秋月瑛二の「憂国」つぶやき日記

政治・社会・思想-反日本共産党・反共産主義

2014年05月

1245/「共産主義への憧れ」を語る者が現存するごとく共産主義思想は死んでいない。

 三〇歳前後の男が、「共産主義への憧れはもっていますね」と明確に言うのをじかに聴いたことがある。少しは酒が入ってはいたが、それはこのつぶやきの真実性又は本音ぶりをむしろ増すものだろう。
 ところで、渡辺利夫・国家覚醒-身捨つるほどの祖国はありや(海竜社、2013)のはしがきの中には「冷戦崩壊後」という言葉があり、この渡辺だったか別の人の著書だったか、「共産主義(マルクス主義)の敗北が明らかになった後も…」という文章をごく最近に読んだことがある。
 中西輝政もまた、月刊正論4月号で「冷戦」について、「世界的にはソ連が消滅する一九九一年まで続いた」と語っている(p.56)。
 ソ連崩壊が重要な出来事であり世界史的画期だったことを否定しないが、東アジアでは「冷戦」は終わらなかった、中国や北朝鮮等の残存が証左である、等のことをこれまでこの欄で強調してもきた。さらに追加すれば、共産主義社会を究極的には志向する日本共産党という「共産主義」政党、中国共産党をかつてとは違って<友党>のごとく扱っている政党の存在こそが、日本内部においてすら<冷戦構造>が残っていることを明らかにしているようにみえる。特定の論者にとっては「共産主義(マルクス主義)の敗北が明らかになった」のかもしれないが、日本社会全体、日本人全体にとっては客観的には決してそうではない、と思える。
 自由主義対共産主義という対立は終わっておらず、<反共>か<容共>かが、現下の、石原慎太郎がしばしば引き合いに出す毛沢東の書物にいう、<最大の矛盾>点であり、最大の対立軸である、と考えている。
 日本共産党は当然だが、朝日新聞や岩波書店あるいは諸「左翼」論者がどちらの立場に客観的には立っているかが最重要な問題として意識されなければならない。
 中国や北朝鮮の現実にはいっさい又はほとんど言及せず、ときに<反米>的言辞を織り交ぜながら、安倍晋三内閣を「戦争準備政権」等々と称して、とにもかくにも安倍内閣がしようとしていることに反対し、あるいはいちゃもんをつけている輩は、客観的には中国(中国共産党)や北朝鮮(同労働党)を利する、<容共>の者たちであることをしかと確認しておかなければならない。
 冒頭に登場させた人物のごとく、ひょっとすれば「左翼的な」高校までの教育を受け、大学でさらにその「左翼」性を(主観的にはまるで自然・当然の<正当な>考え方を持っていると意識するようになるまでに)増した結果として、「共産主義への憧れ」を公然と語る日本人が現に存在することを忘れてはいけない。
 日本共産党へ投票する者の中にはさまざまな人がおり、単純に反自民党又は反「保守」気分だけの者もいるかもしれないが、まじめな?日本共産党員も含めて、「共産主義に憧れている」日本人はまだ!少なからず存在しているのだ。
 中西輝政はどこかで社会主義・共産主義あるいはマルクス主義を正面から主張しずらくなった「冷戦崩壊」以降、日本の「左翼」は<反日>を正面に掲げた、というような趣旨を書いていたが、<反日>の背後で社会主義・共産主義あるいはマルクス主義を決して捨てていないこと、あるいは<容共>・<親共>主義にとどまっていること(これはまた中国・同共産党をまったくかほとんど批判しない、という、あるいは中国・同共産党を刺激するような<ナショナリズム>的言動を日本はすべきではないなどと主張する、朝日新聞的「親中」主義でもあること)を看過してはいけない。
 むろん中西輝政はさすがに、上記の月刊正論4月号の中で、「共産主義と冷戦」の責任を対外的にもむ対内的にも追及しなかった「冷戦崩壊」以降の風潮を鋭く批判している。「ロシア革命以来の共産政権を生み出した国々こそ、『平和に対する罪』『人道に対する罪』が適用されるべき『人類史上の大罪を犯した侵略国家』として裁かれるべき」なのだ(p.57)。
 1990年頃以降、日本の政界・論壇等々はいったい何をしてきたのか。日本共産党の<ソ連は社会主義国家ではなかった>などという奇妙な反論?に納得したわけでもあるまいが、日本共産党や日本内部にいる(ソ連崩壊までソ連等の「社会主義」国に米国よりも親近感・期待感をもって議論してきた)「左翼」マスコミ、「左翼」論者等々の<責任>をいかほどきちんと追及したのか?
 1990年代に反自民細川政権、日本社会党首班の自社さ連立政権を成立させるとは、日本人全体又は多くが<狂って>いたとしか思えない。
 何度も書いたが、米国にもポルトガルを除く欧州諸国にもコミュニスト政党は存在しない(ドイツでは結成自体が法的に禁止されている)。日本は特異であり、異様なのだ。これまた、日本人特有の「お人好し」、外来思想をある程度は取り込むことに長けた日本人の特性に由来するのだろうか。困ったことだ。
 中川八洋はルソーを称揚すればマルクスは何度でもよみがえる、と書いていた。ルソーにまで遡らなくとも、日本共産党を批判しかつ同党から批判されながらも、明らかに「反共」ではなく「容共」論者であった丸山真男を称揚する書物は今日でも新たに発行されている。丸山真男を称揚しておけば、「左翼」=<容共>主義は何度でも蘇り、維持されるだろう。怖ろしいことだ。
 

 

1244/鳥居民評論集・昭和史を読み解く(2013.11)の一部。

 鳥居民評論集・昭和史を読み解く(草思社、2013.11)は著者の逝去後に編まれたようで、未公開だったものも含んでいる。
 その一部、p.110以下のうち、さらに一部のみをメモしておきたい。
 ・矢部貞治・近衛文磨は近衛の時代の不可欠の文献だが、「都留、ノーマンの記述は一行もない」。この本の刊行時、「ノーマンが近衛を戦争犯罪人だと告発した意見書」をGHQに「提出していたという事実は明らかにされていなかったから」だ。そして「ノーマンの協力者が都留であったという事実にも目は向けられることがなかった」。
 ・工藤美代子・われ巣鴨に出頭せずは「ノーマンと都留重人の役割を指摘していて画期的」だ。
 ・私(鳥居)は著書・近衛文磨黙して死すで、「近衛の死は都留重人とノーマンを利用して木戸が仕掛けたものだと論じた」。
 ・吉田茂は知っていたにもかかわらず、近衛を擁護しなかった。その理由は「天皇が近衛を嫌ったからだ」。「なぜ、天皇は近衛を嫌ったのか、内大臣の木戸が近衛を悪く言ったからだ」。/以上
 終戦・敗戦前のことに大きな関心は持たないのだが、共産主義勢力・コミンテルンが日本を戦争に巻き込み、拡大させた、アメリカ政府内にもコミュニストが根を張っていた等の話は当然に関心を持っている。上にいう「木戸」とは、当然に木戸孝允の孫・木戸幸一。
 鳥居民の所論も、今のところ得心している。
 そして、戦前にアメリカに留学してコミュニズム、アメリカ共産党の影響を受けた都留重人が、戦後は一橋大学の学長にまでなり、1960-70年代の論壇を代表する<進歩的文化人>であったこと、そして、日本国憲法を含む「戦後体制」の確立・維持を図った重要な人物であったことに、今さらながら戦慄を覚えざるをえない。

1243/資料・史料ー<国有境内地処分法>。

 資料・史料 <国有境内地処分法>(社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律)

 伊勢神宮等の敷地等が戦前の国有地から戦後当初に宗教法人に無償譲渡されたことはよく知られている。
 その経緯(・神社側の苦労・奮闘等)を伊勢神宮について叙述した伊勢神宮崇敬会叢書の一つも所持しているのだが、仔細は省略して、まだ生きているようである根拠法律・同施行令を、やや長いがそのまま掲載しておく(附則は省略)。いずれも、現憲法施行直前に制定されたが、その後に若干の改正を受けた現行のものである。
 
 「昭和二十二年法律第五十三号(社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律
  昭和十四年法律第七十八号を次のように改正する。
 第一条  社寺上地、地租改正、寄附(地方公共団体からの寄附については、これに実質上負担を生ぜしめなかつたものに限る。)又は寄附金による購入(地方公共団体からの寄附金については、これに実質上負担を生ぜしめなかつたものに限る。)によつて国有となつた国有財産で、この法律施行の際、現に神社、寺院又は教会(以下社寺等という。)に対し、国有財産法によつて無償で貸し付けてあるもの、又は国有林野法によつて保管させてあるもののうち、その社寺等の宗教活動を行うのに必要なものは、その社寺等において、この法律施行後一年内に申請をしたときは、主務大臣が、これをその社寺等に譲与することができる。
 第二条  この法律施行の際、現に国有財産法によつて社寺等に無償で貸し付けてある国有財産で、前条の規定による譲与をしないもののうち、その社寺等の宗教活動を行うのに必要なものは、同条の申請をしたものについては、譲与をしないことの決定通知を受けた日から、六箇月内に、その他のものについては、この法律施行の日から、一年内に、申請をしたときは、主務大臣は、時価の半額で、随意契約によつて、これをその社寺等に売り払うことができる。
 2  前条に規定する行政処分について、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)による不服申立てをした者は、前項の期間満了後も、その不服申立てに対する決定書又は裁決書を受領した日から、なお三箇月内に、前項の売払の申請をすることができる。
 第三条  第一条又は前条第一項の規定によつて、譲与又は売払をする国有財産の範囲は、勅令でこれを定める。
 第四条  第一条又は第二条第一項の規定によつて、譲与又は売払をすることができる国有財産(以下従前の土地という。)が、その譲与又は売払前に、土地改良法による土地改良事業又は土地区画整理法による土地区画整理事業の施行地区に編入せられた場合において、その従前の土地に係る換地処分に関して、国が清算金の交付又は補償金の支払を受ける場合は、主務大臣は、従前の土地にあつた社寺等が、換地処分の告示のあつた時から、一年内に、申請をしたときは、第一条に規定する従前の土地に係る清算金又は補償金については、その金額に相当する債権を、第二条第一項に規定する従前の土地に係る清算金又は補償金については、その金額の半額に相当する債権をその社寺等に譲渡することができる。
○2  国が土地改良法又は土地区画整理法の規定によつて、費用を負担せしめられる場合又は従前の土地に係る換地処分に関して、国が清算金を徴収せられる場合は、第一条に規定する従前の土地に係る負担金又は清算金については、その金額に相当する債務を、第二条第一項に規定する従前の土地に係る負担金又は清算金については、その金額の半額に相当する債務をその社寺等に負担せしめる。
 第五条  従前の土地が、その譲与又は売払前に、土地改良法による土地改良事業又は土地区画整理法による土地区画整理事業の施行地区に編入せられた場合において、従前の土地にあつた社寺等が、その交付せられた換地以外の土地に移転する必要のあるときは、主務大臣は、その社寺等が、換地処分の告示のあつた時から、一年内に、申請をしたときは、その社寺等に対し、第一条に規定する従前の土地の換地及び従前の土地に定著する国有物件については、譲与を、第二条第一項に規定する従前の土地の換地及び従前の土地に定著する国有物件については、時価の半額で、売払をすることができる。
 第六条  削除
 第七条  第二条第一項及び第五条の規定による売払代金については、命令の定めるところによつて、十年内の年賦延納又は土地による代物弁済を認めることができる。」

 「社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律施行令
(昭和二十二年五月一日勅令第百九十号)
 最終改正:昭和二八年八月一日政令第一四七号
 第一条  社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律 (昭和二十二年法律第五十三号。以下「法」という。)第一条 又は第二条第一項 の規定によつて、社寺等に譲与又は売払をする国有財産は、左の各号の一に該当するものとする。
 一  本殿、拝殿、社務所、本堂、くり、会堂その他社寺等に必要な建物又は工作物の敷地に供する土地
 二  宗教上の儀式又は行事を行うため必要な土地
 三  参道として必要な土地
 四  庭園として必要な土地
 五  社寺等の尊厳を保持するため必要な土地
 六  社寺等の災害を防止するため直接必要な土地
 七  歴史又は古記等によつて社寺等に特別の由緒ある土地
 八  その社寺等において現に公益事業のため使用する土地
 九  前各号の土地における立木竹その他の定著物
 2  その社寺等の所属教派若しくは宗派、その社寺等の主管者又はその社寺等が主宰する財団法人の経営する公益事業がその社寺等の経営に準ずるものと認められるときは、その事業のため現に使用する土地及びその定著物は、これを社寺等に譲与又は売払をすることができる。
 第二条  法第一条 及び法第二条第一項 に規定する国有財産で、国土保安その他公益上又は森林経営上国において特に必要があると認めるものは、国有として存置し、前条の規定にかかわらず、譲与又は売払をしない。
 第三条  法第七条 の規定による年賦延納は、売払代金の全額を一時に納付することが困難な場合に限り、これを認める。
 2  年賦延納を認める場合には国債で延納金額に相当する担保を提供した場合を除いては、民法第三百二十五条第三号 に規定する先取特権の登記をしなければならない。
 第四条  法第七条 の規定による代物弁済は、売払代金が十万円以上で、現金で納付することが著しく困難な場合に限り、これを認める。
 2  代物弁済に充てようとする土地は、価額五万円以上で、担保権の設定なく、且つ管理又は処分上適当なものでなければならない。
 3  代物弁済を認めた場合は、その土地について、所有権移転の登記が完了したときに、弁済があつたものとみなす。
 第五条  法第十三条 の規定による補償は、神社又は寺院が、この勅令施行の日から、一年内に、申請をしたとき、左の各号の定めるところにより、これを行う。
 一  神社又は寺院の植栽した森林で、法第十二条 の規定によつて部分林としないものについては、主務大臣の定めるところによつて、この勅令施行の日におけるその森林の立木竹の価額の十分の八の額を立木竹又は林産物で、その神社又は寺院に交付する。但し、その十分の八の額が植林又は植林上必要な施設のため、神社又は寺院が支出した金額に年五分の複利計算による利息の額を合算した額に達しないときは、その合算額を立木竹又は林産物で交付する。
 二  神社又は寺院の植栽した森林以外の森林について、神社又は寺院が、林道又は砂防、防火その他の施設の新設改良したものについては、主務大臣の定めるところにより、その新設した施設の価値又は改良した部分の価値の現存するものに限り、この勅令施行の日におけるその評価額を立木竹又は林産物で、その神社又は寺院に交付する。但し、その評価額が、施設の新設改良費に年五分の複利計算による利息の額を合算した額を超えるときは、その合算額を限度とする。」
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