(政治的)「悪例」。

 第8章 地方自治
 第91条の2(地方自治の本旨)
 ① 地方自治は、住民の参画を基本とし、住民に身近な行政を自主的、自立的かつ総合的に実施することを旨として行う。
 ② 住民は、その属する地方自治体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し、その負担を公正に分任する義務を負う。
 第91条の3(地方自治体の種類等)
 ① 地方自治体は、基礎地方自治体及びこれを包括し、補完する広域地方自治体とする。
 ② 地方自治体の組織及び運営に関する基本的事項は、地方自治の本旨に基づいて、法律で定める。
 第92条(国及び地方自治体の相互の協力)
 国及び地方自治体は、地方自治の本旨に基づき、適切な役割分担を踏まえて、相互に協力しなければならない。
 第93条(地方自治体の機関及び直接選挙)
 ① 地方自治体には、法律の定めるところにより、条例その他重要事項を議決する機関として、議会を設置する。
 ② 地方自治体の長、議会の議員及び法律の定めるその他の公務員は、当該地方自治体の住民が、直接選挙する。
 第94条(地方自治体の権能)
 地方自治体は、その事務を処理する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。
 第94条の2(地方自治体の財務及び国の財政措置)
 ① 地方自治体の経費は、その分担する役割及び責任に応じ、条例の定めるところにより課する地方税のほか、当該地方自治体が自主的に使途を定めることができる財産をもってその財源に充てることを基本とする。
 ② 国は、地方自治の本旨及び前項の趣旨に基づき、地方自治体の行うべき役務の提供が確保されるよう、法律の定めるところにより、必要な財政上の措置を講ずる。
 ③ 第83条第2項の規定は、地方自治について準用する。

 長く引用したが、これは自民党新憲法草案の<地方自治>に関する章(第八章は現行と同じ、95条は削除。枝番号付きの条項は新設)だ。これらに関するコメント・感想を述べたいのではない。
 この案を見て、市販の本の中で次のように語
っている大学教員がいるのだ。
 「草案の『地方自治』に関する条文から読み取れるのは『教育の財政責任はすべて地方自治体にある』ということ。…地域による教育格差が広がることは否めません」。
 上の草案条項のどこから、かかることが「読み取れる」のだろうか。「教育」経費につき第94条の2①(第一項)のみを見て、②(第二項)「国は、…法律の定めるところにより、必要な財政上の措置を講ずる」等の他の条項は全く見ていないことは明らかだ。
 悪意を持って見れば、ふつうの?花も毒と棘を持っているように「歪んで」見えてしまう好例だ。日本語文の悪しき(全体を見ない)読み方の典型なので、学校の国語の時間や文章読解の時間に(あるいは大学・教育学部の「国語」に関する科目の時間に)「悪い実例」として利用すればいいのではないだろうか。
 上のように「読み取れる」としたのは、前回言及の、新潟大学・世取山洋介別冊宝島1421の日本国憲法特集p.106にちゃんと載っている。
 ついでにこの本(ムック)のさらに若干のものを見てみたのだが、後藤武士「日本一人権を制限されている人」(p.100-)は、天皇陛下にはほとんどの人権が認められていないことを気の毒がっており、じつは天皇制度を無くしたらどうかと示唆していると「読める」<気味の悪い>一文。憲法学者のようである日笠完治による「Q&A入門・日本国憲法」は、10年前でもありそうな、護憲派による陳腐な憲法の説明だった。

0131/別冊宝島・日本国憲法特集号の「奇怪」と新潟大学准教授・世取山洋介の「愚劣」。

 一昨日、軽い読み物のつもりで、大和撫吉・日狂組の教室(晋遊舎、2007)と別冊宝島1421・施行60年!ビジュアル日本国憲法(宝島社、2007.05)を買い、前者は夕食までのあっという間に半分程読んでしまった。
 後者が問題で、元イラク先遣隊長・佐藤正久のインタビュー記事があったりするのだが(未読)、全体として何が主張したいのか、どのような観点から日本国憲法の今日的問題点を整理しているのか、さっばり分からない。
 例えば、兵頭二十八・文となっている「シミュレーション小説・日本が攻められる時/沖縄にある日、C国軍が」は、首相が現憲法は無効と声明しさえすれば、自然法に基づく自衛権により「正規の武力」によってC国軍に対抗できるのに、「誰にも理性と度胸がない」から、沖縄の一小島をC国軍が「実力占拠」するのを「指をくわえて見ているしかない」、と最後の方に書いている(p.98)。
 何と、日本国憲法「無効」論に依って書かれているのだ(兵頭二十八の名は知っていたが、現憲法「無効」論者とは知らなかった)。しかも、実際の防衛が現在の法制と自衛隊によってもこうではないだろうと考えられるデマを紛れこませている(本当に軍事専門の人が書いたのかとの疑いがある)。
 と思ったら、木附千晶「教育基本法改正の真の姿」は、日本で教育基本法が改正された頃の、日本が「取り組もう」としているのと「そっくり」の米国の教育改革はジョージ・オーウェルの小説「一九八四年」の世界そっくりでないか、から始まる。そして、日本の教育基本法改正と将来の憲法改正に明瞭に反対の論調で終わっている。
 だが、この一文はとてもまともな「論文」などではなく、上に紹介した冒頭も含めて、ガサツな思考と論理で喚(わめ)いているだけだ。
 その中で新潟大学の「教育法」専攻者としての「世取山洋介助教授」(4月より助→准)のコメントがけっこう長々と紹介されているが、私は大いに笑って(同時に「嗤って」)しまった。
 彼は、例えばいう。現憲法13条の「公共の福祉」を削り「公益及び公の秩序」に代える自民党憲法草案のように改正されれば、「何が「公益」で何が「公の秩序」を決めるのは国会(国)です。つまり、国会の裁量で個人の自由を伸縮できるのです。これでは明治憲法に逆戻りです」(p.105-6)。
 馬鹿ではないか。現憲法のもとでも何が「公共の福祉」であるかは国会が裁量的に判断しており、その「立法裁量」の合憲性は最終的には最高裁が決定する。「公益及び公の秩序」に変わっても同じことだ。それに、憲法の範囲内で国民代表たる国会が制定する法律が「個人の自由を伸縮」しているのは、これまでも今後も、行われてきたし、行われるだろうことなのだ(規制の強化・緩和によって自由も縮小・拡張する)。
 本当にこんな人がいるのかと思って新潟大学のHPを調べて見たら、たしかに、「世取山洋介」という准教授がいた。しかし、法学部ではなく教育人間科学部。出身大学院は教育学研究科で、要するに「法」には素人なのだ。助言しておくが、「教育法」などという専攻を雑誌に記載させない方がよい。また、このような人に話を聞いた木附千晶の立場も自ずから分かる。
 それにしても、この「世取山」某という人は東京大学大学院教育学研究科で学んだようなのだが、この人と執筆者の木附某の教育観・国家観のヒドさは何だろう。教育学もまた、マルクス主義・共産主義・反権力(国家)幻想に相当に冒された学問分野で、そうした傾向を支持する教育関係運動もあるのだろう(木附某氏は教育関係団体関係者のようだ)。
 木附某によると、今の政府が進める「新自由主義的教育改革をひと言で表現するなら「教育の国家統制」である」らしい(p.106)。また、小泉政権下の2005年の「規制改革・民間開放推進3か年計画」によって「日本の教育は、憲法原理と完全に訣別した」、その後「準憲法」としての教育基本法まで「改正」されたのだ、という(p.108)。
 木附某に尋ねてみたいものだ。今の教育のままで放っておいて貴氏のいう「人間性と個人の尊厳のある「自由な国」」(p.109)は生まれるのか、上記の大和撫吉・日狂組の教室が描くような問題は貴氏には一切見えないのか、「教育の国家統制」はなく
「教育の組合(日教組・全教)統制」なら満足なのか、と。
 というようなわけで、日本国憲法「無効」論者と<極左的>国家観・教育観の持ち主の書いたものが同居している、訳の分からない出版物が別冊宝島1421だ、と思われる(全部を読んでいないが、読む気を失った)。
 憲法問題なら売れると思って、適当に編集したとしか思えない。あるいは全体として「左」の印象だが、議論の質は低い。「創刊人・蓮見清一、共同発行人 富永虔一郎、藤澤英一」とは別冊宝島全体についてなのだろうか。とすると、この本(ムック)については「編集・小林大作」、「制作責任者・伊藤俊之」だ。
 「世取山洋介」とともに、この辺りの人は自らを「恥ずかしく」思った方がよい、と思う。

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