秋月瑛二の「自由」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

日本共産党員

2630/日本共産党と4月統一地方選挙・松竹伸幸。

  日本共産党中央委員会常任幹部会は、2023年4月10日に声明を発して、同年4月の統一地方選挙の前半戦の同党の選挙結果について、こう明言した。
 道府県議選では「前回選挙で獲得した99議席から22議席を後退させる結果となりました」。また、新たに4県が「議席空白となりました」。
 政令市議選では、「前回選挙で獲得した115議席から22議席を後退させる結果となりました」。
 同じく日本共産党中央委員会常任幹部会は、2023年4月24日に声明を発して、後半戦の同党の選挙結果について、こう明言した。
 「4年前の選挙と比べると、東京区議選挙で13議席減、一般市議選挙で55議席減、町村議選挙で23議席減となり、合計91議席の後退となりました。議席占有率は前回の8.08%から7.28%に後退しました」。
 明らかであるのは、そのスピードの緩急は別として、地方レベルでも見られる、日本共産党の力の衰退傾向だ。 
 すでに明らかにされているように。党員数、機関紙購読者数も顕著な減少傾向を示している。この傾向は緩やかであれ、今後一貫して続くだろう。
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  「日本共産党の65年」、「日本共産党の70年」、「日本共産党の80年」を同党中央委員会名義で出版してきた日本共産党だから、間隔が空いてもさすがに2022年には「日本共産党の100年」を出版するのだろう、「最長の歴史もつ政党」を誇るのだろうと予想していたが、ついに発行されなかった(2023年4月末現在)。
 全体として、活動能力が落ちていることは間違いない。100年史を執筆することのできる人材が枯渇しているのだろうか。あるいは、党の100年の歴史の「総括」的叙述をし始めると、基本的部分ですら中央委員会または同常任幹部会内部で「理論闘争」が起きて、収拾がつかなくなるのだろうか。
 ともあれ、1970年代に日本共産党とその基本「思想」に共感し、同党の描く将来を夢見て入党し、2020年代に70歳前後になり、人生の「晩年」を迎えて、約50年間の<日本共産党員>たる地位を放棄すると決断したらしき松竹伸幸(1955年生、2023年「除名」)も含めて、一度きりの人生の20歳代から70歳前後まで、つまり人生の活動期間のほとんどを<日本共産党員>として過ごしてきた者たちの現在の心情を想像すると、憐憫の情に耐えない。じつに気の毒だ。そのような人々の人生は、一回かぎりの人生は、いったい何だったのか。
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  松竹伸幸がまだ共産党員だったとは知らなかったが、この人の近時の主張の内容、朝日新聞社説等による擁護論の内容等に興味はない。つぎのようにだけ付言する。
 <分派の禁止>、党中央と異なる見解の「党外」での公表の禁止は、1921年3月のロシア共産党10回大会で明確に採用され、世界の各「共産党」も採用した共産主義政党の根本的な組織原理であり、「体質」だ。これが変更されることは「共産党」と謳うかぎり、あり得ない(だからこそ、レーニン主義的組織原理を維持する「共産党」は今や世界にきわめて希少な存在になっている)。
 松竹伸幸は自分の言動がどのような結果をもたらすかを、かつての日本共産党中央委員会要職者という経歴からしても、熟知していたはずだ。
 最後に<華々しく散ろう>と考えたのかもしれないが、「茶番劇」にすぎないだろう。見解・政策方向の違いに原因があるのではなく、要するに、<日本共産党には未来がない>と、人生の最終盤に入ってようやく明確に悟った、というだけのことではないか。
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2557/「前衛」上の日本共産党員⑯—2013年9月号。

 既述のように、日本共産党中央委員会理論政治誌である月刊誌『前衛』に執筆しているのは、この党の議員・職員等であることが明記されていなくとも、余程の特別の事情のないかぎり、明確に党員だと見られる。非党員がこの性格の雑誌に執筆できるはずは、余程の例外を除き、あり得ないだろう。
 「青木 理」もまた、党員だと思われる。例外に当たらない。No.1627/2017.07.06参照。
 以下は、『前衛』2013年9月号による。正確には、この時点についての推定にはなる。
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 松宮 輝(火ヘン)/産業技術研究所—原発ゼロ社会。
 山田 朗/明治大学教授—政界の歴史修正主義。
 林 博史/関東学院大学教授—安倍・橋下の慰安婦発言。
 久保田 貢/愛知県立大学准教授—歴史認識・太平洋戦争。
 羽淵三良/映画評論家—反戦・平和映画の伝統。
 佐藤哲之/弁護士—全国B型肝炎訴訟。
 米沢 哲/日本医労連中央執行委員—介護。
 山﨑龍明/武蔵野大学教授・寺院前住職—核・原発等。
 ——
 以上。
 この号ではまだ、不破哲三の連載が続いていた。

1989/宮地健一による稲子恒夫。

 ロシア革命(とくにネップ)や日本共産党の詳細な主張・歴史認識に関心をもったのはとりわけ2016年になって以降だったように思う(むろんそれまで江崎道朗のレベルで全くの無知だったわけではない)。
 早々に入手したのは、古書でも安価ではなかったと思うが、以下だった。
 稲子恒夫編・ロシアの20世紀-年表・資料・分析(東洋書店、2007)。
 本文から事項索引まで、計1069頁。別に、はしがき・目次で計15頁。
 「編」となっているが、稲子以外の執筆者はいない。
 稲子恒夫、1927~2011。名古屋大学法学部教授、同大学名誉教授。
なお、レシェク・コワコフスキ、1927~2009。
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 <宮地健一のHP>の中に、稲子恒夫に関する以下の記述がある。宮地によるものだと思われる。**(1)と**の間は、「」を付けないが、引用。但し、一部に下線を付し、全角数字は半角に改め、一文ごとに改行した。**(1)と**(2) がある/この区分けは秋月による。
 **(1)
 稲子恒夫名古屋大学法学部教授は、著名なソ連法学研究者で学者党員だった。
 ソ連崩壊前、彼は、ソ連体制・レーニン賛美党員で有名だった。
 しかし、ソ連崩壊後、「レーニン秘密資料」などに直接接し、愕然とした。
 彼は、ある時、水田洋名古屋大学名誉教授に会って、『私のロシア革命・レーニン認識は根本的に間違っていた』と告白した。
 その会話内容を私(宮地)は、水田教授からじかに聞いた。
 その後、稲子名誉教授は、脳梗塞の後遺症にもかかわらず、1991年ソ連崩壊後に発掘・公表された大量の極秘資料を収集・分析し、下記『ロシアの20世紀』(東洋書房、2007年4月、1069頁)を、70歳・1998年から80歳・2007年にわたり、10年間掛けて完成させた。
 私(宮地)が別件の大須事件取材で、稲子宅を訪問した時点も、彼は1069頁のすべてを自分でパソコンに入力している最中だと語った。
 彼は、出版後の2011年8月に死去した。
**(2)
 ちなみに、稲子教授に関するエピソードを一つ書く。
 1969年、全国の大学封鎖運動と同時期に、新左翼・革マルが、名古屋大学の文学部・教養部を封鎖し、立てこもった。
 名大の共産党3支部-(1)教職員支部・(2)院生支部・(3)学生支部は、封鎖対策問題でグループ会議を初めて開いた。
 私(宮地)は、共産党愛知県委員会の代表で参加した。
 私は当時、(3)学生党委員会と(2)院生支部も担当していた。
 3支部からトップが2人ずつ参加した。
 (3)学生党委員会は、共産党員400人・民青1000人を抱え、全学部だけでなく、文化部ほとんどにも共産党グループを配置していた。
 (2) 院生支部も全学部にできていた。
 場所は、稲子宅だった。
 稲子教授は、(1)教職員支部のトップだった。
 テーマは、封鎖解除をどうするか、だった。
 稲子教授の提案で、圧倒的多数の共産党・民青組織は、封鎖を包囲し、ビラ・立看板などの宣伝行動をするだけで、武力解除方針を採らないという結論で合意した。
 その時点、広松渉は、名古屋大学文学部教授で、ドイツ語・哲学を教えていた。
 彼は、封鎖学生の理論的指導者として、毎日、自由に封鎖学部を出入りしていた。双方に暴力的出来事もなく、新左翼・革マルはまもなく自ら封鎖を解除した。
 **
 稲子恒夫が日本共産党系くらいの知識は私にもあって、この欄の<マルクス主義法学講座>(日本評論社-編集担当/林克行)の紹介の中でも、稲子が有力な「マルクス主義法学」の研究者だったことが分かる。
 上によると、それ以上に、稲子恒夫は、名古屋大学の同党「教職員支部」のトップだったというのだから、「院生」と「学生」を除き、実質的には日本共産党名古屋大学総支部長だったと見てよいと思われる。
 その稲子恒夫が1991年12月のソ連解体以降に、名古屋大学同僚(・文学部)の水田洋に、こう告白したのだという。
 「私のロシア革命・レーニン認識は根本的に間違っていた」。
 1927年生まれの稲子は、1992年に65歳。
 1961年にはすでに入党していたのだろうから、少なくとも(人生の最も活動的な)30年間を、「根本的に間違っていた」「認識」をもって、ソヴィエト法または社会主義法という科目の教師およびこの分野の研究者として過ごし、かつ日本共産党という政治団体の有力な構成員を務めてきた、ということになる。
 一度きりの人生。哀切感、気の毒という感覚、を覚える。
 彼の現役?活動中に敵対していた勢力の一員だった者からすると、そう単純なものではないかもしれないが。
<宮地健一のHP>には「学者党員」に関するその他の記述もあるが、今回は省略する。
 田口富久治、長谷川正安等々、なぜか名古屋大学の法政・人文関係には日本共産党員教授が多い(多かった)。法学部といっても、公法・政治学分野に限られるかもしれないが。また、水田洋も。
 ところで、上に出てくる名古屋大学文学部教授・広松渉(廣松渉)は、のちに東京大学教養学部教授になった。1933~1994。
 廣松渉・生態史観と唯物史観(講談社学術文庫、1991。原書1986)の「はじめに」の中に、こういう旨の記述がある。「」は引用。
 梅棹忠夫の<生態史観>論文の「論趣には体制側のイデオロ-グを随喜せしめるものがあり」、一方で、「マルクス学徒の神経を逆撫でする言辞に充ちている」。梅棹論文はたしかに「唯物史観を採る者にとって甚だ"癇に障る" 代物である」。
 上の宮地健一の記述によると、広松渉は「封鎖学生の理論的指導者として、毎日、自由に封鎖学部を出入りしていた」。
 広松渉(廣松渉)自身の記述によっても(上に言及の部分以外も含めて)、日本共産党員または同党系の研究者ではなくとも、この人は「マルクス学徒」、「唯物史観を採る者」ではあったわけだ。
 日本の「左翼」の、または<左翼的雰囲気>の層の厚さ・深さを知っておく必要があるだろう。かつまた、ここには日本に独特なものがあると見られることも。

1797/「前衛」上の日本共産党員⑮-2018年03月号。

 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。
 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2018年03月号による。
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 本 秀紀/名古屋大学教授-安倍改憲の特質。
 山口智美/モンタナ州立大准教授-政権・「右翼」の「歴史戦」孤立と改憲。
 丹波史紀/立命館大学准教授-福島県双葉避難住民。
 鳥畑与一/鳥取大学教授-成長戦略と地域銀行。
 建部正義/中央大学名誉教授-ビットコインの「実像と虚像」。
 久保田和志/弁護士-埼玉九条俳句訴訟。
 神川喜夫/教育ジャーナリスト-大学入試改革迷走と高校教育改革。
 村田 武/九州大学・愛媛大学名誉教授-日本農業の構造改革。
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 以上。別の号につづく。

1786/「前衛」上の日本共産党員⑭-2018年05月号。

 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。
 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2018年05月号による。
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 山内敏弘/一橋大学名誉教授-安倍九条改憲。
 西谷 修/立教大学特任教授-安倍改憲。
 丹羽 徹/龍谷大学教授-教育無償化論。
 田中 隆/弁護士-安倍改憲と改正手続法。
 鈴木達治郎/長崎大学核兵器廃絶研究センター長-核。
 桜田照雄 /阪南大学教授-カジノ実施法案。
 斉藤敏之/農民連副会長-卸売市場法。
 大日方純夫/早稲田大学教授-明治150年と自由民権。
 中村晋輔/弁護士-米兵殺人国家賠償。
 佐貫 浩/法政大学名誉教授-教育政策と新自由主義。
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 以上。別の号につづく。

1783/「前衛」上の日本共産党員⑬-2017年10月号。

 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。
 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2017年10月号による。
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 小林 武 /沖縄大学客員教授-辺野古・法治主義・憲法。
 徳田博人/琉球大学教授-辺野古・法治主義・憲法。
 中野晃一/上智大学教授-安倍政権。
 渡辺 治 /一橋大学名誉教授-安倍政治。*またもや登場。
 岩見良太郎/埼玉大学名誉教授-アベノミクス。
 中山 徹 /奈良女子大学教授-アベノミクス下の大型開発。
 山田博文/群馬大学名誉教授-アベノミクス・シムズ理論。
 牧野富夫/日本大学名誉教授-安倍政権・働き方改革。
 立石雅昭/新潟大学名誉教授-柏崎刈羽原発再稼働。
 長澤成次/千葉大学名誉教授-地方自治体の社会教育行政。
 格地悦子/相模原市民-公民館活動。
 宮永弥四郎/教育研究者-貧困。
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 *以下、別の号につづく。 

1768/「前衛」上の日本共産党員⑫-2013年10月号。

 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。少なくともこの時点では。
 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2013年10月号による。
 党員であることが当然の国会議員等の議員、党役員・専従職員(赤旗記者等)等は省いている。
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 尾藤廣喜/弁護士・生活保護問題対策全国会議代表幹事。
 立石雅昭/新潟大学名誉教授-原発再稼働新基準。
 児美川孝一郎/法政大学教授-若者の就職活動。
 大内裕和/中京大学教授-奨学金問題。
 吉田好一/国際人権活動日本委員会代表委員-日本の人権。
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 *以下、別の号につづく。

1696/「前衛」上の日本共産党員⑪-2013年7・8月号。

 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。
 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2013年7月号による。
 小沢隆一/東京慈恵医科大教授・憲法学者-またも。
 中山 徹/奈良女子大学教授-公共事業予算。
 田中靖宏/ジャパン・プレス・サービス社長-ベネズエラ。
 佐藤次徳/マツダ訴訟原告団事務局長。
 高根孝昭/マツダ共闘会議事務局長。
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 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2013年8月号による。
 伊佐真次/東村高江ヘリパッドいらない住民の会。
 高橋美枝子/羽村平和委員会-横田基地。
 工藤昌宏/東京工科大学教授-アベノミクス。
 芝田英昭/立教大学コミュニティ福祉学部教授-TPPと医療。
 寺内大介/弁護士・ミナマタ弁護団全国連絡会事務局長-水俣訴訟。
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 *以下、別の号へとつづく。

1687/「前衛」上の日本共産党員⑩-2013年6月号。

 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。
 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2013年6月号による。
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 寺尾正之/全国保険医団体連合会事務局-社会保障制度改革。
 林 泰則/民医連常駐理事-社会保障制度改革。
 布施祐仁/ジャーナリスト-原発労働現場。
 脇田 滋/龍谷大学教授(労働法学)-労働規制緩和。
 萬井隆令/龍谷大学名誉教授(労働法学)-解雇規制。
 吉田敏浩/ジャーナリスト-安保・米軍基地。
 **付記-不破哲三・スターリン秘史/大テロル(下)が30頁分ある。
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 別の号へとつづく。

1666/「前衛」上の日本共産党員⑨-2013年5月号。

 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。
 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2013年5月号による。
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 森 英樹/名古屋大学名誉教授-安倍内閣の改憲路線。+何度も。
 藤田孝典/ほっとプラス代表理事-生活保護・改憲反対。
 末浪靖司/ジャーナリスト-アメリカが求める九条改憲。
 小森美登里/「ジェントルハート」理事-いじめ問題。
 福井雅英/北海道教育大学教職大学院教授-同上。
 宮城みのり/民青同盟千葉県委員会副委員長-同上。
 藤岡裕子/尼崎医療生協病院副事務長-生活保護。
 丸浜 昭/歴史教育者協議会事務局長-歴史教育。
 **付記-不破哲三・スターリン秘史/大テロル(上)が41頁分ある。
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 別の号へとつづく。

1652/松竹伸幸-2004年・日本共産党政策委員会外交部長。

 一昨日(7/15)夕方に、つぎの著に言及した。
 松竹伸幸・レーニン最後の模索-社会主義と市場経済(大月書店、2009)。
 見慣れない人物名だったので、推測もしたが、間違っていた点があった。
 松竹には、以下の本もある。
 松竹伸幸・ルールある経済社会へ(新日本出版社、2004)。
 そして、この書での松竹伸幸の「肩書」は、日本共産党中央委員会政策委員会外交部長。この時点で、「外交政策」の党内部での責任者のようで、専従の立派な幹部職員だ。
 もちろん、党員だとの推測は誤っていない。
 但し、松竹伸幸は現在、かもがわ書房(京都市)の編集長だと分かった。党の専従幹部職員ではなくなっている。党籍があるかどうかは不明。
 しかし、この出版社の名前からして「左翼」系だとは分かる。
 ともあれ、党籍があるかどうかとは関係がなく(共産党専従職員に年齢による定年制のようなものがあるかどうかは知らない)、レーニンが「市場経済を通じて社会主義へ」という途を示したなどと書いている者は不破哲三ら幹部しかいないので、いずれにせよ、日本共産党員またはほとんどそれに近いことは明白だ。
 何しろ、ロシア革命・レーニンを擁護しているとみられる溪内謙(ロシア史)や藤田勇(社会主義法)といった学者・研究者ですら、レーニンによる「市場経済を通じて社会主義へ」の明確化などとは書いていない。
 溪内謙・上からの革命-スターリン主義の源流(岩波書店、2004)。
 藤田勇編・権威的秩序と国家(東京大学出版会、1987)。
 そうした中で、レーニンのもの以外の細かい文献を示すことなく、基本的に日本共産党の中央、つまり不破哲三や志位和夫と同じ趣旨の本を出す「気概」・「根性」があるのだから、形式的な組織帰属の有無は実質的には関係がないだろう。但し、不破哲三らが書いていないことも書くという「自由」は一定範囲内でもっているようだ。
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 松竹伸幸・ルールある経済社会へ(新日本出版社、2004)。
 この本が最初の方で述べていることには、疑問がある。
 この書物は1961年以降の日本共産党の基本方針を大賛美しているが(党員で、それを明らかにした本を書くのだから当然だろう)、その「民主主義革命」先行論の理解は、かなり怪しい。幹部職員でもこの程度かと思わせるところがある。以下、これに触れる。
 「民主連合政府」による大企業に対する「民主的規制」という2004年党綱領の立場に立つ。p.12。「民主」、「民主的」、「民主主義」がいっぱい出てくるので、独特の用語法に慣れないと日本共産党関係文献は読めない。
 さて、この著が言うには、1960年代初めに党が「社会主義をかかげるのではなく民主主義革命を打ち出した」という「先駆性、勇気」に「驚きを禁じ得ない」。p.22。
 こんなことを書かれて、「驚きを禁じ得ない」。
 なるほど、つい最近にフランスやイタリアの共産党に言及したのだったが、それらは「ユーロ・コミュニズム」とか称して議会制度重視ではあったものの、すでにブルジョア革命=市民革命は終わっているとして、つぎの「革命」は社会主義革命だと考えていただろうことを容易に推定できる。輝かしい「フランス革命」はとっくに18世紀後半に完了していたのだ。
 これらに対して、日本共産党は先ずは「民主主義革命」を選択するという「先駆性、勇気」があったと、松竹は書く。
 バカではないか。
 1961年綱領を作り上げるまでの宮本顕治や不破哲三が<偉かった>のではない。
 もともと日本共産党の歴史観は<講座派マルクス主義>と言われたもので、明治維新を<絶対主義天皇制国家>への画期と捉えていたから、ブルジョア革命=市民革命=「民主主義革命」はまだ完遂されていないのだ。
 労農派マルクス主義の立場にたてば、つぎの目標は「社会主義革命」なのかもしれない。
 しかし、日本共産党の発生史的・歴史的沿革からして、先ずは民主主義>革命という路線を選択せざるを得ない。これは1960年頃の日本共産党の幹部たちの判断を超えたものだ(宮本顕治の獄中~年を完全無視しないかぎりは)。
 杉原泰雄(一橋大学・憲法)のように戦後改革を<外見的市民革命>と理解すれば、つぎの革命は<社会主義的>なそれになるだろう。
 しかし、日本共産党は、そのような性格づけを戦後改革についてしていない。
 戦前・戦中にコミンテルン等から送られた<テーゼ>類には触れない。そして私の推論で書くのだが、コミンテルンとその支部・日本共産党は日本天皇制をロシア・ツァーリ体制と類似のものと見て、ロシアでの二月・十月の「革命」のようなものを日本で連続させることを意図していた。
 もともと二月・十月というのは間隔が短かすぎて、その間に<下部構造>がいったいどれだけ変質したのか?と素朴には思うが、ロシアでの<成功>体験からして、日本でも、A・パルヴゥス→L・トロツキーの「永続革命論」と同じではなくとも、<天皇制打倒>と<私有財産否定>の民主主義的変革と社会主義的変革とを連続して一気に遂行しようというのが、日本共産党の根本戦略だったのではないかと推論している(いずれきちんと資料を読みたい)。
 そうではなくとも(<一気に>ではなくとも)、明治維新が<ブルジョア(市民・民主主義)革命>でないかぎりは、そしてマルクスの社会発展史観に教条的に従えば、つぎは「民主主義革命」にならざるを得ない。
 1961年綱領が<先ずは民主主義>の旨を書いているのは、それだけのことだ。
 これに「先駆性、勇気」を見出すというのは、よほど宮本顕治・不破哲三を<崇拝>するものだろう。
 とはいえ、これは2004年の著。その後にほんの少しは変化したのかについては、松竹伸幸の著をもっと読む必要がある。

1640/「前衛」による日本共産党員⑧-2013年4月号。

 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2013年4月号。
 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。
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 渡辺治/一橋大学名誉教授-安倍政権・改憲・新自由主義。+何度も出てくる。
 大瀧雅之/東京大学社会科学研究所教授-アベノミクス・経済政策。
 佐貫浩/法政大学教授-教育改革。
 笠原十九司/都留文科大学名誉教授-東アジアの歴史認識。
 武田清春/通信産業労働組合書記長-NTT。
 永島民男/全国私教連中央執行委員長-私立高校・間接雇用講師問題。
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 別の号へとつづく。

1634/「前衛」による日本共産党員⑦-2013年3月号。

 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2013年3月号。
 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。
 とくに、俵義文を確認しておきたい。二宮厚美(神戸大学)は、ずっと前から、歴然としていた。
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 二宮厚美/神戸大学名誉教授-安倍政権と経済。
 丹羽 徹/大阪経済法科大学-安倍内閣の憲法観。
 俵 義文/子どもと教科書全国ネット21事務局長-安倍内閣の人脈。
 宮永与四郎/教育行政研究者-第二次安倍政権の教育改革。*筆名?
 吉田信雄/消費者問題研究者-消費者行政。*筆名?
 河村健吉/金融問題研究者-金融緩和。
 今泉義竜/弁護士-解雇・退職強要との闘い。
 高田太久吉/金融労働研究ネットワーク-欧州と新自由主義。
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 別の号へとつづく。

1627/「前衛」による日本共産党員⑥-2017年4月号。

 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2017年4月号。
 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。
 「青木理さん(ジャーナリスト)に聞く」という共謀罪に関するインタビュー記事があるのが注目される。
 青木 理/ジャーナリスト-共謀罪。
 入谷貴夫/宮崎大学教授-日本経済。
 中原准一/酪農学園大学名誉教授-北海道の経済。
 山田 朗/明治大学教授-歴史認識・真珠湾攻撃。
 吉田 裕/一橋大学教授-歴史認識。
 吉田千亜/フリーライター-自主避難者。
 鳫 咲子/跡見学園女子大学准教授-子どもの貧困。。
 「青木理さん(ジャーナリスト)に聞く」という扱いをふつうのジャーナリストが受けるはずはない。こんな扱いを受けるのは日本共産党の党員以外には、想定し難い。
 共謀罪や共謀罪法案について語ることのできる党員学者等は多いはずで、「評論家」を肩書きとする者でも何人かはいるだろうにもかかわらず。
 おそらく青木理は日本共産党が主張したいことを過不足なく語り、余計なことは語っていないのだろう。長年の「ジャーナリスト」生活を経て、このあたりで党所属の、党籍をもつ党員活動家であることを実質的に「公」にしてもよいとの判断に至ったと思われる。
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 別の号へとつづく。

 

1624/「前衛」による日本共産党員⑤-2013年2月号。

 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2013年2月号。
 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。少なくとも、上の時期には。
 山家悠紀夫/暮らしと経済研究室主事-金融緩和。
 吉永 純/花園大学教授-生活保護基準。
 実方伸子/全国保育団体連絡会事務局長-待機児童・保育。  
 村山祐一/帝京大学教授-子育て三法。
 早川光俊/地球環境と大気汚染を考える全国市民会議専務理事-COP18。
 加藤健次/弁護士-国家公務員法事件最高裁判決。
 土方 功/全日本教職員組合〔全教〕障害児教育部長-障害児学校。
 渡部昭男/神戸大学教授-無償教育・大学教育。
 武居利史/美術評論家-砂川闘争・60年安保。
 山田敬男/労働者教育協会会長-労教協創立60年。
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 別の号につづく。


1621/「前衛」による日本共産党員④-2014年2月号。

 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2014年2月号。
 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。少なくとも、上の時期には。
 小沢隆一/憲法学・慈恵医大-政治改革。
 上脇博之/憲法学・神戸学院大学-政治改革。
 渡辺治/一橋大学名誉教授-安保・改憲。
 田中章史/日本原水協常任理事-核兵器禁止。
 髙野邦夫/不戦兵士市民の会-特攻隊。
 石川康宏/神戸女学院大学教授-古典教室・不破哲三らと。
 以下は、党主催「汚水問題シンポジウム 」パネリスト。
 北澤宏一/東京都市大学長・福島原発事故独立検証委員会委員長。
 舩橋晴俊/法政大学社会学部教授。
 本島勲/元電力中央研究所主任研究員。
 廣瀬勝己/元気象研究所地球化学研究部長。
 大島堅一/立命館大学国際関係学部教授。
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 別の号につづく。

1614/「前衛」による日本共産党員③-2013年1月号。

 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2013年1月号。
 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。少なくとも、上の時期には。
 植松健一/立命館大学准教授-集団的自衛権。
 芝田佳宜/弁護士-選挙制度。
 和田 武/日本環境学会会長-再生可能エネルギー。 
 平田仁子/気候ネットワーク東京事務所長-原発。
 吉田 裕/一橋大学教授-日本史・歴史認識。
 宮城道良/不戦兵士市民の会東海支部事務局長-戦争体験。
 小池由美子/埼玉県立高校教諭-高校教育。
 河邑重光/(肩書きなし-歴史)*別途党員だと判明。 
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 別の号につづく。

1603/「前衛」による日本共産党員②-2016年11月号。

 日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』2016年11月号。
 以下、明確に日本共産党の党員だと見られる。
 渡辺治(一橋大学名誉教授)は既掲。
 まず、特集/憲法九条の70年と戦争法。
 小沢隆一(東京慈恵医大教授)。
 木下智史(関西大学教授)。
 小松浩(立命館大学教授)
 植松健一(立命館大学教授)。
 その他。鈴木宣弘(東京大学教授)-TPP。
 昆 弘見(ジャーナリスト)-「働き方改革」。。 
 橋山禮治郎(元日本開発銀行調査部長)-リニア新幹線。
 坂井 優(弁護士)-水俣病訴訟。
 高岡 滋(医師・協立クリニック院長)-水俣病。
 高橋正己(埼玉県民医連事務局長)-生活保護。
 田中章治(全日本視聴覚障害者協議会代表理事)-駅の安全。
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 別の号へと、つづく。

1586/日本共産党員-「前衛」中央委員会理論政治誌から①。

 この欄でいつぞや、「前衛」に「東京大学名誉教授」との肩書きで書いていた宮地正人は日本共産党の党員であることに間違いないと、その文章内容にも触れつつ指摘したことがある。
 常識的に見て、あるいは合理的に推測して、日本共産党の「中央委員会理論政治誌」に文章を執筆できるのは、あるいは執筆を依頼されるのは(インタビューへの回答を含む)、ほよどの極めての例外を除いて、日本共産党に籍がある、共産党員だろう。
 そうでないと、つまり日本共産党の基本方針はもちろん、同党の公表している個別政策と矛盾する文章をかいて原稿を送ってくるような無邪気な?者に、編集部は文章を執筆させるはずがない。そんなことをすれば、校正前後を問わず<事前検閲>が大変になるし、公刊後の<事後検閲>で発見されれば、それは中央委員会自身の責任になってしまう。そして、最大の譴責を受ける者は<前衛>の編集長になるだろう。
 日本共産党という党は文書を残す習慣の多い党で(これはロシア共産党の例に倣っているのかもしれない)、昨年以来、<日本共産党中央委員会総会決議集>類はおよそ1980年代ま半ば頃まではたどって、古書で入手できた。
 1990年代の1994年の党大会前後までの、「ソ連」に関する発言・議論などは、相当に<面白い>。
 最近は同種のものを公刊しているようには思えなくて(たんに古書市場に出ないだけか?)、様子が分からなくて困る。
 月刊<前衛>も入手できるものは購入し、いま検出できないが、ある年度以降の月刊<前衛>は全て収集した。
 その目的は、政策・主張内容にもありはする。<前衛>上の不破哲三論考が自民党・安倍内閣の淵源に<保守団体・日本会議>を持ってきて安倍を<ネオ・ファシスト>とじつに粗雑な論理でレッテルを貼ったあと(これはこの欄で紹介した)、ほぼ1年後に出版されてきたのが、今や多数ある<日本会議批判本>だ。
 余計なことを書きすぎた。
 その目的は、いったい誰が、日本共産党の党員なのか、を確定することにもある。
 党国会議員等の各級議員、党の幹部・中間幹部であり「党…」と肩書きのつく<党官僚たち>、これらは党員であるのは明白なので、<前衛>上にその名があっても、とくにこの欄に記載していく意味はない。
 注目されるべきは、「大学(名誉)教授」類などだ。
 森英樹・名古屋大学名誉教授、渡辺治・一橋大学名誉教授、はもういいだろう。
 他にも、<前衛>と関係なく、その<党員性>を間違いなく推測できる者はいるが、さしあたり別とする。
 さて、月刊前衛2017年1月号。頁順に進む。
 西川勝夫/滋賀医科大学名誉教授。-戦争中の「医学犯罪」。
 多羅尾光徳/東京農工大学准教授。-現在の大学等の「軍事」研究。
 桜田照雄/阪南大学教授。-カジノ反対。
 丹羽徹/龍谷大学教授。-部落差別解消推進法。
 渡辺治/一橋大学名誉教授。不破哲三の書物に関する対談。
 以上の6名について確実、または確定。
 さらに推理が必要な人物がいる。「全国革新懇」なるものが2016年10/22に「市民と野党の共闘の発展をめざす懇談会」を開いた。6人の報告をp.121以下が掲載する。
 志位和夫(党幹部会委員長)以外の5人はいったい何者か。
 日本共産党と「共闘」するのに反対しない<市民又は大衆団体>の代表等なので、<容共・左翼>てせあることは間違いない。
 しかし、<市民又は大衆団体>の代表や幹部の中に党員を配置するのは、日本共産党の常套手段なので、別団体の関係者だからといって党員ではない、との結論にはならない。
 <共産党を支持します>というたんなる「支持者」扱いの著名文化人・大学教授等の中にれっきとした日本共産党の党員がいた(いる)ことは、はっきりしている。
 したがって、88-99%の確率で党員だと思われる。100%の可能性があり、それを知っている日本共産党内部者は、「88-99%」で、喜ぶか、笑うかするかもしれない。外部の第三者には、それこそ<党員名簿>でも見ないと、100%の断言は-良識があるので-できない。
 牧野富雄/全国革新懇代表世話人・日本大学名誉教授
 石川康宏/神戸女学院大学教授・全国革新懇代表世話人。
 小田川義和/総がかり行動実行委共同代表・全労連議長・全国革新懇代表世話人。
 中野晃一/安保法制廃止等市民連合呼びかけ人・上智大学教授
 西郷南海子/安保関連法反対ママの会発起人。
 つぎの、作家・水上勉の実子には迷う。
 窪島誠一郎/「無言館」館主。
 父の水上勉は不破哲三との交流もあり、党員だったと疑わせる。そうでなくとも、ときどきは多額の寄付を、日本共産党に対してしていたものと推察される。かつての「支持します」メンバー。
 窪島誠一郎が書いているのは父親ともからませての不破哲三の著書の感想文なので、かりに党員ではなくとも、編集部が執筆依頼することはありそうにも見える。日本共産党批判やそれに逸脱する文章になるはずはない、と。
 だが、他にも「感想文」執筆資格者はいるだろうに、なぜ窪島誠一郎が?、という疑問は残る。70-90%くらいに、少し下げておこう。
 なお、秋月瑛二は水上勉の小説を相当数読んだし、その実子と離れることを素材とするものも読んだ。水上・窪島の劇的な親子判明・対面に関する二人の文章も読んだ。じつに不思議な<人生>がある。ここではこれ以上、感想を書かない。
 以上のほかに、美術・演劇・音楽の各評論家による、各分野での紹介・論評文がある。しかし、三人とも全て、<ペンネーム>だろうと思われる。
 朽木一・水村武・小村公次
 それぞれの分野でかなり著名で(そして党員か親共産党の者だが)、かつ月刊前衛に氏名を出したくない人物なのだろう。これまた、推測だ(もしかして実名ならば、美術・演劇・音楽の各分野に秋月が詳しくないのが原因で、その人は党員だろう)。

1362/憲法学者の平和安保法「違憲」論は正しくない-5(終)。

 一 一年以上前の2015年6/18に「さらに続ける」と書いたままだったので、律儀に?最終回を書く。
 2015年前半に話題だった安保法案は国会・両議院ですでに可決・成立し、2016年4月に施行された。
 いわゆる(限定的)集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈は、内閣法制局でも行政権の権限主体たる「内閣」でも内閣総理大臣の解釈でもなく、「国権の最高機関」であり「国の唯一の立法機関」(憲法41条)である国会の憲法解釈になった。安倍晋三が憲法を歪めるとか壊すとか、立憲主義に違反するとかの批判は、両議院での可決・改正諸法律成立以降、国会に向けられなければならない。日本共産党党員憲法学者その他の多くの憲法学者は、このことに反対できないはずだ。恨みたいならば、国会(両議院)を呪詛したまえ。
 二 さて、最後に論及しようと思っていたのは、いわゆる平和安全保障法制は違憲だとする憲法学者たち等は、日本の安全保障環境をどう認識しているのか、だった。もともと日本国家や日本国民の「安全・平和」に(口先だけの、あるいは政略的のみの)関心しか向けていない学者たちが多いのかもしれない。だが、法規範の「解釈」にも、ある程度は「現実の認識」が必要であるはずだ。
 民科(民主主義科学者協会)法律部会という一つの学会の前会長であり、ほぼ間違いなく日本共産党の党員だと言える浦田一郎は、安保法制の基礎となったとされる2014.07.01の「集団的自衛権行使容認」閣議決定を解説しつつ批判する中で、20015年の春につぎのように言っていた。
 「軍事的緊張が高まった側面が一面的に強調されている。冷戦下で米ソが核兵器によって軍事的に対抗していた状況より、現在ははるかに緊張は低下している。このような緊張の緩和という側面が無視されている」。
 以上、森英樹編・集団的自衛権行使容認とその先にあるもの/別冊法学セミナー(日本評論社、2015.04)p.179。
 これを読んで、なるほど、日本共産党は、いや「左翼」でもよいのだが、中国や北朝鮮の「危険」性・「脅威」を無視しているか軽視している、現実を客観的に見ようとはしていない、その背後には<親中国・反アメリカ>感情、かつての<社会主義幻想>、がある、と感じたものだ。
 日本共産党の党員学者にとっては、上のような認識は当然かもしれない。
 日本共産党はかつてソ連の解体直後には、仮想敵だったはずのソ連が崩壊したにもかかわらずアメリカは軍備を縮小しようとしない、などと(都合よく)主張していた。
 彼らにとって、中国等ではなく、党の綱領上、アメリカと日本「反動」勢力こそが<敵>なのだ(かつては、アメリカ帝国主義と(それに従属した)日本独占資本の「二つの敵」と言っていた)。
 日本共産党(党員)にとって、とりわけ1998年に同党と中国共産党が友好関係を再設定して以降は、中国(・共産党)や北朝鮮は日本の安全・生存にとっての現今の最大の脅威であってはならないのだ。
 このような現状認識から、まともな安全保障関係の憲法「解釈」論が出てくるはずはない。日本共産党党員以外の多数の(日本の)憲法学者もまた、受けてきた(法学教育を含む)教育や「左翼」的出版物・メディア等によって、目を曇らされてきた、と言えるだろう。
 三 日本共産党中央委員会「理論政治」誌・前衛2015年1月号(同中央委員会)の中に、「宮地正人さん(東京大学名誉教授)に聞く」「第二次世界大戦をどうみるか」というものがあり、宮地正人は最後につぎのように語っている。
 なお、この宮地正人は日本共産党党員だと理解して間違いない。同党員でない者が前衛や「赤旗」に登場して発言したり論考を寄せたりすることは、(記事の性格にもよるが)ありえない、と考えられるからだ。いかに○大学教授とか△大学名誉教授とかの肩書きになっていても、日本共産党々員だと理解する必要がある(朝日新聞社や日本評論社等の出版物にもこのような肩書きで執筆している者が、上記の別冊法学セミナーの浦田一郎や森英樹のように、少なくないことを銘記すべきだ)。
 「二一世紀の日本は、…。対米従属と軍事一辺倒、集団的自衛権にいくのではなく、憲法第九条を柱とする日本国憲法を表に立て、東アジアの地域的な結束をつくることです。…<中略>。…いまの安倍内閣はまさに逆行する、一番まずい方向に、日本と日本国民を追い込もうとしているのです。/
 この憲法と日本の民主主義をアジアの人たちへの旗印として、共同の目的として掲げる前提が、なによりも満州事変以降の日本の侵略戦争に対する戦争責任を総括し、謝罪することです。この前提はすでに『河野談話』と…政府の侵略と植民地支配への謝罪(『村山談話』)としてある
のです。それを堅持することが、日本の二一世紀の道を切り拓く前提だと私は思っています」。
 何とここには、「東アジア」と言いながら、中国あるいは北朝鮮の軍事的膨張政策・動向への言及がまるでない。これこそが日本共産党と同党員の思考であり「認識」だと、ふつうの正常な日本人は知っておかなければならない。
 また、明示的に「河野談話」と「村山談話」にこだわっていることも明らかだ。日本共産党と同党員たちにとって、橋頭堡を守るためにも、「河野談話」・「村山談話」を日本政府に堅持させることはきわめて重要なことなのだ。「村山談話」は克服されたとか、「河野談話」の継承は外交上必要だったとか主張して、これらの談話の継承と闘おうとしない論者は、決して<保守>ではなく、現在の日本共産党の路線に客観的には追随している。
 
 

1284/日本共産党員学者・森英樹の癒らない妄言ぶり。

 日本共産党であることがほとんど明瞭な森英樹(名古屋大名誉教授、憲法学)が、日本共産党機関誌(正確に書くともっと長いのだろうが割愛する)・前衛の2015年6月号の巻頭近くで何やら縷々語っている。
 ・いわゆる安保法制についての今年3月20日の与党合意に関して、オウムという「狂信的カルト集団」に「引きつけて」、安倍晋三または安倍政権について、次のように「おぞましい印象」を語る。
  「狂信的な憲法嫌悪の首相とその一味(安倍一族!)が、いよいよその本性をむき出しにして大量殺戮の道をひた走り始めた」(p.30)。
 現在の政権・政府について、「大量殺戮の道をひた走り…」とは尋常ではない。さすがに大学名誉教授ともなると、創造力が平均人以上に豊かであるらしい。
 ・論理が逆ではないかと疑わせる、次のような叙述もある。
  「日本が、日本人が丸ごとどこかの国や武装勢力の敵になってしまう集団的自衛権行使容認」には国民的な批判が寄せられた(p.47)。
 「集団的自衛権行使容認」が「どこかの国や武装勢力」の行動の原因になるかのごとき書きぶりだが、それこそ頭の中が<倒錯>しているのではないか。しかし、森英樹が日本・日本人を敵とする「どこかの国や武装勢力」なるものを想定しているらしいことだけは興味深い。
 ・昨年7月1日の閣議決定による集団的自衛権行使容認がかつて(1985年)の政府解釈・内閣法制局答弁を変更する<解釈改憲>だ(立憲主義違反だ?)との批判があるが、森は正しく<解釈改憲>は初めてではなく警察予備隊・保安隊・自衛隊の設置の過程でも行われた(「元祖・解釈改憲」)と指摘している(p.42)。したがって、森英樹はそれ以上に深くは立ち入っていないが、今回の憲法解釈変更のみを取り出して<解釈改憲>だと騒ぐのは、憲法施行後の、とくに九条に関連する度重なる政府解釈の変化の歴史を無視した、又は敢えて見ようとはしていない議論だということを知る必要がある。
 ・上の点はまあよいのだが、森が最後に次のように言うのは、何を寝ぼけたことを、という感じがする。
 森によれば、中国・北朝鮮等の脅威から日本を<何とか守ろう>とする立場と>、「戦争・武力行使・武力による威嚇と軍事力を根底から否認する」立場
があるのだ、という。そして、集団的自衛権行使容認を支える前者ではなく、後者の立場に立つ、それが「原点からの批判をぶれることなく維持・展開する」ことになるのだ、という(p.51)。
 よくもこうヌケヌケと語れるものだと思う。
 日本共産党の「原点」は「戦争・武力行使・武力による威嚇と軍事力を根底から否認する」立場だったのか。この政党も(?)日本国憲法に対する立場をいつからか(いずれ確認したいものだ)変えていることはほぼ周知のことだ。
 日本国憲法制定時に現九条に反対して反対票を投じた政党は日本共産党だけだった。野坂参三は1946年6月28日にこう述べたとされる-「…侵略された国が自国を護るための戦争は…正しい戦争といってさしつかえない」、「戦争一般抛棄」ではなく「侵略戦争の抛棄、こうするのがもっと的確ではないか」。
  <自衛戦争>という戦争を容認し、そのための武力行使も容認するのが、この時点での日本共産党の立場だった。これこそが日本共産党の「原点」ではないのか。一般論としても、日本共産党幹部・党員たちば、現実性はほぼ皆無だとしても、日本共産党単独又は中心の政権ができれば、そのときになお存在しているだろう「自由主義」(資本主義)国家からの圧力・干渉・武力介入を抑止するために、<軍隊>(国防軍)を設置・活用しようと考えるのではないのか?
 二枚舌は使わない方がよい。それとも、100歳を超えてから除名したかつての日本共産党幹部・野坂参三のかつての発言などは現在の同党とは無関係だ、とでも主張しているのだろうか。 

0285/日本共産党員作家・野間宏のスターリンを讃える詩。

 加賀乙彦・悪魔のささやき(集英社新書、2006.08)p.66-67によれば、野間宏は、1953年のスターリンの死の翌年、詩集・スターリン讃歌に「讃者」の一人として、つぎの詩を載せた。が、のちの彼の「全集」には収録しなかった、という。
 「
同志よ!/つきすすむ 大きなスターリンの星にみちびかれて/夕空に色をかえる雲のように
 私は数知れぬ たたかう星のなかで/かがやく自分の色をかえた。
」(/は改行)
  この頃は主権回復=再独立の翌年・翌々年で、日本共産党の一派は武装闘争を行っていた。スタ-リン批判はこののちの、1956年だ。
 野間宏(1915-1991)は1946年に「入党」したとみられる。1946年「暗い絵」、1952年「真空地帯」、1960-61年「わが塔はそこに立つ」。そして、1964年に党を除名される。
 共産党員だった時期の小説の、映画化もされた「真空地帯」がどのような<立場>からの作品かわかろうというものだ。
 「わが塔はそこに立つ」の塔は冗談ぽく言えば「党」ではなく、これは高校=三高時代の自伝的作品とされる。長篇だ。そして「塔」とは、三高の東南方向の丘陵地上にあった
真如堂という寺院の三重の塔を意味しているらしい(未読)。
 
なお、1950年代前半の学生運動に関する小説に、高橋和巳「憂鬱なる党派」(1965)がある。
 この頃に私は生まれていたが、むろん野間宏もスターリンも「知る」年齢ではまるでなかった。

0250/可哀想な日本共産党員のブログから二点。

 日本共産党員のブログや、コメントに対する応答を読んでいると、いちいちどのブログかを特定しないが、なかなか面白いものが含まれていることがある。若干の例を挙げて、コメントする。月日も特定しないが、比較的近日中のものだ。
 第一に、同党の実質的な初代「教祖」と言える宮本顕治の経歴、とくにスパイ・リンチ事件についての知識が不十分な日本共産党員がいる。例えば、某党員ブログはこう書く。
 「宮本顕治が逮捕されるきっかけになった事件についていってると思うんですが、宮本は「殺人」ではなく治安維持法違反で有罪になっているわけで、「殺人罪」では有罪になっていません。」(賢治→顕治に訂正しておいた)
 1933年12月のスパイ・リンチ死亡事件については、立花隆(日本共産党の研究)や当該「査問」の参加者の一人・袴田里見(昨日の同志宮本顕治へ)などの研究書や「実録」ものがある。
 日本共産党員として正しい知識と教養を身に付けるためには、そして、自己の立場に自信があるならば、同党関係文献や新聞・中総決定だけではなく、こうした本も広く読んだらいかがだろうか。
 上の本で確認しないまま書くが(それでも上の引用文よりは正確な筈だ)、宮本顕治はなるほど殺人罪で起訴され有罪判決を受けたわけではないが、治安維持法違反のみで起訴され有罪となったわけでもない。つまり、小畑某か大泉某が「査問」途中で逃亡しようとした際に拘束し実力を行使している間に死亡した件につき、過失致死か傷害致死(たぶん後者)という一般刑法犯を冒した者としても宮本は起訴され有罪判決を受けた。
 宮本顕治は治安維持法違反者としてのみ服役していたわけではない。一般刑法上の犯罪者でもあったのだ。この程度の知識も、一般の日本共産党員にはない、つまり、赤旗(新聞)等々によって誤魔化されている(正確な知識を与えられていない)ということに、改めて驚く。
 ちなみに、1.立花隆の本には、戦後すみやかに解放されえたのは「政治犯」のみで「一般刑法犯」は対象外だったが、法務省のミスで宮本顕治も<釈放>された旨書かれてあったと記憶する。
 2.ひょっとしてお知りにならない日本共産党員もいらっしゃるかもしれないので書いておくが、副委員長・袴田里見までをも除名しなければならなかったのは、まさに袴田里見が前衛(だったと思う)に連載してのちに本にしたものの一部がスパイ・リンチ事件を扱っていて、その内容が宮本顕治による殺人(柔道的首締め。未必の故意)と解釈されるおそれがあったことがきっかけだった。
 日本共産党は宮本顕治を守るため、戦前からの長い宮本の同志・当時副委員長だった袴田里見まで犠牲にしたのだ。
 第二に、某ブログ上のコメントとその反論に次のようなものがあった。一部のみ抜粋する。
 コメント-「スターリン、毛沢東、金日成、ホーチミン、ポルポトみんな一杯人殺してるよ。/共産主義者の殺人は綺麗で正義の殺人なのかな。
 反論-1.「長時間過密労働・過労死・過労自殺…資本主義の国・わが国日本でも資本が労働者を抑圧する行為がやられてますよね。
 2.「「社会主義」「共産主義」「共産党」の看板掲げているからといって、彼らのやってる事がすべて「社会主義」「共産主義」「共産党」というわけではありませんよ。わが国の政権党・自由民主党だって党名は「自由民主」でも、やってる事は大企業を応援し、庶民を増税で苦しめるなど「自由民主」とはほど遠いですからね。
 反論の1.はあまりにもひどい。「資本」の「労働者抑圧」の例である?「長時間過密労働・過労死・過労自殺によって、社会主義国(旧も含む)又は共産主義による自国民の大量殺戮が<相殺>されるわけがないではないか。前者に対応するのは、現・旧社会主義国における、労働環境・労働条件の悪さ等々による工場労働者等の死亡の多さだ。
 反論の2.についてはまず、些細なことだが、最後の文の、<大企業の応援や庶民を納税で苦しめる>のは「自由民主」に反する、との主張は全く論理的ではない。「自由」を実体的価値・「民主」を手続的価値とかりに理解するとしても、いやこのように理解しなくとも、上のことが「自由・民主」と矛盾するわけでは全くない。自由主義と民主主義の範囲内で上のような政策も十分に成り立つ(もっとも上のような簡単・単純な政策の叙述自体に同意しているわけではない)。
 「自由・民主」の意味について、(日本共産党も何か関係する宣言を出している筈だが、自党の理解も含めて)もう少し考えていただいた方がよい。
 上に引用しなかったが、イギリス労働党と北朝鮮労働党を「労働党」という名前だけで同類視しない筈との名?文章があった。だが、コメント者が問題にしているのは、いくつかの人名で代表される、マルクス主義又はマルクス・レーニン主義(=日本共産党における「科学的社会主義」)を採用し、社会主義社会・共産主義社会への展望を綱領で(どんなに短い文章でも)示している政党、という意味だろう。
 従って、「「社会主義」「共産主義」「共産党」の看板掲げているからといって、彼らのやってる事がすべて「社会主義」「共産主義」「共産党」というわけではありませんよ」という答え方では答え・反論になっていない。
 むしろ、「すべて…というわけではありません」という表現は、<一部>は<真の>
「社会主義」「共産主義」「共産党」である可能性又は余地を認めるもので、100%の反論に全くなっていない。
 私が日本共産党員としての正答を教えてあげる義理は全くないのだが、同党の立場にかりに立てば、こう言うべきだろう。
 「スターリン、毛沢東、金日成、ホーチミン、ポルポト
」、この人たち(又はこの人たちが指導した国家)は真の「社会主義」者(「社会主義」国家)ではなく、この人たちが指導した共産党は誤った「共産党」だった。従って、正しい路線を歩んでいる日本共産党と同一視するな。
 こう書いておいて、ベトナムのホーチミンについては自信がないことに気づいたが、この人以外については、<日本共産党の主張をよく勉強している>党員ならば、上のように答えるだろう。ソ連について、レーニンまでは正しく、スターリンから誤った、大量虐殺の責任も主として又は大部分はレーニンではなくスターリンにある、と主張しているのが日本共産党だからだ。
 むろん、私はさらに、上の「正答」に反論することもできる。誤っていたスターリンの指導を受け、それを支持していた日本の政党こそが、戦前およびスターリン死亡までの戦後の日本共産党ではなかったのか、ということはすでに書いた。
 他にも、もともとレーニン→マルクスと遡る源流そのものに<血生臭さ>は胚胎していたのであり、表面的には今のところ<平和的>・<紳士的>でも、日本共産党も本質的にはマルクス・レーニン主義のDNAは引き継いでいる筈ではないのか、との疑問を出しておくことも可能だろう。
 思わぬ長文になったが、最後にいくつか。
 とくに上の後者の回答者党員の知的レベルの低さは何とかしないと、ブログ上で、日本共産党は(ますます)恥を掻くことになるのではないか。
 また、同回答者の他の文章にもかなり目を通してみたが、要するに、日々の赤旗(新聞)や選挙パンフに書かれてあることをなぞっているにすぎない。語彙・概念に独自なものはなく、すべて共産党用語だ。歴史や基礎理論の勉強の足りない党員が、赤旗や選挙パンフの文章を多少は順序を変えて反復しているに過ぎない。
 ついでに。いつぞや共産主義(→日本共産党)は「宗教的」ではなく「宗教」そのもの、と書いたことがあった。党員の精神衛生のためには、日々、教典にもとづく教祖の具体的教えが書かれた文章を読み、「正しい」ものとして学習し、それに基づいて、場合によっては信者を増やすべく布教をする必要があるのだろう。
 日本共産党のようなとくにイデオロギー性の強い政党については、入党というのは教祖又は宗教への全面帰依を意味する。入党するということは<思想・信条の自由>・<信仰の自由>を丸ごと放棄することと同義だ。
 そのようにして「自由」を喪失した者は、自分の言葉・概念・論理で語る能力もまた(ごく一部の幹部候補生以外は)失っていく。そのような人たちが、ネット上でもけっこう多数うごめいていることを知ると、本当に可哀想だ、気の毒だ、と私は心から感じざるをえない。
 日本共産党に未来はないのに…。

0249/日本共産党員<嶋1971>氏が何か言っているようだ。

 頻繁にではなく、ときに、「秋月瑛二」のウェブ上での扱いに関心をもって検索してみることがある。
 
すると、私が6/11に書いた「嶋1971・たしかな野党を応援し続ける勇気を!というブログ」に対する<嶋1971>氏の6/16付の反論らしきものを見つけた。
 個別のブロガー?相互のやりとりはこうして公にするものではないかもしれないが、私自身が蒔いたタネなのでやむをえない。さらに反応しておくことにする。
 嶋?氏の文は同氏のブログ中にではなく、なぜか2チャンネル上でなされている。発表媒体の問題はともかく、同氏の文は正確には反論文ではない。
 私は「嶋1971・たしかな野党を応援し続ける勇気を!」というブログの運営者が「日本共産党の支持者」とか「私は支持者とはいえ日本共産党の主張・政策に共感を持つ時も持たない時もある…」とか<ブロフィール>で書いていることについて、「大ウソ」であり、日本共産党員だとほぼ間違いなく言えるとしてその理由も書いた。
 これについて嶋氏は<私は絶対に日本共産党員でない>と主張してくるなら反論だろうが、同氏は「私は秋月瑛二氏について、私のブログへのリンクを無断で貼ってこない事を理由に「紳士」と感じていたが撤回する事にした。/彼は自身のブログで私の事を「自己紹介でウソをついている。」などと書いたためだ」としか反応していない。要するに、批判してきたから「紳士」との印象を撤回する、というだけのことだ。このことは、嶋氏が自分が日本共産党員であることを認めたに等しい、と私は理解する。
 なお、次のような抗議・不服らしい文も付いている。→「一般ブロガーの自己紹介に対しては「はあ、そうですか」程度に受け止めるのが普通だと思う。
 ここでの「一般ブロガー」の意味は私には解りにくいが、それは別として、はたして、上のように「自己紹介に対しては「はあ、そうですか」程度に受け止めるのが普通」なのだろうか。
 むろん殆どの場合、
「はあ、そうですか
という程度で受けとめるしかない。ブロガーの自己紹介の真否をいちいち確かめる方法などありはしないからだ。また、いちいち真偽につき質問をしまくるヒマな人もいないだろう。
 だが私は、いちおう、「反共産主義」を一つの柱にしたブログを書いてきている。そして、ネット上には所謂ネットウヨのみならず、九条護憲派や日本共産党員のブログ(ネットサヨ?)が意外に多いことに気づいているのだが、そうした関心を元来もつ者が、ほとんど明瞭に共産党員であることが確実な経歴を書き本文も書いているブロガーが、自己紹介欄で
「日本共産党の支持者」・「「代々木レッズ」のサポーター」などと書いているのを知るに至った場合、「ウソ」をつくな、と感じ、その旨を自分のブログ・エントリーで書いても、いかなる非難の対象にもならないと考える(個別のブログを対象にしてよかったかという<政策的判断レベルの>問題は私も感じているが、それを禁止するルールはない筈だ。そうでないとコメント等もできなくなる)。
 嶋氏は私を「卑怯」だともいう→秋月氏は「自分のブログが私のブログよりも「週間IN」の数が多いのをいい事に、私の名誉を傷付ける事を書くのだとしたら卑怯だと思う。/私の秋月…氏への評価は「卑怯」とする。
 ご自由にご判断を、という所だが、私は「
自分のブログが私のブログよりも「週間IN」の数が多いのをいい事に」
嶋氏の自己紹介ぶりを批判したわけでは全くない。嶋氏のブログが上位にあっても同じことをしただろう。従って、「だとしたら」という前提条件が間違っているので、「評価は「卑怯」とする。」と断定的文も取消ししておいて欲しいものだ(どうでもいいが)。
 同じ前提に立って、秋月氏は「自分のブログよりも「週間IN」が少ないブロガーしかたたく事が出来ないほど肝っ玉が小さいんだろう」とも書いている。ここまで来ると、気の毒としかいいようがない。
 なぜ自分が批判の対象になったのかについて、プロフィールに「ウソ」を書いたのが原因であることを忘れたくて、自分のブログの方が(特定のランキングサイトの)人気順位が下だから批判されたのだ、と別の理由によることにしたいのだ(こういうのを心理学的に何て言うのだろう?)。
 繰り返しておくが、「ウソ」を明瞭に感じたからこそ取り上げたのだ。考え方が違うからといって、日本共産党員と堂々と名乗っている者のブログの内容を個別的に批判するつもりは(少なくとも現時点では)ない。ましてや、ランキングが偶々下位のブログだから批判したのだろうと想像するのは、哄笑に値するほどの、<げすの勘ぐり>だ。
 いま一つ、秋月氏も「記事捏造の記者と同じじゃないかと思う」と書いている。これは意味不明だ。嶋氏に関して、捏造をした覚えはない。すべて嶋氏が公にしている情報をもとに書いた。謂われなき誹謗中傷とは、きっと、こういうのを言うのだろう。そして「科学的社会主義」の政党の党員も、こういう事実無根の誹謗を平気で書いているわけだ。
 以上だが、2チャンネル上の他の人の情報だと、「嶋1971」氏は男性らしく、しかも本名まで書かれていた(真偽は知らない)。じつは私は文章の感じから、女性かと思っていた。
 ついでに、きわめて例外的だが、ブログの内容について、この人のものに関してのみ2件コメントしておく。
 「君が代」斉唱時不起立教員解雇訴訟東京地裁判決(東京都側勝訴)が出たあと嶋?氏の上記ブログ6/21は書く-「「君が代」の歌唱や伴奏なんてやりたい人だけにやらせればいいじゃない、と思います」。
 さすが、日本共産党員。いや、何という単純・幼稚さ。
 6/24にいわく-「私は今後9年以内2016年までに、日本共産党が国政で政権入りすると予想しています」。根拠は定かでなく、米国の通告による日米安保の廃棄が前提になっているようだ。
 私、秋月の予想では、現状並みか、それ以下の「泡沫政党」化している(=「諸派」の一つとなっている)。そして消滅(=解党)への途を順調に歩んでいる
 日本共産党の勢力が伸張する根拠・条件など、どこにもない。かりに万が一一時的に議員数が増えることがあっても与党や他党の失策に対する批判票の受け皿になるだけのことで、積極的な日本共産党支持者が増えたわけではなく、ましてや社会主義(・共産主義)の理想が浸透してきた、などというような冗談話は全くありえない。 
 日本共産党とその追随勢力に未来はない。
 日本共産党は1922年にコミンテルン(国際共産党)日本支部としてロシア(ソ連)共産党の理論的・財政的援助のもとで、マルクス・レーニン主義という外国産の「悪魔の思想」に依拠して設立された。
 マルクス・レーニン主義を基礎とするという点で、共通の祖先を持つものに、旧ロシア(ソ連)共産党のほか、中国共産党、北朝鮮労働党(金日成父子)、カンボジア・旧ポルポト派、東欧の旧ルーマニア共産党(チャウシェスク)、旧東独社会主義統一党(ホーネッカー)等々、日本のかつてのブンド(共産主義者同盟)、日本赤軍、現在の(革共同)革マル派・中核派等々がある。
 同じ「親戚」のフランス共産党は今年6月の下院議員選挙で22→15と議席数を減少させた(第一回投票後は9~13の範囲内で半減の予想だったので、それに比べればまだ「善戦」した)。かつて1980年代、仏社会党とともにミッテラン大統領を支えた頃に比べると、見る影もない。イギリス、ドイツにはもともと(戦後~)、イタリアには今や、「共産党」と称する政党は存在していない。

0216/嶋1971・たしかな野党を応援し続ける勇気を!というブログ。

 「嶋1971☆たしかな野党を応援し続ける勇気を!」というブログサイトがある。
 日本共産党系サイトのようだが、内容に逐一立ち入らない(立ち入ると無駄な字数と時間が要る)。但し、その「プロフィール」に含まれている<大ウソ>に触れておきたい。
 まず、「日本共産党の支持者」、「「代々木レッズ」のサポーター」と自己紹介する。
 そして「1996年から国政選挙も地方選挙も日本共産党を地道に応援支持」、「2002年以降、選挙の時だけ投票するのではなく、選挙の無い時でも全戸ビラ配布や、自分の住むマンションを回っての署名活動などをがんばっています」、「2002年10月から「しんぶん赤旗」日刊紙配達を始める。/2003年4月から「しんぶん赤旗」日曜版の配達・集金を始めて現在に至る」等と書いている。
 さて、私の常識的感覚によって指摘しておくが、日本共産党の単なる支持者・サポーターが同党のための<全戸ビラ配布>・<赤旗配達・集金>を行うはずがない(また日本共産党もそんな人に配達・集金を任せない)。民青同盟員ならばそういう活動を行う可能性はある。しかし、この人は民青同盟員となれるための年齢制限を超えている筈だ。
 ということはこの「嶋1971」氏は日本共産党員に他ならず、自己紹介でウソをついている。党員であることを隠したい事情があるだろうことは理解できなくはない。だが、ハンドルネームを利用していること、執筆内容からしても党員であることの推測は容易にできること、等からして、ウソをつく意味は全く又は殆どない、ということに気づくべきだ。
 したがって、<逃げ道>を作っている次の文もウソだ。→「私は支持者とはいえ日本共産党の主張・政策に共感を持つ時も持たない時もあるので、必ずしも「私の考え=日本共産党の考え」ではありません」。
 「プロフィール」欄に他にいろいろ書かれている日本共産党<幻想>にも立ち入らないが、一点だけ言及する。
 「1991年に崩壊した旧ソ連では
ソ連共産党が国政で政権を握る事で国民多数が抑圧された」という過去・既成事実はありますが…/
今までの日本では「日本共産党が国政で政権を握る事で国民多数が増税で苦しめられた」という事はなかったでしょう。だから「共産党」という党名だけでビビる必要はないと思います。
 この部分の問い(らしきもの)と回答?は対応していない。又は、回答は回答(釈明・開き直り)になっていない。
 なぜなら、「
今までの日本では「日本共産党が国政で政権を握る」」ことなど一度もなかったからだ。従って日本で「共産党が国政で政権を握る」ことによって「国民多数が増税」で影響を受けたということ自体もともとありえなかったことなのであり、経験(歴史)による反論は回答(釈明・開き直り)に全くなっていない。
 さらに<増税一般が悪か>と問い糾したくもなったが、やめておこう。
 日本共産党に未来はない。「嶋1971」さんも、すみやかに活動をやめ、すみやかに離党して、かけがえのない、一度しかない人生を、意味のあることをして生きていただきたいものだ。

ギャラリー
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