〇サピオ7/22号(小学館)p.14に、小池百合子「私が『基地対策特別委員会』を抗議の辞任した理由/防衛大綱・『敵基地攻撃能力の保有』はこうして骨抜きにされた」がある。
 これによると、自民党「防衛計画の大綱」案の提言の柱は固まっていたところ、山崎拓が6/09に「敵基地攻撃能力の保有」という柱に「予防的先制攻撃は行わない」との文言を追加するよう主張し、これが最終的にもとおってしまったため、小池は上記の辞任をした。
 日経ビジネス7/13号(日経BP社)p.112は、山崎拓「船舶検査で核開発阻止を急げ」を載せる。その中で山崎はこう書く(構成・鈴木裕美)。-自民党小委員会は「敵基地攻撃能力の保有」を提言しているが、これを実施すると「膨大な防衛費が必要なるうえ、防衛政策を大転換」する必要が出てくる「専守防衛」・「非軍事大国」・「非核三原則厳守」の「国防3大方針」を全て変える必要があり、「これは『戦争放棄』をやめたというメッセージと取られかねない」
 時期の関係か、山崎は上では「予防的先制攻撃は行わない」との追記の主張は書いていない。
 詳細に触れないが、「敵基地攻撃能力の保有」を謳いながら「でも使いませんよ」=「予防的先制攻撃は行わない」と明記するのでは「意味も抑止力もない」とする小池百合子の方がまともな見解・主張だろう。
 山崎拓は、日本国憲法9条護持論者なのだろうか。そうだとすると、自民党の党是に反するのではないか。あるいは、<現憲法のもとでは>という限定・条件つきの主張をしているのだろうか。そうだとしても、現憲法の解釈として山崎の主張=「解釈」が正しいものではないことは明らかだ。九条1項の「戦争放棄」条項のもとでも、自衛のためにならば正当な「実力行使」をする意思くらい十分にありますよ、とのメッセージを伝えた方が、日本の国家と国民は安全なのではないか。
 そもそも、「…というメッセージと取られかねない」と懸念する相手方は、中国・北朝鮮なのではないか。なぜ、そこまで、中国・北朝鮮に<配慮する>のだろう。
 山崎は<反麻生>グループとしてテレビにはほとんど顔を出さないようでもあるが、加藤紘一・武部勤・中川秀直・塩崎恭久・後藤田正純・河野太郎、ついでに鳩山邦夫あたりと一緒に、自民党とは別の党を作ってご活躍いただきたい。残る自民党を無条件に支持しているわけでは全くないが。

 〇観なかったが、上掲のサピオ7/22(小学館)p.55以下の小林よしのり「ゴーマニズム宣言/『集団自決』NHK捏造番組」によると、NHKは6/22に、「『集団自決』戦後64年の告白」という、「またも反日捏造番組」を放送したらしい。
 日本の台湾「統治」もそうだが、沖縄や沖縄戦の歴史や詳細に詳しくない視聴者は多い。そのいわば(私もかなりそうだが)<無知>に乗じて「公共放送」からデマ・ウソを垂れ流されたのではたまったものではない。
 小林よしのりによると、渡嘉敷島で「集団自決が日本軍の責任」と主張しているのは、NHKが上記番組の「主人公」とした金城重栄・重明兄弟ら「ごくわずか」しかいない(p.57)。また、その金城重栄さえも「軍命令があった」とまでは明言しなかったため、NHK上記番組は、「生きて虜囚の辱めを受けず、鬼畜米英、そして手榴弾の音、金城さんにとってそれは自決命令でした」とのナレーションを挿入した、という(p.62)。
 NHKの社会・歴史系ドキュメンタリー類の<左翼偏向>は疑いえないようだ
 高校までの学校教育における少なくとも<何となく左翼>教育、大学の社会・人文系学部における<左翼>的教育を受けたうえで、マスコミや官界や法曹界等に入っていく…。NHK内でも、そういう者が相対的には多数なのだろう。
 従って、というとかなり飛躍するが、数年来中西輝政が期待を込めて語っている<政界(政党)再編>があっても、鳩山由紀夫おぼっちゃまを典型・代表とする(と私は感じている)<何となく左翼(・進歩)>派が多数を占め、中西輝政が支持するグループはおそらく間違いなく多数派にはならないだろう。そう願っているのではなく、客観的と主観的には思われる<予測>を語っている。