読売8/02夕刊によると、参院選投開票日7/29の夕方、森元首相・青木参院議員会長・中川幹事長の三人は自民党40未満だと安倍首相退陣で一致した、その後安倍首相に伝えると「首相は色をなして反論し、続投に強い意欲を示した」ので、三氏も最終的に支持した、という。同8/03朝刊によると、上の記事に関して、安倍首相は「その話は誰にも聞いていない」と答えたらしい。
 むろん分からないが、事実のような気がする。そして、青木あたりからリークされた情報ではないか。それはともかく、事実だとすれば、次のような感想が生じる。
 第一に、勝手な推測、それこそ憶測になるのだが、安倍晋三の朝日新聞に対する敵愾心だ。これで首相を辞任してしまったのでは朝日新聞(の策略)に負けたことになってしまう、と強く感じていたのではなかろうか(本当は「感じておられた」と敬語をつけるべきかもしれない)。そして、朝日新聞と安倍の関係を十分に?知っている私には、そういう感情が生まれることはじつによく理解できるのだ。
 むろん、加えて、(形式的にはともかく)敗北の実質的な責任の大半が自分にあるわけではない、自分の「路線」・「基本的考え」が否定されたわけではない、という強い思いもあっただろう。
 安倍首相自身ではなく諸閣僚の発言・行動が問題にされ、<イメージ>の悪さへとつながったことは否定できないだろう。そしてまた、そういう部分に焦点をあてて報道して<反安倍>・<反自民>を煽る朝日新聞等のマスコミに対する――表立っては言えないのだが――強い不満もあったのではないか、と思われる。
 第二に、上のような三人のいったんの合意が事実ならば、次のような推測は誤りであることが歴然とする。
 すなわち、一部には、安倍首相続投判断について、<自民党の長老どもが次の衆議院選も考え、衆院選にも惨敗しても安倍に全ての責任を押しつけ、失脚させる、と構想している可能性はある。安倍首相は「半ば晒し者で罰ゲームと同じ状況かも」>と想像する向きもあるようなのだ。
 このような憶測にはもともと、「自民党の長老ども」とはいったい誰々か、そんな悪?知恵を働かせることのできる「長老」はいるのか、という疑問がある。「長老」かもしれない森氏・青木氏は、上によるといったんは<続投なし>で一致している。
 さらに、安倍首相を「半ば晒し者」にしたまま「衆院選にも惨敗」させて失脚させる、などという余裕がそもそも自民党にあるのか、という基本的な疑問がある。
 陰謀史観的で面白いが、上のような推測は、些か「深読みし過ぎ」で、推測者は些か<変わった思考趣味>の方ではなかろうか。