時田英之なる人物が執筆している読売9/19の「2007思潮9月」(論壇の総括・時評のようなもの)を読むと、この新聞が決して「保守」ではないことがよく分かる。産経などよりもはるかに朝日新聞に近く、朝日の同種の記事・論壇評論欄として読まされても区別がつかないほどだ。
 上の印象への過程の説明は省略する。
 いずれにせよ、「保守」とともに曖昧な「リベラル」という概念を使っておくと、朝日は<リベラル左派>であるのに対して、読売は、少なくとも時田英之は、せいぜい<リベラル右派>なのではないか。
 読売の個々の記事・コメント類にはこれまでも批判的に言及したことがある。だが、読売新聞内の論壇の評論・分析者がこれでは、ますます、この新聞は信用がおけない(産経が信用できると言っているわけではない)。
 読売は、社説は(朝日と違って)けっこうまともなのだが、他の一般記事は朝日・毎日らと大して違いないのではないか。
 朝日新聞社全体の論調と<闘う>という迫力をこの新聞社から感じることはできない。だから、朝日との棲み分けを狙っているのではないか、との邪推?も生じてくる。
 ところで、週刊新潮9/27の櫻井よしこコラムは読売批判、そして渡辺恒雄批判が厳しい。渡辺は、安倍が靖国参拝すると読売1000万部の力で「倒す」旨を発言したらしい。
 渡辺が元日本共産党員だったことを理由にするつもりは全くないし、櫻井も言及すらしていない。正しく<思想>を変更すること=マルクス主義から脱却することはよいことだ。
 だが80歳を越えた老人の影響力がまだ残っているようでは、天下の読売も情けないものだ。心ある読売人は恥ずかしくないのか。